異なる文化の中で生きること

2013-08-30 06:37

まだ日本には「終身雇用制」の大企業というものがいくつも存在しており、その中で生きる人たちは自覚がないうちに日本語をしゃべれなくなっている。

つまり言葉の使い方とか背後のロジックが完全に大企業文化と一体化し、その文化を共有しない人間とは普通の会話ができなくなる。

そうした環境で暮らすことが何度かあった。その度に「ここは外国なんだ。この人はリヒテンシュタイン人なんだ」と思うようにしている。そうするとたいていのことはやりすごせる。

最近とみに思うのだが、「怒り」というのはつまるところ「勝手な思い込み」の副作用なのだ。自分が「かくあるべし」という姿を勝手に抱いているがために、それから外れたものに対して怒りを覚える。

ここから脱却するにはどうすればいいか。「勝手な思い込み」をなくすことだ。相手が自分と同一性を持っている、と仮定することから思い込みが始まる。相手は自分と何か根本的に別の人だ、と思えばあまり怒ろうという気にならない。

これは別に私特有の考え方では無いと思う。映画「ブラッド・ダイアモンド」ではTIAという言葉がよくでてきた。This is Africa.アフリカなんだからしょうがない。そして先日こういう記事を読んだ。

「外国人として受け入れがたいことは『ショウガナイ』って思うことが大事。ジャパニーズスタイルは理解しているよ」

via: 松井秀喜とラミレスの言葉で考える、55本塁打と、敬遠と、"日本人"。 (Number Web) - Yahoo!ニュース

異なる文化の中で生き、結果を残してきた人の言葉には重みがある。「ショウガナイ」これはTIAと同義語だと思う。

かつてデンソーの子会社で働いていた時「デンソーの人間とは論理的な会話はできない」とかなり早期に悟った。彼らがしゃべるのは「デンソー語」であり、彼らが駆使するのは「デンソーロジック」なのだ。そうなるとTID, This is DENSOもしくは「ショウガナイ」の悟りが生まれてくる。それができて随分楽になった。電電公社の末端子会社で働いていたときもそうだった。TID. This is Denden Kousya.

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という議論とは別に、この記事を読んで滑稽に思うのは

「いつまで王の55本とかいう数字にこだわるのか?」

という点だ。調べてみたら1964年の記録じゃないか。そんな半世紀も前の記録に何の意味があるのか。だいたい王の現役時代を知っている人なんてそういないだろうし。

というかあれだな。未だに野球を見ている人は、ほとんど50歳以上の男性だけだと聞く。

第1戦は世帯視聴率だけを見ると12.5%で、まあまあ高いかなと思っていたのですが...

M3(=50歳以上男性)が16%と突出していて、他の世代はほとんど見ていないのですね。

via: プロ野球の視聴率を語るblog

プロ野球はそういう人たちのものだから、半世紀前の記録にこだわるのもうなずける、、と思わなくてはならない。TIJ.This is Japanだ。


進化する企業・進化してはいけない企業

2013-08-29 06:38

今こういう本を読んでいる。



とても貧乏なのに、迷わず3990円出したのは、WISS-Tokyoでしゃべるネタにつながっているからだ。

分析の対象、手法についてはいろいろ言いたい点はあるが、そもそもこうした

「不確実性を最も嫌う企業で、不確実性の塊である"新しいこと"をどのように正当化するか」

という矛盾に満ちた事例を集めてくれただけでも3990円の価値はあると思っている。

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ある種の企業は「変化しない」ことに価値がある。考えほしい。たとえば東京電力の社長がこう言い出したらどうなるか。

「GREE,DeNAの利益率は実にすばらしい。東京電力は明日から、GREE , DeNAを見習った企業になる!」

ガチャをひかないと電気がこない、とかそういう社会が訪れる。東電の経営状況は改善するかもしれないが、日本は破滅である。(冗談ですよ。法規制がどうとか真面目に突っ込まないでください)

しかし世の中はうまくいかない。変化しないことを強みとする企業が、変化の早い業界にいけば、衰退する。その逆もだ。



しかし僕が毎日働きながら思うのは、dマーケットとdメニューを重要視しているお客さんなんて、1%もいない。ということです。


その状況でもまだ自社コンテンツで戦うことに固執し、さらにメーカーとの癒着を優先しているのは、


明らかに「変化に対応できていない」企業の姿である、と見ています。


via: ■みんなが未来のことを気にしてるので、未来人に聞いてみましたよ。 | iPhone愛用中ドコモ店員のブログ

電電公社は、変化しないことで数十年その命脈を保ってきた。そして不幸にしてその一部、携帯電話の分野において変化の激しい文化と接触したのだ。

彼らは未だに自分が描いた夢の中に生きている。ドコモが提供するすばらしいdメニューをみなが使い、そしてAmazonのようにどんどん物販で稼ぐという夢を。

そして一説によれば、今や誰がドコモの進路を決めているのかはっきりしないらしい。


[引用] NTTグループのある社長が明かす。「かつてと今は違う。今、ドコモの経営における決定権を握っているのは持ち株会社の鵜浦博夫社長だ。iPhone導入の可否も含めてね」。ドコモの力はグループ内で確実に弱りつつあり、それが加藤社長の優柔不断さを呼び、戦略の矛盾に繋がっている。


via: 日経の言うとおり、ドコモからiPhoneが出るんですか?: やまもといちろうBLOG(ブログ)


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同じく、変化の激しい文化の中で「巨艦」と化したMicrosoftである。彼らを批難するのは簡単だが、「ではどうしたらいいか」についてまともな意見にお目にかかったことがない。

「MicrosoftはNokiaを買収すべきだ」という主張は、数多くのメーカーが争ってWindows Phoneを作ろうとしていた時期には意味をなさなかった 。しかしそんな時代はとうに過ぎ去った。今やNokiaが優れたプロダクトを作るのに失敗すればWindows Phone全体が崩壊しかねないという状況だ。いやはや。

via: この分ではクリスマスまでにWindows PhoneのシェアはNokiaが独占する? | TechCrunch Japan

将来の命運を握るWinows PhoneはもはやNokia独占になるらしい。となるとMicrosoftにはそれがどれほど財務的に危険な賭けであろうと、NOKIAを買収するかしか選択肢がないことになる。でなければWindows Phoneから撤退するか。

こちらも誰が進路を決めているのかがわからない状態だ。どちらが原因か結果かはわからないが。


正しいビジョン・正しくないビジョン

2013-08-28 06:30

(まず最初に自分を棚にあげます。はて?何のこと?)

