年をとること

2007-07-26 00:00



なぜそんな題名を使うかといえばちゃんとわけはある。


「べ、別にさみしくなんかないんだからね!!」

“ツンデレワンセグ”発売決定

【やじうまPC Watch】「べ、別にさみしくなんかないんだからね!!」“ツンデレワンセグ”発売決定【やじうまPC Watch】「べ、別にさみしくなんかないんだからね!!」“ツンデレワンセグ”発売決定


ようするにワンセグテレビが声優の声であれこれメッセージを出してくれる、と。そして使用の回数によってそのメッセージが変わるということらしい。


20のころだった「これはおもしろい」と思ったかもしれん。しかし年をとった今となっては「ははは」と聞き流すだけだ。それは別に声優に興味がないからではない。


こうした「作られた性格」というのは使っていて実にむなしいということを経験から知っているからだ。人間はこうした「作られた性格」を見破るのが実にうまい。最初は面白いかもしれないが、パターンが見えた時点でそれはただの機械になる。


では人間を飽きさせない仕組みはできるか?ものすごく狭い範囲だけの知見と記憶でモノをいうが、


「人間が人工的に作り上げたものでは”人間を飽きさせない”ことはできない」


と年よりは断言するわけだ。予想がつかなく、かつ人間の興味を引き続けるのは、自然現象、そしてその中の一部である人間自身だけだ。


ということをつらつら書いていくと、「記号処理型人工知能」に希望を抱き、そして失望した20年ほど前の話がひっかかってきたり、、と年よりは過去の延長だけでモノを考えるから困る。いつの日か自分の「固定概念」が覆されるとよいと思うのだが、今のところは固定概念にしがみついている。いつか通った道は少し引いて斜めに見ている。




零戦64型とP-80

2007-07-20 00:00



iPhoneが巻き起こした騒ぎをここしばらく見ていた。発表直後からその反応はさまざまだった。


実物がユーザの手に渡り、評価も少し落ち着いてきたように思う。今日は私が「今のところ一番印象深く読んだもののうちのひとつ」を引用したいと思う。


以下国内6メーカー担当者が実物を見て語った「iPhoneの衝撃と本音」より引用



C社端末戦略担当は、「実際使い込んでいくと、ズームインなどの描画速度は遅かったりする。これは、国内メーカーの立場からすると、とても許せる範囲ではない。


(中略)


また、200万画素カメラに関しても、D社端末企画担当は「画質は、かなり悪い」と手厳しい。


(中略)


 日本メーカー関係者らしい視点としては、「ツメで操作ができないのでは日本の女性ユーザーには受け入れられない」(E社製品企画担当)


(中略)


ほかにも、「マナーモードにすると、カメラのシャッター音も消えてしまう。盗撮防止としてシャッター音を消せないようにしている日本市場ではあり得ない。また、ムービー使用時のコントラスト調整ができなかったり、フォトアルバム表示時の操作性がいまいち。細かいところまで見ると『甘い』と感じる部分がある」(C社端末戦略担当)という。



このように携帯メーカー各社の担当は、iPhoneが日本で受け入れられる上で問題となる点をいくつも挙げていく。そうした細かいところに神経を配り製品を作り上げている担当者ならではの意見なのだろう。


こうした点をあげつらう「だけ」の意見はiPhone発表直後から大変多く目にした。日本人はテンキー文化に慣れているから、絵文字が使えないから、お財布ケータイが使えないから、片手で操作できないから、タッチパネルで成功した製品はない、、etc..


しかしこの記事に感心したのはそうした「戦術的に日本の携帯が勝っているところ」だけで終わっていないからだ。



機能でいったら日本のケータイが圧勝のはず。しかし、国内メーカー関係者のほとんどは「悔しいけれど、iPhoneはすばらしい」と白旗をあげた。果たして、何が違うというのか。


 「例えて言うなら、日本のケータイはリフォームを繰り返した、築何十年の注文住宅なんです。どんなに、内装や外装は変えられても、基本構造の梁や柱は変えられない。一方のiPhoneはオール電化でバリアフリーが完璧のデザイン住宅。どちらが住み心地がいいのかなんて、一目瞭然です」(B社マーケティング担当)。



