防衛費の定義

2021-04-13 06:20

自衛隊相手の仕事をしていて何度も思った

「日本は平和だなあ」

私はミサイルを作っていたので、自分が作ったものが一度も使われないまま破棄されることを心から願う稀な職業だったと思う。そしてそれを使う人たちのマインドも平和そのものだった。日本の防衛産業というのは米国産と同じ物を十年遅れて十倍くらいの値段で売りつける商売。

そうやって平和に暮らしているのは平和時に限られる。そして「敵」は銃や大砲を持って攻めてくる他国ばかりではない。

ウィルスによる被害が発生することは誰もが知っていた。しかし日本はその「敵」に対して備えることをせずに使いもしない戦車やら戦闘機を作ることにうつつを抜かしていた。

そこにCOVID-19が発生した。自前でワクチンを開発できたか?できなかった。

もちろん、日本の製薬会社は規模が欧米に比べて小さいとか、バイオ医薬品の潮流に全体として乗り遅れたとか、そういった理由もあるでしょう。ただ今回、欧米で接種が始まっているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンにしても、ウイルスベクターワクチンにしても、日本にそうしたプロジェクトをやるベンチャーや製薬会社がなかったのは、産官学でそうした基盤を育ててこなかったからです。その点については、欧米に学ぶところは多いと思います。

 また、緊急事態だという割には、緊急時に備える制度が不十分という点もあります。米国では、Emergency Use Authorization(EUA、緊急使用許可)という、通常の薬事承認ではない制度があります。今、日本で接種が始まっている米ファイザーのワクチンなどは、通常の承認ではなくてEUAを受けています。

 いわば、「平時」と「戦時」の体制の違いが、日本と欧米との間で際立ってしまったと思います。

引用元:国産ワクチン、なぜ出てこない? 塩野義・手代木社長に聞く(日経ビジネス) - Yahoo!ニュース

OK.ワクチン開発で全く歯がたたなかったことはいいとしよう。そうやって狼狽えた挙句、株券印刷しか能がない会社に金を注ぎ込んでしまったことも苦笑いですませよう。

「開発者自身が効かない可能性すら言及しているワクチン」
「こんな惨憺たる状況で一体どこが国産ワクチンの国内生産まで漕ぎ着けることができるのか」
「このアンジェスに93.8億円という莫大な予算がつけられている」
「予算がついた過程も極めて不透明」
「アンジェス創業者は安倍前総理のゴルフ友達」
「タイムスケジュールも完全に壊れている」
「税金の無駄使いに見える」
「吉村大阪知事もあれだけ煽って前言を翻した」
「世界の学者から笑われている」

引用元:株券印刷業大手のアンジェス、「開発者が効かない可能性すら言及している大阪ワクチンに莫大な税金を投入し世界中の学者から笑われている」と国会で槍玉に : 市況かぶ全力2階建

じゃあ海外からのワクチン確保をしなければならない。そのための熾烈な「戦い」が予想される。どの国も自国の利益を優先する。しかし国民を守るためにはそれが必要なのだ。

ではその「ワクチン争奪戦」の結果はどうだったか?

ワクチン接種回数


惨憺たる結果としかいいようがない。そりゃ権謀術数にたけた欧米や、常に戦時体制にあるイスラエルに歯が立たないのはいいとしてチリにも大きく遅れをとっているのはどういうことか?

日本でこの実態が問題になっていないのは、いまだに正体不明の「要因X」が日本に存在しそれほどひどい状態になっていないからだ。(嘘だと思うなら、アメリカのニュースを見てみるとよい。マンボウとかそんなのが冗談に思えてくるから)

というわけで私は提言したい。防衛費を削ってワクチン製造の能力アップに回すべき。戦闘機やら戦車が必要になる事態より、次の感染症が襲ってくる可能性のほうがはるかに高い。呑気に「次世代戦闘機の開発」とかやっている場合ではない。これは起こりうる戦争なのだ。


小中学生にデザイン思考を教えること

2021-04-06 10:10

縁があって、小中学生向けのデザイン思考ワークショップのファシリテーションをお手伝いした。

アンケートを見る限り、参加してくれた子供たちには好評だったようだ。しかし私は「子供の豊かで自由な発想に驚かされた」などと書くつもりはない。提案されたアイディアはいずれもいかにも小学生が考えそうなことだった。つまりありきたりで、実現性が皆無。仮にそこから「優れた発想」を見出そうと思えば、そうしたヒントを見逃さず自分で含まらせることができる人間が必要とされる。

つまるところ

みんなで仲良くデザイン思考」

を再確認したのだった。

参加しながらずっと考えていた。これはどのような経験になるのだろうか?小中学生にとってとにかくアイディアをだし、それに対して「すげー」と言われる経験はどのような意味を持つのだろう?

