メディアと企業の変な関係

2018-02-20 07:09

広告しか載っていないEngadgetに見切りをつけてしばらくたつ。たまにはいい記事がある、ということでTechcrunch日本語版はまだ読んでいる。しかし彼らの特定企業に対する妙な肩入れが気になる。「指にはめるメリケンサック」ことログバーを持ち上げたり、あるいはテックビューローというこれまた胡散臭いブロックチェーンの会社を持ち上げたり、と。

編集部注:この原稿は朝山貴生氏(@takaoasayama)による寄稿である。朝山氏はビットコインと国産暗号通貨のモナーコインを扱う国内向け取引所の「Zaif Exchange」(ザイフ)を2015年3月初旬にオープンしたテックビューロの創業者で代表取締役。暗号通貨関連サービスを開始、運用している立場から書かれた解説記事だという点は留意してほしいのだが、一方で、表層的な理解だけで「胡散臭い」と遠巻きに眺めているだけにするには、暗号通貨やブロックチェーンは、あまりにも重要な技術トレンドだ。

引用元:誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性 | TechCrunch Japan

これは広告記事と明記はされていない。内容はまあ「自分で運用している人の宣伝」でしかない。それをよくTechCrunchとして掲載するな。このテックビューロという会社がどういう会社かというと

しかしその矢先、テレビCMの放送が始まった2月16日、Zaifで時価総額約2200兆円分のビットコインが0円で売り出されるエラーが発生したとネット上で指摘が挙がりました。

引用元:「Zaif」運営テックビューロの決算 資金繰りは余裕も“危うさ”はらむ - ITmedia NEWS

でもって今のところこの件に関してはダンマリ。その一方剛力某を起用したCMを始めるあたり、コインチェックと大同小異でしかないように思える。このCMが仮想通貨のCM全部に共通する
「何も言っていないが、雰囲気だけで押し切る」
ものだ。つまりその雰囲気だけで金を注ぎ込んでくれる人間をターゲットとしている。

というわけで、結局「小金をもった弱者を食い物にする商売とメディアの結託」という図式が繰り返されているように思うのだ。なんでこうなっちゃうんだろうね。

今日得られた知見は、それなりに出来高のある仮想通貨取引所が、どこか一箇所でも致命的な脆弱性を突かれると、仮想通貨全体の暴落の引き金になる可能性がある、という事。コインチェックはNEM暴落だけで済んだが…
システムが脆弱な取引所の存在は、仮想通貨界全体の不利益になると改めて確認した

引用元:単眼愛(モノアイ)さんのツイート


今そこにある狂気

2018-02-16 07:08

自分が住んでいる国を、伝聞で聞く他の国と比べ「我が国はダメだ。なぜならば」と論じることはたやすい。日本に向かうバルチック艦隊の上でも「ロシアは日本にかてない。なぜならば」という議論が盛んだったそうな。

そうした議論は長い退屈な航海の気晴らしにはいいかもしれない。しかし実質的な意味はあまりない。どの国もいいところ、悪いところをみつけるのは難しいことではない。認知症の進んだ大統領がなんと言おうと私はアメリカは偉大な国だと思っている。しかしもちろんいくばくかの狂気は存在している。「また」米国の高校で銃の乱射事件が起こった。

“This was a terrible tragedy, but sometimes these things just happen and there’s nothing anyone can do to stop them,” said Indiana resident Harold Turner, echoing sentiments expressed by tens of millions of individuals who reside in a nation where over half of the world’s deadliest mass shootings have occurred in the past 50 years and whose citizens are 20 times more likely to die of gun violence than those of other developed nations.