ビジョンというかミッションステートメントを掲げている企業は多い。そのほとんどは社員がその言葉を知らないか、知っていても「お経」として捉えている。

それには理由がある。ほとんどの場合、ビジョンは日常業務と何の関係もない。または抽象的過ぎて、日常業務に適用しようがない場合も多い。


例えばNECが掲げていた

"Smartphone is MEDIAS"

SMARTPHONE IS MEDIAS これぞスマートフォンと呼ばれるモノを。

via: MEDIASシリーズ「SMARTPHONE IS MEDIAS」: 宣伝広告 | NEC

なんか格好がいい言葉だが、何も言っていない。だからこの言葉には意味が無い。

Googleのそれは

1.「世界の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」

2.サービスをすべて無料にする

3.収入は広告収入に限る

via: Takaaki Murakami Blog:ミッションステートメント

である。これは具体的であり、かつ日常業務に直接影響を及ぼすものだ。一つ注目したいのは、このステートメントには「善」も「悪」もないことだ。とにかく「これをする」と言っている。ともすれば

「みんなが幸せに暮らせる社会に貢献する」

とやりがちな日本企業とは一線を画している。

AppleがWWDC2013で発表したDesigned by Apple in Californiaはそれ自体意味がわからないが、TV CMをみれば

「我々はこういう物を、こういうスタンスで作る企業である」

と明確に宣言している。そして彼らのプロダクトを見れば、その言葉に忠実であることがわかる。

さて、バルマー後のMicrosoftである。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。

via: スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか? | TechCrunch Japan

この記事を読んで確かにそうだと思った。今のMicrosoftに足りないものはいくつもあるが、「そもそも何がしたいのか」がわからなくなっているように思う。

いや、キーボードはわかったからさ。

「全てのデバイスにMicrosoft Officeを!」

ならそれでもいいよ。とにかく何か決めたら?というかもともとBill Gatesは「敵を倒す」ことにしか興味がなくて、

「全ての敵対企業を撲滅する!」

がビジョンだったのかな。本当のところは。


社会の木鐸

2013-08-27 06:30

新聞は社会の木鐸なのだそうな。多分編集をしている人たちは真面目にそう思っているのだと思う。

大西さんのtweetでこんなことを知った。

新聞の訪問販売について国民生活センターへ苦情が寄せられた件数が毎年一万件を超えているということで( )これって、オンラインゲーム関連相談件数の三倍くらいある( )もしかして大変なことなのでは。

via: Twitter / onisci: 新聞の訪問販売について国民生活センターへ苦情が寄せられた件数 ...

この「問題」に関して、各新聞社が完璧な回答を用意していることを私は半ば確信している。それは販売店が行っていることで、弊社は関知しません。弊社は常に適正な勧誘を行うことを指導しています、とかなんとか。

載っている事例がまたすごい。

事例1:
12年先までの契約をさせ、解約を希望すると高額な景品代を請求された
事例2:
老人ホーム入居のため、9年間の契約の解約を申し出ると、景品を買って返せと言われた

via: なかなか減らない新聞のトラブル-高齢者に10年以上の契約も!解約しようとしたら断られた!-(発表情報)_国民生活センター

GREEとかDeNAに金をみついで、犯罪行為の片棒をかつぐ行為を批難したい気持ちがちょっと存在する。しかし不幸にして我が家は新聞を購読している。奥様は読まないのに年5万円を新聞屋に払うのだ。ということは、私は「コンプガチャ」に血道を挙げる人とある観点では同列にある。

彼らの「自分を棚にあげる」力には驚嘆させられる。そしてこうした「問題」が決して報道されない事実にも不快感を覚える。というわけでささやかながらここに書いておくわけだ。


「もうひとりの」スティーブの最後

2013-08-26 06:34

このニュースには驚いた。

MicrosoftはながらくCEOを務めてきたスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)が12ヵ月以内に引退することを発表した。

via: Microsoft CEOのスティーブ・バルマー、12ヵ月以内の退任を発表 | TechCrunch Japan

今のMicrosoftは儲けている。しかしこの先は少し暗雲が漂っている(日本の家電メーカーよりははるかに明るいが)だからどこかで退任はしなくてはならなかったと思う。しかしまだ後継者も決まらず、引退の期日も「12ヶ月以内」という非常に曖昧としたものだ。

問題は

次のCEOが決まるまで、Microsoftは何もできないということだ。この激しく変動し、厳しい情勢にあってMicrosoftはCEO決定に12ヶ月もかけるつもりなのだ。先日発表した大規模な組織変更も「様子見」モードにはいってしまう。そりゃ動き出した途端、次のCEOにひっくり返されたくはないよね。

結局Microsoftを去ることになってしまったが、スティーブン・シノフスキーは大いなるやり手であり、バルマーの後継であるという声も大きかった。またジュリー・ラーソン-グリーン(Julie Larson-Green)をおす声もある。

via: Microsoft CEOのスティーブ・バルマー、12ヵ月以内の退任を発表 | TechCrunch Japan

全てのPCはタッチになる、のシノフスキー粒子に、「怯えたプレゼン」のジュリーだ。冗談ではない。しかしそれよりもなお悪いことがあるとすればそれは

「何も判断せず、時間を浪費すること」

だと思う。

どう考えてもこの状況で後任を決めず、引退を表明するのは賢明な動きとは思えない。しかし例によって真相はヤブの中。いつの日か何が起こったか判明するかもしれない。


起業家という職業

2013-08-23 06:30

スポーツでもなんでもそうだが、「有名な人は人格も高潔」といった偏見が我々に存在するような気がする。

実際マネージメントの本とか読んでも「よい経営者は控えめで物静かで」といった言説が目につく。

第5水準のリーダーの二面性
・個人としての謙虚さ
・おどろくほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢しません。
・野心は自分個人にではなく企業に向け、次の世代に一層の成功を収められるように後継者を選びます。
・鏡ではなく窓をみて、他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功をもたらした要因だと考えます。
・静かな決意を秘めて行動し、魅力的なカリスマ性によってではなく、高い基準によって組織を活気づかせます

via: 第5水準のリーダーシップ - VERI & heso's Management

しかし新しい事業を起こす、といったフィールドではこの「常識」は当てはまらない気がする。Steve Jobsにしろ、ジェフ・ペゾスにしろ、スティーブ・バルマーにしても相当な変人だ。それは普通に考えれば絶対近くにいてほしくない類の。

でもってこんな記事を読んだ。

よくアメリカでは"You have to be crazy enough to be an entreprenor." (クレイジーな人間でなければ起業家にはなれない)、と言われる。まさにイーロンは優秀な起業家だが同時にとんでもなくクレイジーである事は間違いないだろう。実際に彼を知るその人々の多くは、彼の事を一言で"The Crazy Guy"と言う。恐らく頭のネジが一つか二つぐらい外れていないと、アメリカでビジネスはやっていけないのだろう。

 