それは確かに彼らと彼女たちにとって興味深い経験になるに違いない。アイディアを語ることを恐れない姿勢。それはとても重要。しかしそれとともに「自分たちが5分で思いつくアイディアは平凡でありきたりのものだ」ということにもどこかで気がついてもらわなければ困る。それなしにはただ「どうでもいいアイディアを得意げに語りまくる」就職活動特化型の優秀な学生になるだけ。そうした学生は役立たずの会社員になり、見る目のない人事がのさばる会社を衰退させる。

だから

私は自分でもアイディアを出した。とても控えめに最後に発表したのだが、幸いにもそれは好評だったようだ。ただ

「とにかくアイディアだしてたのしかったね!」

で終わるのではなく

「なるほど、こんなアイディアも出していいんだ」

という発見につながってくれればと思う。

詩子

注射は痛い、いやだ、をどうやって解決するか?注射をうったらとにかくみんなで盛り上げる。くす玉をわり、なんなら花火を打ち上げる。クラッカーをならし皆で拍手喝采。注射後にはインタビューも行う。

「とうとう注射を乗り越えましたね!今のお気持ちは?」

「いや、あたり前のことをしただけです」

「なんて謙虚なんだ!」(まわりからさらに大きな歓声)

こんな注射なら私だって受けてみたい。


言葉を聞いてもらえること

2021-03-28 08:26

先日Amazonで「みんなで仲良く「デザイン思考」結果を出すなら「アート思考」: ブルーピリオドから始めるアート思考」の販売を開始した。

そして、どなたかに読んでいただけているようなのだ。

人間の欲望というのは限りがないもので、10P読まれれば、100P読んで欲しいと思うし、100P読まれれば1000pと望む。キリがない。金額的にも一度家族で外食するほどの額にも達していない。

しかし

ふと我に返る。今の職場で私の話に真面目に耳を傾けてくれる人がいるだろうか?現実世界で、私が

「デザイン思考はみんなで仲良くやるための方法で、そもそもすごいアイディアを期待する方が間違ってます!」

と主張したところで誰一人耳を傾けてはくれない。仮に私が5分もらったとすれば、5分間皆黙っているだろうが、心の耳は塞いでいることだろう。いや、それはそもそもお前が今の職場で浮いており、社会的に受け入れられる努力を怠っているからであって、などという正論は聞こえない。あーあー。

Amazonでは何人が読んでくれたかまではわからない。しかし毎日コンスタントに100p程読んでいただいている。これは本当にすごいことだ。

というわけで、現実世界でもこの内容について語る機会を作る努力をしよう。私は書いた内容について「これはいい」と思っているのだ。

「これでいい」ではなく。



敵対視

2021-03-19 08:09

「歯牙にも掛けない」という言葉がある。実力が違い過ぎればそもそも相手にしないし、コメントを求められれば「挑戦を歓迎します。一緒に業界をもりあげていきましょう!」とでも言えば良い。

Intelがかつて"Hello, I am Mac"と言っていた俳優を起用して作ったCMである。彼らはそれ専門の比較Webページまで作っている。

PC vs. Mac
In the real-world, a PC with an 11th Gen Intel® Core™ mobile processor offers users more and we’ve got real research and test results that prove it. Many Apple M1 claims don’t translate to real-world usage and appear questionable. When compared to a PC with the 11th Gen Intel® Core™ mobile processor, the M1 MacBook features just don’t stack up.