引用元:‘No Way To Prevent This,’ Says Only Nation Where This Regularly Happens

いいかげんな訳:「これはひどい悲劇だ。しかし時にはこうしたことが起き、それを防ぐことはできない。」インディアナに住むハロルドターナーは述べた。彼が住む国では過去50年間に世界でおきた銃による大量殺人の半数以上が発生し、住人は他の先進国に比べ20倍も銃によって殺される確率が高い。


ちなみにこれはonionという私の理解ではパロディサイトにのった記事だからFakeだ。しかしこれがパロディとして成立するということはいくばくかの真実を含んでいるということでもある。

「アメリカ人」などという人間は存在しない。アメリカに住んでいる個人がいるだけ。私もそのことを忘れそうになる。高校で銃の乱射があったと聞いた時

「またか」

と思った。しかしメディアのニュースをみて考えが変わる。その場にいた生徒、家族、友人たちにとっては「またか」ですまされるものではない。こういうご時世だから現場の生々しいビデオがいくつも公開されている。不気味に響く銃声、逃げる通路に横たわる学生たちの身体。ニュースで「娘と連絡がとれない」と必死に呼びかける両親の姿。それを鎮痛な面持ちで読み上げるアナウンサー。

国民から銃を取り上げても、アメリカは依然として偉大な国であり続けると思う。なのに国家としてのアメリカにはそれができない。

日本人が餅を食い続けるようなものか。



判断・決断は危険(我が国においては)

2018-02-15 07:08

長年サラリーマンをやっていると、「処世術」というものについて考える機会が増える。「正しいことを言う」のは多くの場合危険である。「正しいことを知る」のは危険だが、語らなければ護身術に使える。「本音を語る」のもダメ。かくして首を垂れ黙って満員電車に揺られる日々が定年まで続く。

話を変えよう。私は社会人を「航空宇宙産業のエンジニア」としてスタートさせた。(そういいつつも、実際やっていたのがトラックの修理というのは内緒だ)そして日本の航空宇宙産業にあきあきした。米国がやることを10年遅れて「検討を始める」ことしかしないからだ。それから数十年たち、世紀も変わったがやっていることは当時と変わりない。たった30年だからねえ。

イーロン・マスクとジェフ・ベゾスという二人の狂人が、「自分で作った会社」でいずれもロケットを打ち上げているのというのは顎が外れるような事実だ。かの国にはそれだけ「航空宇宙関係のエンジニア」が豊富に存在していることを物語っている。それに加えて「決断するリーダー」がいる。

スペースXがロケットを再び使う計画を発表し、次々と実験を始めたのは、2012年。

引用元:世界最大のロケット成功の衝撃 SFが現実に!|NHK NEWS WEB

イーロン・マスクの判断が全て正しいとは思わない。しかし彼はとにかく「ロケットは再使用したほうが経済的だ」と判断し、その方向に爆走した。その結果本当にロケットの再使用が可能となった。さて、我が国はその状況にどう反応しただろうか。

こうした動きなどを受けて日本でも宇宙政策を決める2014年の宇宙政策委員会で次期基幹ロケット「H3」のさらに次にくる2030年以降のロケットを検討するなかで、再使用型は選択肢の1つとして研究するべきという見解がまとまったということです。

その1年後の2015年、スペースXは、人工衛星を搭載した「ファルコン9」の1段目のロケットを逆噴射させ、地球に舞い戻らせて陸上に着陸させる離れ業を成し遂げました。

内閣府によりますとこうした成功などを受けて、日本でも具体的に研究を加速させることになり、新しい実験機を製造して来年にも再び実証実験に臨むことにしています。

引用元:世界最大のロケット成功の衝撃 SFが現実に!|NHK NEWS WEB

最初に努めた会社を辞めたあと、別の会社で宇宙産業に携わる機会があった。しかしそれを見送った(その結果、さらにひどい判断をしたのだが、それは別の話)こうした状況を見ていると、その判断は正しかったように思える。結局アメリカ様がやって、実現させたこと以外何もしたくないのだ。

かくして今日の標題「判断・決断は危険(我が国においては)」という結論が導かれる。あれですよ。高速道路の「先行車追従型クルーズコントロール」みたいなもんで、前の車が加速したら加速する。減速したら減速する。これが安全かつ正しい日本のサラリーマンというもの。

そう考えるとあれだなあ。日本の家電メーカーというのは誰の真似をすればいいのかわらなくなっていたんじゃないだろうか。アメリカ企業は家電を作らなくなり(当時は)まさか韓国、台湾企業の真似なんかできないよね、といっているうち滅亡してしまったと。

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免責事項:このブログに書いてあることは、私の個人的な妄想、グチ、放言であり、私が雇用契約を結んでいる企業の見解とはなんの関係も関連もこれっぽっちもないんです。


