続Apple原理主義者の憂鬱

2019-06-25 08:09

今これを書いているのはMac Book 12inch @ 2016モデルである。とうとう長年使ったMacBookAir Late 2010から乗り換えたのだ。ではなぜMacBook 12inchか?

私はARM版のMacBookがいつかでると信じている。そしてそれに乗り換えたいのだ。しかし(予想通りといいながら)WWDC2019はMacBookおよびARMへの移行については素通りした。となるとどう考えてもあと1年は移行はない。

なのにMacBookAirの動作速度は低下するばかりである。Safariがフリーズするのでほぼ1日に2回再起動しないといけない。これはもうなんともならない。

そんなある日

「中古でつなぎの機種を買えばいいんじゃね?」

というアイディアが頭に宿る。調べてみると、MacBookの中古は結構安くなっているようだ。ひたすらGoogle先生に「中古MacBook」とお伺いをたてながらWWDC2019の期間を過ごす。

そしてとうとう決心する。もう買ってしまおう、と。いうわけで乗り換えたわけだ。するとどうでしょう。何かもスムーズに動く。ずっとつけている体重の記録をGoogle SpreadSheetに入力するのも一苦労だったのが一瞬である。あとはこころ穏やかにARM版MacBookの登場を待つだけだ。

それと時を前後してApple Watchも購入した。シリーズ4である。いや、今まで使ってたのって会社の備品なので、あまり長く使い続けるのっていかがなものか、と思った訳なのだが。

といったところにこの記事を読む。

I do think the eventual play here is to swap out the old 11/13/15-inch line-up with a 12/14/16-inch one.

引用元:Comment: A 16-inch MacBook Pro seems a step towards a 12/14/16 line-up - 9to5Mac

少し前までPortable Macは11/13/15インチだった。11インチMacBookAirは消え、12inch MacBookがとってかわった。16inch マックブックの噂は以前から根強くでている。

となるとあとは13インチが14インチになるだけ。Tim.前から言っているだろう?14インチの美しいMacBookを出すんだ。ARM CPUをつんでむちゃくちゃ速いやつを。私はそれを待っている。

この愛すべき12インチMacBookを使いながら待っているのだよ。Tim.



大学教授のご意見

2019-06-21 08:17

3年半前、東大の准教授(当時)はこう高らかに宣言していた。

未来予想

2016年にはAIによる知識獲得が可能になっており、来年には自動プログラミングも可能になる。そこからあと10年待てば人間の認知、知能の解明も可能になる、と。これがおこればまさしく産業革命と呼ぶにふさわしいインパクトをもたらすだろう。

不幸にして東大教授が予想する未来が実現するより、彼が予想を撤回する方が早かったようだ。

深層学習が初期の段階にあり、インターネットのようにビジネスインフラに至るには20年ほどかかると指摘。その上で「深層学習を基盤としたビッグビジネスが発生していないのは至極当然。長期的にとらえるべき」と現状を分析した。

引用元:深層学習はまだ初期段階--ビジネスインフラ化にはあと20年かかる:DEEP LEARNING LAB講演 - CNET Japan

「ビッグビジネスが発生していないのは至極当然」こう断言する神経には本当に感動する。これくらい言葉が軽くなければ東大の教授は務まらない、ということか。

所詮大学教授は、自分でビジネスをやるわけでも収支に責任を負うわけでもない。横で適当な寝言を言っていれば金が転がり込んでくる。不思議なことだが、大学教授のこうした無責任な発言はあまり問題視されることがないように思う。ハナから誰も相手にしていないのだろうか?いや、そうは思えない。

だから私は発言を続けようと思う。松尾氏が東大教授という肩書きの元に何を発言するかわからないが、彼の発言の「重み」はこの程度だよ、と。


不動産テックの歌

2019-06-19 08:30

不動産関聯の仕事にいまついていることになっているような気がする。でもって「FAXとか時代遅れの不動産業界を、IT技術で画期的に効率化!」という掛け声は飽きるほど聴いた。たとえばこんな会社がある。

TATERU Apartmentなら
TATERUのアパートには、賃貸住宅をIoT化する便利な「TATERU kit」が標準装備。 IoTを活用して、入居者様をサポートする「TATERU kit」がスマートなライフスタイルの実現をお手伝いします。

引用元:アプリではじめるIoTアパート経営 TATERU Apartment(タテルアパートメント)

でもってこの会社がやっていたことは(もちろんIOT機器も取り付けてはいたのだが)お客様の預金情報を改ざんし、無理に融資を通すことだった。

かくのとおり「不動産業にITを」という話はなかなか一筋縄ではいかない。あるカンファレンスでは「不動産業の本質は捏造と隠蔽」と言っていた。

これは株とかにも通じる話らしいのだが、

「一般の人に広く募集がかかる話で儲かるはずがない」

ということのようだ(実感していないので、語尾が曖昧)

