MA5の表彰式に行ってきたのだ

2009-11-30 07:11

というわけで昨日はMA5の表彰式に行ってきた。

一大レポートを書こうと思ったのだが、疲れてしまった。というわけで頭に残ったことをうだうだと。

・会場につく。リハーサルをやっているらしくしばらく入口の前で待つことになる。

・中にはいる。参加者の座席はクラス分けされており、SSとかSとかいうのがきっと優秀賞、特別賞なのだろうな、と思う。部門賞はA,B,C,Dと分けられているが、この文字列の順序には基本的に意味はないことを後で知る。

・オープニング。We will rock you のメロディにのってスクリーンになんかのアニメーションが流れる。凝っているのはわかるのだが。。。なんというか。。。

・司会者はおそらくプロの人。誰かがTwitterで書いていたが"どこかプロレスののり"である。呼ばれたらファイティングポーズでも取らなければならないかと思う。

・最初に優秀賞の人たちのプレゼンテーション。

・一人目は渡邊ケイタさん。日常のちょっとした隙間時間に動画を見よう、というコンセプトで電子レンジとYoutube動画のマッシュアップを提案。会場大受け。

いつもながらコンセプトはすばらしい。しかし実用にするにはまだいくつもハードルがある。そしてそのハードルは低いものではない。

というか渡邊さんが応募していることに全く気がつかなかったのはなぜだ>自分

プレゼンテーションは"スライド"を使うのではなく、一枚の連続した動画、という試みが興味深い。"止め"を使い、聴衆の視線を画面ではなく、自分に集める試みがあったら、よりおもしろかったかもしれない。

・二人目(ちょっと順序不同)はOpenSocial Dashboard。ををこんなことが。これは便利そう。帰ったら使おうと決心する。プレゼンもきっちり時間どおりでおみごと。

・三人目はradioooo。Youtubeの音楽コンテンツを連続的に流すもの。それだけだったら新しくないが、リクエスト、フィードバックをTwitterを使って行うところが面白い。今回Twitter APIを使ったものが多かったと聞くが、こういう少しひねった使い道に興味を覚える。

・4人目がSocialCombat V 唯一プレゼンがうまくいかなかった。4回ネット接続にトライしたがつながらず、売りの場面を見せることができなかった。バックアップの動画をとっていなかったのか。。
私自身はゲームをしないし、プレゼンからは何が面白いのかよくわからなかった。CombatとTwitterがどのように関係するかもわからなかったし。

・最後がTRAVATAR。iPhoneアプリで、自分のアバターが勝手に他人のiPhoneにのりうつり旅をしてくれる、というもの。途中の動画がAppleのiPhone CMのパロディになっており会場大受け。とはいえちょっと長かったかな?

・といったところで休憩時間。

・休憩時間の後は部門賞の発表。海上の脇に椅子が並べられ、Aから順にその椅子に座る。合図でぞろぞろとステージの上に登る。ここからは流れ作業。

・スポンサーから商品を手渡される。カメラに向かって顔を作る。レッドカーペットにおりる、という一連の行動が延々と繰り返される。前のプロジェクタに作品名と作者名が表示されるが、それが何かは全くわからない。

・受賞者欠席が結構いる。部門賞は交通費もでないし、仮に遠隔地にいれば確かに出席を見合わせることだってあろう。日程もあるしね。"面白さ"を全面に押し出している某企業は鎌倉からくる交通費がなかったのだろうか?

しかしスポンサーの欠席の多さには驚いた。代理のリクルートの人は大活躍である。


・それが終わると今度は特別賞。こちらもどんな作品が受賞したかは名前でしかわからない。Twitterの書き込みから判断すると、特別賞からは旅費が出るらしい。

U-23というカテゴリーがあり、高校生の方が受賞していた。私はo-50というカテゴリーの新設を提唱したい。(自分はまだ該当しないけどね)

・そのあとは最優秀賞の発表。受賞はSocialCombat V。ひとつだけ確かなのは、"当日のプレゼンは何の関係もない"ということか。

・審議が紛糾したとのことで、審査員特別賞がCast ovenに授与された。

・最後に受賞者全員が舞台に上がって記念撮影。総計50名以上が上るので、何がなにやら。

・そのあとは41Fにあがり、懇親会。何人かの方とお話させていただきました。ありがとうございました。話しているうち

"ああ、この人がKizasiのAPIを使っていたら、私はこの場にいなかったであろう"

と何度か考えた。

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というわけで帰り道にいくつかのことを考えた。特にWISH2009との比較だが。

・お金のかかり方には驚いた。WISHの菓子パンに比べれば懇親会の料理はすばらしい。

しかしそれとともにどこか

"心がこもっていない"

と感じたのも事実である。いや、これは表現がよくない。綿密に計画されたすばらしい式ではあった。しかし"開発者"の気持ちというものは少しずれたところにある。

たとえばこうだ。部門賞の受賞者は、選んでくれた企業の人ともっと話したい、あれこれ要望を言ったり、感想を言ったりしたいと思っているのではないだろうか?(懇親会で話した人の中に具体的にそうした要望を述べた人もいた)もちろん理論的には懇親会でそういうことを試みることもできる。しかしあの大きな場所で、自分が話したいAPI提供者を探すのは至難のわざだ。

できるだけ多くの人にスポットライトを当てたい、という気持ちは素晴らしい。しかしベルトコンベア式に壇上に上がって何がわかるのだろう。懇親会で話しているとき何度か

"提供企業の方ですか?"