製品づくりの難しさ

2018-02-14 07:31

作るのも、普及させるのも、やめるのも難しい。Apple watchが最初に発表されたとき

「なんだか分厚いし、丸くないよな」

と思った。(当時モトローラ?の丸型Watchが話題になっていたのだ)サムソンはだいぶ前からWatchを出していたし、Androidも対応している。ほとんどの人が無視していたが、ソニーもSmart Watchを出していた。さて勝者はだれでしょう。

the Apple Watch achieved a new first in the holiday quarter: shipments of the smartwatch exceeding exports for the entire Swiss watch industry

引用元:Trend line suggests Apple Watch could be on track to overtake entire Swiss watch industry | 9to5Mac

推定によれば、Apple Watchの出荷台数がSwiss時計メーカーのそれと並べられるところまできたのだそうな。

watch

引用元:9to5 Mac

Apple watchはホリデーシーズンにまとめて売れ、Swissの時計は年間通じて売れるから、四半期で超えたからといって年間トータルではまだ差がある。しかしそもそもサムソンの独自WatchとかAndroid Wearとか話題にすら登らなくなったことを考えれば、この成功は驚くべきことだと思う。

Sonyは論外として、Android WearとApple Watchの差はどこにあったのだろう?今だにApple Watchすら使うことができない私にはよくわからない。ただAppleが毎年Watch OSを大幅に機能強化する熱意には感銘を受けざるを得ない。

そうやってしつこくやれば成功する、というものではないのも確か。私は答えがでないと知りながらその差についてぼんやりと考え続ける。


セールスについて学ぼう

2018-02-13 07:27

私には絶対向いていないという職種はいくつもある(そもそも何に向いているというのだ)その一つが営業である。

昨日(伏せ字29394文字)のためカーディーラーを回った。会社ごとにカラーがはっきりでて大変興味深かった。いろいろな話を総合すると自動車営業業界には「決算期」というものがあり、今はどうしても車を売りたい時期のようだ。

それが一番色濃くでていたのが日産だった。他のところでは聞かれなかった「予算はどの位ですか?」という質問があり、幅をもって答えたのだがその上限を少し超える金額をだしてきた。しかも「下取り費用」「下取り査定用の費用」などが数万円も含まれている。あんた客が乗ってきた車見れば1000円以上つかないことはわかるでしょう。それを下取り「してあげる」ために数万円客に払わせるとは。あと担当者は何度か「こちらも是非売りたいので」と繰り返した。そりゃそちらの都合としては今月のノルマを達成したいんだろうけど、それを客に言っちゃいかんよね。おまけに日産では途中で「営業主任」と「所長」が割り込んで名刺だけ渡して行った。なんというか「売り上げ増」に一生懸命なことは伝わってくるけど、それが顧客からみてどう感じられるかは少し想像するといいと思うよ。

もちろんお互い「商売」だから自分の都合をぶつけたい気持ちはあるだろう。しかし営業としてはそれを見せたらいかんと思うのだけどね。

もう一つ面白かったのが、日産とホンダで「整備パック」のようなものを勧められたことだ。(日産は問答無用で見積もりにいれてきた)二桁の万円を払うとこの先の法定点検、あと最初の車検の費用までが半額になるという触れ込み。しかしこういう正規ディーラーで車検を頼むことがいかに愚かな行為であるかということを過去に身をもって知っている。しかしこれは

「車をサブスクリプションサービスにする」

試みなのかもしれないな、と面白く聴いた。あと今だによく理解できない「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」というものがあり、それを一生懸命勧めてくる。思うにディーラーオプションの儲けはディーラーに入るとかそういうことなんだろうな。値段を見るとドライブレコーダーとかびっくりするような数字が並んでいる。こういうところで買うのがどれほど愚かなことかを学んだのはもう30年くらい前のことか。

ホンダは営業担当者の「自己紹介印刷物」を配った。きっとあれこれ工夫をしているんだろうなとうかがわせる。営業というのは、その成果が数字できっちりとでてくる数少ない職種。そりゃ個人で工夫するしかないよね。ちなみにホンダは「いや、決定権は全て奥様にありますから」と言ったら、チョコと毛布をくれた。こういう贈り物が主婦の心を掴むのに必要だと思っているのだろう。

