なんとかpayの泥沼

2019-10-31 07:39

人を集めるためには、札束をばらまくしかない商売はこうなる運命にある。

決算に最もインパクトを与えたのはやはりLINE Payだ。グローバルの取扱高は、前年同期比で9.9%増の287億円、グローバルのMAU(月間アクティブユーザー)は52.1%増の554万人となった。ただし、グローバルのMAUについては、前四半期(2019年4〜6月期)の741万人から25.2%減となった。国内MAUも4〜6月期の490万人から286万人と41.6%減だ。7〜9月期は大盤振る舞いの還元キャンペーンを実施しなかったことが要因だろう。
 引用元:Techcrunch

札束で頬をひっぱたくのをやめれば、ユーザーが文字通り半減。なんだこれは。

でもってPaypayはまだまだ札束をばらまくつもりのようである。企業の営利活動なのだから勝手にやればいいのだが、そこには革新も進歩もない。ただKPIがあるだけだ。

消費増税から目を逸らすという意味ではキャッシュレスは見事な成果を収めた。しかし定着するかどうかは別問題。ヤフードームはペイペイドームになるそうだが、もう少しましな名前はなかったのかねえ。


個人情報を保護しよう

2019-10-30 07:32

情報関連の仕事をしていると、個人情報というものに向き合わざるを得ない。なんだかわからないが、とにかく保護するのだ。

しかし、とふと考える。ハガキというやつがある。住所と名前、裏にはいろいろなことがかいてある。あれは個人情報の山ではないか。しかも誰にでも読めるような形で流通しているのだ。なぜこんなことを言い出したか。

宅配便の送り状に記入されている名前、住所などの情報から、宅配便スタッフなどが犯罪を犯す事件も報道されており、各宅配便企業は送り状にQRコードしか表示しないようにし始めている。このQRコードは暗号化されており、専用端末でなければ解読することができない。そして、どの端末がいつQRコードを読み取ったかはすべて記録される。個人用郵便コードが利用できるようになれば、宅配荷物にはQRコードをひとつつければいいようになる。

引用元:郵便番号の廃止も検討。住所ではなく個人を示す番号体系に - 中華IT最新事情

最近の最新事例のならいとして、これは中国での話である。しかし日本でもこうなってもおかしくない。複写式伝票にぎりぎり書くのはやめて、スマホで住所入力、QRコードを発行してはいおしまい。そうならないのが考えてみれば不思議だ。

そうすれば、「住所と氏名」という大切な個人情報も保護される。日本の流通業でこれをやろうとしているところはあるんだろうかね。



無意識の聞き方

2019-10-29 07:18

「我思う。ゆえに我あり」というのは確かにそうかもしれないけど、「我」が結構あてにならない、というのも事実だ。人間は無意識というか意識しない、つまり「我」以外のところで判断を行っている。問題はこの「無意識」というのは働いていながら、何も語ってくれないところにある。理屈で「これはこうだから、正しい選択だ」と考えていても、体がよれよれになることはよくある。なぜか

この生き方を実行する過程で発見したのは、頭脳は大して役には立たないということでした。本当にすべきことか、しなくてもいいことかは、身体が決めてくれます。どうしてその決断をしたのか、それが今後の人生にどうつながっていくのかを頭で考えるのは、身体が決めた後です。

引用元:人生の目的は見つけるものじゃない。いま、やるべきことにベストを尽くすだけ──ティール組織 著者の天職との出会い方 | サイボウズ式

ここで「身体が決めてくれます」といっているところが無意識なのだと思う。そして厄介なことだが、意識が勘違いしている無意識の声もある。

身体は決めてくれるが、「意識」が間違った判断をしている場合は言葉を発することなくただ「体の不調」という形でしか発言してくれない。年取ると体がよれよれしているから、それが老衰によるものなのか間違った意識なのかもよくわからない。

余裕がなくなっているから、無意識発の不調がよくわかる、ということなのか。そうということにしておこう。


「人工知能ってなんだか怖い!」から始める人工知能概論

2019-10-28 07:17

「人工知能ってなんだか怖い!」から始める人工知能概論という本をAmazon Kindleで出しました。


表紙

書いているうちに気がついたのですが、一時の狂ったような「ディープラーニングなんでもできる!すごい!」という言説はかなり落ち着いてますね。今頃出しても時期を逸しているか。しかし書くのに時間がかかったのです。しょうがない。