引用元:Apple M1 vs Intel – Which Processor Is Right for You


Intelが「これだからIntelつんだPCのほうがいいんだよ」と主張している項目の多くは、どこかで聞いたような話ばかりだし、その比較に疑問を投げかける人もいよう。しかし私の意見では驚くのはそこではない。一時は無敵と思われたIntelがこうまでして敵対視する必要があるのだ。M1 Macには。これは驚くべきことだ。

私は今この文章をM1 Airで書いている。そしてMacがただ高速で、静かに長時間動く、という当たり前のことができると、これほどまでに満足度が違う、ということに驚いている。

そして私がIntelの担当者なら、Apple Siliconがまだ”1”であるという事実に愕然とするだろう。「ほんの手始め」がこれだとすると、この後数年一体どういうことになるのか。

私はApple原理主義者だから、今後が楽しみでしかない。悪いことは言わないから「我が社ではWindowsしか認めない」とか寝ぼけたこといっている企業のIT部門は今のうちに考え直したほうがいいよ。前にも書いたが、あと数年たつとPCとMacというのは別次元のものになっている可能性がある、と私は考えている。



LINEをインフラとして用いるということ

2021-03-18 07:57

私のiPhoneにはLINEがインストールされている。望んだことではないが、周りから強制される。中学時代の同級生とつながりができた。最初はFacebook messengerでやりとりしていたが、

「LINEにはいっていないのはお前だけだ」

と言われる。いや、LINEは絶対に信用できないと反論したが

「そもそも誰も聞かれてもかまわないくだらない話しかしていない。お前もはいれ」

といわれしかたなくインストール。家族のたあいもない話をするのはかまわないのだが、職場での連絡に使われるとこれはいいのか、と真面目に思う。2015年に私はこう書いた。

まあ嘘も百回繰り返せば本当になるかもしれん。人間の記憶はとんでもなくあやふやだから。個人的には百度とLINEは使う気になれないがそういうことを気にする人は多くないのかもしれん。

引用元:ごんざれふ

職場の連絡にLINEなんか使っているのはすごく恥ずかしいことではないですか?と問題を提起しても誰も耳を傾けてくれないが。

しかし状況はどんどん悪くなる。今や

国内で8600万人が利用するLINEは、自治体の給付金申請に使われるなど、有力な情報インフラの一角になっている。

引用元:個人情報保護、国際展開の課題に 利用者の不安拭えず LINE(時事通信) - Yahoo!ニュース

えらい役人は何を考えているのかと前から不思議だった。しかし現実問題として今やお役所も気軽にLINEを使っているのだ。

そして前からわかっていたことが公になる。

同社によると、日本国内の利用者が「トーク」でやりとりしたデータのうち、画像や動画のすべてをLINEを実質的に傘下に持つ韓国IT大手ネイバーのサーバーに保管している。そうした運用は、2012年ごろに「トーク」で画像や動画を扱うようになって以来続いているという。

 韓国のサーバーにはスマホ決済「LINE Pay(ペイ)」の取引情報も置かれていた。氏名や住所などは含まれていないとしている。

 このサーバーには、韓国にあるLINEの子会社「LINEプラス」の社員がアクセスする権限を持っていた。アクセス権を持つ社員の数や業務内容、アクセス履歴の有無は「調査中」としている。データは複数のサーバーに分散化する特殊な処理がなされており、アクセス権を持つ社員も具体的な画像内容は見られないという。

引用元:日本のLINE利用者の画像・動画全データ、韓国で保管(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

「問題ない」「問題ない」を繰り返してはいるが、私は全く信用していない。LINE上の情報は全部韓国及び中国にだだもれと考えた方がいいと今でも確信している。

友達との飲み会の連絡情報など誰が聞きたいのか、というのはごもっとも。しかしお役所や、おそらくは政府の要人もLINEでとんでもない会話をしているのではなかろうか。今頃お役所内部では上を下への大騒ぎになっているのだ、、ろうか。「調査しましたが問題はありませんでした」で済ませるのだろう。とはいえそうした調査文章を作成させられる役人の方は気の毒としかいいようがない。