トヨタのカローラ店は壁紙が一部剥がれていたし、そこらじゅうA4の張り紙だらけである。考えようによっては高級感を求める客はLexusにいくからこちらのほうが気が休まるということかもしれん。実際客層を見ると、店の雰囲気とマッチしている。それと対照的なのがマツダで、店内は黒で統一され展示車は全て赤である。営業担当者に聴いたら

「マツダからの指示で、黒を基調とした店舗は赤しかおいちゃいけないことになってます」

とのことだった。つまりデザインに対してマツダは明確な意図を発揮しているわけ。ちなみにこちらの名前を聞きもしなかったのはマツダだけだった。

そもそも我が家に車を購入する金があるのか、という深遠な問題は気がつかなかったことにして、こういう体験もたまにやるのは悪くないと思えた。生きていればどんな状況であっても「自分を売り込む」ことが必要になる。それの生きた教材を体験できるのだから。



理由を我らに

2018-02-09 08:03

今日の標題「理由を我らに」というのは、私が本家のほうで17年前に書いた文章の題名でもある。何が言いたいかといえば、人間は理由が大好き、ということ。偶然の神様の仕業をみても「これは我々が生贄を捧げなかったせいだ」と理由を見出してしまう。

それに気がついてから長い長い時間をかけ、ようやく私は「あたりまえの事実」に出会うことになった。

研究によれば、人は自分の無意識の思考、感情、動機を探ろうとしても、その大部分をそもそも知ることができない。そして、意識上で認識できないものが非常に多いため、人は「真実だと感じられる答え」をつくり出すことがよくあるが、それは往々にして間違っているのだ。

引用元:リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点 | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

要するに、実は人間が行うことの理由をほとんど知ることができない。なぜなら自分もわかっていないから。でもそれだと愛する理由がなくてさびしいので、適当に何かをでっちあげる。私のように人の言葉を文字通りに受け取る阿呆はそれを真に受ける。

というわけで、理由が欲しければそれをでっちあげてもいい。いいけれど、「何をすれば」それが解消できるだろう、と考えると良いと引用元の論文は言っている。

彼は自分の仕事を嫌っていた。多くの人はこの場合、「なぜ自分はこんなに嫌な気持ちになるのだろうか」という思考にはまるところだ。

 だが彼は、こう自問した。「自分を嫌な気持ちにさせる状況は何だろうか。そのような状況に共通しているのは何だろうか」。これにより、彼はその仕事ではけっして幸せにならないと気づき、資産管理という分野で、はるかに充実感を持てる新たな仕事に就く勇気を持てた。

引用元:リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点 | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

この例を読むと「それは”なぜ”じゃないのか」と思ったりもする。しかし確かに微妙かつ決定的な差異が存在しているようにも思える。

つまるところ、人間の判断とかその元となる(いかに論理的なことを言っていても、それは大半嘘だ)感情というのはブラックボックスのようなもので、荘子が看破したごとく「それは様々に揺れ動くが、なぜそうなっているのかはわからない」ものなのだ。

だから「なぜこうなっているのか」を問うても意味がない。ブラックボックスの挙動を観察するためには、異なる入力を与えそれがアウトプットに影響を及ぼすかどうかを観察するしか方法がない。

だから「異なるインプット」のために「何」を考える。今の仕事、今の職場、今の環境の「何」がそれほど堪え難いのか。もしそれが取り除かれたらどんな気持ちになるか。人間は多くの場合予想が下手だが、この予想はひょっとするとうまくできるのかもしれない。

自分が過去に行った判断、愚かな行為、ひどいフラストレーション。これらの本当の原因はその時わからないことがほとんど。私は記憶力だけは無駄によいので、おりにふれ自分が過去に行った「愚かな判断」を思い出す。そして20年くらいたってから振り返ると

「うん。あれはよくあるパターンだったよね」

と納得することができる。いやー、よく考えればあの女の子とうまくいかないのは当たり前だったよね、というかそうでなければ今頃ひどいことになっていたよね、とか。つまり「理由を知る」には20年かかるのだ。