「人工知能が将来人間の仕事を奪う」という不穏な言葉をあちこちで聞く。「人工知能ってなんだかわからないが怖い!」と思う人もいるだろう。この本はそうした人たちに向けて書いた。取り上げる問いは以下の二つである。

 最近世間で騒がれている人工知能は一体どういうものなのか

人工知能は今後どうなっていくのか

本書では「正確性、網羅性」より「なんとなくわかる」ことを重視した。だから詳しい人が読んだらフラストレーションで倒れること確実である。穴だらけだし、最後まで読んでも数式もプログラムも一行もでてこない。 しかし「人工知能について全く知らないが興味はある」という人が読めば「まあだいたいこういうことなのね」と心の平穏を得られるのではないか。少なくとも私はそれを願っている。 私は長年人戸知能に仕事を奪って欲しいと願っていた。洗濯物を畳んで部屋に配るとか、奥様の曖昧な命令に従いご飯を作るがその出来がお気に召さないとお叱りを受けるとかそういう仕事を是非奪って欲しいのだ。 しかし事実は尊重しなければならない。私が生きている間はそれは無理。これが本書の結論。

いや待て、とあなたは反論するかもしれない。人工知能の可能性と脅威について述べている人がたくさんいるではないか。しかもどう考えても貴様(私のことだ)より社会的地位が高い人たちがそう言っている。その人達の言葉を捨てて貴様の言葉に耳を傾けなくてはならない理由はなんなのか。 私の考えではこうした「人工知能脅威論」の根底にある動機は以下の三つのパターンに分類できる。

1.人工知能に関して全く無知であり、勉強しようという意欲もない。ただそのイメージに自分の願望や主張を投影するのが楽しい。

 2.薄々「よく言えば誇張、悪く言えば嘘」ということに気が付いているが、騒ぎが大きくなると自分の利益になるため、常に逃げ道を準備しながら騒ぎに加わる。

 3. 現状の人工知能について論文を書くほど詳しい。しかし将来の予想になると途端に無責任になり己のファンタジーを語らずにいられない。 私はなぜこのような結論に至ったのか。

最近人工知能と呼ばれているものは、どういうものなのか。何ができて何ができないのか。研究が進み今認識されている問題が克服されたとしたら何が起こるのか。改めて考えることは何よりも自分にとって興味深いことです。第2次人工知能ブームの時の本も読みましたが、煽り文句がそっくりなのに笑いました。人口知能ブームと資本主義のバブルは似ているかもしれません。人間の愚かさを忘れ「今度は違う」と勘違いをするのにはある程度の時間が必要なのでしょう。私が生きている間に第4次を見ることができるかな?

このブログで何度か取り上げている「人工知能芸人」への言及もでてきます。メディアにでまくりの東大教授とか、疑似科学と戦う元教授にして、シンギュラリティを熱く語る人とか。人間というのは興味深いものです。

定価は三百円。一冊売れるごとに、私がランチ時にダイエットコークを飲めるという仕組みです。Kindle Unlimitedに登録している人なら無料で全部読めます。

ご興味があり、三百円をおしまいない方はどうぞ。


自動車製造の難しさ

2019-10-25 07:30

我が家も愛用しているDysonが電気自動車の開発断念を発表した。

現時点で開発は進んでいるとのことだが、商業的に実現困難として断念するという。製品やチームに責任はないとしている。また、事業の売却を目指して買い手を探したが、見つけられていないそうだ。

引用元:ダイソン、電気自動車の開発を中断--EV事業の買い手も見つからずチームは解散へ - CNET Japan

今気がついたが最後のnを抜かすとDysoになってダイソーだな。

これは自動車産業に新たに参入することの難しさを示している。なんだかんだと問題を山積みにしながらteslaが生き残っているのはすごいことだ。AppleとGoogleはどのようにビジネスを成り立たせるつもりなのだろうね。それは今のところ謎のままである。

おそらく自動車産業は長い時間をかけて、少しずつ変容していくしかないのだと思う。それはそれとして、うちの車にCarplayが搭載できるようになるのはいつなのだろう。まずはそこからか。