「ブルーピリオドから学ぶアート思考」出ました

2021-03-17 06:13

というわけで、本来昨年中に出しているはずだった「みんなで仲良く「デザイン思考」結果を出すなら「アート思考」」ようやくKindleで出せました。


今の会社に転職してきたのは2019年の9月。それから「デザイン思考」と新しい会社に感じたフラストレーション。そして「ブルーピリオド」を読んだ後に感じる

「これなんだよ」

という気持ち。

その違和感について一年間あれこれ考え続けた結果を書きました。

要約すれば

「デザイン思考」は「みんなで仲良く凡庸なアイディアで合意するための手段」

「デザイン思考」ではブレストが強調される。しかし

ブレストは「頭の中の引き出しを外して逆さにする行為」つまり元から引き出しに入っていないものは出てこない」

「デザイン思考」ではプロトタイプを作りどんどん改良することが強調される。しかし

「最初に登り始める山を間違えると、どうプロトを作ったところで挽回できない」

では「登るべき山」を探すにはどうすればよいか。正しい山に登り始め偉大な製品を作りたいと思うならどうすればよいか。

「アート思考」を実践するべき。

ではそもそも「アート」とは何か?「こうあるべきという意思を形にしたもの」。令和二年の東京藝術大学油絵科の2次試験の問題はこれです。

「絵を描きなさい」

こう問われて、自分が考える「絵」とはこういうものだと主張し、それを見事な技で武装した人間が(多分)合格することができる。

最初に必要なのは「こういうものがあるべきだ」という個人の意思。

iPhone登場以前の日本において、家電メーカーはユーザの声に一生懸命耳を傾けユーザによりそっていました。お風呂でワンセグみたいという女性が多い。だから防水機能つけました!もっと軽いケータイが欲しいという声がある。薄く、軽くしました。とかやって開発されたガラケーはiPhoneという「意思」の前にゴミと化した。あれほどユーザ中心の設計を行なったのに。

日本の家電メーカー社員の血と汗の努力はなぜゴミ箱行きになったのか?「アート」がなかったからです。ユーザの声からは決して届かない、現状をいくら分析しても見つからないところに描かれたiPhoneという「アート」。「携帯電話-情報機器とはこうあるべきだ」という意思に敗れたのです。「ユーザの声を聞く」という大義名分を振りかざし「自分の意思を持たない臆病さ」から目を逸らしていたからです。

そして日本の大企業ではびっくりするほどこの「個人の意思」を持たない人が多い。誤解しないでください。特に大企業に採用されるような若い人は「自己ピーアール」は大得意。しかしそれは「個人の意思」ではなく「正解が存在する問いに高得点を挙げる」ための行為。

ではどうしたら個人の意思を持ち、それを磨き上げることができるか。そのためには問題に相対していないとき何をするべきか。こうした問いに対して私なりの答えを出したつもりです。ぜひご一読いただき、感想、ご意見をいただければ幸いです。


渋谷neo散歩に参加したよ

2021-03-15 09:51

デイリーポータルで知って、渋谷neo散歩というイベントに参加してきた。出無精の私だが、さすがに一年も外部のイベントにでないと「なんでもいいから参加」という気持ちになる。

東京カルチャーカルチャーという場所で行われる。宮下公園の近くと思ってぷらぷら行ったのだが、その宮下公園がすっかり変わっているのに驚いた。前に来たのは多分同じビルにはいっている映画館に来た時だと思うが、とにかくごそっと変わった。ルイ・ヴィトンなんぞが存在している。あのホームレスの家はどこに。

などと驚いているうち、イベントが始まる。まずは様々な散歩の楽しみ方についてマニアの方5名からレクチャーがある。先日書いた本で、「自分が何かを好きなのは第一歩、次にそれを他人に伝えられるようにしないと」と書いたばかり。なるほどなあ、と自分であれこれ考える。

そのうち「サイバー」なるキーワードが浮かび上がってくる。ただ電飾があるだけではない。値段を示す看板もサイバー。さてサイバーとはなんでしょう。

議論を聞いていて以下のようなものではなかろうかと考えだした。例えば渋谷は再開発の真っ最中。再開発の完成予想図というのはとても美しく隙がないものなのだろう。そしてこのあと外を歩くことになるのだが、確かに新しい渋谷の街には全く隙がない。植物があっても、それはそこに存在するために植えられているもの。「邪魔な」電線は地下に埋められている。

しかし

人間の社会、そして現実世界はそんなに美しく隙がなく単純なものではない。人間が意図しないちょっとしたひび割れにも植物が生える。電線と電柱は街の風景に重ねると想いもかけぬ躍動感をもたらす。街のネオンはそれが昼にあると間抜けに見えるがそれも街の風景。やむおえず手書きで書いた文字はえもしれぬ味わいを醸し出すし、最新のものに全てが一度に置き換わるわけでもなく、かならず古いものと新しいものは共存する。