だから「なぜ」を問うのは老後の楽しみとしておいて(ちょっと待て。20年後も私の頭脳はちゃんと働いているのか)今は「何を変えよう」と自問しよう。というわけで

「なぜ私はこんなに貧乏か」

と問うのではなく

「小銭をかせぐために、何をするか。出費を減らすために何をけずるか」

と考えよう。ああ、気が滅入ってきた。


起業する人は頭がおかしい

2018-02-08 07:23

WISS2017のナイトセッションで、学生さんとあれこれ会話した。その中で私は「頭がおかしくなければ起業なんてしないよ」としったようなセリフを吐いた。これはいつもの「しったかぶり」だがこの漫画をみると確かにElon Maskは頭がおかしい。

Elson Mask

引用元:Joy of tech

Elonの元妻はあいつは性格破綻者だと言っているらしいが、確かにそうでなければこんなことはできない。そして先日彼のSpace Xは巨大なロケットを実際に打ち上げ、ダミー人形をのせたTeslaを宇宙空間に飛ばした。無茶苦茶である。

いや、こんなのは例外中の例外ということはできるが、その例外がいるのといないのとの差は大きい。こういう気狂いと比べると、日本のチンピラ起業家のなんと可愛らしいことか。英語圏のニュースを見ていると、唯一でてくるのがソフトバンクの孫氏。しかし彼も実にまともで可愛らしい。

ダイエーって実質潰れた時、有利子負債が2兆円超えてて大きすぎて潰せない言うてたけど、ソフトバンクの有利子負債は15兆円超えてるしなあ。9ヶ月で4000億円利息をお支払いになってる。月440億円か。この金利のない世界で。少しでも金利上がったら財務担当者は震えがくるな。

引用元:たにやんさんのツイート

もうつぶれる。もう限界だと言われてから早何年。惑星Toyotaが崩壊する様子を私が見られるかどうかわからないが、Softbankが爆発する姿はおそらく見られると思う。iPhoneでは世話になったけどね。


技術革新の源

2018-02-07 07:22

VHS対ベータというビデオテープ(今の若いものは知らないかもしれない)のフォーマット戦争に関してはいろいろなことが言われている。本当かどうか知らないが、VHSのほうにエロが多かったのが勝因だと何度か聞いたことがある。

かくのごとく、エロ要素というのは人間の願望を掻き立て技術革新の源となってきた。北米の地域病だった梅毒があっという間に世界中に蔓延したことはその一つの証左かもしれない。(技術革新じゃないけどね)

というわけで

最近はAIである。シンギュラリティ(笑)である。かくしてこのような言葉ができる。

fake porn videos of celebrities created with a machine learning algorithm, the deepfakes

引用元:Pornhub Is Banning AI-Generated Fake Porn Videos, Says They're Nonconsensual - Motherboard

最近のすばらしい人工知能技術を使うと、エロ動画の出演者の顔だけを有名人と差し替えることができる。それをみれば想像力豊な男性は

「をを、あの有名人があんなことしている」

と喜べるらしい。そのようなビデオにはDeepFakeという名前がついているんだそうな。ああ、技術革新。

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ブレードランナー2049ではライアン・ゴスリングの彼女は「製品」である。起動音がするし、街でCMもやっている。

そうわかっていながら、その彼女はとても可愛く、愛おしく見える。根性の曲がった生身の女よりずっとよい。であれば、それで何がまずいのか。そんなことを色々考えさせる映画ではあるが、そこから派生して

「じゃあ顔の作りの何がそんなに偉大なのか」

と考えるのは無駄ではないと思う。クジャクがきらびやかな羽根に反応するように、男性は女性の胸部の微分係数に反応する。馬鹿馬鹿しいと思っていても、反応する。イケメン、美人も同様である。顔の造作が一定のパターンに収まっていることになんの意味があるのか。

そうしたややこしい理屈とは関係なしに、インターネット上の誰かは一生懸命最新技術を使って顔を差し替え続ける。あれやこれやと言っていても結局人間バカだよね、ということを再認識するのはそんなに悪いことではない。



好意と敬意

2018-02-06 07:24

長年サラリーマンとして働いてきた。その過程で「相手を批判することは厳に慎むべき」という教訓を得た。これは一般的な真理ではないかもしれないが、少なくとも私が覚えておくべき事柄。特に今働いている会社ではそうだ。