「捏造と隠蔽の業界」にIT技術がどのように立ち向かうか。いろいろな国にはいろいろな事例があるのだが、まあなんというか。こういう業界はきっとゆっくりゆっくりと変化していくのだと思う。


元年の後に来る「こんどこそ」

2019-06-18 08:02

確か数年前がVR元年だった気がする。もう覚えていない。こういうのは言ったもの勝ちで外れても誰も覚えてないからね。でもって今朝またこんな記事を読む。

ARの活用と、スマートグラスに向けた動きが加速している。

引用元:ARの夜明け前。5GとOSの改善で開拓フェーズに【西田宗千佳のイマトミライ】-Impress Watch

うん。そうだねえ。この記事に書いてあるのはARであってVRじゃないよね。

加速だか猫柳だか知らないが、こういう「動きが加速している」などという曖昧な言葉は全て無視するべきだ、とこの年になると思う。

この記事を書いているのはプロのライターだから、商売でやっているのかもしれない。しかしこういうひねりのない「今度こそ」という記事を何年も書き続けられる神経というのは不思議としかいいようがない。

そしていつものことながら、問題は「コンテンツ」だ。それが皆が使いたいと思うものなら普及するし、それなしではいくらハードが進歩しようと絶対に普及しない。

つい数年前まで私は腕時計を絶対腕につけない人間だった。それが今では起きて一番最初にすることはApple Watchを装着しロックを解除することである。なぜかといえば別にウェラブルを体験したいとか、今年がウェアラブル元年だとかとは全然関係がない。便利だからだ。

なぜこの簡単な原則が理解されないのか理解に苦しむ。もう何年にもわたって「ブロックチェーンは次に来る!」とか言っている人たちの神経も理解に苦しむが。その「次」はいつになったら来るんだろうね、というかブロックチェーンでなければできないすごいコンテンツを考えたほうが「次に来る!」とか寝言を言っているよりよっぽど生産的だと思うのだが。


デザイン思考がわからない

2019-06-17 07:54

これまでに何度か書いたことだが、私には「デザイン思考」なるものがよくわからない。何度聴いても何を言っているのか理解ができないのだ。

ユーザを観察する。プロトタイプを作って改良を繰り返す。そんなのは当たり前の話であり、その方法には長所もあれば欠点もある。なのに何をそんなにいきがっているのか。そういうところにこういう記事を読む。

これからの社会を——もはやロジックだけでは正解を導き出せない時代を生きる全てのビジネスパーソンに必須の、「思考のメソッド」です。

 では、どんなメソッドなのか。

 トップデザイナーたちが実践している思考法を抽出し、理論化し、それぞれの仕事(企業経営や商品開発はもちろん、営業やマーケティングに至るまで)に転用することによって、これまで誰も思い浮かばなかった、優れた答えを導き出す――。これが、デザイン思考の大枠です。

引用元:スティーブ・ジョブズが頼った“切り札”――「デザイン思考」がもたらすこれだけの“革新” (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン

上の文章を読んで何を言っているかわかるだろうか?私には薄っぺらな宣伝文句の集合体としか思えない。おまけにこの記事を最後まで読んでも何もわからず結局

「僕が書いた本を買ってね!」

になっている。

こういう人間が「デザイン思考」と吹きまくることが、デザイン思考のネガティブキャンペーンになっているのではなかろうか。

とはいってもこの記事から学ぶ点はいくつもある。とにかく名称を作って吹きまくればそれなりに商売になる、ということ。だから私も文句ばかり言っていないで自分で旗をあげよう。名付けて

マインドフルネスデザイン

なんかかっこいいでしょう?えっ?だめ?本はそのうち書くから。



元模倣の天才

2019-06-14 08:01

今の若い人は知らないかもしれないが、かつて日本は「模倣の天才」と言われていた。TVも自動車もアメリカ製品を模倣し、そのうちもっといいものを作ることで世界を席巻した(そんな時代もあったのだ)

今やわが国はその「お家芸」であった模倣すらできなくなったらしい。私はやったことがないがドラゴンクエストという有名なゲームがあり、それをPokemon GO的な外を実際にあるゲームにしたものが発表された。その中身はどうかというと