こうした「あるべき単純な理想図」と「現実世界」が混在し共存し、思わぬ美しさ、愛おしさを醸し出すことを「サイバー」と呼ぶのではなかろうか。などとずっと考え続ける。

ふと思う。これがオンラインイベントで家から参加していたら、きっと今頃何か他のことをやりだし、耳だけ半分こちらに向けているだろう。確かにそれは快適ではあるのだが、集中力にかける。そしてこうやってサイバーの定義について思いを巡らすこともないのだろうな、と。

などと考えているうち、チームごとに散歩にいきましょうということになる。私が所属したチームは「チームはぐれもの」四人で仲良く歩き出す。私がトイレに行っている間に行き先を検討していてくれたらしく、渋谷川にいくことになる。途中でチームの方と話していて「A4の張り紙はサイバーだ」ということに気が付く。誰かが言っていた言葉を私なりに理解するとこうなる。本来建物とか都市の設計は自然に導線が作られることを意図している。しかし現実は往々にしてその通りになっていない。そうした場合に立派な看板や張り紙ではなく簡単にプリンタで出力できるA4用紙が使われることになる。つまりA4の張り紙は「サイバー」そのものなのだ。なるほど、これは面白い。

そう思って歩き出すとさっそく見つかる。サイバーな張り紙が。

サイバー張り紙

この張り紙は実にサイバーだ。まずそもそもここに座って欲しいと建築家は思っていなかっただろうが、場所としてはまさに「座って欲しい」と言わんばかり。そしてそこに張り紙をしたのはいいが、一番肝心な文字が消えてしまっている。よくみると「すわらないで」という文字を赤で印刷したようなのだが、赤い文字が一番最初に流れてしまっている。お散歩が終わったあとのプレゼンで私はこの写真を前に「この残念さがいとおしいと思いませんか?」と聴衆に訴えることになる。

さて、そこからてくてくチームは進む。気になったものを全部書いているといつまでたっても終わらないのであと2点に絞る。新しい渋谷には電柱がないが、古い渋谷にはある。そしてこの電柱はどうだろう。

サイバー電柱

一体何をどうしたら一本の電柱にこれだけリング(というか留め具?)のようなものが設置されうるのか。私は歓喜してこの電柱に周りをぐるぐるまわり、あるいはほとんど電柱にだきつかんばかりの体勢で写真を撮り続ける。知らない人が見たら完全に頭のおかしい人である。

そして最後は同じチームの方に教えてもらった実にびっくりな看板。

巨大看板

大学の教養学部が近くだったこともあり、渋谷は比較的馴染みの街だった。合わせれば十年近く近くで勤務していたこともある。なのにこの巨大なビル上の看板には全く気がつかなかった。しかしそう知ってみれば見逃すはずがないほど巨大な看板。これは本当に驚いた。ビル自体はとても古い。つまり渋谷が新しくなろうが、なんだろうがこの看板は昔からずっと存在していたのだ。誰にも知られずに。これこそサイバーではなかろうか。

などと驚きにみちた時間はあっというまにすぎ、チームで元の会場に戻る。そのあとはチームごとに5枚写真を選んでプレゼン。私は「この残念さがいとおしくないですか」と連呼する。

各チームからの発表も行われる。皆よく気がついたなあと思うものばかり。各チームは独立に写真を選んだのに全く被る気配がない。見方をちゃんともてば、渋谷はサイバーな魅力あふれている。

新たな発見と春暖かい日差しの中での渋谷散歩。ご満悦のうち私は会場を後にする。


ごんざれふ賞2020-2021

2021-03-01 06:48

さて、理由がさっぱりわからないうちに、感染者数が増大したり減少したり。そんな毎日ですが、皆様ツツガムシに噛まれていませんか?