上記の様にプライベートではかなりのゴタゴタを経験しているが、そのクレイジーさ?が功を奏したのか、ビジネスでは破竹の活躍を続け、2010年にスペースXが打ち上げた宇宙船を民間企業として初めて地球の周回軌道に乗せることに成功した。2012年以降にはテスラ自動車からモデルSが発売され、これまでの電気自動車の常識を覆す製品としてアメリカや日本を始め、世界中で話題を集めている。プライベートでの不祥事がありながらビジネス・テクノロジー界で継続的に成功を収めるイーロンからこれからも目が離せない。

via: 米国テスラCEOの元妻が語る"私は彼のβバージョンだった" - 起業家イーロン・マスクの素顔【btrax】 [ITL]

プライベートでは最低な夫も起業家としては、おそらく歴史に名を残すほど優秀。ベンチャーというのはこうした一面も持っているのだと思う。

こう考えると我が国の経営者というのはぐっと「常識的」だ。和を持って尊しと成すの国だからとかなんとか理屈は付けられるが、事実は事実。その昔Bill Gatesの逸話と、元ASCIIの西とかいう人の逸話を聞いてその「小者」ぶりにがっかりしたものだが、その差異は今もつづている気がする。


Too little, too late

2013-08-22 06:34

今朝唐突にこんなニュースを知った。

9月は第1弾として、ハイブリッドキャストのホーム画面を提供。ここからテレビの放送画面に最新のニュースや気象情報、スポーツ情報、為替情報などを組み合わせて表示できる。今秋以降は、放送中の番組に関連する情報提供やオンデマンドで動画を提供するサービスも予定しているとのこと。また、タブレットやスマートフォンなどを連携させたセカンドスクリーン的なサービスの開始も検討している。

via: NHK、ネットと放送を融合した新サービス「ハイブリッドキャスト」 を開始--9月2日11時から - CNET Japan

ユニバーサルサービスなんていう幻想はすてて、もうこれからの新しいサービスは「スマホ、タブレットありき」で考えるのが正しい。(断言)今データ放送なるものがあることを知っている人はどれくらいいるだろうか?さらにそれを使ったことがある人は何人いるだろうか?(ちなみに我が家では子どもたちがポケモンのゲームをやるのに使ってます)

確かに通常のインターネット回線でデータを送ることにより、コンテンツはリッチになるだろう。しかし

NHKが21日に開いた会見では、ハイブリッドキャストの将来像を描いたプロモーションビデオが流された。たとえば、サッカー中継のときに選手の詳しい情報を調べたり、料理番組ではレシピを確認するだけでなく、外部のECサイトと連携して食材の手配をしたり、学習番組を双方向で楽しんだり、などといった姿が紹介された。

via: TV+ネットは最強のメディアになれるのか | 産業・業界 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

こんな昔からあるネタを、わざわざ対応TVを買って、使いにくいリモコンを使って誰が行うというのだろう?タブレット、スマホでやったほうが何倍も使いやすい。そもそもECサイトとの連携なんて今でも簡単にできることだ。TV上ではできないけどね。

だからやるなら「TV放送と同時に、スマホ、タブレットでも情報サイトを見られるようにします」が正しい。そんな情報をTV画面上で見たい人間なんていない、という事実にいい加減目を向けてはどうかと思うのだが。

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TVの最大のメリットというのは

「操作しなくても、そこそこおもしろい情報が流れこんでくる」

ところにある。そこで操作させた時点で、TV最大のメリットを捨て、不得意な「ユーザとインタラクションする」という領域に踏み込んでしまう。つまりアウェイでの戦いをやっているわけだ。

腐った階層構造を作り上げ、その中で王様として君臨しているテレビの人たちが、アウェイのネット上で手も足も出ないのには理由がある、、、などとこんなところで力説したところで誰も聞いてないか。


Googleは私よりも7年遅れてる

2013-08-21 06:30

題名は釣りです。すいません。言ってみたかっただけです。(誰も聞いてません)

これまでは別のビデオを探したりする際には、閲覧中のビデオを停止する必要があった。新しいバージョンでは再生中のビデオは右下隅に表示されるようになり、再生は継続されるようになる。最小化状態からフルスクリーンには簡単に戻ることができる。あるいは左右にスワイプすれば再生中のビデオは停止する。

via: Android版YouTubeで大改造を実施。検索中も(最小化画面にて)ビデオ再生を継続 | TechCrunch Japan

検索中も再生をとぎれさせない、なんてのは2006年にGoromi-TVで実現した話だ!左右にスワイプでビデオの停止なんてのはGoromi-Tubeでとっくの昔にリリース済みだ!

(誰も聞いてません)

などと

「俺のほうが早かったのに」といってもあまり意味は無い。所詮は

「影響力を持っている人がやったもの勝ち」

なのだ。という話しをWISS-Tokyoでする予定です。他の講演者の顔ぶれを見ると、私なんかがしゃべっていいか不安に陥りますが、気にしないことにします。

とはいえ、まだ講演のアウトライン、特にオチが決まりません。宮崎某のように筋はないけど魅せる話しができるわけでもありません。当日腹痛になって急遽キャンセルにはならないように努力します。うはははは。



日本の誇るおサイフケータイ

2013-08-20 07:16

そうだよなあ。ガラケーにはiPhoneには真似のできないおさいふケータイがあるから、iPhoneなど恐れるに足らないはずだったんだよなあ。。(遠い目)

でもって

AppleがNFCにたいしてどういう態度をとるのかがいまいちはっきりしない。でもってこんな意見があるようだ。

NFC is dead--that's not the interesting part though, it's how Apple was able to replicate NFC functionality with Bluetooth 4.0 and WiFi (they're also using GPS like Bump did for authentication) and how they standardized all of this into iBeacon in iOS7.

via: On The Future of iOS and Android | steve cheney - technology, business & strategy

iOS7で名前だけ示されたがその実態がよくわからないiBeaconというものがある。これとwifiがあれば、NFCなんていらない、と主張している。私にはこの主張が正しいかどうかわからない。日本ではSuicaとかPASMOが爆発的に普及してしまっているのでそれが置き換わることは(ここ数年は)ないだろう。そもそもこの考察自体に意味があるのかどうかもわかっていない。

少し古い本を読むと、「定期をカバンの中にいれたままで、改札を通れるようになります!」と書いてあることがある。当時はそういう可能性も取り沙汰されていたんだろうな。でもって今はみんなでタッチしている状態。これが正しいのかどうか私にはよくわからない。

頭に「i」がつけばなんでも普及するわけではない。とはいえApple原理主義者としては、iBeaconについて少し調べて見ようと思う。


Think Different

2013-08-19 06:30

何度か書いたことだが、iPhoneは信じられないほど少ないバリエーションで、多くのシェアを獲得している。どうやってそれに対抗しよう?