と言われた。他人がどんなもので受賞したか誰も覚えちゃいないのである。自分が壇上にいるとき10秒でもいいから自分の作品の動画、あるいはパワポ一枚を表示せてくれればな、、と私は考えたが。

授賞式に欠席するAPI提供企業の多さも少し気になりはした。企業ごとにいろいろなスタンスがあるとは思うが、"スポンサーしました。はいおしまい"と開発者の意欲にはちょとずれがある。

商品も実にさまざまだ。気になったのが"ノベルティグッズ詰め合わせ"。そもそも自社のノベルティグッズにどれくらい"客観的な"商品価値があるか、そういう会社の人は考えたことがあるのかな?自分自身がノベルティグッズもらったらうれしいと思うのだろうか。

逆に開発者の気持ちを見事にくみ取ってくれた商品もあった。APIの無料使用権とかね。他に楽しい商品もたくさんあった。みそ一年分ってどれくらいになるのだろう、とか。

私がきざしカンパニーさんからもらえたのは

"チロルチョコレートと紅茶の詰め合わせ"

もらった瞬間、

"これを持って帰れば奥さまに怒られない。ありがたや"

と思った。実際奥さまに見せたら

"○○(ブランド名。すいません。もう覚えちゃいません)?高級な紅茶じゃない。うれしー"

と大変ご機嫌であった。すいません。そんなすばらしいものをいただけたと全く気がついておりませんでした。豚に真珠、ブラに貧乳、猫にこんばんわ、とはこのこと。きざしカンパニーの方。ありがとうございました。

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こうした"判断基準を定量化できない"コンテストは結果にあれこれ言ってもしょうがない。優秀賞の作品はひとつを除いて

"なるほど、これはとてもかなわない"

と思うものばかりであった。ではここで

MA5ごんざれふ大賞の発表です。

radiooooでしたー。実用的であり、かつTwitterを面白い使い方をしているところがすばらしいと思う。

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来年は、、、そもそも、、、


私が目指すモノづくりの姿

2009-11-27 07:13

フィル・シラーのインタビューから引用する。

1つ言えるのは、我々は非常に単純明快な原理原則で動いているということです。それは何か――「自ら愛せる商品を作る」という原理です。

via: アップル上級副社長に聞く:「デジタルライフスタイルの未来はiPhoneにある」――フィル・シラー (2/4) - ITmedia +D PC USER

これは大変重要な点だが形式がまかり通る企業という世界では最も無視される点でもある。

世の中には"こんなもの誰が使うんだ"という製品がまかりとおっている。そういうものを骨身を削り、自分を殺して作り続けるエンジニアには同情の念を禁じえない。(私が今やっているのもおおむねそうしたことだが)いや、悲惨さが一定限度を超えると"これを使って楽しいのか"とか考えなくなるんだけどね。

とにかく次のリリースに間に合わせる
とにかくバグを減らす

ことばかりが頭に占めるようになって。

というわけで企業で働いている人間にこんなことを言っても無駄だが、たとえば大学の研究室ではこれを徹底してはどうかと思うのだ。どんなに偉そうな言葉を並べようが、自分で使わなかったらダメ、とかね。

私のほかに誰も使わないGoromi-tubeだが本人および本人の子供たちはご機嫌である。したがって改良も続く。国際会議に論文が通ろうが、なんだろうが本人が使わないものは企業で飛び交う"報告書"と変わりはない。

私がアップルで非常に誇りに思っているのは、アップルは勇気と責任を振り絞って、顧客に代わり、この難しいトレード・オフの中での最良のバランスを見つけ、難しい決断を下し、そしてそのバランスの中での最良の製品を作るということを実践している点です。

via: アップル上級副社長に聞く:「デジタルライフスタイルの未来はiPhoneにある」――フィル・シラー (2/4) - ITmedia +D PC USER

この言葉にはフィル・シラーが誇りを持つだけの重みがある。

"勇気と責任を持って顧客に変わり決断を下す"

これができる局面というのはほとんどない。お客様の声に耳を傾けることと、お客様の言うことを聞くことには天と地ほどの差があるのだが、ほとんどの仕事で要求されるのは後者である。その結果"誰が使うんだこんなもの"ができあがったとしてそれがなんだというのか?

ちょっと妄想を広げる。

これは政治の世界でも言えることではないか?友愛主義で、かつ国民の6割以上の支持を得ている現首相は、どうやら難しい問題に

"住民投票の結果"

を反映させたいようだ。

私の意見ではこれは"責任感と勇気に欠ける行為"でしかない。

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いや、これ以上書くのはやめよう。私はSI屋なのだ。白い製品だろうと黒い製品だろうと、お金を払ってれくれるのが良いお客様。へえ、なんでもやります。


映画評:2012

2009-11-26 07:38

頭が動かない日は本家から転載。

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これは日本映画ではなかろうか。考えてみればこの監督が作ったGodzilla にも同じように感じたな。しゃべってるのも日本語だし、ってそれは私が日本語版を観ざるを得なかっただけか。

いや、まじめにそう考えているのだ。これは50−60年代の日本の特撮映画のパロディではないか?そう考えれば主人公はどこか若き日の高島某に似ているではないか。

予告編を観たときから思ったのだ。深刻なのか、ちょっと茶化したトーンなのかよくわからないと。観てみれば深刻でも茶化したものでもなくただのゴミ映画だった。

地球が滅びるのはまあお約束。ニュートリノが物質と相互作用を始めるのもいいだろう。新しい粒子が見つかるのはよくあることだ。しかし"惑星直列"は勘弁してもらえないだろうか。私のような年頃の人間は大予言だの惑星直列だのグランドクロスだのは聞き飽きているのだ。