地震を喜ぶ人たち

2019-10-24 07:26

日本にいると、地震は厄災でしかない。(正直言えば2011年より前は話のネタだと思っていた)しかし世界には地盤が安定している場所がいくつかあり、そこでは地震は「おとぎ話」である。

xkcd

Californiaは地震が多い。日本人にとってはなんでもないが、世界中からきた人の中には「おい!これが地震か!」と喜ぶ人もいる。

ところ変われば感覚も変わる。地震までいかなくても、雪をみて驚く人もいれば、太陽をみて吠える犬もいる。こうした多様性に少しは敏感でありたいと願っているが。


皆がイラっとしながら慣れていること

2019-10-23 07:41

大きなイノベーションを起こすには「皆がイラっとしながら慣れてしまっていること」を探すこと。これは私が最近開発した定理である。

葬式でなぜ坊主にこんなに金を払わなければならないのか。そこに気がつけば新しいビズネスチャンスがある。私の姉が結婚するときには「仲人」なる厄介なものが必然とされていた。今や仲人を誰も気にもしない。というわけでこの記事。

CapsLockとは、近くにあるShiftキーと一緒に押すとアルファベットが大文字で入力されるようになり、うっかり触れてしまった人間の心を狂わせる魔性のキー。CapsLock。ああ、CapsLock。お前は一体、人類をどれだけ「何もしていないのに、キーボードがおかしくなった」と惑わせれば気が済むのか……。

引用元:君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ - ねとらぼ

賭けてもいいが、PCを使う人の99%以上はCapsLockを本来の目的で使用したことはない。古のFORTANじゃないんだから、今時誰も大文字の連続で文章やプログラムを書いたりしない。

なのにCapsLockはそこに存在していて大きな「イライラ」をもたらす。パスワードが間違っているときに「CapsLockがオンになってませんか?」と聞かれる。ほとんどの人(私も含めて)はCapsLockをオンにする方法すら知らない。

というわけで、

素直にCaps Lockを廃止しよう。0.001%のPCユーザには、何か複雑なキーコンビネーションでも教えればよい。というか無視しても誰も文句を言わないと思う。これを最初にやるのはAppleだと私は信じているがどうだろうね。


Yahooが消える日

2019-10-18 07:28

Yahoo japanと本家Yahooの関係は、部外者にはよくわからない。なんでもYahooとなのっている限り、売り上げの何%かを本家Yahooに払わなければならないのだとか。

さて、いろいろ批判はあるがPaypayという名前は世の中に広まった。というわけでこうなる。

規模や形態などさまざまなストアが数多く集まる「Yahoo!ショッピング」に加え、人気の家電量販店やファッションブランドショップが参加する「PayPayモール」を開始することで、eコマース体験の満足度向上とショッピング事業の成長を加速。先日発表した「PayPayフリマ」とともに、PayPayと強固に連携したサービスを提供することで、同社のeコマース全体の取扱高を伸びしたい考えだ。

引用元:ヤフー、ZOZOも出店予定のECモール「PayPayモール」開始--PayPay決済で最大16%還元 - CNET Japan

気がつけばPaypayだらけになっているのだ。思うに今後この傾向は加速すると思う。気がつけば検索サイトもいつのまにか

Paypayサーチ

になっていてもおかしくない。

こういう動きは理解ができるが、問題はPaypayという言葉の語感の悪さ、それに「札束をばらまく」と「営業がヒラメ筋でがんばる」ことしかできない点。一言で言えばブランドイメージが下品なのだ。

いや、それでも儲かれば正義ということなのだろうけど、かなりうんざりする。Amazonも最初聞いたときは「なんだそれ」と思ったからひょっとするとPaypayもそのうちなんとも思わなくなるかもしれないが。


小さな一歩

2019-10-17 07:39

私の夢の一つは、交通事故による負傷(深刻でないもの)が新聞の一面を飾ること。それはまだ遠い先のことであり、多分私の脳が活動している間は現実のものとはならないと思う。しかしこういう「小さな一歩」も存在する。

Two US senators plan to introduce legislation that would equip every new car with technology to block drivers who are over the limit.