しかし、Moto XはAppleとGoogleの対照的な哲学を明確に示している。Appleが単一の体験と洗練された製品を目指しているのに対して、Googleはさまざまなものを壁に投げつけて、それらがどこにくっつくのかを見ようとする。GoogleとMotorolaは、Moto Xで消費者により大きな管理権を譲渡している。消費者がそうした管理権を求めているのかどうかは、現時点では分からない。

via: 「iPhone」と対照的な「Moto X」のカスタマイズ戦略--スペック重視の業界に投じる一石 - CNET Japan

Gomolaは対照的なアプローチをとってきた。すなわちカスタマイズの範囲を大きくしたのである。少なくともMe tooではないこういうアプローチは野次馬としては興味深い。

とはいえ

皮肉なことだが、iPhoneはその均一性によって異常とも思えるカスタマイズ性を獲得している。元がミニマルだけに、好き勝手なカバーがつけ放題だ。電車の中でみかけるその姿は信じられないほど広範囲にカスタマイズされている。なんたって巨大な耳が着くんだもんねえ。

私の姉家族は未だに(メールが消えるとか文句を言いながら)Docomoを使っている。彼女たちの悩みは使っているスマホの生産台数が少ないが故に、カスタマイズケースが少ないことなのだそうな。そういう問題があるとは全く思い当たらなかった。となるとMoto Xの意義はどこにあるんだろうねえ。。


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さて、「もう死んだ」と言われて久しいWindows RTだがこんな信じられないようなニュースがあるらしい。

Nokia is planning to launch its first Windows RT tablet in September. Sources familiar with Nokia's plans have revealed to The Verge that the company will unveil its tablet at a special launch event in New York next month.

via: Nokia to launch Windows RT tablet in September, alleged pictures leak | The Verge

苦境のNokiaがWindows PCではなく、Windows RTタブレットを発表するというのだ。裏でMicrosoftと何かあったんだろうか。ものすごい在庫も、それによる損金計上も、Microsoftにとっては「駐車違反の罰金」のようなもんだが、Nokiaにとってはそうではなかろう。

まさか全量Microsoftが買い上げるとかね。とにかく9月のイベントは要注目だ。製品はどうでもいいが、一体MicrosoftとNokiaが何を考えているのかを知りたい。


腕にデバイスをつけるということ

2013-08-16 07:00

というわけでiWatchである。例によっていろいろな予想がでているが、Appleの新製品の予想は当たらないことで有名である(リークは別だよ)iPhone登場前にどんな予想がされていたか?

close

Some iWatch concepts are, well, just a bit silly. But this concept by Stephen Olmstead has the kind of restrained design one might expect from Apple

via: iWatch watch: a roundup of some of the more interesting concepts | 9to5Mac

確かにこれは面白い。じっと見ているうちにいくつかの考えが頭に浮かんだ。

・iPhoneを手にもつことと、iWatchを腕にはめることの差異はなんだろう?そこを考えないで、iPhoneのUIをただ小さな時計に詰め込んだ製品は作らないでほしい。

sony_iconography_sucks_balls.jpeg

What the fuck is on that little screen?

I can tell you what isn't on that screen: consistency, sophistication and any semblance of a design system.

via: Shitty Iconography Is Made By Companies Other Than Apple, FYI - Daily Exhaust

・今までのところ全てのiWatch予想はハード的なコントロール(スイッチの類)を想定していない。はたしてこれは妥当な予想だろうか?竜頭、あるいはいくつかの時計にあるような回す時計盤の枠、のようなコントロールを使わないのが正解だろうか?

私がこの製品を作る立場なら、少なくともハードウェアコントロールを試作はし、評価すると思う。Google Glassのビデオをみてもわかることだが、音声+スライドはあまりにも不確実で、洗練された動きを作ることができないのだ。

Liquid Metalがようやく日の目をみるか?


我は正義

2013-08-15 06:37

インターネットというのは面白いメディアで、それまでマスメディアでみて「なんだか嫌な人」と思っていた人の発言を直接聞くことで、印象が変わることがある。

元日本マイクロソフト社長の古川氏もそうだし、糸井重里氏もその一人だ。彼が震災直後こういう発言をした。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。

via: Twitter / itoi_shigesato: ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラス ...

これは実に含蓄のある言葉で、まだ意味はわかってもらえないだろうが、子供にも是非伝えたいと思っている。

さて

何か危機が起こると、必ず「脅かし」「スキャンダラスな事態だとわめき」「正義を語る」人間が現れる。「正義の味方」を名乗ることで、「処刑人」になりたがっている人たちだ。「ヒトラー最期の12日間」という映画で一番怖かったのは、ドイツ人を殺して回るドイツ人だった。彼らは「貴様はなぜ銃をとっていない」と一般市民を絞首刑にしていたのだ。

同じようなメンタリティを持つ人間はそこかしこにいる。震災の後私はそういう人たちの声をいやというほど目にした。

最近身の回りに起きた事柄に関係して「禁煙を声高に叫ぶ人の中にもそうした人がいるのではないか」と考え始めたところだった。そこにこのニュースだ。

「映画『風立ちぬ』なかでのタバコの描写について苦言があります。現在、我が国を含む177か国以上が批准している『タバコ規制枠組み条約』の13条であらゆるメディアによるタバコ広告・宣伝を禁止しています。この条項を順守すると、この作品は条約違反ということになります」

via: 「風立ちぬの喫煙シーンは条約違反だ!」 日本禁煙学会の苦言に批判殺到 (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

もちろんデータに基づき、冷静に禁煙を進めている人もいるのだろう。鳩山が馬鹿な事を言ったからといって、それが日本人の総意と思われてもこまる。
しかし「学会」がこういう文章を出してくるとなると、これはちょっと話が別だ。ひょっとするとこの「禁煙学会」は正義を語る人たちの巣窟になっているのかもしれん。

こういう文章を出すことが、学会の権威を貶めることになる、、とは誰も気が付かないのだろうな。これから情報元が「日本禁煙学会」となっていたら気をつけて読むようにしよう。

彼らにとって「禁煙=正義」であり、正義をかざしている以上何をしても許されるということなのだろう。いや、私が住んでいる近所にもこの「禁煙=正義」を振りかざす人がいるもので、、と結局は生活の愚痴になるのであった。

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と思って、日本禁煙学会のサイトをみてみれば。。ああ、なるほどね。。今どきこういうサイトは珍しい。