そこから例によって世界観光地壊滅巡りが始まる。日本はどうでもよかったのか一家族が吹っ飛ぶだけ。主人公ご一行が危機一髪で助かる場面が連続するがそのうちどうでもよくなり

"この映画館の天井には証明がいくつあるのか"

を 数えだす。というかこれだけVFXの予算を使って、よくこんなに退屈な映画を作れるものだ。黒人大統領は指揮官としての責任を放棄し、権限の委譲すらせず、つまり未来を捨て残った人達に語りかけようとする。合衆国大統領としていかがなものか、という議論は脇におき、そこまで覚悟したのだからせめて彼に ちゃんと演説をさせてやればいいと思う。しかしこの映画の制作者はそれすら許さない。

そ う考えると、この映画を貫く"気持ち"は合衆国大統領のそれより、現在の日本の首相に近い。友愛ボートだよ。みんな平等に助かる権利がある。とかなんとか いいながら、罪のない脇役はぼこぼこ殺されるし、画面の外で死んでいる数十億人は全く考慮外。中国人労働者の家族も友人も見殺しだけど、でも目の前にいる 可哀想な人を救わなくちゃ。友愛だよ!

友 愛ボートにたどりついてからがとても長い。現首相の施政方針演説のようだ。観ているうちに"この船とっとと沈んでしまえ"と思った人は結構多いのではなか ろうか。主人公一行の蛮行のおかげで溺れ死んだ人もきっといるのだろう。原子力空母JFKがホワイトハウスに激突するなどのDark Humorもあり、そういうエゴ、グロ満載の映画として開き直れば存在意義もあったと思うが、それには黒人科学者が友愛すぎる。

となれば今の日本国首相に心からの喝采を送る事ができる人はこの映画を楽しむことができるやもしれぬ。そう考えるとやっぱりこれ日本映画じゃないのかなあ。

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長々と書いているが、要約すれば

"破壊シーンの悪趣味さは特筆に値するが、友愛科学者がだらだらするおかげで全体が台無し"

といったところだろうか。

破壊シーンでは実に細かく人間が死んでいることがわかる。予告編でもやってた

"バチカンの建物が崩れ、信者を軒並み押しつぶす"

ところなぞこれでもか、というくらいに細かく書かれている。

ふと考えたのだが、このVFXはそのままに、タランティーノに作らせたらすごい映画ができたのではなかろうか。ああ、イングロリアス・バスターズ見に行けるかな。。


小ネタをいくつか

2009-11-25 08:18

子供用のマスクを買って帰ったら罵倒された日は、小ネタを並べる。

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どうせやるのであれば「エコカーとして国から認定された車のみ無料」とすべきだと思う。これにより、

  1. 日本の消費者の間でエコカーの人気が上がる
  2. →日本の自動車メーカーのエコカーへの開発投資意欲が上がる
  3. →日本にエコカー関連の知的財産が蓄積する
  4. →日本の自動車メーカーの海外での競争力が増す
  5. →日本の景気が良くなる
という相乗効果を狙う。財源はガソリン税および無料対象外の車の高速道路使用料金を当てる。

via: Life is beautiful: 高速道路無料化をするなら「エコカーのみ無料」にすべき

いやすばらしい。こういう無料化なら賛成だ。

民主党の政策にげんなりするのは、"負担軽減"という名の金ばらまきばかりで、それがどのような成長につながるのかさっぱり見えない点だ。

薄ーくひろーく金をばらまく、というのは戦略を考えなくてもよい、という点で楽な政策だ。失敗の責任を取らされる必要もないし。

しかしそれでは日本が社会主義国化するだけだ。一時の小泉バッシングのおかげで"構造改革"という言葉は全く聞かれなくなった。ではそれに代わる何があるのか、といえば

"友愛ばらまき"

だけ。

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日本テレビ番組は芸能人のキャラクターを知らないと笑えないものばかり。番組自体がおもしろいわけじゃない。芸能人のキャラクターという予備知識があってはじめて楽しめる番組ばかりで、何がなんだかわからない」(ドイツ人男性)

via: 外国人が日本のテレビ番組をつまらないと思うワケ - ガジェット通信

"日本の芸能の基本は、素人、幼稚、内輪受け"と10年以上前から声高に主張してきた(誰も聞いてません)私としては、この文章に反応せざるを得ない。

別に弁護するわけではないが、米国のSitcom等でもシリーズが長くなってくると内輪受け-というより笑うためには知識が必要なものはでてくる。

しかしそれはあくまでもそのShowにおけるキャラクターを知っていないと笑えない、というものであり、役者そのもののキャラクターを知っていないと笑えない、というものではない。

そうした"素人、幼稚、内輪受け"の業界がようやく沈没し始めたのはいいことだ。

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最近ちょっとした時間をみつけてはこの本を読んでいる。

なかなか見事な内容で、数式を一切(少なくとも私が読んだところまでは)使わず時空とはなにか。時間とは何かについて説明してくれる。いや、すばらしい。

しかし

読んでいるうち

"もう少しわかりやすく、面白く書けないものかなあ"

と思うのも事実。こういう本を2-3冊ベースに解説のようなものを書いたら著作権法にひっかるのかな、ひっかからないのかな。

特殊相対性理論が座標変換である、というところの説明は直観的だが

"わかったようなわからないような、、"

と感じるのも事実。相対速度が小さくても、遠く離れた位置での"同時"は大きく変わる、というところはもうちょっとうまく説明できないかな。。


想像力+ロジックとの戦い

2009-11-24 07:47

最近時々これを意識する。

私は想像力+ロジックの展開にある程度秀でている、と思う。しかし最近それが裏目にでていることを痛感することが多い。昨日こんな文書を見つけた。

対して、ごく少数ではあるが、リアルならぬ「本当の現実」を直視して、セルフリミットを設定しないひとがいる。無謀とも思える目標を淡々と実現していくひとたち。ぼくは、そういうひとたちを「ヴィジョニスト」と呼ぼうと思う。