引用元:Technology could end drunk driving, and the US may even mandate it - Roadshow

アルコールを規定以上に摂取したドライバーが運転するのを禁するする装置を新車に装備するような法律が検討されているのだそうな。

アルコール検知、いねむり検知の技術が語られてからもう何十年も立っている。そろそろ「それがないと禁止」にしてもいいと思うのだ。

2018年に全国で起きた交通事故による死者数は前年比162人(4.4%)減の3532人だったことが4日、警察庁のまとめで分かった。統計が残る1948年以降で最少だった17年をさらに下回り、同庁の担当者は「交通安全教育や取り締まりなどに取り組んだ結果だ」と話した。

引用元:【図解・社会】交通事故死者数の推移:時事ドットコム

教育や取り締まりの強化。それは結構だ。しかしエンジニアならば誰もがそんなことでは事故は根絶できないことを知っている。

こうした小さな一歩のニュースを聞くのは心強いことである。それが小さなものでも前進には違いない。


誰がAndroidを作れたのか

2019-10-16 07:35

何度も書いたことだが、Microsoft がWindows Phoneを出す時「これで三国志が始まる」と思った。私は間違っていた。Windows Phoneは消え、MicrosoftはAndroid搭載の2画面スマホを発表した(まだ売られてはいないが)

なぜこうなってしまったのか?理由はいろいろあるだろう。昨日読んで一番ふにおちたのはこの文章である。

筆者から見ると、問題のかなりの部分はMicrosoftの姿勢にある。あまりにも長い間、スマートフォンを標準的なデスクトップの小型版くらいにしか考えなかったのだ(かつては「Pocket PC」というブランドまであった)。

引用元:マイクロソフトが「Android」を作っていたら、世界はどうなった? - CNET Japan

スマートフォン向けにもWindowsは存在した。Windows CEとかとにかくいろいろな名前がついていた。それはとても機能が制限されていた。いや、Windows Automotiveではこんなすごいことができます、とMicrosoftが宣伝しようが、実態はおもちゃのようなOSだった。

iPhone発表前のAndroidがどんなものだったかは実際に触ってみないとわからないし、それは私にはできない。iOSの何が驚異的だったといって、PC用のOSを、それほど機能を落とさずそのまま組み込み機器にのせたことにある。おそらくこれがMicrosoftに超えられない壁だったのだ。

かくして今やAppleは「iPadはPCの何割より高速だ」と宣伝するに至る。つまり2007年当時厳然として存在していた「PCと組み込み機器(携帯電話のことだ)の壁」は実はそんなにしっかりしたものではないとAppleは直感的に理解していたことになる。いくつかのレポートを信じれば、これはSteve Jobsの「無茶苦茶な決定」のひとつらしい。

Windows Phone上のOSはそれでも迷走を続けた。Windows Phone OS7があり、それと互換性のない8があり、とかそんな調子。このWindowsの迷走ぶりには学ぶ点がたくさんあるように思うのだけど、誰か本を書いてくれないかなあ。


使用は自己責任で

2019-10-15 07:22

MacのOSがバージョンアップされた。Catalina 10.15である。それにともない前から「このアプリはアップデートが必要です」と表示されていた32bit アプリがきっぱり動かなくなった。

まあそれはしょうがない。諦めたり、アップデートしたりして対処していたが、一つ問題があった。

理由はわからないが私のMac Bookは無線LANのご機嫌がよろしくない。家で使うと本来の1/5くらいのスピードしかでない。何かと問題があるレベルなので、Buffaloのこれを使っている。

ところがこれを動かすのに必要なソフトウェアがCatalinaになった途端動かなくなった。32bitでしか作られていないから。Buffaloのサポートに問い合わせたが「アップデートの予定は未定です」という返事(正確な返事がなんだったか忘れたが概ねそう言われた)

これは困った。他の製品もあれこれみてみたが、結局ドライバー(動かすのに必要なソフトだ)は32bitばかりのよう。さてどうするか。

というところで、このページを発見した。全く中身をチェックしていないから、ひょっとすると私の通信が全てどっかのサーバーに飛ばされているかも知れないが、今のところ順調にCatalinaで動いている。

今まで「使用は自己責任で」という文字をたくさん見てきた。ぼーっとそれらを読んでいたが、こういう時に使うのだなと実感した。

数時間後には後悔とともにこのページを削除しているかも知れないが、もしそうなら生暖かく見守ってやってください。


合わせ技

2019-10-11 07:32

消費税が上がった。0->3のときは大騒ぎだった記憶があるが、(いろいろな意味で)8->10は「はあ」というところである。

しかも今回は誰が考えたのか知らないが「キャッシュレス普及」との併せ技が炸裂した。キャッシュレスにすればなんとなく増税分はチャラにしますよ、という手法。これを考えた人間はなかなか素晴らしい。(システムにいろいろ問題があるのはさておき)

