宗教戦争に顔を突っ込む

2019-08-08 08:02

いきなり何を書き出したかといえばこの記事である。

将来性がないとされた5つのプログラミング言語の筆頭に、日本では有望と扱われることが多いRubyが挙げられているため。理由としては、過去18カ月でTIOBEのランキングが9位から12位に後退していること、同サイトが扱う求人データでRubyのスキルを必要とする求人が56%も減少していることが挙げられているが、海外はともかく日本から見るとやや違和感のある内容ということで、Twitterでは主に日本からのツッコミが入りまくっている。

引用元:え、そうなの? 「将来性のないプログラミング言語5選」の内容に各所からツッコミ【やじうまWatch】 - INTERNET Watch

どのプログラミング言語が有力か?という議論はまあ絶対に収束することがない。Visual BasicだってJavaだって使われている数からすれば有力だ。私はSwift原理主義者だがその非論理性についての自覚は(ちょっとだけだが)持っている。とはいえ、この結果にはある程度の妥当性を感じるのも確か。

Rubyというのは日本発の言語だから日本人が感情的に反発するのはわかる。しかしRuby on Railsってもう最近聞かないし、機械学習ではライバル(と私が勝手に思っている)Pythonが圧倒的に優位だ。となるとRubyを使う理由がない。

というわけで、私が時々勉強してみる言語はRubyからPythonに変わった。だってそっちのほうが絶対今後便利そうなんだもん。今この時点で雇用契約を結んでいる企業では、年に一度筆記試験があり、経営理念とかガイドラインというものを一字一句間違えずに入力することを要求される。その勉強用プログラムをRubyで作っていたがあれももうお払い箱だな。

などという話題はプログラムを自分で書かない人にとってはものすごくどうでもいいことであろう。私にとってキリスト教とか仏教の宗派同士の争いがどうでもいいことと同じくらい。


民主主義万歳

2019-08-07 08:19

米国での銃の乱射事件をうけてオバマが声明をだした。

今回の声明でオバマ氏は乱射事件について、「アメリカほど頻繁に大量乱射事件を経験する国は、地球上にほかにない。この国ほどの銃暴力を容認する先進国はほかにない」と批判した。
さらに、「こういうことが起きるたびに、銃規制法を強化してもすべての殺人を止めるわけじゃない、すべての狂った人間が武器を手にして公の場で無実の人を撃つのを制止するわけじゃないと言われる。しかし証拠が示している。規制を強化すればいくらかの殺人は止められると。いくらかの家族を、心痛から救うことはできると。私たちは無力ではない。全員が立ち上がり、銃法制を変えるよう公職者の責任を問いたださない限り、こうした悲劇はいつまでも続く」と書いた。

引用元:オバマ前米大統領、「憎悪を増幅させる指導者の言葉を拒否すべき」と異例発言 - BBCニュース

彼が言っていることは、現実的であり、正しいことだ。問題は気が狂っているトランプの言葉の方が米国民の心を掴んでいるという現実である。

うちの娘はいまだに

「なんでオバマがまた大統領やらないの?」

と尋ねる。それは憲法上できないのだよ、と教える。何度も書いているが、名古屋市民が河村たかしを支持することが名古屋人以外には理解できないように、なぜアメリカ人の多くがトランプを支持するかはアメリカ人以外には理解できない。

時を同じくして隣国ではこんな発言がなされる。

「南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、韓国は一気に日本の優位に追いつくことができる。平和経済は南北関係と米朝関係にずれがあるからといって、簡単に悲観したり諦めたりすることではない。朝鮮半島の平和秩序を主導的に開拓し、国際舞台での共存共栄と互恵協力の精神を誠実に実践していく」と、“北朝鮮との経済協力“に言及した。

 また、文大統領は「日本の貿易報復に対し、政府と企業と国民が一丸となって対応してくれたことに感謝する」と、反日デモや不買運動を容認し、煽っているとも受け取れる発言もしている。

引用元:「日本に勝つためのツールとして”北朝鮮との夢”を語るのは現実離れ」文大統領の”南北経済協力”発言に波紋(AbemaTIMES) - Yahoo!ニュース

でもってこの大統領も韓国国民の大きな支持を得ている。我が国だってあまり人のことは言えない。鳩山や菅直人ならこれくらいの発言は余裕でやるに違いない。

ちなみにNO JAPANという旗を掲げようとした区長は、批判をあびて撤回に追い込まれたのだそうな。

日本の経済報復を受け、韓国の地方自治体がさまざまな対抗措置を取っている中、多くの外国人観光客が訪れる明洞などがあるソウル市中区が6日、日本製品の不買や日本への旅行中止を呼びかける旗を設置したが、市民らの批判を受けて、その日のうちに撤去する方針を決めた。