 これは「ヴィジョンを掲げるひと」のことではない。「ヴィジョンを実践するひと」のことであり、もっというなら「ヴィジョンを生きるひと」のことである。

 かれらは間近なリアルではなく、自分のヴィジョンを見て生きている。だから、傍目には哀れなほど不可能なことにのめり込んでいるように見える。しかし、じっさいには、かれらにとっては、不可能ではないのである。

 リアリストとヴィジョニストが異なるのは、ヴィジョニストが理に屈さないことである。ヴィジョニストは「本当の現実」だけしか見ないため、理によって説得されないのだ。

 そもそも、理とは何か。シミュレーションである。じっさいにはまだやってみていない、つまり現実になっていないことを、ロジックによって結果を導き出そうとする作業である。だから、それは何より確固としているように見えて、しかし「本当の現実」ではないのだ。

via: 「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という言葉の意味。 - Something Orange

こうした観点からすれば、私は見事にリアリストだ。そしてはた目から見て不可能なことにのめりこんでいる人に対して悪ければ冷笑、よくて"うらやましいけど自分にはできない"と思うことが多い。

しかし

最近なによりも自分を制限しているのは、自分が想像した現実の制約であることに気が付き始めている。この年でそんなことに気がついてどうする、という意見もあろうが、いい年して冒険始める人間って同じように考えた人ではなかろうか。

数日前に、私が"オフィスにはいれない"と思いこみ、無駄に時間をつぶしたことを書いた(ような気がする)この場合私は自分の頭の中でつくりあげたリアルに負けていたのである。

現実は決して線形システムではないはずなのに、理屈をこねまわす私の頭はそうだと思いたがる。

しかし困ったことに頭の中には少数勢力としてヴィジョニストが存在しており、これが時々キーキー言い出す。最近その声が大きくなってきている気がする。


映画評:Disney'sクリスマス・キャロル

2009-11-19 07:16

力が出ない日は本家から転載

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ロバートゼメキスはいったいどうしてしまったのか。観ている間中そればかり考えていた。

フォ レストガンプやバックトゥーザフューチャーを作ったのと同じ人間が作っていると思えない。ポーラー・エクスプレスも同様なのだが、この差異はどうしたことか。

原 作は何度も映画化されている名作だから大はずれはないだろう、と思いながら見始める。しかしすぐにいらいらする。人間の表情と動きを取り込んでいるはずな のに、なぜこのように動きが鈍く、一昔前のCGのように思えるのだろう。なにもかも1テンポおそく、操り人形のように見える。こんなできなら実写主体のほ うがよかったのに。

ストーリはご存知の通り。しかしひたすら暗い画面からは、嫌な感じはするものの"過去と今の自分を省み、将来におびえる"感情は伝わってこない。それゆえ

"まだ生きている"

と知ったときの感情の爆発もない。ただ淡々と物語が進むだけだ。それはあたかも皺の動きとかは正確に再現されているが決して人間を感じさせない3DCGと対応しているかのよう。

現 在を見せる精霊の笑い声にいらいらし、未来を見せる場面ではほとんど訳がわからなくなる。家政婦がでてくるのだが、(私が寝てなければ)それ までに登場していないので、誰だかわからない。アクションシーンらしき物もあるのだが、暗い画面の中でしゅるしゅる動かれても楽しくない。

この監督はいったいどうしてしまったのか。どうして他の誰も使わない

"表情と動きを正確にトレースする"

3DCGに固執しているのか。

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いろいろな分野で起こることだが、いったんは偉大な仕事を成し遂げた人が、なぜかよくわからない深みにはまっていくことがある。エジソンは確か霊界通信にはまっていったとか。アインシュタインが統一理論の研究をしたのは、、まあまともなほうか。

というわけでゼメキスである。あんなに面白いバック・トゥ・ザ・フューチャーを作った人間がこんな映画を作る、というのは信じがたい。しかしそれは人間にしばしば起こることなのかもしれない。

この映画では何度も

"ほら、人間のしわ、細かい表情までこんなにキャプチャできたんだよ"

と強調するようなシーンが登場する。しかしそれがなんだというのか?これはSIGGRAPHじゃないんだ。

あんなに面白いStar Wars 4-6を作ったルーカスもStar Wars 1-3を作ってしまった。ヒットはなぜ生まれるのか。実のところ偶然の産物なのかもしれない。


MA5の作品一覧を見て

2009-11-16 07:13

MA5ことMachup Awards 5に応募した作品は346なのだそうな。その中でプレゼンができる優秀賞は5つ。倍率約70倍。方向性がいろいろな作品から5つを選ぶのだからそれは大変だろう。

選ばれる人より選ばれない人のほうがはるかに多いのだから、などと言ったところで選ばれないより選ばれた方がうれしいに決まっている。うれしくない人のために

優秀賞候補にあがりながら、最終的に5作品から漏れた作品がたくさんあります。そういう、作品・作者にもスポットライトをあてたいですね

via: UEMURA SEIJI (3416) on Twitter

というのは選ぶ側の実にやさしい心遣いだと思う。

さて、優秀賞の候補にもおそらくはいっていない私がどうするかといえば、とにかく目についたものにコメントを書く。同じようなことがたくさん行われれば、より多くの人がなんらかのフィードバックを得ることになる。それは良いことではないかと思うのだ。

私がどのように一覧を見たかといえば、とにかく

"インタフェースとして面白いもの"