何に驚いたといって、Amazonのマーケットプレイスでものを買ったらキャッシュレスで還元があったのには驚いた。理屈からいえばそうなのだが、Amazonで買うとき「キャッシュレス」とか意識していないからね。

この「合わせ技で新しい製品の普及を図る」というのは、高速道路料金を自動で払うETCでも使われたと記憶している。ETCならば、土日だったかの高速運賃が割引だったかな?そうすると皆競ってETCをつける。それまで「あのゲートは何に使うんだろうなあ」とぼんやり考えていたうちでも設置した。

というわけで、コンビニを支払いを全部PASMOにする私である。なんとかpayはポイント還元がどうとか好きな人はがんばればいいと思うが、私は面倒は嫌いだ。PASMOでお願いします。ぴっで話は終わる。ああ、早くApple Payに移行したいが、そもそも新しいiPhoneはいつ購入できるのだ、という話はまた別途。


世界初が大事

2019-10-10 07:22

ある企業の研究発表会に行った時やたら「世界初」とか「日本初」という言葉が飾られていることに気がついた。多分そういうお達しがあったのだろうと想像したが。

それを見ていて思った。世界初を作ることはそう難しくない。誰もがやらないようなどうでもいい事象を対象に選べばいいのだ。

空港リムジンバスと自動運転タクシー、自動運転モビリティが連携したサービスの提供は、世界初の事例だという。

引用元:空港と都心を結ぶMaaS実証実験の一般公募を開始--世界初の3ソリューション連携 - CNET Japan

「連携」といえば聞こえがいいが、ほとんどの行程はリムジンバス。少しだけ自動運転タクシーに乗り換え、最後に「世界初」のための自動モビリティに乗り換える。なんだこれは。

などと言ってはいけない。きっと関係者はとても苦労したのだと思う。関与している会社の数だけでも大変だ。しかし一歩引いたところからみれば「何だこれは」以外の感想を持ち得ない。そりゃ確かに世界初だろうけど。


WeWorkの歌

2019-10-08 07:26

WeWorkというレンタルオフィス、シェアオフィスの会社がある。少し前までは「急成長ですごい」ということになっていた。

何度か展示会でブースにいった。無料見学券ももらったが結局いかなかった。だってむちゃくちゃ高いんだもん。おまけに、結局何がいいのかわからないし。

多分そう思っていた人は私だけではなかったのだと思う。結局彼らの繁栄は虚構だった。

入社1週目でパーティー文化を体験したある女性従業員はこう語った。
「最初に参加した本社でのミーティングで、テキーラをショットで回し飲みするシーンがあって。なんて素敵な会社だろう!って思いました」
しかし、彼女がうんざりさせられるまでにそう時間はかからなかった。コワーキングで行われるイベントのたびに、酔っ払った入居者たちが彼女の尻をつかんだり、ゲロを吐いた酔っぱらいの後始末を彼女やチームの仲間が押しつけられたり、最悪の経験をしたからだ。

引用元:性差別、人種差別、サウジ王族との密会…まだまだ出てくるWeWork従業員「衝撃の新証言」【後編】 | BUSINESS INSIDER JAPAN

パーティーというものには常に危うさがつきまとっている。一時シェアハウスについて調べたことがあるのだが、定期的に行われるパーティーが素晴らしいと言う人もいれば、それが嫌だ、と言う人もいる。しかしweworkの場合はそれが度を越していたのだな。

こうしてWeWorkはかつてのUberのような企業だったということに、私の中ではなっている。UberがCEOを取り替えてまだ存続しているように、weWorkも存続しつづけるかもしれないし、しないかもしれない。今後もこういう企業がでてきてもてはやされることもあるだろうから、この企業のことは頭の片隅に置いておこう。


マーケティングの勝利

2019-10-07 07:12

少し前、世の中にマーケティングなる言葉があることを知った。今まで帰納的に得た定義というのは

「いかに売るかを工夫する」

ことらしい。なんとかキャンペーンをしかける。それを広報するために有名俳優を起用するとかなんとか。

つまるところ「売り方の工夫」であり、売るもの、サービスがきちんと存在していることが前提となる。ところが、そこを忘れる人が圧倒的に多い。

ペイペイが急に使えなくなって、システムエラーで使えないようですって、お客様に伝えたら舌打ちされるわ、怒られるわで、とんだ災難。。うちの店のせいじゃないのに
paypay側のトラブルだから使用する人も店のスタッフに怒るのほんと辞めて欲しい