ここで話は飛ぶ。1945年。日本が零戦の最後の改良型となる64型の生産を始めた。零戦は細部まで美しく磨き上げられた一種の芸術品とも言える工業製品だった。そして日本は戦況にあわせ次々と「改良型」をつくりあげていった。私が使う表現だが「線をどこまでも延ばす」ことを極限まで行ったのが零戦64型だったのだ。


同じころ米国はジェット戦闘機であるP-80を生産していた。


当時の日本の技術者にP-80を見せれば、おそらくいくつかの「問題点」を指摘したことだろう。きっと「こんなに旋回性能が悪くては日本のパイロットに受け入れられない」とか「航続距離がこんなに短くては、海軍の要求に適合しない」と言う人だっていかたもしれない。


しかし相手はそうした「細かな問題点」とは別の次元にすでに移ってしまっていたのだ。今回引用した記事はこれまで何度か書いてきた


「iPhoneは日本の携帯電話とは全く別の戦場で戦っている」


という私の主張と一致している。


記事は



国内メーカー関係者のほとんどが、アップルの開発体制を「うらやましい」と思ったとともに、悔しさを感じていた。iPhoneの登場によって、国内メーカーが奮起してくれることはとても喜ばしいことだ。



という論調で締めくくられている。私もそうした奮起を期待したい。しかし部外者の限られた知識で携帯業界を見たときの「不安」もある。


今回インタビューされているのは「携帯電話メーカー」の人間だ。しかし彼らは直接消費者と向き合っていない。彼らの「ユーザ」は「キャリア」なのだ。そして問題はキャリア、特に幹部がどう考えるかなのだ。


ここで少し私事がまじる。私がかかわっているのは自動車用情報端末、平たく言えばカーナビの業界だ。そして私にとっての「お客様」とはドライバーではなく、自動車メーカーである。


そして結局のところ、われわれが作ったものを「評価」するのは一般ユーザではなく、「自動車メーカーの偉い人」である、という点で携帯業界と似た図式があるのではないかと思うのだ。われわれにできるのは「提案」することであり、直接自分たちの成果を「世の中」に問うことではない。一般のお客様がどれだけ熱狂しようが、自動車メーカーの偉い人が一言言えばすべてはお蔵入りである。


こうした図式と仮に携帯業界が似ているとした場合、はたして何ができるのだろうか?これは全くの妄想だが、携帯電話メーカーでは依然として



「iPhoneすごいねえ。ところで冬モデル(よく知らん)の提案書明日までね」



という会話が飛び交っているのではなかろうか。


しかしAppleがiPhoneを出したことを見ていると、時々妄想にふけりたくなるのだ。われわれが、あるいは携帯電話メーカーが



「あ、そうですか。御社には採用いただけないと。じゃあ別のお客様にもって行きますからいいですよ」



と言える日がこないかと。くだらないしがらみやら「業界の常識」をすべて吹き飛ばすすばらしい製品を作り、「お客様」と対等の立場で協議ができるようにならないか、と。




新旧メディアの戦場の違い

2007-07-18 00:00



コンテンツに対する尊敬の念を持って頂きたいと思う

ITmedia +D LifeStyle:「コピー10回だからこそ、補償金制度が不可欠」――権利者団体が主張ITmedia +D LifeStyle:「コピー10回だからこそ、補償金制度が不可欠」――権利者団体が主張


つまるところこの人たちの主張は↑この言葉に集約されるのだろう。つまりコンテンツとはとても貴重なものであり、それを使う際には許可を取り金を納めるべきものだ、という考え方だ。その金がどこに行こうが、あるいは誰がどのように使っているかは私のような素人にはさっぱりわからないのだが、彼らは「コンテンツに対する敬意を持つ」ことで「コンテンツとその周りに存在している人たち」を神聖にして侵すべからず存在としたいのだろう。


同じ日にこのニュースが流れたこととあわせて考えてみるのは興味深いことだ。


ゲームに押されテレビ視聴率が低下

本誌1105号(7月19日発行)

7月の第1週、日本のテレビ業界に大きな衝撃が走った。なんと1週間の間に放送された番組の中で、ゴールデン・タイムに視聴率9%を超えたものが1つもなかったのだという。業界関係者らは、これを任天堂の人気家庭用ゲーム機Wiiの影響によるものと分析している。

イギリス生活情報週刊誌 - 英国ニュースダイジェスト - 英国における日本報道イギリス生活情報週刊誌 - 英国ニュースダイジェスト - 英国における日本報道


この分析が正しいかどうかは今は問うところではない。確かなのは視聴者は不便を強いる地上デジタル放送移行前から「TV離れ」を起こしているという事実だ。さて、仮に私がTV関係者だとしよう。どういった対処の方法があるだろうか?