である。いや、本当のことを言えば、サムネイル、題名と説明文書を斜め読みし、目にとまったものだけを見ている。またiPhone、Android,mixiのアプリは事情により最初から見ていない。

では行きます。

作品#32 キミのサイトの残り寿命・・・

via: 作品#32 キミのサイトの残り寿命・・・ | Mashup Awards 5 on CREYLE

アイディアの勝利。ただし、サイトのURLを入力してもトップページしか見ていないらしく一発芸の範囲を出ていない。




TV-lanD(テレビ欄D)

via: 作品#44 TV-lanD(テレビ欄D) | Mashup Awards 5 on CREYLE

動画系のサービスということで、見てみたのですが、すいません、使い方よくわかりませんでした。Updateのボタンはもう少し見やすくてもいいのではないでしょうか。




テレビジンは2ちゃんねるの実況板、Twitterからテレビ番組に関する発言をリアルタイムで集計し、グラフ、ランキングなどにまとめることで、いま一番盛り上がっている番組が簡単にわかります。

via: 作品#52 テレビジン | Mashup Awards 5 on CREYLE

MA5以前から注目していたサイト。とてもよくできています。NHK教育で妙な盛り上がり方をする部分があるのは、、困った人たちですね。。

もっと気楽に楽しさを見せるためにはどうすればいいのだろう。




ホテルとYouTubeの動画を紐付けることができるサイトです。
動画を見ながらコメントを残すこともできます。
ランキング表示も見ることができます。
意外な動画が見つかったりして楽しめます。

via: 作品#83 yado-ga | Mashup Awards 5 on CREYLE

"意外な動画がみつかることもある"という言葉にひかれて開けてみたのですが、、、このサークル上のサムネイルというのはわかりやすいのでしょうかね。




Aozora Bookshelf は「青空文庫」サイト上で公開されている文学作品を、現実に読書するような感覚でパソコン上で読むことができる青空文庫ビューワーアプリケーションです。

via: 作品#123 Aozora Bookshelf | Mashup Awards 5 on CREYLE

これを使って、青空文庫はやはりiPhone上で読む方が楽しくかつ便利だということを痛感した。




「WEB上の世論を検索するエンジン」です。
ある語句に対して世の中の皆さんはどう思っているのかを表示することが出来ます。

via: 作品#130 世論検索エンジン「くもの目」 | Mashup Awards 5 on CREYLE

よく見るタイプの検索エンジンインタフェース。動くのはわかる。しかし面白さがわからない。民主党で検索してみたがこれが"世の中の皆さんはどう思っているのか"なのか?

この丸の動きははたして、ユーザにとってわかりやすかったり面白かったりするものなのか?




「みんなの理由」 はWEB上に書きこまれた様々な 【 理由 】 を集めあなたにとって必要な理由と不必要な理由の区別無く
無差別に表示し続ける 【 ひまつぶし特化型WEBサイト 】 です。

via: 作品#158 みんなの理由 | Mashup Awards 5 on CREYLE

ひまつぶし特化型というのなら、自動更新されるべきではないでしょうか。




昭和の戦争はいつ、どのように展開していったのか?日中戦争、太平洋戦争の主要トピックをタイムライン上に時系列表示しながら、それぞれの事件の発生地域・場所・概要をgooglemapにマッピングしています。

via: 作品#177 タイムラインとグーグルマップで見る日中戦争・太平洋戦争史 | Mashup Awards 5 on CREYLE

歴史上の出来事は、地図とタイムラインを組み合わせないと理解できないことが多い。その点から概要を読んだ時はとても期待したアプリケーション。

今後コンテンツをもっとインタフェースにあったものにすれば、面白い存在になるかもしれない。




店頭で商品を見るように、コスメ商品を直感的な操作で探せるサイトです。

via: 作品#200 viewty-pix | Mashup Awards 5 on CREYLE

概要だけ読んで"Gards的なインタフェースか?"と思ったが、普通の一覧表示だった。




Timelog の全体の発言を取得して、発言を葉っぱとした木を作ります。葉っぱはそれぞれ、自分の発言に似た発言の近くにいくようになっています。

via: 作品#265 TLmori | Mashup Awards 5 on CREYLE

こういう"なんとかメタファーを用いました"というようなインタフェースって(この作品ではそうした言葉は使われていないが)見やすいものが少ないと思うのは私だけでしょうか。

そもそも発言を読むのに苦労するのは困りもの。




音楽や動画プレーヤーに、最適なインターフェイスは、iTunesのような、2ペイン(ツリーとタブページ)のレイアウトです。

via: 作品#331 btakes.com - 動画専用ブラウザ - Let's have a tube! | Mashup Awards 5 on CREYLE

"最適なインタフェースは2ペインです!"という割り切りがすがすがしい。目的は明確。インプリメントもしっかりなされている。

>>その使い勝手を、YouTubeでも、できるようにしたいと思いませんか?