引用元:希さんはTwitterを使っています

昨日の早朝近くのスーパーにいった。なぜ早朝行くかと言えば開店直後は空いていてレジにならばずに済むからだ。

ところが普段なら空いているはずの時間に長蛇の列ができている。なんだこれは、と思ったがようやく理由が理解できた。Paypayが死んでいたのだ。昨日は1日限定のキャンペーンの日だったらしい。でもって案の定システムがダウンし、レジが混雑しいたるところで長蛇の行列ができた。私のようにPaypayなんか絶対使わないと思っている人間にまで被害を及ぼすとはさすがである。

日本のWebサービスにはマーケティングはあるが、その前提が存在しない。そもそも存在していなければならない、いいサービス、堅牢なサービスがないのだ。そのゴミプロダクトを売り出すためのマーケティングが大成功すれば、世間は阿鼻叫喚の地獄になる。

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私が何年も続けているPokemon Goでも月に一度あまりでないポケモンがわらわら湧く日がある。すると大抵何かトラブルが起こる。何度もやっているのにトラブルはとても高い確率で発生する。

まあPokemon Goだから。Niantec(pokemon goをやっている会社だ)と諦めている。しかしそれが金銭に関わる部分で起こると話は別だ。

というかなんでpaypayとかLINEなんかに金を預けようと思うのかね。


駐車が好きな人

2019-10-04 07:27

車を運転するのが好きな人はいると思う(私はあまり好きではない)しかし駐車が好きな人はいないと思う。(少数の例外を除いて)しかし車を運転する以上、なんらかの形で駐車という作業を避けることはできない。皆が面倒だと思いながら「そういうものだ」と諦めている。

最近よく考えることだが、大きな変革とかヒットはこうした「皆が諦めている不便」を解消することで生まれる。iPhone登場以前にもスマホは存在した。ゴミだったが、皆そういうものだと思っていたのだ。いわゆるガラケーも存在していた。ゴミだったが、皆そういうものだと思っていたのだ。いきなり何を言い出したかというとこのニュース。

立体駐車場だって、決していいものではない。近くにある駐車場を探し出してクルマで向かい、らせん状のスロープを延々と回りながら駐車スペースを探すのは、人間にとって時間の浪費でしかない。おっと急げ!あの駐車スペースが空いているぞ──と思っても、実は小さな「ミニ」が隠れて停まっていたりするのだ。

こうした駐車の問題について技術者たちは、自律走行車によって解決できると考えている。ドライヴァーが目的地で降りたあとに自律走行車が自ら駐車スペースを探しに行き、帰路につくときには迎えに来てくれるわけだ。

引用元:自律走行の未来は公道ではなく、「駐車場」にあるかもしれない──近づいてきた完全自動駐車の実現可能性|WIRED.jp

イーロンマスクを除いて、自律走行車が数年以内に運転という作業から我々を解放してくれると思う人はいない。しかし人間を原理的には排除でき、しかも高速で走行する必要がなく、道路の完全な地図を比較的容易に構築できる駐車場ならそれが可能かもしれない。

少数の「乗り降りするところ」だけ用意しておき、あとは車が走って勝手に駐車し、戻ってきてくれる。これだったら私が生きている間に実現できそうな気がする(簡単ではないだろうが)そうすると「なんで駐車なんて面倒なことをしていたのだろう」と誰もが懐かしむ時代がくるのかもしれない。

他にもこういう「誰もが諦めている不便」はいくつもある。諦めるからにはそれなりの理由があり、解決は簡単ではない。しかしまず問題はそこにあるのだ。


映画とはなんなのか

2019-10-03 07:38

私の数少ない趣味の一つが映画観賞である。ではそもそも映画とはなんなのか。私はなぜ4時間程度(前後を含めるとそうなる)と1200円を投じて映画を見るのか。実のところそれには答えが出ていない。