旅行の荷物とスマホアプリのUI

2013-08-14 06:42

このアナロジーは面白いと思った。

スマホの設計は、「旅行時に家(PCアプリ)の中の何をスーツケース(スマホアプリ)にパッキングするか?」というイメージに近い。

理屈としては、家にある全てのものを旅行に持って行けたらば便利なことこの上ない。しかし実際問題として、スーツケースに詰められるものは限られている。アレもコレもと詰め込んだスーツケースは、重すぎて逆に旅行の足かせになる。利便性のために詰め込んだ荷物が、逆に利便性を阻害しはじめるのである。

via: スマホUI考(番外編) なぜ機能追加をし続けるとアプリが破綻するのか? | fladdict

確かにそうだ。旅慣れた人間は、あまり多くを持ち歩かない。ボートの3人男でも、「いるものを」を詰め込んだたら、ボートが沈没すること確実になった。

「いるものじゃなくて、無いと困るものだけを詰め込もう」

といったところから荷造りが再スタート。ここで著者は得意の「脇道」にそれていく。いや楽しい。

などと頭の中で小説を思い出している場合ではない。実はほとんどのものはいらない。そう思って減らしすぎると私のように

「ああ、ここでこんな高いものを買わなくちゃいけないなんて」

と後悔することにもなるが、まあそれは気にしない。でもってこれには「定番」の間違った解決策というのがあって



Sasa Namiko · 京都大学
先生!
設定画面で全てのUI機能要素を ON/OFFしたり、
configファイルの編集でボタンのレイアウトを変更できれば良いと思います!
August 8 at 1:58pm

村田 篤郎 · Follow · Top Commenter · Works at Independent business
むしろその発想に至らない、または至っててもそういう実装をしない理由が知りたいですね
· August 8 at 3:55pm

村田さんに「そういう実装をしない理由」を教えてあげよう。それは設計という責任の放棄に他ならないからだ。

ユーザが自分で自由にデザインできる!が素晴らしいと思うなら素人のカラオケを24時間聴き続けてみるとよい。ほとんどの人間は設計できないのだ。文句をいうことはできても、代案は提供できない。それ故設計者という職業が成り立っている、、、というところで理由の説明になったでしょうか?

AppleやGoogleやMicrosoftがどれだけ素晴らしい仕事をしているかは、彼らだけを見ていては分からない。「素人」の作品を並べてみて、初めてプロの存在意義がわかる。

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via: enchantMOON - Impress Watch STORE

MicrosoftのUIを批判するのは簡単だが、それに代わるもの、よりよいものを提案できる人間は数えるほどしかいない。その事実から目をそらして

「ユーザが自由に設定出来ればいいと思います!」

と断言する姿勢には同意しかねる。


スマホと共存する一つの形

2013-08-13 06:28

考えてみれば、スマートフォン日本勢総崩れの中で、ソニーだけは一応生き延びている。これは他社の状況を考えれば立派なことだ。今朝こんな製品を観た。

無線LAN対応が増えてきた最近のカメラでは、各社とも単に写真を転送するだけでなく、スマートフォンアプリを用意してリモートでモニタや撮影操作、設定ができるものが増えているのはご存知のとおり。

レンズ交換式カメラではレンズ側にセンサーも内蔵するものもありますが、この「レンズカメラ」ではレンズ側にプロセッサやストレージまでの撮影機能をすべて内蔵しつつ、インターフェースは省いてWiFi でスマートフォンなどに任せる製品のようです。

via: ソニーから大型センサ内蔵の「レンズカメラ」、iPhoneやAndroidと無線接続して撮影?(流出写真 - Engadget Japanese

これはスマートフォンと共存する一つの方法だと思う。誰が写真をとるときいちいちこれを取り出すのか、とか文句をつけることはできるが、現実を見据えた上での製品であることは間違いない。

孫の代までソニー製品は買わない、といっている私だがこの製品は少しおもしろいと思った。売れるかどうかは別として。

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さて同じくハードで苦労しているMicrosoftである。

値段を比べるなら、キーボード込で比べんと駄目だろう、とか細かいツッコミどころはあるが、概ねこれは真実だ。アプリの数で差を付けられている、というのは理由にならない。iPadが最初に登場したときは、iPad用アプリはほとんどなかったのだ。(もちろんiPhoneを2倍に拡大することはできたけど)

未だにSurfaceが失敗した理由について納得できる回答を見つけることができていない。この動画を見ていると、負けるわけがないと思う。価格は同等で、より多くのことができる。ソフトウェア(OS)の品質に大きな問題があったとは聞いていない。

失敗したのはSurfaceだけではない。普通のPCもタッチ対応とし、それに合わせてWindows8を売りまくろう、という戦略もうまくいっていないようだ。

"But that now looks to be too high, to be honest." He said IDC would probably drop its touch estimates to between 10% and 15% of all laptops.

via: Microsoft's bet on touch PCs fails to pay off - Computerworld

Microsoftはなぜ失敗したのだろう?MicrosoftはSurface2/Windows9でどのような「回答」を出してくるか。それが知りたい。


ゴミのようなプレゼンスライドと破綻したiOSアプリの関係

2013-08-12 06:42

例えば、日本の伝統的大企業は未だにこのような「プレゼンスライド」を人前に出して恥ずるところがない。

スマホ・車載機連携サービス、デンソー アルペジオ「車を熟知した当社ならではのサービスを提供」

デンソーはカーナビ連携スマートフォンアプリ「smart G-BOOK ARPEGGiO(アルペジオ)」の商品説明会を開催した。説明会ではまず、同社情報通信事業部 情報通信サービス開発室の阿知波恵造氏がデンソーにおけるスマートフォンと車載機の連携への取り組みについて紹介した。

via: スマホ・車載機連携サービス、デンソー アルペジオ「車を熟知した当社ならではのサービスを提供」 - カーライフナビe燃費

こういう「人前でしゃべる際のサポートとして」ではなく「渡して読んでもらうため」のスライドというのは、それに相応しい場所で使うべきだ。つまり配布資料として用いるべきで、人前で話すときに使うものではない。

しかしこういう「スライド」が大好きな人もいる。

一方、日本人は1枚のスライドで全体像を模式化した、手のこんだスライドが好き。プレゼンの後に、1枚を表示してディスカッションをすれば事が足りるし、後から見ても意図や内容が明確に思い出せる。ただし、作るのには異様に時間がかかる。

via: 【持論】TED式プレゼンは世界一ではない - EverLearning!

だからそれは「配布資料」であって、短時間で人に見せて理解してもらうためのものではないと、、いや引用文章を書いた人もそう言ってるんですけど、その区別が理解できない人はとても多い。

でもって最近話題になったこの文章。

結果・・・どうみてもクソアプリです。本当にありがとうございました。

面白いのは、それぞれのリクエストは、多少の見当違いはあれどそれなりに真っ当な意見だったこと。おそらく個々を単体でABテストをすれば、アクティビティが確実に増加するような機能が大半です。

それなのに「妥当な苦情、妥当な改善案でも、数が増えると破綻する」というのは、ある意味不思議な現象です。

via: スマホUI考(番外編) 顧客やユーザーの要望に全て対応すると、アプリは99%破綻する | fladdict

これを見比べて、私ははたと悟った。見る相手が理解できようができまいが、とにかく

「必要な情報を載せて、チェックしてもらう過程で指摘があった点を反映した」

スライドというのは、こうしたゴミのようなアプリUIと同じである、と。つまりそれは「作り手の都合」だけを凝縮したものであり、快適な体験をユーザに提供する、という責任と思考を放棄したものだからだ。