という主張も明確。ただ私とは目指している方向が180度異なる。




CDを3D空間で探すことができます。

via: 作品#341 3DCDsearch | Mashup Awards 5 on CREYLE

理由はわからないが私の環境ではCDジャケットではなく、黒画面しか表示されない。

しかし見える範囲から判断するによくある"とにかく3D表示してみました"としか思えない。




Recommend to You は Webサイトの推薦エンジンです。商品に対して「オススメ」を行うAmazon.comのように、Webサイトの推薦を行います。

via: 作品#210 Recommend to You | Mashup Awards 5 on CREYLE

こういうサイトが欲しいと思っていた。意気込んで本家のURLをうちこんでみたら、いつまでたっても結果が返ってこない。本ブログでも返ってこない。表紙だけみれば解析が浅いといわれ、ちゃんと解析しようとすると時間がかかる。難しいものです。

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などと正直な感想を書きました。"このやろう、ひとの力作にケチつけやがって"という方は応募番号120番をけちょんけちょんにけなしてください。すいません。

というかあれだな。こんなブログに書くより、応募一覧にちゃんとコメントの機能があるのだから、そちらに残すべきだな、、と書き終わってから気が付きました。


これからは"使っている人の姿をデザインする時代"だ

2009-11-13 06:55

すいません。タイトルは釣りです。でもこれは前から言っていること(誰も読んでません)

私は日本の解体電話を使っている人の姿が大嫌いだ。親指をせわしなくうごかし、周りがどうあろうと小さな画面を覗き込む。みっともないことおびただしい。

反応の悪いリモコンをTVに向かって振り回す姿も醜悪だ。


たぶん前にも書いたと思うが、私が理想とするのは、宇宙戦艦ヤマトでデスラー総統が

"ガミラスに下品な男は不要だ"

といって男を床下に落とした時のインタフェースだ。リビングルームで使うものはあれでなければならない。余裕を持ち、優雅な手つきで着実に実行する。

などと私が言ってもだれも聞かないのだが今朝こんな記事を見つけた。

 同じ感性であっても、別の見方もできるでしょう。それは「機器を操作する自分像の見栄え」の視点です。従来のカメラを構えている自画像を思い浮かべてみましょう。脇を閉じた両手でカメラを顔の前に持ってきて、背を丸めて小さなファインダーを覗き込む姿勢は、なんだかみみっちい感じでイケてませんね。

 それに比べて、望遠レンズが突き出した一眼レフを構える姿の何と雄々しいこと!

via: ブロガーに愛される、新分野を創造したムービーカメラ:日経ビジネスオンライン

まったく同感である。ちなみにここの少し前の部分にも共感した。

これは「どうせ使うなら疲れないデザイン」を狙うエルゴノミクスとは次元の違う「使いたくなるデザイン」の世界です。「疲れにくい」はゼロサムですが、「いじりたくなる」はプラスサムの感性的な価値を提供します。

via: ブロガーに愛される、新分野を創造したムービーカメラ:日経ビジネスオンライン

あたしゃゼロサムの話は聞きあきてるんですよ。ゼロサム、つまり欠陥を直すところは客観的に測定できるので意見がまとまるが、プラスサムには確固たる方法論がなくアートの世界だ、という話をいつかパネルディスカッションでしたが誰も聞いてくれなかったな。

いや、誰も聞いてくれなくてもとりあえずブログに書けば心は晴れるというものだ。私が敬愛する朝倉さんもこう言っている

「夢みたいなこと」でも言ってみる。100言ってれば1かなうかも。

via: 朝倉民枝 (TamieAsakura) on Twitter

雑感

2009-11-12 07:07

一つのトピックで書けるほど大きなネタがないので、いくつか雑感を。

・ある文章を読んだのがきっかけでWikipediaの太宰治の項を読む。
そこから青空文庫で"人間失格"を読む。うだうだ言っているのが鬱陶しくなり放り投げる。
しかしWikipediaによれば太宰の作品はもっと多様であるとのこと。ある会話で取り上げられているお伽草子を読む。これは面白い。
子供に物語を読み聞かせるところは同じだが(私の場合は防空壕の中ではないが)そこから発展する世界の広さの差異に愕然とする。

少し前のことだが、初めて夏目漱石の夢十夜という作品を読む。ある人が"夏目漱石という人を坊ちゃんをもって語ってはいけない"とか言っていたが確かにそうだと思う。

これが全部無料でできるのだから、よい時代に生まれたものだ。

・最近HT-03Aを使っている。Android携帯である。どうにもごちゃごちゃして、遅くて我慢がならない。iPhoneは発表されてもうすぐ3年になろうとしているが、今だ一人立っている。何度も書いたことだが、あのタッチスクリーンと画面の反応の良さはいったい何なのだ。

・ウィルコムがSmartphoneらしきものを発表した。"弱い者はますます弱く"という感想しか頭に浮かばない。

・Goromi-tubeのアクセスログを見ていると、どうやらマッシュアップアワード5の審査が行われているようである。表彰式は今月末。応募総数はいくつかわからないが、参加登録は500を超えている。審査も大変だと思う。

WISS2009はEarly Registrationの期限が終了する前に参加募集が締め切られた。今回は熱海開催だったので、いけるかもしれない数少ないチャンスだったのだが。。しかし発表なしでWISSにいくのはあまりにむなしい。来年こそは(WISSにだせるかどうかは別として)新ネタを作り上げたいものだ。

・お伽草紙の最初の物語、こぶとり爺さんで"こぶをとってもらった"爺さんは、事の次第を奥さんに話さない。ただ問いかけに対して"そうだな"と答えているだけである。今ならその気持ちがよくわかる。

・その昔、ブログなる日付に区切られた文章がネット上にあふれていなかったころのこと。"雑文"と呼ばれる文章を書く人たちがいた。

そのうちの何人かはサイトの更新を停止し、何人かはブログで細切れの情報を出すようになっているが、今だ昔と同じスタイルで興味深い文章を発表し続けている人もいる。

というわけで、第9回雑文祭である。私は文章を書くのは上手ではない。とくに縛りを消化するのにいつも苦しむ。文の頭の文字をつなげていって別の文章になることと、という凶悪な縛りがかせられたときに作った文章はひどいものだった。
同じ縛りに対して、ある人が発表したみごとな文章を見て"にょほーん"と思ったものである。