今年はロスアンゼルスで行われるイベントは例年とはちがう時期に行われれるとのこと。しかしそんな些細なことは「ごんざれふ賞」には関係ありません。とはいえ今年は例年になく鑑賞数が少なかったのも事実。でもちゃんといい映画も(私にとって)ダメ映画もありましたよ。
あと今年から「男優、女優」の区別をやめました。ジェンダーがどうのこうのとか関係なく、単に「よかった人」を何名でもリストアップするのです。決して今年観た本数が少ないので該当者無しを出さないためではありません。

毎年恒例ですが受賞資格があるのは「私が2020/3/1-2020/2/28に観た作品」です。今年は特にこの規定が重要なので、みなさんよく覚えておきましょう。 それではさっそく発表です!


作品賞:
もののけ姫

作品賞-次点:
アルプススタンドのはしの方
フェアウェル

今年は「作品賞-次点」を作りました。なんとなく作品賞にするには気がひけるけど、でもいい映画だったことは間違いない。もののけ姫で描かれる「現実の要素をばらばらにして再構成した日本の姿」には驚嘆しました。「この映画見た方がいいよ」と言われたのは二十三年前ですが。紋切り型の量産邦画/洋画が蔓延する中「こういう映画がみたいんだよ」と思わせてくれた2作品が次点です。


主演賞:
のん@私をくいとめて
煉獄杏寿郎@鬼滅の刃

能年玲奈は素晴らしかったです。彼女をめぐってはいろいろな事情があるのでしょうけど、あの女優としての才能を発揮させないのはおかしい。
煉獄さんは、映画を観た直後は「ああ、少年ジャンプだな」と思っていたのですが後でじわじわくる。ものすごく単純なキャラクターのはずなのにじわじわくる。漫画を読む。をを、映画はいまいちだったけど、漫画は傑作だ。しかしなぜ漫画が傑作なのかがわからない。
これだけ人に考えさせれば、文句なく主演賞です。


助演賞:
ジェンファー・ロペス@ハスラーズ
黒木ひかり@アルプススタンドのはしの方

ハスラーズの最後のダンスはとても印象的。あの映画に描かれていた女性たちの姿を象徴するようで。アルプススタンドのはしの方が定義によって「いまいちさえない高校生」の物語なのですが、その中で唯一カーストを極め、そして苦悩する姿がよかったです。


ちょっと言及したくなったで賞:

ある画家の数奇な運命
最近アートについて考えることが多いのです。その意味で今年この映画をみることができたのは幸運でした。

ルース・エドガー
人間社会における差別。それは簡単に色分けできるようなものではない、ということを改めて考えました。

さて、最後はみなさんお待ちかね


観てしまった中で最低映画賞:

パラサイト 半地下の家族

いやね、ロスアンジェルスでいろんな映画が作品賞になるのはまあ他人の趣味だからいいですよ。しかしこの映画どこに面白さを感じればいいのか。真面目に努力して成功した男とその家族がなぜあっさり殺され、不幸のどん底に落とされなければならないのか。いや、確かに世の中理不尽なものですが、金をとる芸なら何かを考え、感じさせて欲しいと思うのですが。


というわけで、今年は果たして何本映画を見ることができるやら。しかし私は確信しているのです。きっと来年のごんざれふ賞もネタには困らないぞ、と。それではみなさま来年の「ごんざれふ賞」までさようならー ならー ならー(エコー)


Apple Carを作るのは

2021-02-16 07:44

Appleが自動車を作っているのは公然の秘密である。しかし情報は交錯している。ずっと交錯していて実態がよくわからない。

最近になって、Appleが自動車メーカーと製造委託について交渉しているというニュースが流れ出した。(しかしそれとは真逆の「Appleが作るのは完全自動運転車だ」という情報もあり、これもよくわからない。完全自動運転車は、Appleが何か奇跡的な人工知能を持っていない限り十年以上先に存在しているはずだが)しかしこれとて数年前から予測できた事態ではないのか。

Googleが次に買収するのは韓国のキアだ。そしてAndroid Phoneと密接に連携できる"Nexus Car"を売り出す。もちろんGoogle +に登録すると大幅なディスカウントが得られる。Compact Carがなんと$999。あと

「サービス向上のため、ドライブデータをGoogleサーバーに送信することに同意する」

という使用許諾書にもOKをつける必要がある。もちろんほとんどの人は使用許諾書の内容なんか読んでいない。

車内にはHUDが標準装備され、Google Glassと同じアプリが使える。つまり車は拡大版Google Glassになる。装着に不自由さがないことに加え、バッテリの心配をする必要もない。もちろんスマートフォンをアップデートすれば、同時に車内で使えるシステムも新しくなる。少し待てば自動運転機能も手に入る。