1)番組をより視聴者の視聴意欲を掻き立てるものにし、かつ視聴者が時間を使うほかの方法(Wiiだか携帯だかネットだか)と共存共栄を図る。


2)番組を視聴、利用するためにより高い障害を設け、その障害を回避するさいには「税金」を徴収することにより、広告料の減少に対処する。


今のところわが国における既存の著作権管理団体は2)の方向を指向しているようだ。(BBCそれに米国のメディアはより1)に近い立場だと思うが)そのうちTVの電源を入れるたびに課金することを主張するのではなかろうか。


インターネットの世界は徹底的に2)と逆の方向で成り立っている。いつぞやか「はてな」COOの講演で聞いた以下の言葉はいまだに記憶に残っている。


・ビジネスプランなど立てても無駄(どうせあたらない)


・トラフィックさえあればなんとかなる。


つまりコンテンツの流通を不自由にし、高い関税をかけることで収益を上げる-既存の著作権管理団体が愛する方法-のではなく、コンテンツ、人の行き来を自由に使いやすくし、そこから生まれるトラフィックから収益を上げる方法を見つける、というのがインターネットでのやり方だと思う。


かくのごとくわが国において新旧メディアは全く異なった戦場で異なる戦法で戦おうとしている。最終的に勝ち負けを決めるのは視聴者だ。そしてその答えはもう出掛かっているのではないかと思う。最初に挙げた記事に掲載されている写真は「白鳥の歌」を歌っているように思える。


あるいは私が言わんとしているところをもっと端的にあらわしているのがこのエントリーか。


日本政府が「放送と通信の融合」なんていうなまやさしい言葉を使って既得権者を刺激しないように丸くおさめようとしている間に、政府の規制の及ばないところで時代はどんどんと進んでいる

中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:ブログ - CNET Japan中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:ブログ - CNET Japan




奥様との戦い

2007-07-17 00:00



裏業務としてあれこれ妙なものを作るのが生きがいの私であるが、絶対に見せてはいけない相手というのがある。


ひとつは今働いている会社。だいたいは


「うーんおもしろいねー(棒読み)でも○○では使えないね」


という判で押したような反応が返ってくる。それでも対外発表伺いにはんこさえ押してもらえれば文句は言わない、どころか大感謝である。


というわけでこちらは害はないのだが、もうひとつの相手はそうはいかない。私の奥様である。たとえば私の裏業務第一号Goromi-Webを見せた時の反応はこうだった。


<object width="425" height="336"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/mgsVNaWD2WQ"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/mgsVNaWD2WQ" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="425" height="336" FlashVars="movie_url=http://d.hatena.ne.jp/video/youtube/mgsVNaWD2WQ"></embed></object>


D


奥様「これでイタリアの家具みせて」


私:ふふふ(といいながら「家具」と入力する。しかし「イタリア」という関連キーワードは抽出されない)あわててほかのキーワードをクリックするがいつまでも「イタリアの家具」にはたどり着かない。


これ使いたい人っているのかしら。私は要らないわ。Webの画像がでるだけならほかにもあるでしょ。


いや、これはそういう目的のはっきりした検索じゃなくて、もっと気ままに見ることを、、などと説明してももはや奥様はあちらに行ってしまわれている。


かくのとおり奥様に私が作った物を見せるは危険だ。それどころか基本的に彼女は「技術的に新しいもの」などには目もくれない。携帯だって、ついこないだまでストレート型で液晶が3行くらいしかない古いものを使っていた。