とはいえ久しぶりの雑文祭だからなんとかがんばってみようと今は思っている。


ビジネス上のTipsのような記事は無視することが多いのだが

2009-11-11 07:06

昨日こんな記事を見つけた。

問題を解決するという目的を忘れて、問題それ自体に意識が奪われたため、「何をやっても無駄なんじゃないか」といったネガティブな気持ちが蔓延(まんえん)し、問題を必要以上に深刻化させてしまうケースもあります。

 セラピーの世界では、あえて患者の問題を分析(診断)せず、既にそれが解決した状態に焦点を当てることで、問題を解消してしまう手法があります。これは「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」と呼ばれるもので、分析的なアプローチ(問題志向)ではなく、どうすれば望む状態になるか(解決志向)に焦点を合わせます。

via: Business Media 誠:問題の分析をやめてみる解決法 (1/2)

最近これを考え続けている。もういい年なので、自分の欠点とかあれこれ考えだすとネガティブになり背中がまるまる。

そもそも望む状態はなんなのか。そこにフォーカスすることで、姿勢を前向きにすることができると思っている。問題はいろいろあるが、所詮それは今ここにあるものだ。 前に進めばそれが消えてしまうこともある、というか少なくとも私の場合はそれが多い。

今の会社に来てから

"(ある問題で)会社のカギを開けられず、中に入れない"

と思ったが2度ほどあった。2度ともそれは思い込みだった。ぶつぶつ言いながら問題の分析をして扉の前に座っているより、ただ前に進んで扉を開ければよかったのだ。

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父から借りたこの本を読んでいる。

害虫という言葉、概念自体がそう古いものではない、とか面白い記述がてんこもり。つい読みふけってしまう。

過去において、名和昆虫研究所という私立の研究所があったことを知る。

最近研究で金を稼ぐにはどうすればよいか考えることが多い。

学校の先生という業界がある。あれこれ聞いてみるとここで一番重要な能力というのは

"文部科学省の役人を納得させ、予算を獲得する能力"

と考えられる局面もあるようだ。情報大航海とか情報爆発とか何億使って何を生み出すのかさっぱりわからないが、それでも役人がおkと言えばそれでいい、ということなのだろうな。

また大企業の研究所という業界がある。ここはそもそもの存在意義がはっきりしない場合が多い。存在が先にあり、後付けであれこれやっている印象がある。CEATECには毎年失笑せざるをえないようなインタフェースがいくつか出展されるが、それはこうした研究所にとって存在意義を示すという点で大切なものなのだろう。

ほーかに道はあるのかな、とかなんとかこの本を読んでいると考えたりする。

自然の保護とか害虫駆除とか言葉は違えと目指すところは一つ。

"人間様にとって快適な生活環境の追求"

である。この本はそう明言してはいないが、冷静かつ現実的な視点が根底にあり読むのが楽しい。


任天堂という会社のおもしろさ

2009-11-09 07:02

Wiiが失速した、と素直に認めるところが岩田社長、ひいては任天堂という会社の強さだと思う。

さて、会社で

"何か新しいアイディアを"

と言われると必ず以下の無限ループにはまる。

・新しいものは売れるかどうかわからないよね
・わからないものに投資はできないよね
・じゃあ今のままでいくしかないね
・それじゃ行き詰まりだから新しいものを出さないとね
(以下永遠に繰り返す)

この無限ループを批判しながらも、それに代わる意見を出すことができないのが凡人というものである。そこで以下の記事を読もう。

むしろ、「そんなことうまくいくの」と人が思うかもしれないことに、実はひそかに、しっかりとエネルギーをかけて、気がついたらそれが化けていたという状況を作るのが私の仕事です

via: やはり任天堂は立っているステージ、戦略のルールが違いすぎる - Future Insight

"そんなことうまくいくの"と思われるもので大当たりをとる。これができれば誰も苦労はしないということなのだが、実際任天堂はそれをやっている。その秘密は何かといえば

では3年以上かけてゆっくり、じっくりと開発したら全部「トモダチコレクション」のようになるかというと、ならないわけで、その目利きをするのが私や宮本のすごく重要な仕事で、その目利きの打率が今のところある程度良いので、今の任天堂の結果があるんだと思っています

via: やはり任天堂は立っているステージ、戦略のルールが違いすぎる - Future Insight

これが凡百の企業と任天堂が異なるところだ。打率のよい目利きの存在。それなくしては

"社内の合意をとるための分散投資"

になり、

"金だけ使って何も生み出さない"

ことになる(以前そういう会社に勤めていた、というのは内緒だ。あそこは目利きが、、、)

実のところこうした"目利き"の重要性についてのべた文章をあまり見たことがない。所詮はそこなのだ。いくらマーケットリサーチをやってもわからない将来に対して誰が決断を下すのか。

これは工学ではなくアートの領域なのだと思う。そしてそれは常に属人的な能力であり、つまるところそうした人間を見分け集めることができるか否かが"新しいものを生み出す"ことにつながる。それしかないのだ。

Apple,ピクサー、Google、任天堂はそうした属人的な才能の存在を理解してる企業だと思う。一方で口をひらけば

"プロセス化しなくちゃ"

という人間がはびこっている企業は今と同じことにひたすら磨きをかけるのが正しい。新しいことなんてうまくいきませんよ。


マッシュアップというものは

2009-11-06 07:30

というわけで、Mashup Awards 5 にGoromi-Tubeを出したのだが

直後新しく採用したAction Script3対応のYoutube Playerが動かないことを知る。泡食ってあれこれ調べたが身に覚えがない。同じAPIを用いるサンプルプログラムを見るが動いていない。ということは(たぶん)私のせいではないわけだ。