キアの買収でうまく行かなければ、次はインドのタタ。日本の三菱自動車とかとにかく売りにでるであろう自動車メーカーはいくらでもある。つまり主体はGoogleのアプリで、車は「アクセサリー」なのだ。

引用元:ごんざれふ

私がこう書いたのはちょうど七年前。このころはGAFAがあれこれ買収していた。GoogleによるMotorolaとかMicrosoftによるNOKIAとかね。でもって最近は「それはうまくいかない」ということになった。というわけで、買収ではなく、業務提携だ。

さて

普通に考えれば、自動車の製造委託を受けてくれる会社はすでに存在している。だからそこに依頼するのが当然だ。

Another possibility is Magna, something that has been rumored for years. Magna is based in Ontario, Canada, and currently has close working relationships with companies such as BMW and Jaguar Land Rover. Magna produces a variety of car parts.

引用元:Apple Car: Bloomberg report rounds up multiple possible assembly and production partners - 9to5Mac

MAGNAとか懐かしいなあ。しかしそこが本命として上がらないということは、おそらくAppleは単なる製造委託ではなく、ある程度の技術開発力も合わせて獲得しようとしているのではないか。具体的には電気自動車開発能力だ。

でもって

自動車会社というのは、唯我独尊的な社風に満ち溢れている。自分たちは偉い!なぜなら生態系の頂点(彼らの目からみて)にいるからだ、というカルチャーに染まっている。

だから

普通の自動車会社は、おそらく「Appleの下請け」となることを望まない。いつまでそうやって意地を張っていられるかは知らないが、とにかく完全にくたばる寸前までは「自分たちは頂点だ」という幻想にしがみつく。

普通に考えれば、この図式に三菱自動車はピッタリだ。もはや何のプライドもないし、今や日産の一部署でしかない。日産としてもAppleが使ってくれるなら「どうぞどうぞ」というところではなかろうか。それでも名前が上がらないというのは、やっぱり、、、なんだろうな。


忘れがちなこと

2021-02-04 09:29

二十五年ほど前、Appleの製品は迷走し、その品質には疑問符が付いていた。

そして今、Appleの製品の多くは(全てではないよ)最初から驚くほど「あたりまえ」に動く。It just works.この言葉そのものだ。

私のように身の回りがApple製品だらけの人間はついそのことを忘れてしまう。しかし本当はそうではない。「あたりまえに動く」ことは偉大なことなのだ。今日この記事を読んで思い出した。

アプリによっては通知の挙動が不安定なこともあります。筆者の試した範囲ではLINEの新着が2回行なわれるほか、Facebook Messengerの位置情報共有は1分ごとに通知が来るという挙動のため、位置情報を共有している間ずっと通知が鳴り続けていました。

また、通知だけでなくメニューなどを表示した場合、手動でボタン操作しないとホーム画面に戻ることができません。通知を確認してそのままにしておき、ふと時間を確認したくなってwena 3を見ると通知画面が表示され、ボタンを押してホーム画面に戻る……、という手間がかかります。

引用元:スマート×スマートウォッチ。wear OS+wena 3でSuicaの自由を【いつモノコト】-Impress Watch

背景を説明する。Apple WatchはiPhoneとの組み合わせでないと動かない。そのためAndroidを使っている人は、いやがおうでもWear OSに対応したスマートウォッチを使わざるを得ない。

でもって

こちらがなかなかSuicaに対応してくれないのだそうな。それはお気の毒に。というわけでこの記事を書いた人は、最近Sonyが発表した「Suicaに対応した腕時計バンドに実装されたスマートウォッチ製品」とWear OSのスマートウォッチを組み合わせたのだそうな。

でもって

利益1兆円を超えて絶好調のSonyが売っているwena3のできが上に引用したような状況だという。つまり今のAppleでは到底リリースされるはずもない品質。しかし昔のAppleであれば、これくらいのことがおこっても別に不思議にも思わなかったのだ。

この話を読んで

It just works

がいかに偉大なことかを再認識する。そして売れる製品を作る、というこはいたずらに新規な機能やらサービスを盛り込むのではなく

It just works

を実現することではないか、という思いが強くなる。