ところが


その奥様がどこかでiPhoneの映像を見て以来というもの「これいつ日本ででるの。出たら買うわよ」とおっしゃられる。これは驚くべきことだ。うちの奥様が「新製品」に対してこういう態度をとったことは私が知る限り今までなかったのだ。


Wiiが出たときには「ゲームなどまったく興味がなかった祖母が楽しんでプレーしている」という話をあちこちで聞いた。iPhoneに関しても同じようなことが起こっているのではないか。


そしてもうひとつ驚くべきことは、こうした事象を「技術的には何も新しくないでしょ」とか「パッケージングのうまさだけは認めるけど」といった言葉で封じ込めることができる人がとても多く存在している、という事実だ。




ああ、耳がちぎれるようだ

2007-07-12 00:00



私が「自覚している」自分の欠点というのはかなりたくさんある。その中のひとつに


「行動に徹底を欠くためすべてが台無しになる」


というものがある。


であるからして今日の内容はまず自分にとってつらいものなのだが、書かざるを得ない。


iPhoneのおもてなし:パッケージ編

 たぶん、たくさんのAppleファンたちがすでに書いているだろうからわざわざ私が指摘するまでもないとは思うが、一応触れておきたいのがAppleのパッケージング。家に持って帰る途中、家に帰ってからパッケージを開ける時のドキドキ感までにちゃんと気をつかったおもてなしはAppleならでは。

Life is beautifulLife is beautiful


次はちょっと古い記事になるが親愛なるソニー





既に多くのインプレッションレポートが上がっているので、あまり詳細なレビューは行なわないが、パッケージを開けて使い始めるまでの印象は、失礼ながら中途半端にiPodをマネているという印象を持った。


 ここ数年のアップル製品は、製品パッケージ1つとっても実に丁寧で、iPodだけでなくPowerBookなど、さまざまな製品において“箱を開けてから使い始めるまで”を上質に演出しようという努力が伝わってくる。それはパッケージ内の付属物の包み方や箱への収め方、ケーブルのまとめ方といったところまで行き届いている。


 ソニーも(これに倣ったのかは判らないが)ウォークマンAで、購入者への感謝の気持ちを示すような(むしろアップルよりも)立派な箱を採用しているのだが、針金でまとめられたケーブル類や各付属品のパックの仕方など、全体を上質に演出するというところまでは至っていない。そして、ケーブルを取り出してみると、実に無様なフェライトコアにぐるぐる巻きしたUSBケーブルが出てくる。


 ここまできちんと気遣いをして、箱などの外装にお金をかけていても、こうした細かなところで足を引っ張られるというのは実にもったいない。付属のイヤフォンは、ライバルのモノよりも若干良いものに見えるし、実際に音質もこの手の付属品としてはかなり良いものだと感じたが、そうしたプラス要因もこれでは吹き飛んでしまう。



本田雅一の「週刊モバイル通信」より引用


部分的にまねしても効果は0.やるなら徹底的かつ異常なまでの執着をもってやらなきゃだめってことです。


それよりも何よりも、中にはいっている製品がConnect Playerつきのウォークマンでは話にもならないってことです。




話が少し飛躍するけど、これは「仕事でやっているか」「自分が本当にやりたいと思っているのか」の差にも通じると思う。


「パッケージを豪華にしました。iPodに引けをとらないどころか明らかに勝ってますよ!」


と会議では誇らしげに主張する。しかし自分で実際にあけてみて


「これで本当に高級感を感じるか?」


と自問しないのが「やる気のない仕事」。もし本当に自分がすばらしいと思えるものを作りたいと思っており、かつ「人並みの感性」を持っているのなら(これが実は結構難しいのだが)こんな中途半端なことは絶対にやらないはずだ。


いや、会社にいると「人並みの感性」が居眠りを始めるってことは自覚しているのですけどね。。




イノベーティブでなくちゃ

2007-07-09 00:00



情報の循環は必須ではあるが、過剰な管理はむしろ逆効果となり、社員の革新活動に向けたモチベーションを殺ぐ結果につながりかねない。むしろ今、イノベーティブな組織づくりに必要とされているのは、情報よりも情熱の循環をいかにして作り出すか、である。情熱の循環によって社員の意欲を高めるとともに、革新的成果に繋げる視点と仕組みが求められているのではないだろうか。