引用元:「NO日本」呼びかける旗掲げるも当日撤回 批判殺到で=ソウル市中区(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース

ここらへんの現実的な感覚はとても興味深いところだ。過激な発言を続ける大統領は支持するが、日本人観光客には金を落として欲しい、と。

何度も反省するところだが、自分と異なる相手を「一つのかたまり」としてみるのは間違っている。ここで再度オバマの言葉を引こう。

「私たちは、指導者の口から出てくる恐怖や憎悪を増幅させたり、人種差別的な考えを普通のことのように正常化したりする言葉を、きっぱり拒絶すべきだ。自分たちと見た目の違う人を悪者扱いする指導者、あるいは移民を含めた他人が私たちの暮らしを脅かすと示唆するような指導者、あるいは他の人間を人間以下呼ばわりするような指導者、さらにはアメリカがたった一種類の人間のものだと示唆するような指導者を」と、異例のコメントを発表した。
「このような物言いは新しくない。歴史を通じてほとんどの人間の悲劇の根本には、こういう発言があった。ここアメリカでも、世界中でも。奴隷制度の根本で、(南北戦争以降、1964年まで米南部にあった人種差別的法律の総称)ジム・クロー、ホロコースト、ルワンダの大虐殺、バルカンの民族浄化の根っこにもこうした物言いがあった。私たちの政治や公的生活に、まったくあってはならない。そして今こそ、善良な圧倒多数のアメリカ人、あらゆる人種と信仰のアメリカ人が支持政党を問わず、このような物言いはあってはならないと、はっきりきっぱりと言うべきだ」

引用元:オバマ前米大統領、「憎悪を増幅させる指導者の言葉を拒否すべき」と異例発言 - BBCニュース

ユダヤ人は虐殺しろ、日本は謝罪すべきだ。「ユダヤ人」などという人間は存在しないし「日本」という人間も存在しない。こうした言明は間違っているだけでなく、オバマが書く通り大きな不幸につながっている。このことはそれこそ学校で必修として教えるべきだと思うのだが。


映画評について

2019-08-06 08:26

私にとって大きな謎である「君の名は」の監督が新作を発表した。

「君の名は」は私にとって驚愕の謎映画だったし、この監督が以前発表した「秒速5センチメートル」という作品をAmazon Primeで途中まで見て懲りたのでおそらく私が金を払ってこの映画を見ることはない。というかこの監督背景画にしか興味がないのだね。しかしこの映画について述べている人たちについて書くことはできる。

この映画では一切試写をしなかったのだそうな。

「君の名は。」は膨大な量の試写をして盛り上がりを作ったのが勝因の一つでした。それと正反対なことを選択したんです。

引用元:新海誠監督「天気の子」、新会社だからできた挑戦 (2ページ目):日経ビジネス電子版

この映画は観客を怒らせようとして作ったことを監督が公言している。

でもそこで「じゃあ、怒られないようにしよう」というふうには思わなかったです。むしろ「もっと叱られる映画にしたい」と。そのとき自然に浮かんできたのがそちらの感情だったんですよね。『君の名は。』に怒った人をもっと怒らせたい。たぶんそれこそが、そのときの僕の表現欲求の核にありました。

引用元:「『君の名は。』に怒った人をもっと怒らせたい」――新海誠が新作に込めた覚悟 - Yahoo!ニュース

それゆえ試写はネガティブに働くと判断したのではないかと推測している。実際Yahooの映画評は賛否両論というより否定的な論調が多い。

高評価をつけている映画評を見ていると自分がこの映画を褒めることを必死に正当化しようとしているようなものが目立つ。

賛否両論、様々な評価が現れるだろうという今作。夫婦2人で観てきました。

確かに君の名はで感じた疾走感や物語の展開、後に伏線がつながるドキドキハラハラ感はありませんでした。妻もあんまりだったようです。銃の意味は?とか。

でも自分が感じたこの映画の面白さや期待はそこではなくて。
圧倒的な映像の美しさ、雨の音や光の色彩、視覚聴覚をここぞとばかりに刺激され、予告で期待していた通りのグランドエスケープの鳥肌感、まだまだ若くて青臭い主人公とヒロインの無垢さや真っ直ぐな感情に心打たれ、中途半端に歳をとった自分にはたまりませんでした。