言いたいこと、書いておかなくちゃいけない「条件、制限事項」は一杯あるけれど、それを小さな文字にして画面に書いておくことに何の意味があるのか?それは「言い訳」の集合体でしかない。

しかしサラリーマンにはそれは削れない。そりゃ上司から言われたり、法務からいわれりゃ書くしかないよね。ゴミみたいなアプリのUIもその類だ。

なんて書いてるのは、今自分が関わっているアプリのUIがゴミになりかかっているからであって、、、つまりは愚痴なのであった。


アプリを簡単に作りたい

2013-08-09 06:38

長い間生きていると、何度も表れる「嘘」がいくつもあることに気がつく。ネズミ講とかも手を替え品を替え何度も現れるし、(ネットワークビジネスとかね)このブログで何度か取り上げた「強力な企業の連合で新しい物を開発」というのもその一つだ。iPhoneキラーはさすがに最近言わなくなったなあ。

さて、私が考えるに「ネットワークビジネス」と同じレベルにあるのが

「このツールを使えばアプリを簡単につくれます!」

「このツールを使えばクロスプラットフォームのアプリが簡単に作れます」

というやつ。昨日前者に関する記事を読んだ。

コーディングなどの知識がなくても、テンプレートを利用して基本的なアプリを作れるという。作成したアプリは自分の端末にダウンロードして使うことができる。

via: アプリを自作できるWindows Phone App Studio無料公開 - ITmedia ニュース

こういうのは「この電子辞書を持っていけば海外旅行も安心」と同じレベルにある。つまり本に書いてある、あるいはツールが用意しているパターンどおりであれば、それは約束通り機能する。そして不幸なことに現実世界で「用意したパターン」通りのことが起こることはめったに無い。

ただし、いわゆる'アプリケーションジェネレータ'がそれほど美しいアプリケーションを作れない、という例は過去にも山ほどある。たとえばiOS上には、技術者でない人でもアプリを作れるというAppyPieがあった(やれやれ)。だいたいどれも、結果は良くないよね。

via: App StudioでWindows Phoneアプリを作ってみた, がっかりした | TechCrunch Japan

「敵を倒す」ことを至上の目的としているMicrosoftは、おそらくWindowsに対してみんなにアプリを作って欲しいのだろうな。そして合理的に考えれば「簡単に開発できるツールをばらまく」というのは合理的な解決策だ。AppleだってXCode無料にしたし。昔は高かったんだよ。

しかしこういう古典的な「嘘」を繰り返すのはいかがなものかとも思う。他に手がないのかもしれないけどね。

実はパナソニックは、ドコモを見限ってソフトバンクに急接近中なのだ。スプリントの大型買収で米国市場に携帯の足場を築いたソフトバンクとの関係強化し、米国市場にスマホを売り込む。

via: なぜドコモファミリーは消滅?国内携帯メーカーの苦境と、米国進出狙うパナの戦略 (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS

同じく他に手がないパナソニックは、、、なんというか、、、まあがんばってください。


今更自動車向けに新しく開発するなんて

2013-08-08 06:36

と是非言ってほしいわけですよ。DENSOとかアイシンに。

Samsung and Intel aren't the only ones looking at cars. Apple in June said its iOS 7 software would work in cars, highlighting the integration of dashboard systems and its iPhone. General Motors, for instance, has done a lot of work to integrate voice-command service Siri into its system. BlackBerry CEO Thorsten Heins touted the BlackBerry platform's ability to power cars -- the QNX software that BlackBerry 10 is based off of already runs vehicles and other equipment.

via: Samsung co-CEO: We want Tizen to be on everything | Mobile - CNET News

AppleはiOS7でiPhoneとDisplay-audioの接続について言及した。Blackberryもだ。

今更自動車向けにどうのこうのなんて100年早い、と自信をもって言って欲しいんですよ。日本のカーナビメーカーに。

現時点でTizenはスマートフォン・タブレット向けのTizen Mobileと、車載機向けのTizen IVIの2種類だけだ。それでも、今後さまざまなデバイス向けの拡張が検討されており、将来的な発展が期待されている。ちなみに、Tizen MobileとTizen IVIは別のロードマップで開発されており、現状ではTizen Mobileの方が開発が進んでいるそうだ。

via: ASCII.jp:iOSを越える実力!? インテル主催「Tizen」セミナーレポート (1/4)

車載向けのTizenも作っており、サムソンの偉い人は意図的にそこらへんを混同し「Tizenは何にでも載る!」とか喚いているらしい。日本には世界に誇るiTronがあるというのに、今更そんなことを試みるとは笑止千万。

とは言えんわな。

一時期携帯電話用ソフトの開発は、廃人製造工場の景観を呈していたと聞く。今はその携帯電話自体日本からなくなりつつある。

携帯電話ソフト開発で失われた多くの時間、人、金はどこに消えたのだろう?それは何かの役に立ったのだろうか?こうした観点から深刻に反省した文章を観たことがない。

同じようなことが既にカーナビ業界でも起こっているのだと思う。私が今そこから離れていることはとても幸運だ。2015年向けにiTron上で地獄のような開発を繰り返している人たちは、自分の手の中にあるiPhoneやAndroidをみてどう思うんだろう。ガラケーはまだ親近感を持てたと思うけどね。

そうした歪んだ幻想と、現実の間に金を儲けるチャンスが有る。そうやって生計を立ててる人も多かろう。そうした行為はその現実を見失わない限りうまくいく可能性がある。


ヲタ芸から覚めるとき

2013-08-07 06:32

ヲタ芸というものを知っているだろうか?

コンサートなどおいて、ファンが繰り広げる、独特な動きを伴う踊りや掛け声のことである

via: オタ芸 - Wikipedia

ここで注目したいのは、これは自然に発生した「枠」だということだ。誰も彼らに「この曲ではこう踊ること」と強制してはいない。つまり日本人は枠がないと生きていけないのである。誰も枠を設定してくれなければ自分で作る。自分たちで「決まり」を作り、ひたすらそれに従う。従わない人間は排除する。

プロ野球の鳴り物応援、サッカーの決まりきった応援。日本人のいるところ「枠」がある。

オタ芸に対しては、コンサートなどでオタ芸をする事がイベント来場の主目的になっている[1][5]、自分たちの世界に入り込んでしまい独善的で周囲に気を使わない者がいる[7]、「オタ芸という名前が付いているだけで『迷惑行為』である」、といった批判もあり[5][11]、オタ芸が応援行為かそうでないかで意見が分かれている[5]

via: オタ芸 - Wikipedia

もう一つ注目したいのは、ヲタ芸において一番重要なのは「自分で作り上げた枠にぴったりはまっている自分」ということ。コンサートなどで行うのだから、自分が好きな歌手とかを応援すればいいと思うのだが、ここでは主体が自分自身になっている。