とはいえこういう言説を聞くことは多い。

「衝突は、チームが難しい状況と折り合いをつけ、多様な観点を総合し、ソリューションを周到なものにする助けになる。衝突は、気分はよくないが、真のイノベーションの源であり、リスクを特定して緩和するうえで不可欠なプロセスでもある」

引用元:仕事における意見の不一致は、なぜそこまで重要なのか | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

表立っての殴り合いをとても好む(と私からは見える)かの国においておうである。衝突することは「気分がよくない」のだ。

しかし

長いサラリーマン生活を振り返ってみると、面と向かって耳の痛いことをいいながら嫌われない人というのは確かにいた。それは単に人徳とか才能とかいう言葉を貼っておしまいにすることもできるかもしれない。しかし今日ヒントになる言葉を見つけた。

好かれたいと思うのは自然なことだが、それは必ずしも最も重要なことではない」と書いていた。そして、「好感度」を上げようとするのではなく「敬意」に注目するとよいという。相手に敬意を払い、自分自身も敬意を得るのだ。

引用元:仕事における意見の不一致は、なぜそこまで重要なのか | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

好意と敬意。これは似ているようだが異なるものである。防衛庁の(すいません。私が付き合っていたころは庁だったんです)の某技官が散々私が働いていた会社の悪口を面と向かっていいながら、嫌われなかったのはどこかに敬意が感じられたからなのだろうか。

つまり仕事上の人間関係というのは

「あいつは嫌なやつだが、確かに仕事はできる」

これでいいのだ、と割り切る。近所づきあいならともなく、会社としてはこのほうが

「あいつは仕事はできないんだけど、いいやつなんだよねえ」

ばかりより健全という気がする。

ちなみに

もっとも研究が示すように、特に女性はこのアドバイスを実践するのに苦労する傾向がある

引用元:仕事における意見の不一致は、なぜそこまで重要なのか | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

なんだそうな。


リーダーに必要な資質:接地していること

2018-02-05 07:14

すいません。今日のタイトルは釣りです。いきなり何を書き始めたかといえば、このフレーズ。

優れたリーダーになる秘訣は、
「いま、ここにいる」ことである

引用元:優れたリーダーになる秘訣は、「いま、ここにいる」ことである | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

実はこの文章に書いていあること自体は、私が今日書きたい内容ではない。書きたいのはこのタイトルについて。私が考えるにリーダー、上役、人の上にたつ人というのは常に現実に立脚している必要がある。つまり「接地」していなければならない。

空疎なスローガン、現実と乖離した目標の押し付け。こうしたことを行うものは良いリーダーとは言えない。具体例をあげよう。

課長が報告しているのは、調達のコスト削減目標に関する進捗状況だ。期初にカンパニー社長が出席する会議で目標を掲げる。だが、その目標額は課長が考える現実的な数字に、上司から強要された「チャレンジ分」を上積みしたものだ。達成の見込みはほとんどない。そこで課長は、当初より目標額を低く再設定した計画を作り直し、会議の場で報告していた。

 突然、課長の報告を聞いていた上司が苛立った声を上げた。

 上司:「すぐにそういう風に話をすり替えるから困るんだよ。だましているんでしょ」

引用元:東芝現役社員が録音していた「無間地獄」:日経ビジネスオンライン

これが接地していない態度。この上司は「今ここにいない」彼の「目標」という空疎にして抽象的な数字を満足しろと現実を無視して叫んでいるだけ。どこか遠い世界から怒鳴っている。突撃と督戦命令ばかりだして遊んでいる牟田口と同じ。

しかし

これは話の半分でしかない。現場の事情を知りそれに「みなさんがんばっていますね」ばかりでは、接地しているだけで有能なリーダーではない。

現実を知りながらそれを必要と信じれば無視すること。反発を買うことを恐れず、不確かな決断を行うこと。つまり抽象的な思考と現実に接地することの両方を行われなければならない。

私自身は良いリーダーではないし、それになる見込みもないので気軽にこういうことが書ける。いや、万年ヒラとは気楽なものだ。