引用元:少なくとも、自分は希望を感じる映画でした - ユーザーレビュー - 天気の子 - 作品 - Yahoo!映画

こういう「自分に言い聞かせるようなレビュー」を読むと、年寄りはスターウォーズ ファントムメナスが公開された直後の反応を思い出す。何十年もまったスターウォーズがこんなにつまらないはずがない。これは面白いんだ、と自分と他人に言い聞かせるような映画評をたくさん見た。ファントムメナスがゴミだという評価が固まるまでにはかなり時間がかかったように記憶している。

現時点でこの映画が多くの客を引き寄せているのは確かだ。細田守の時も実感したが、一度得られた名声は1度や2度のダメ映画ではなかなか衰退しない。おそらく3年後にはまた新作(おそらくさらにダメな映画)が公開されるだろう。その時どのような映画評が読めるか、そして売り上げはどうなるのかを今から楽しみにしておこう。


乱射事件の日常化

2019-08-05 07:57

米国で銃の乱射事件が起こるのは珍しいことではない。しかし最近はあまりに多くて「それっていつの話」ということになりつつある。

Tim Cook CEOが、アメリカのテキサス州とオハイオ州で発生した2件の銃乱射事件に関連し「私の国で起こっていることについて、胸が張り裂けそうです。狂気の定義は、同じ事をしながら異なる結果を期待するということです。様々な考えを持った善良な人々は責任追及をやめ、国のために団結してこの暴力に対処するべきです。」とツイートしています。

引用元:Tim Cook CEO、アメリカで発生した2件の銃乱射事件に関連し、暴力の問題に取り組むべきだとツイート | NEWS | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

テキサスで銃の乱射だーとニュースを見ている間にもう「銃の乱射事件」がオハイオのものになっている。明日には違う事件の話になっているかもしれない。日本のアニメーション会社における恐ろしい事件にもTweetしてくれるTimは、自分の国で起こっていることに心を痛めているのだろう。

敵を作って自分たちを被害者の立場におき、団結を呼びかけるというのはいろいろな国で見られる政治的な手法だと思う。問題はこのテキサスの件に関して言えば、それが裏目にでていること。

と考えればいいのか、そもそもこうした状況になっても一切銃の規制をしようしない彼の国の愚かさを嘆けばいいのか。使われた武器がAK-47ってどういうことなんだろう。

とかなんとか言っている間に、かの国では銃の乱射事件がすっかり日常化している気配もある。ほとんどの国で交通事故による死者が新聞の一面を飾らないように、かの国ではそのうち銃の乱射事件が起こっても、新聞の片隅にものらないようになるのだろうか。


情報弱者が書くGoogle Cloud Next in Tokyoのあるセッション評

2019-08-02 07:52

昨日Google Cloud Next 19 in Tokyoというイベントに行ってきた。本当はあれこれ見る予定だったのだが一つのセッションしか見られなかった。

そのセッションのタイトルは「Google の Diversity & Inclusion に基づいた re:work 〜働くをより良いものに〜」という。これもやたらと長い。プレゼンの冒頭、このプレゼンの目的が映し出される。


脱Googleだからできるんでしょ


これだけ読んでもなんのことかわからないと思う。彼女が言いたかったのは


脱「Googleだからできるんでしょ」


らしい。Googleではこんな仕事のやり方をしてますよ、と言っても「ふーん。でもそれGoogleだからできるんでしょ」と冷ややかな反応を返されるのを変えたいのだそうな。なるほど、ではどう変えてくれるのか聞こうじゃないか。

そう思ってプレゼンに耳を傾ける。KPIじゃなくてOKRです。マネージャーは羊飼いのようでなくちゃいけません、とどこかで聞いたような話がずらずら続く。うん。そうだねGoogleすごいけど、それGoogleだからできるんだよね。

そう思っているうちプレゼンが終わった。なんだこれ。

セッションの後に是非アプリからフィードバックをお願いします、と言われる。アプリを操作して感想を書いてやろうと思うが、どう操作してもアンケート入力画面にたどり着けない。これは私が情報弱者ということだな。