第二次世界大戦に従軍していた元軍人の男が、1950年代にハリウッド映画に面白味を感じることができなくなり、日本やイタリアで作られた映画に惹かれていく物語だということになる。タランティーノいわく、主人公の元軍人は、外国映画に魅力を覚えつつも「好きな映画もあれば、好きじゃない映画もあり、理解できない映画もある。けれども自分が何かに惹かれているのは分かる」のだとか。

引用元:クエンティン・タランティーノ、戦後ハリウッドと外国映画を描く小説を執筆中 ─ 第二次世界大戦の元軍人が、黒澤明作品に出会ったら | THE RIVER

タランティーノの映画を全て見ているわけではないが、今のところ彼の力量には感服せざるを得ない。私はグロいシーンが苦手で嫌いなはずなのだが、グロ満載のタランティーノ映画が好きなのだ。わけがわからない。

今の日本にかつての黒澤映画のような作品があるのだろうか。もちろんあの当時もひどい映画が山ほどあったとは思うんだが。なぜ黒澤映画は面白く、そして消えてしまったのか。宮崎駿も同じだが、圧倒的な個人がでてきて、衰えとともに後が続かないのは我が国の伝統なのだろうか。


日本のお家芸(過去形)

2019-10-02 07:34

知らない人もいるかもしれないが、かつてコンパクトなデジカメとかビデオカメラというのは日本のお家芸だった。1991年(約30年前だ)に米国のディズニーランドに行ったとき、アメリカ人は巨大なビデオカメラを肩に担いていた。私はパスポートサイズの8mmビデオを手のひらに持っていた。

スマートフォンが登場し、デジカメという言葉は過去のものになった。息子にもデジカメを買ってやったが、iPhoneを買ってからは一切使っていないと思う。そしてスマホのカメラは今や全く違うものになっている。

この秋後半に登場するDeep Fusionは、A13 BionicのNeural Engineによって可能となる新しい画像処理システムです。Deep Fusionは高度な機械学習を使って写真のピクセル単位での処理、写真のすべての部分の質感、細部、ノイズの最適化を行ないます。

引用元:Apple、デュアルカメラ搭載のiPhone 11を発表 - Apple (日本)

よくこんなものを考えたたな、と思う。いや、概念自体は誰でも思いついていたのだろうが、それをCPUチップまで含めて実用化してしまうところがすごい。そういえば「コンピュータのハードとソフトは分離する。ハードは汎用品になり値段が下がる」とか言ってましたねえ。あれはなんだったのだろうか。

何が言いたいか。かつてカメラとはレンズだった。今やレンズも重要だが、それ以上にそれを制御し、取得した画像を加工するCPUとソフトウェアの勝負になりつつある。最近iPhoneの進化の大きなものはカメラに集中しているが、それも宜なるかなというところである。

という大きな判断を誰かがだいぶ前にやったのだろうな。そのこと自体にも驚く。


ラベリング

2019-10-01 07:28

私はラベリングが大好きだ。今少し新しい環境にいるのだが、すでに多くのラベルを貼ったような気がする。

しかしこれまた長いサラリーマン生活を経たあとでは、そうしたラベリングが正しくない、ということをぼんやり意識している。

「まず人間を、我々と奴ら(Us and them)に分けた。あとは簡単だった」

かつてナチス高官だった人物が、なぜあれほど残酷なことができたのか尋ねられ、こう答えたというエピソードがあります。

引用元:「アス」は、たった今こうしてネットを見ている、私達の物語である。 | 橋口幸生 | 街角のクリエイティブ

人間にはいろいろな人がいるから、一概には言えないのだけど、「身につまされる」行為は躊躇することが多い。逆に「自分とは関係ない」と何かの手段で割り切ってしまうととんでもないことができてしまう。

この「自分とは関係ない」と割りきる手段の一つが「ラベリング」である。ユダヤ人だから。いや、そもそもユダヤ人って何と言われてもほとんどの人が答えられないし、答えがあったとしても意味を持たないし。しかし意味を持たないラベルであってもその影響は恐ろしいことになる。

というわけで

ラベルを物事に貼りたい気持ちはまあいいとして、そこから少し距離を置きたいと思うのだ。距離をおけばこれはなかなか面白いことでもある。ライバル校との伝統の一戦なんてのはラベルづけがないと面白くないよね。そうだよね、早稲田慶応たって、両方の学校に行っているひとだっているだろうし、そもそも卒業してから何年もたってるから意味ないよね、とかいうより早慶戦で盛り上がった方が楽しい。