速報性ならTwitterということで、Twitterを検索する。するとアメリカかどこかで同じことをつぶやいている人がいる。なるほどね。

そのうち問題は解決し、何事もなかったかのようにGoromi-Tubeは動きだした。一件落着といいたいところだがそうでもない。

マッシュアップというのは、定義によっていろいろなWebサービスを組み合わせて作るものだ。ということはシステムの信頼性も組み合わせた数に応じて下がるわけである。Webサービスというのは大体において

"ちょっと落ちちゃっても許してね"

といったものだが、たくさんそうしたサービスに依存していけば、それだけ稼働率も下がる。

審査はいつするか非公表とのことだから、まあ審査する人が見てくれる時には動いていることを祈る、、というかまあ人が評価することだからどうでもよい。

いつかは応募作品の一覧が公表されると思うが、どんなものがあるか楽しみにしている。想像力の死角をつくような作品に出会いたいものだが。


ソニー・エリクソンが歩む遠い道のり

2009-11-05 07:17

ソニー・エリクソンが初のAndroid携帯を"発表"した。問題はその内容だ。

美しい"コンセプトビデオ"それに実機デモ

ごらんのように、「もっさり」や「遅い」を超越して「頻繁に固まる」「じっと待っていると動く」レベルのレスポンスで、評価できる段階ではありませんでした。

via: ソニー・エリクソン初のAndroid携帯 XPERIA X10 発表、国内版も登場予定

iPhoneを最初に見たのはAppleのサイトだった。スムーズに動く画面に圧倒されたが

"実物がこんなに動くわけない"

とも思った。そのあとJobsのプレゼンを見た。あの通りだった。これはどうしたことか。

それから比べれば、ソニエリのほうがはるかに"親しみ"がもてる。デモビデオを作るのは大変だが、本当に動作する実機に比べればなんということはない。

これからの遠い道のりを考え、顔もしらないがソニエリのエンジニアには同情せざるを得ない。

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とはいえ、このコンセプトデモにもあまり感心しない。

いかにも"考えの浅はかなデザイナーが作ってみました"的な無駄な動き。何が必要で何が不必要かをつきつめて考えるよりは、

"とにかくiPhoneにない動きを"

という不純な動機だけで作られたように思うのだ。

付け加えるのは簡単だが、切り捨てるのは難しい。結果として無駄なものがあれこれはいった製品ができるのはこの世の常だが、その点でもソニエリの製品には"親近感"がもてる。


誰が書いたものであっても

2009-11-04 07:06

先日面白い記事を見つけた。ピーター・ドラッカー作と日本で紹介されているようだが、その実誰が書いたかはっきりしたことはわからない。おそらく何度か伝えられているうちにだいぶ改編されているのだろう。従って厳密な意味では現在は"詠み人知らず"ということになるのか。

ここで問題なのはそれを誰が書いたかということではない。その言葉に対する私の反応の仕方だ。

自分に規制をひき、他人の目を気にして、起こりもしない未来を思い煩ってはクヨクヨ悩んだり、構えたり、落ち込んだり ・・・・

もっとリラックスしよう、もっとシンプルに生きよう、たまには馬鹿になったり、無鉄砲な事をして、人生に潤いや活気、情熱や楽しさを取り戻そう。

via: ピーター・ドラッカー95歳の詩 - Apelog

すべての煩わしいことは、頭の内側にあり、外側にはない、とマルクス・アウレリウスは書いた。時々その言葉を思い出す。

日々煩わしいことに心を動かされるが、ふと

"これは自分の手で自分の首を絞めているだけではないか"

と思うことがある。

皇帝は何度か"煩わしさと決別した"と書いているが、それが単なる言明であり、現実とかけはなれていたことは間違いない。

しかし私も自分に残された日々の方を勘定する年になった。であれば、思いっきり駈け出してボールを蹴っ飛ばしてみたい、という気にもなるのだ。なんのことかわかりませんね。

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というわけで話をそらし、Goromi-Tubeで見つけた動画の紹介。

Ave Mariaという曲は山ほどあるが、これは素晴らしいと思う。なぜもっとメジャーにならないのかな。


検索ワードでコミュニケーション(その2)

2009-11-02 07:22

というわけで、Goromi-Tubeのログが毎日一回届く。検索ワードもその中に記載されているから誰かがどのような言葉で検索したかは一目でわかる。

この検索ワードで要望をいただくのは2度目である。いや、ありがたい。ではその内容と回答(今のところ)をば。

・アンドゥボタンがほしい。

→とっても欲しいですよね。同感です(とまるで人ごとのように)いや、あちこちぽんぽん飛びまわれるのがGoromiシリーズの特徴だが

"やっぱり前のがよかった"

ということは、実に頻繁に発生する。

というわけでアンドゥボタンが渇望されるわけだが、、これって結構大変なんです。というか腰を据えてかからないと、、でも必要性は本人も身にしみて感じていますので、そのうちなんとかいたします。

・右のリストを早送り、巻き戻ししたい。マウスホイールとかで

→これは本人が気がつかなかった点です。確かにそういうことができると楽しそうですね。。ちょっと考えます。

というわけで今何をしているかといえば、Youtubeアカウントにログインを可能としてお気に入りに追加したりそれを閲覧したり、という機能の実装だ。ついでに視聴履歴も全部とれるか、、と思っていたのだがデフォルトでそういう機能はないよう。というわけで勝手に

GoromiTubeHistory

というリストを作成しその中に閲覧した動画をためてこんでいく予定。

ログイン処理は試行錯誤の末ようやく動くようになったのだが、、公開まではもう少しお待ちくださいな。

ピンポンポンポン