というわけでここに感想を書くしかないわけだ。

脱「Googleだからできるんだよね」という目的はすばらしい。問題はプレゼンターが「なぜそういう冷ややかな反応が返ってくるか」を全く理解していない点にある。プレゼンの内容からして、「実はGoogleは素晴らしいやり方をWebで公開してるんです。みなさんそれを知らないから古い仕事のやり方をしてるんでしょ?」と思っているようだった。

彼女は現実を全く理解していない。KPIじゃなくてOKRなんて話は知識としては誰でも知っている。問題はそれを知りながらKPIを追っかけ回し続け、末端マネージャーには「お前ら業績悪いんだから残業しろ」とプレッシャーをかけ続ける経営者のマインドにある。そうした根本的な問題を勘違いしたまま何を語られても「はあそうですか」としか言いようがない。

本当はこの後のセッションも聞く予定だったが同じ人がしゃべると聞いて聞く気を失った。早々に家路につく。


お国のためにキャッシュレス

2019-08-01 08:16

中央官庁の誰かが「これからはキャッシュレスだ」という錦の御旗を作り上げたんだろうな。

そもそも、キャッシュレス決済が注目される背景には、キャッシュレス化を推進する国策が関係する。2017年にはキャッシュレス決済の割合が約2割だったが、これを2025年に倍の約4割まで伸ばす方針。2020年度に承認される予算を含めると、計約4000億円規模の予算が投下される見込みといい、2019年10月からの消費税増税のタイミングには、経済産業省が「消費増税・ポイント還元施策」も実施される予定だ。

引用元:キャッシュレス化の本質は“消費行動のデータ分析”にあり 楽天ペイメント中村社長が語る - ITmedia Mobile

何度も書いているが、ここには「ユーザにとってそれうれしいの?」が徹底的にかけている。だからなんとかpayは「ポイント還元」しか訴求することができない。

マーケティング担当者がどんな理屈をこねようが、ポイント還元など一時しのぎの目くらましに過ぎない。実際この「お国のために」なんとかPayを導入した会社はこんな状況だ。

「7pay」の不正アクセス被害を受けて「セブン&アイ・ホールディングス」は、グループ各社が展開する通販サイトやアプリについて、利用の際に必要となる会員のパスワードを強制的にリセットする措置を取りました。セキュリティー対策を強化する取り組みの一環で対象は1650万人に上ります。

引用元:“7iD” 会員のパスワードを強制的にリセット | NHKニュース

原因もわからないうちに、とりあえず全員パスワードリセット。よくもこう次から次へとわけのわからない「対策」を取れるものだ。で発生したのがこの「混乱」

不正ログイン被害が相次いだモバイル決済サービス「7pay」や、通販サイト「オムニ7」のログインに使う共通ID「7iD」のパスワードをセブン&アイ・ホールディングスが7月30日に一斉リセットしたところ、パスワードを再設定した一部のユーザーから「アカウントの残高が消えた」「再設定のメールが届かない」との報告が相次いでいる。同社はユーザーがIDの入力を間違えていることが原因で、「システムの不具合ではない」と説明している。

引用元:7iDのパスワード再設定で「残高消えた」報告相次ぐ セブン&アイは不具合を否定、ユーザーの誤解か - ITmedia NEWS

そうか。セブン・アンド・アイがシステムの不具合ではない、といっているのなら、安心だ(棒読み)

もうあれですよ。国策というのなら、お国の力でPasmoでApple Pay使えるようにしてくださいよ。いつの日か私はNFCというかFelicaついたiPhoneにするからそうすればなんでもiPhoneタッチでお金を払えるようになる。とっても便利でキャッシュレス。おまけに安心。しかし今のままでは通勤経路にJRが含まれないからいつまでたってもSuica使えないし。

今や近くのスーパーでもなんとかPayだとランチタイムに還元とかやっていて、マーケティング担当者が知恵と力を絞っているのはわかるのだが、世の中が良くなっている気配が全くしない。もう全部Apple Payでいいからさ。