イノベーションには「情熱の循環」が必要だ (イノベーション解剖学):NBonline(日経ビジネス オンライン)イノベーションには「情熱の循環」が必要だ (イノベーション解剖学):NBonline(日経ビジネス オンライン)


というわけでイノベーションである。↑の記事に書いてある内容には考えさせられるところが多い。情熱を重んじるということは、個人をおもじんることに通じる。人間を「人月」で勘定する組織では絶対そうしたことは行われない。


さて、私はどちらかといえばイノベーティブでない職場で働くことが多かった人間である。というわけで


「イノベーションを推奨する企業が”思わず”やってしまう”間違ったイノベーション推奨方法”」


を列挙してみたいと思う。



  1. イノベーションは大事だからみんな新しい提案を出すように、と命令する。

  2. その結果提出された案を一部の人間がろくに読みもしないで没にする。

  3. そうして「うちの社員はやるきがない。全く新しい提案がでてこない」とぼやく。

  4. ぼやいていてもしょうがないと思い、「この前の提案は残念な結果に終わりました。皆様日常業務に追われて新しいことを考えるのは大変なのはわかりますが、時間は作り出すものです。私が若いころは(と以下340行自分の昔話が続く」というメールを出す、あるいは社員を会議室に集めて「檄を飛ばす」

  5. 日ごろの取り組みが大切だ、と思い「業務時間の20%はイノベーションにあてること」と通達を出す。

  6. 「一人あたり2件新規提案を出すこと」とノルマを課す。

  7. 「ブレーンストーミング」という手法がいいらしい、とどこかで読みさっそく社員を会議室に閉じ込めてブレーンストーミングをやろうとする。しかし途中から経営者の演説会になっている。

  8. 依然として提案は結局全部没にするのだが、やはりなにか報奨制度がないといけない、ということで「一番たくさん提案してくれた人」に年度末図書券を送る。

  9. よりイノベーションを促進するためにはやはり組織が大切だ、と思い「イノベーション創出室」を作る。発足時に大演説を行う。

  10. 人材獲得から考えなおさなければ、と思い「思いつきでぺらぺらわけのわからないことをしゃべりまくる人間」を採用する。

  11. 「若い人の自由な意見に期待する」ということで、新人、中途採用の人間をやたらと「イノベーション創出室」に配属する。そうだ、女性の意見も大切だというわけで女性社員も配属する。

  12. 「イノベーション創出室」では会議をたくさんしている気配はあるが何もでてこない。これはやはり組織改革を行わなければ、というわけで「イノベーション提案課」に名前を変える。

  13. 社員は決められた数の提案書を機械的に生産する。イノベーション提案課は定期的に会議を行う。

  14. 相変わらず一つも提案は外に出て行かないが、提案件数が増加したことにより「一定の成果が得られた」と満足する。

  15. そのうち本業が忙しくなり、イノベーションに関する全ての通達を忘れる。新規提案を考えている人間を「何を遊んでいるんだ」と怒鳴りつける。イノベーション創出室はゴミ箱になる。


なんだかこういう事がすらすらかけてしまう自分がいやだ。しかし↑で書いたことって本当に何度も経験したことなんだよなあ。。今はその気配がしただけで(首にならない程度に)無視するようにしてますが。


こういうことができる人間って、「人は命令によって動く」と思ってんだろうなあ。確かに命令で人を動かすことはできる。しかし人がもてる力を最大限に発揮するのは「自分でやろうとしていることをやるとき」だ。


「命令」によって人が動くときは、その「命令」をこなすことだけが目的。だから命令が消滅すれば直ちに行為も消滅するし、「命令」に対する「説明」が可能になった時点でそれ以上何もすることはない。


それに対し「自分でやろうとしたこと」をやるときには(場合によってだが)何度も「俺は本当にこんなことがしたかったのか。俺にできるのはこんなことか。足りないところはどこだ」と自問自答することになる。自分がやろうとしたことが、どうしようもない出来だったとすれば、それは自分がどうしようもない人間だ、ということになりはしないか。それが嫌ならまだできることがあるはずだ。




iPhoneが戦っている場所

2007-07-04 00:00



2chのスレッドから引用



・at&tと最低2年契約を結びアクティベーション費用を支払わない限り、単なるiPodとしても使用不可


・バッテリの取り外しすらできず・交換が出来ない


・写真/ビデオメッセージの送信不可(送信できるのはEメールのみ)