この「自分自身の姿に陶酔する」というのは、帝国陸軍にも多く見られた姿勢だ。

あるいは辻政信という人間の中にそうした姿を見ることができるかもしれない。ここから書くことはほぼ私の頭の中で造り上げた妄想である。何の裏付けもないことだが試みに書いてみよう。

彼の著書(からの引用)を読む限り彼は他人を批判するのが大好きだったようである。いくつかの記述によれば指揮官の突然の解任や、自決強要といったことにも関与している。

では彼自身がその責任を問われる事になったとき何をしたかと言えば腹など切らず戦犯解除になるまで逃亡し続けることだった。他人に対する態度と自らの行動の差異をどのように考えようか。

この人間は何よりも自分を愛していたのではなかろうか。そして自分の経験をを美しくふくらませた幻想の中に幸せを見いだしていた。彼の著書が適度な事実と多くの修辞的な妄想に彩られているのはそうした世界観の反映ではなかろうか。

彼にとってその美しい世界にそぐわない人間は断固排除すべき存在だった。その「醜い姿」を美しく昇華させる方法は自決であり罷免だった。しかし外界から自分が排除されそうになったとき、彼はその事実を受け入れることを拒んだ。彼の脳内で造り上げた美しい世界は常に彼を中心に動いており、そこで彼は主役であり観客であった。舞台の上でまずい演技をした役者を首にすることに躊躇はないが客が責任を問われるゆえんはない。

via: 失敗の本質の一部

自分が書いた文章を引用するのもなんだが、あれだけ他人に自決を強要した辻が、罪に服することもなく生き延びたのは一見奇妙にも思える。しかし彼が何よりも愛していたのは日本でも帝国陸軍でもなく自分であると考えれば納得できる気もする。帝国陸軍軍人というのは辻が踊っていた「ヲタ芸」だったのだ。

辻にとって一番の「敵」は米英ではなかった。彼の愛する「美しい帝国軍人としての自分」にそぐわないもの。それを一番憎み排除しようとしたのではなかろうか。
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日本が作り上げた世界に冠たるアイモード、それにNTT帝国というのも彼らにとっての「ヲタ芸」だった。

ユーザニーズに答えるため、年に2回新製品を投入。NTT様のご指導に従い、せっせと端末を作ればそれが一番。いつのまにかこういう「枠」ができあがり、そこにぴったりとハマることにメーカーの人達は血道を上げていたのだろう。そもそも自分たちが作り上げている製品はいいものなのか?ユーザに選ばれるものなのか?そんな「余計なこと」を考えるより

「◯◯部の◯◯さんは、パナソニック派だから」
「××さんにもう根回しは?」

とかそうしたヲタ芸を磨くことが重要だったのだろう。

後藤直義君、森川潤君が言うところの「普通の会社」アップルのやり方を見てみよう。彼らが携帯電話をメジャーアップデートするのは2年に一回。一機種で世界中で売り出す。それが老若男女に受け入れられる。

暗くて狭いコンサート会場でなら、自分たちの奇妙な動きに陶酔することができる。しかし広い場所にさらけださると、他の誰もヲタ芸なんか踊っていない。そこで誰かが

「俺達のやっていること恥ずかしくね?」

と気がついたかもしれない。しかしヲタ芸を踊り続けるしか彼らに道はなかった。そしていつかは終焉が訪れる。

「(国内メーカーは)3~4年、同じことを繰り返してきた。(端末を)作った、売れない、故障する、評判が悪い。ぜひ、ツートップに入るぞという気合を持っていただくとありがたい」

via: 過酷なスマホレース、ドコモは「長男」NECを助けなかった(exmobiler スマートフォン情報局) - IT - livedoor ニュース

お前の会社はどうなんだ、と言いたい人は多いだろうがまあそれはおいておいて。社長のコメントは正しい。それはずっと正しかった。しかし「気合をいれてヲタ芸を踊る」ことに熱心だったメーカーはいまさらのように驚いているのだろう。

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「ステージをろくに見ずに勝手に激しい動きをして達成感を得て帰る...というのは、本当に自己満足以外の何ものでもない」

 「オタ芸という名前が付いているだけで、それが迷惑行為だという事に気づいて頂きたい」

via: ZAKZAK

スマホという名前がついているだけで、それがゴミだということに気がついて頂きたい。崇拝の対象だった歌手(じゃなくて加藤社長)からこう言われることでようやく目が覚める。Party is over.


Google亡き後のAndroid

2013-08-06 06:29

GoogleとAndroidのどちらが長生きするだろう?

もちろんGoogle、、とは言い切れない。



しかし歴史が教訓となるならば、スマートフォン戦争は短期の利益率やアプリの数の競争ではなく、スマートフォンというプラットフォームを5年、10年、15年に渡って支配するのは誰かという戦いになる。その誰かは日増しにAndroidであるらしく思えてくる。


via: やっぱりAndroidはモバイル時代のWindowsか? | TechCrunch Japan

この記事の内容にコメントする価値はあまりない。しかしGoogleが(滅びずとも)Androidから手を引いたあとも、Androidが残り続けるだろう、というのは実にありそうなシナリオに思える。

Google Playに接続できないAndroidの数は一体どれだけあるのだろう。例えばAmazonは仮にGoogleがAndroidから手を引いたとしても、彼らバージョンのAndroidを使い続けると思う。多くの名もない中国メーカーも同様だ。

下の図はOpenSignalの元レポートから再掲。2010年から現在までのAndroid OSの世代別のシェアをビジュアル化したもの。白い線はその時々での最大シェアのOSのパーセンテージを表している。こちらも2012年夏以降断片化が進行する傾向にある。

opensignal-androidos-fragmanetation-2013

via: Samsungの圧倒的AndroidシェアをOpenSignalがビジュアル化―デバイスの細分化は1年で3倍に加速 | TechCrunch Japan

Androidでは「最良」の時でも一番大きなシェアをもっているバージョンが6割を超えていない。最近そのシェアは下がりつつある。Androidが大きなシェアを持っているからといって、アプリケーション作成者の負担が軽減されるわけではない。むしろ悪夢のような状況が広がっている。

であるからして、「Androidが市場を支配している」などと言う人間は何もわかっていない、と断言しよう。あんたの言うAndroidって何のこと?という話だ。例えば

UNIXがとうとう世界を支配した

と言うことはできる。おそらくは数字でそれを示すこともできるだろう。しかしそれには何の意味もない。つまりAndroidはプラットフォームではなく、OSなのだ。(この主張は何度も繰り返しているな)

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というわけで、AndroidでもUNIXでもない独自世界で頑張り続けるMicrosoftである。Windows RTの将来についてかかれたこの文章は面白い。

The differences  between a Windows phone, tablet and phablet are diminishing. Will it always be the case that a five-inch phone must run an operating system called "Windows Phone OS"? Or could it run something called "Windows RT"?