テロは防げない

2019-07-30 08:21

京都アニメーションに対する恐ろしい犯罪について考えると、沈痛な気持ちになる。

理由はこの恐ろしい犯罪に理由がないからだ。たとえば、今回の放火犯が長年京都アニメーションと何かの理由で(一方的ではないもので)争っていたとしたら、「なるほど。そういう争いはこうした悲劇につながるのか」と考えることができる。例えば京都アニメーション制作のアニメにイスラム原理主義者を怒らせるような表現があり、イスラム原理主義者が今度のテロを起こしたとしたら「なるほど、イスラム原理主義とは恐ろしいものだ」と考えることができる。歩行困難な高齢者が起こした自動車事故であれば「高齢者は免許を返納すべきだ」と言うことができる。

しかし現在までに判明した限りでは、今回の犯人の動機は全くいわれのないものである。しかもその手段として使われたガソリンは誰もが購入でき、その効果は今回しれた通りである。

ガソリンを悪用する事件は後を絶たず、そのたびに対策が検討されてきた。2003年9月に名古屋市東区でオフィスビルが爆発し、3人が死亡した事件では、ビルに立てこもった男が大量のガソリンを現場に持ち込んでいた。

 事件を受け、警察庁はGSの業界団体に、不審者がガソリンを購入しようとした場合、直ちに通報するよう要請。消防庁も事業者に販売容器や量に関する法令順守を求めた。

引用元:ガソリンはなぜ購入できた 京アニ放火でも使用か [京アニ放火]:朝日新聞デジタル

テロは理由なく発生し、しかも防ぐ手立てがない。先日発生したバス待ち小学生に対する殺人もそうだった。私のように第3者の位置にいる人間にとってこの現実はとても気が滅入るものだ。

進化上どういう利点があったか知らないが、我々は理由に心の慰めを見出すことがある。逆に考えれば、そうした慰めは幻影に過ぎないと考えるべきなのだろうか。



なぜ認知バイアスがあるのか

2019-07-29 07:51

先日面白いページに出会ったと思った。ところがあまりに長いので途中で挫折した。

ここでは人間の誤りやすい傾向について、人類の英知である「社会心理学」の偉大なる成果である認知バイアス一覧を英語版に基づいて紹介する。

引用元:認知バイアス一覧で社会心理学入門〜社会科学の知の蓄積を活用した社会教育の実現に向けて〜効果、錯誤、誤り、仮説一覧〜

人間の認知や、判断は様々なバイアスを受ける。有名なのでは占いに活用されているバーナム効果というのがある。誰もが「これはあたっている。自分のことだ」と思うような文章が存在する、というやつだな。

さて

これだけ多種多様なバイアスが存在する意味を考えてみよう。これらのバイアスは、現実を真面目に捉えて判断しようとするはまる「フレーム問題」を回避するために必要だ、というのがおそらく正しい(そしてこのことを主張した人は私の前に何万人もいるだろう)

一時高齢者の運転が引き起こす自動車事故が大きく報道された時期があった。そう聞くとみな「けしらかん」と思う。しかしそのあと読んだ交通事故の被害者に関する記事では、もっととんでもない交通事故が山ほど存在することを知った。不法滞在のブラジル人が無免許で盗んだ車を運転し、事故を起こし警察に追跡される途中で人をはね殺す、とか。こういう事故は報道すらされない。なぜか。時流に乗っていないからだ。こういうバイアスもこの一覧のどこかに存在しているんだろうな。

またこういう考え方もある。現実世界で役に立つ人工知能を本当に作ろうと思ったらいつまでも「全脳アーキテクチャ」とかいう念仏ばかり唱えているのではなくて、これらのバイアスを利用することを考えてはどうかな、とか。

というわけでこのバイアス一覧はいろいろ考えるネタを与えてくれる。しばらく黙ってこのリストを眺めることにしよう。


コンピュータプログラムの限界

2019-07-25 08:01

書きかけの本で悩んでいること。

シンギュラリティがこないことを説明するために

「コンピュータプログラムはプログラムされたことしかできない」

という事実をどうやって説明すればよいかと悩んでいる。

いや、条件によって違う動きをするぞ。if文があればね。

でもそれは最初からそうプログラムされているに過ぎない。

じゃあDeep Learningはどうなんだ。入力の中から人間に理解できないような形で判別ロジックを作り上げるぞ。

これにどう反論するのか。世間に流通している「ディープラーニングはすごいから、そのうち人間の知性を超えるぞ」というロジックがむちゃくちゃなのは、ここのギャップをうまく説明できていないところに一因があると思うのだ。