外に歩けばレベリングは出来るけど、装備は札束使えば寝ながら揃うというのは運営バカだと思うわ。

ポケモンGOでいうレイドパスはゴールドで買えるけど、これを課金要素にしろよw

においぶくろとかキメラの翼とか有能な道具をゴールドで買える仕様にしたのか理解できない

引用元:タートル@雑談さんのツイート

私は長年Pokemon GOをプレイしているが、現金は一円も使っていない。それでも十分楽しい。ホリエモンが「課金しても強くなれない」と嘆いていたらしいが、開発元はPay to win:課金すれば勝てる、という要素を徹底的に排除した。つまりお金を払えば強い武器が手に入るとか、体力が回復するとかそういう要素を全部削ったのだ。ではどこで儲けるか?そうやって人がたくさん使ってくれれば、ゲームが人間の動きをコントロールすることができる。それゆえユーザからではなく、スポンサー企業を募りそこから集金したのだ。これは実に画期的。

その成功を十分学ぶ時間があったはずだ。ゲーム各社は。なのにこのドラクエGoは従来の

「金を払えば強くなれる」

から一歩も進歩していないらしい。

位置ゲーとしポケモンGOから一番学んでほしかったのは集金要素なんだよね。

ガチャがなくても集金出来るのがポケモンGO。企業的な視点で言うとね。

本当にもったいないゲームだと思う。

このままだと星ドラGOになる。
18:18 - 2019年6月11日

引用元:タートル@雑談さんのツイート

最初にPokemon Goのようなゲームを作るのはとても勇気がいることであり、失敗の可能性も高い。しかしそれを模倣するのはより容易なはずだ。とくにドラゴンクエストのように皆が知っているキャラクターを利用できるのであれば。

なのに、今や日本企業は模倣すらできない。結局

「金を払えば、ガチャが回せます。ガチャであたると強くなれます」

を改めることができない。

もうあれだ。「ものづくり大国」とかいう夢に浸るはやめ、まず負けを認めよう。その上で模倣からやりなおしませんか?


ファンタジーと現実と

2019-06-13 07:56

"人工知能"に関する本を書きながら、あれこれ調べたり考えたりしている。

最近あることに気がついた。”人工知能”で飯を食べていく方法は二つあり

・実際に”人工知能”技術を応用したサービス、製品を作り現実と対峙する

・何も作らないが適当にホラを吹く

後者は概して楽観的である。というか無責任なまでに楽観的である。強い人工知能がどうの、シンギュラリティがどうの、フレーム問題なんかも難題ではない、とうそぶくのは後者である。ただ彼らは(今のところ女性の例を見つけられていない)何も作らない。

それに対して前者は後者に比べ「現実的」である。その一人の声を聞こう。

アマゾンはすでに、約50の自社倉庫に、20万台以上のロボットを導入。高度なロボット工学にも多額の投資を行なっている。
5日には、倉庫内で仕分け作業を行なう「Pegasus」や、荷物を入れたパレットを運ぶ「Xanthus」など、新型ロボットを発表した。
しかし同社のロボット技術部門を率いるタイ・ブランディ氏は、全自動化の段階に達することは決してないだろうと述べた。
機械学習や自動化、ロボット工学や宇宙産業で活用される技術などに関する、同社のカンファレンスイベント「re:MARS」でBBCの取材に応じたブランディ氏は、「そんなことには全くならない。そんな風になるとは少しも思わない」と、倉庫の全自動化を否定した。

引用元:アマゾン幹部 「人間は今後も必要」 ロボット大量導入も全自動化は否定 - BBCニュース

今でも「空想的人工知能識者」は「人間の仕事がAIに奪われる!」と叫んでいる。しかし彼らは一向に「機械に押し付けたいような仕事」を奪ってはくれない。彼らは何もしないからだ。

そして自動運転にしろ、倉庫の自動化にせよ現実と対峙している人間は、イーロンマスクを除いてAIが人間を完全に代替することに否定的である。しかし今日も空想的人工知能識者の講演が途絶えることはない。


北朝鮮の幸福度

2019-06-12 08:05

遠慮なく意見を述べてほしい、と言われた時には嘘をつかなくてはならない。特に何も付帯条件をつけずに意見を求められた場合も嘘をつかなければならない。とにかく本当のことを言ってはいけない。

私は元学業での優等生だったので、この簡単な原則を学ぶのにひどく長期間を要した。学校では問題に対して正解を答えると無条件に高い評価が得られたのだ。そして社会にでるとそんなことはまずない。

「悪いニュースを伝えた人は、それがけっして当人の責任によらない場合でも、非難され、ネガティブな感情を向けられる傾向にある。その帰結が“沈黙効果”だ。優れた生存本能を持った部下は、悪いニュースを和らげて聞こえをよくしたり、そもそもニュースが上司に伝わらないようにしたりする。このため、厳しいヒエラルキーの中で上層部に届くのは、喜ばしい話ばかりになっていく」