via: Why Microsoft isn't going to dump Windows RT | ZDNet

iOSの世界に閉じ込もっている私には分からないことだが、昨今携帯電話はやたらと大きくなっているらしい。逆に7インチのタブレットが数としては多く売れているとのこと。となるともう誰にもタブレットと携帯電話の区別がつかなくなるわけだ。

私はシノフスキー粒子の「タブレットはPCと共通で、スマートフォンとは別」と考えた判断は間違っていたと信じているし、現実はその方向に向かっている。PCはMicrosoftが画面をタッチさせようとした試みにもかかわらず、PCのままでスマートフォンとタブレットの区別は消えつつある。

でもって


結局Windows RTはWindows Phoneになる、というのは(よく考えると細部がわからないが)ありそうなシナリオに思える。前掲の記事で書かれている

「Microsoftは7インチのタブレットを用意しているだろうが、そこではデスクトップモードは使い物にならない」

という主張にも説得力がある。

というわけで、シアトルではどんな戦いが繰り広げられているんだろうね。来年はMicrosoftのBUILDに行こうか。WWDC2014のチケットが取れなければ、の話だが。


私達、普通の会社で働きたいんです!

2013-08-05 06:36

標題のネタが分かる人はそう多くはあるまいな。

私のようなApple原理主義者がいれば、バランスをとるためにそのような人たちもたくさん存在する。

「アップルはもはや普通の会社になってしまった」

 業界ではこうした声が当たり前のように語られるようになった。

via: アップルのニッポン植民地経営の深層(3) クックCEOが抱える時限爆弾 アップルのテレビ開発の深層|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン

「普通の会社」ねえ。パナソニックが今目指しているのはそれではなかっただろうか。

2年連続で7千億円の巨額赤字決算を見込むパナソニック。4月1日の入社式で、津賀一宏社長は「普通の会社にしていきましょう」と新入社員に呼びかけた

via: パナ入社式「普通の会社にしよう」津賀社長発言に込められた"深いメッセージ" (1/3) - ITmedia ニュース

いや、俺も普通の会社で働きたいと思うよ。ちゃんと給料も(以下略)

元の記事を読むと、この文章を書いた人たちが本を出版したらしいので、宣伝のためにもこういうトーンの記事を書く必要があったのだろうな。とにかく注目集めなくちゃ。

私が考える普通の会社とはこういうことをやる会社だ。

サムスン Galaxy S4 に、特定のベンチマークアプリだけを認識して最高クロックを解禁する「最適化」が施されていることが分かりました。

via: サムスンGalaxy S4、特定ベンチマークだけ最高性能を出す「最適化」が発覚 - Engadget Japanese

「嘘があって大嘘があって、ベンチマークがある」

とは昔読んだ本に書いてあった標語。車の公称燃費と同じくらい馬鹿馬鹿しい値でも、誰か偉い人が気にすれば対処しなくてはならないのがこの世の定め。サラリーマンは辛いね。こんな機能つければそれだけ検証工数も増大するのだけど。

やっぱりLumixカメラのイメージのチカラで、Lumix Phoneのときはバカスカ売れていたのに、

ELUGAにしてから、さっぱりだったという印象ですね。

 

あのサングラスかけた男のひとのCMあたりで、「あ、方向性見失ってるな。」と感じました。

via: ■NECとパナソニックに。「お疲れさまでした。」 | iPhone愛用中ドコモ店員のブログ

偉い人の一言で、LUMIXにしてみたりELUGAにしてみたり、女性向けにしてみたり、高機能(笑)にしてみたり、ガラケーからの乗り換えをターゲットにしてみたり。こういうのが普通の会社だと思う。

Microsoft has confirmed to The Verge that between August 4th and August 29th customers in Canada, China, Hong Kong, Taiwan, and the US will pay $100 less for Surface Pro.

via: Microsoft cuts Surface Pro price by $100 following Surface RT reductions | The Verge

誰が見ても失敗だったSurface RTだけではなく、Surface Proも$100値段を下げるそうな。ちなみに日本は下げないということはそれなりに売れているのかな?

売れなければ素直に失敗を認め値段を下げる。これは普通の会社がやるべきことだが、実際にはなかなかできないことだ。

Surface RTはわかるが、Surface Proはなぜ成功しなかったのだろう。一つはOEMとの関係を重視し、無茶苦茶な価格設定ができなかったためでもあるだろう。つまりマイクロソフトが普通の会社の常識的な判断をしたのが、一つの理由だと思う。

しかし

WIndows PhoneとSurface Proがなぜここまで普及しないのか。その理由が私の中では依然として謎のままだ。なにが売れ、何が売れないかはとても複雑だ。あるいは簡単に

どんなモノだったら、逆に売れるんでしょうか?

糸井 その答えならばちゃんと普段から用意しております。「わあっ」です。「わあっ」てモノが、売れる。

via: iPad、「アバター」から前川清まで――イトイ式「売れるモノ」の法則:日経ビジネスオンライン

ということなのかもしれん。MicrosoftがSurfaceを発表した時私は確かに驚いた。しかしそれは「MicrosoftがPCを出した!」という驚きであり、Surface自体に「わあっ」と思ったわけではに。この区別は些細なようだが大きい。


ネタメディアの罪

2013-08-01 06:24

BCN Rankingは東スポと同じように眺めるものだと思う。SonyのウォークマンがiPodより売れてみたり、いろいろと楽しいランキングを出してくれる。それに「よく飛ぶ記事」へ切り替えた日経が組めば想像力だけが限界だ。

グーグルがアップルを逆転――。昨年の年末商戦の国内タブレット(多機能携帯端末)市場で、米グーグル「ネクサス」のシェアが米アップル「iPad(アイパッド)」を初めて上回った。ネクサスは低価格を武器に消費者を引き付けた。タブレットは2013年も大幅な市場拡大が予測され、2強の競争が激しくなりそうだ。

via: グーグル、タブレットでアップル逆転 低価格武器に :日本経済新聞

こんな記事を見ても、BCNの3文字を観た時点で、私などはニヤニヤするだけである。しかしこういう「常識」を持ち合わせない海外のメディアまで話が届くとなると自体はそれだけではすまない。

This assertion comes from a report by market research firm BCN, as quoted by Nikkei and re-published by several publications since early this year.

via: Nexus 7 did not outsell iPad in Japan according to IDC - SlashGear

IDCのレポートによれば、Nexus7は日本でiPadより売れたわけではない、、などという記事がでてしまう。いやあんた、それは「東スポは虚偽の報道をしていた!」とわめくようなもんだ。その昔米国のスーパーで買物をすると、レジのあたりに東スポと業務提携しているようなタブロイド誌がならんでおり

「アダムとイブの骨が見つかった」

とか

「とうとう恐竜発見」

とかの記事を載せていた。あんなのにいちいち反論しないでしょ?BCN+日経も同じだよ、と誰かおしえてやらなくちゃ。

と日本語で書いても意味ないか。