判別ロジックは学習データから作り上げる。確かにそれはもともとプログラムを書いた人間にも理解ができない。しかし所詮プログラムされた入力を用いて、プログラムされた通りに判別しているに過ぎない。ただその判別の基準を学習データに適応した形にしただけだ。

うーん。これでは言葉が硬い。何を言っているかわからない。もうちょっと考えよう。

ちなみにここを無茶苦茶に拡大解釈し「ディープラーニングとそれに続く技術があればフレーム問題恐るるに足らず」と主張しているのが、東大の松尾教授である。

フレーム問題でも、データを元に現象の特徴を取り出し、その特徴を用いた使って知識を表現しておけば、そうそう例外的なことは起こらないはずである(注34)「必要な知識を選び出すのに無限に考えてしまう」なんてこともない。
 引用元:松尾豊著:人工知能は人間を超えるか

「データをもとに現象の特徴を取り出し」と簡単に言ってくれるなあとため息をつく。そもそもそのデータの項目を決めるのは誰なんだ?そのデータ項目を決められないというのがフレーム問題なのではなかったのか?

まあ彼は研究者だから、そのうち自分の言葉を研究論文として発表してくれるだろう。その日を楽しみに待つことにしよう。


シンギュラリティ教信者と「君の名は」

2019-07-24 07:48

シンギュラリティという噴飯ものの説がある。それを丁寧に笑い飛ばす本を書いているところなのだが、どうしても説明がつかない事実もある。

社会的地位もあり、頭もそれほど狂っていないと思しき人の中にシンギュラリティ教の信者が存在するのだ。

現在は人間がロボットに対してやるべき目標を与えているが、ロボットがどんどんスマートになれば、将来は人間が人生のゴールや目標を聞かれる時代がやって来る。その際に適当でいいかげんなことを答えても、賢くなったロボットはそんな話を聞いてくれないだろう。明確な人生のゴールを語れる人間にならないと、シンギュラリティの時代に勝ち残れない。

引用元:シンギュラリティの時代に勝ち残る人間の条件

この言葉は、少しでも人工知能についてまともに考えた人にとっては寝言である。あやふやな「ロボットが人間のゴールを聞く未来」を勝手に想像し、その仮定の上で本を一冊書いてしまう。寝言を一冊の本にまとめるとは正気の沙汰とは思えない。では著者はどういう人かというと

◇小池淳義(こいけ・あつよし)氏 ウエスタンデジタルジャパン社長
早稲田大学大学院理工学研究科修了後に日立製作所に入社。2002年にトレセンティテクノロジーズ社長、05年にルネサステクノロジ技師長を経て、06年にサンディスク日本法人社長に就任した。国内外で講演を行っているほか、東京大学などでの講師経験も豊富だ。52年生まれ。千葉県出身。

引用元:シンギュラリティの時代に勝ち残る人間の条件

私の数百倍も立派な経歴の持ち主であり、気が狂っていてはサンディスクの社長が務まる訳が無い。

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さて、忘れている人もいるようだが、この「ごんざれふ」は映画評サイトでもあるのです。新海誠という人の新作が封切られた。いろいろな意見があるようだが、驚くのが「”君の名は”は良かったが、この新作はだめだ」という意見の多さ。いやあなた、映画だからたった数年の間に地球上の同じ町に2度も隕石が落下するという非科学的な設定には突っ込まないけど、「隕石が落ちてみんな死んじゃう!」という危機の時に、「名前がどうのこうの」とか頭おかしいんじゃないのか?

と私などは思う映画である。あの映画がどうして人々の心を掴んだのかは私にとって謎であり続けている。しかし昨日ふと考えた。シンギュラリティ教の信者と、「君の名は」のファンは結構かさなっているのではないか?

「君の名は」の面白さを説明する理屈として私が理解できた数少ないもののの中に「穴だらけの筋だが、音楽と、きらきらした少年少女と、綺麗な絵で観客をねじふせた」というものがある。世の中には2種類の人間がいる。「人間の努力には限界がない」と真顔で語る人間と、「それなら自然数を最後まで数えてみろ」という人間。私は後者だが、前者の人ならばシンギュラリティに現実味を感じることも、綺麗な絵ときらきらした少年少女に共感を覚えることもできるのでなかろうか。

というのを調査してみると論文がかけるかもしれません。社会学だかなんだかの人、ぜひお願いできませんかねえ。