・ワイヤレスでダウンロード不可(音楽を読み込むためには一々PCに接続する必要がある)


・テキストを範囲選択・カット・コピー・ペーストすらできない


・Bluetoothは搭載するもののA2DPサポートなし


・(つまりBluetoothステレオヘッドホン / ヘッドセットでワイヤレスiPodとしては使えない)


・音楽を着信音に設定することすらできない。iTSで購入した曲ではない生MP3でさえも不可能


・信じられないことにiPhoneには着信メロディ販売サービスが一つも存在しない


・ブラウザはAdobe Flashすらサポートせず


・ページに埋め込まれたビデオも見られない


・動画撮影も不可能


・Bluetooth携帯ではわりとサポートされている音声ダイヤル機能もなし


・MMSサポートなし


・番号・メールアドレスをリストとしてメールすることすらできない


(ひとつひとつ登録する以外方法無し)


・一番安いiPhoneでもぼったくりの499ドル(6万円以上)酷すぎ。ありえない。


・サービスプランの中途解約料、割引なしの小売価格にもかかわらず、175ドルの解約料を課す



表現に大げさなところがあるが、↑の指摘はおおむね正しい。しかしこの反応はどうだろう。



441 :名称未設定 [↓] :2007/07/02(月) 06:41:20 ID:E/rmhzvH0


上の方にある3歳児がiPhoneを操作しているビデオがiPhoneの


本質の全てだと思う。 実に自然に操作している。


iPhoneって中にある情報に「直接触っている」という感じが


ものすごい。 それをいじった後に普通の携帯をいじると、


なにか遠くにあるものを一生懸命棒でたぐり寄せようとする


感じがする。




今日主張したいのはこういうことだ。iPhoneは単なるハードウェアスペックとは全く別の次元で戦っている製品だ。そしてわれわれはその「戦場」につけるべき適当な言葉をまだ知らない。


インタフェース研究からみると,べつに特に激しく新しいインタフェースでもないし,機能的にも普通にみえる.まぁ,相変わらず見せ方もうまい.それくらいかな.

じゃあ何が画期的か?

それは,これを店頭で買えるということだ.

観察と記述観察と記述


↑の指摘はおおむね正しい。しかしこれでもまだ全てを語ってはいない。店頭で購入できることはすばらしい。しかしインタフェース研究でなされているものがそのまま購入できればiPhoneになるのか?違う。個々の機能は「普通」かもしれない。しかしそれが一つの製品としてユーザに与える体験は「見せ方がうまい」などという言葉で語れるものではない。


スペックを比較すれば、他のスマートフォンを圧倒するような存在ではない。低速なEDGEの採用、メディアカードスロットがなく、FLASHをサポートしていないなど、劣る面も多い。各種機能を個々で見れば、特に新しいものはない。だが全体的な使用感は、たしかに次世代の携帯電話なのだ。iPhoneのマルチタッチを使った滑らかで使っていて楽しい操作、美しい表示や効果、複数の機能のスムースな連携などを体験した後では、同じようにWebやメール、メディア再生に対応する既存のスマートフォンが古くさく見える。"ユーザーが使う"という点で、何歩も先ゆく携帯電話と言える。

【レポート】快感をあじわえる「iPhone」- ファーストインプレッション (9) 足りない点もある、それでも…… | 携帯 | マイコミジャーナル【レポート】快感をあじわえる「iPhone」- ファーストインプレッション (9) 足りない点もある、それでも…… | 携帯 | マイコミジャーナル


↑の最後の段落。同じ、あるいは「進んだ機能」をもつスマートフォンとiPhoneを並べればその差異ははっきりする。


http://japanese.engadget.com/2007/04/02/lg-prada-ui-tour/


しかし(繰り返しになるが)われわれはその「差異」を的確にあらわす言葉をまだ知らないのだ。


Appleはわれわれがその存在をはっきりと認識していない戦場で戦っている。われわれはそこで戦うどころか、戦場に到達することすらできずにいる。