引用元:従業員が声を上げられる組織文化がなぜ重要なのか ボーイング737MAXの墜落事故からの教訓 | HBR.org翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

こうした事例はどの会社でもあることだと思う。これが現実だが、逆の傾向もある。昨今であれば会社は従業員の満足度にも大きな関心を払っている。問題はそれをどうやって測定するかだ。

いつも思うのだ。アンケートをとれば、世界中でもっとも幸せな国は北朝鮮だと。誰もがそれが嘘だと知っているが、じゃあ否定するデータを収集することができるか?と言われたらNOと答えるしかないだろう。

だからもし企業なり団体が本当に「構成員の本音を知りたい」と思ったらそれ相応の努力をする必要がある。それをしていないということは、企業なり団体は構成員の本音を知りたいのではなく、構成員が「私たちは幸せです」と叫ぶ声を聞きたいと思っているということなのではないか。



日本的ものづくり論

2019-06-11 07:24

某大企業内で展示会をやった時「これはどのようにして設計したのですか」と言われた。私は

「勘です。これがいいと思ったからです」

と言った。若い二人は顔を見合わせて「それではいけない。ちゃんとこれが最適という説明ができないと」と言った。

私はそうですか、と言って笑った。まあ若いからそれでいけると先輩に言われたんだよね。でもね、理屈なんて何とでもつくんだよ。そんなものに意味はない。

おそらく日本の大企業のほとんどはこのロジックで暮らしていると思う。合理的に説明がつき、美しいパワーポイントを作ってゴミを製造する。つまりはこういうことである。

日本の多くの企業で今起こってるのは、マーケティングが主人になってるんですよ。マーケティングが「何を作るか」を決める。人間がそれに従って働くっていう構造になってて、人間がマーケティングの奴隷になってるんですよ。

私はコンサルタントとして外から入っていって、いろいろなプロジェクトに関わりましたけども、「こういうデータは置いといて、〇〇さんはどういうものを世の中に出したいんですか?」って言うと、みなさんキョトンとします。問われたことがないんですよ。考えたことがないんです。

引用元:日本企業はマーケティングの奴隷になっている アートを軸に、サイエンスを道具として使う時代のビジネス論 - ログミーBiz

まず「いいもの」を作る。ここで「いいもの」というのは心の底から自分たちが「これは世界一だ」と思えるもの。その次に売り方を考える。このあたりまえの順番がほとんどの企業で忘れられていると思う。

思えばソニーがウォークマンを出し(最近のゴミのほうね)「これはiPodよりいいものです。売り上げでiPodに勝ってます!」と言っていたところが最後の華だった。あそこまではまだ「音楽機器を作らせればソニーはAppleより上だ」という幻想を持つことができた。

今やそういう幻想を持つことすらできない。そしてなぜそうなってしまったのか説得力のある説明をみたことがない。ということはその問題は今も存在しているということである。私は確信している。日本人がバカな説明にうつつを抜かし、決断する度胸をなくしたからだ、と。


GAFAとの差

2019-06-10 07:34

WWDCというAppleの開発者会議が終わった。初日のキーノートスピーチでは、Mac Proがどうしたとか、Pro用ディスプレイのスタンドが10万円するとかが一般的には話題になったと思う。

少しでもiPhone,Mac上でプログラムを書く人間であれば、驚愕したのはSwiftUIだったと思う。ハードウェアに関してはいろいろな予想がでており、それはほぼ当たっていたし、OSに関しても噂も同等。しかしSwiftUIは全くの不意打ちだった。

何のことかわからん、という人がほとんどと思う。簡単にいえば、AppleがApple製品の上で動くソフトウェアを作る方法を劇的に直感的に、シンプルにしたのだ。

それがどうした?という人にはこう問いたい。Appleはハードウェアを作って儲けている企業だ。(基本は)その上で動くプログラムの開発をやりやすくすることにどれだけ意味があるのか?少なくとも日本の家電メーカーはこうした視点を全く持たなかった。

驚くのは、そうした「直接的には一円にもならない」プロジェクトにものすごい人材と費用を投資していること。この「劇的にシンプルにする方法」はソフトウェアの開発に関する深い知識、経験と思索に支えられており、私が知る限りこうした開発をできる人はほとんどいない。

これはとても日本企業が真似できるところではない。というかそもそも真似しようとすら思わないだろう。

昨日秋葉原の駅前で「Amazonは日本に税金を払っておらずけしからん。Amazonは日本にいらない。Amazonみたいな会社を日本で作ればいい」と誰かが演説していた。私はそれを苦々しい思いで聞いていた。おそらく日本の経営者のほとんどは自分たちとGAFAの何が違うのかすら認識していないと思う。