自動車業界の思い出

2018-04-27 07:37

ほんの時たまだが、自分がいかにいろいろな仕事をしたかと感嘆することがある。日本のIT業界で働いている人が何人いるか知らないが、DetroitのGMの内部で働いた経験を持つ人は多くなかろう。(現実世界でうかつにこういう話題をふると「いや、俺はこういう仕事をしたことがある」の不毛な自慢大会になるので、やらないが)

IT業界にいると、自動車業界との付き合いを「悪夢のようだった」と表現する人が多い。いずれ、前者が後者を下請けとして使うようになることでこの関係には終焉がくると思うが、今は自動車業界が金を持っている(少なくとも我が国では)それほど両者の体質は異なっているのだが、そこで働いているのは人間であるからして、それほど異なっているわけではない。

なぜ突然こんな話をしだしたかというと、このニュースを読んだから。

Ford today announced it will phase out most cars it sells in North America.

引用元:Ford to stop selling every car in North America but the Mustang and Focus Active | TechCrunch

Big3の一つ、フォードがセダンを作るのをやめるんだそうな。この見出しだけみるとフォードはもうアメリカで車を売らないようにもとれるが、そうではないらしい。2020年までに、フォードの北米における売り上げの90%はトラック、ユーティリティビークル、そして商用車になるとも。

というわけで、少なくとも一時日本で結構みかけたトーラスはおしまいである。早晩日本でもこういう動きがでるのだろうか。今でもセダンは衰退しているが。車業界はカタツムリのように動きが遅いが、それでも動いていることに変わりはない。

こんなことを書いていると、Detroit生活のあれこれが思い出される。いきているあいだにまたあそこに行くことはあるだろうか。


AI詐欺

2018-04-26 07:21

さて、私がシンギュラリティとか真顔で語る人間を嫌悪しているのはたんなる個人的感情によるもの。しかしそうとばかりは言っていられない状況もある。

詐欺文書

先日Herozという将棋ソフトを作っている会社が上場し、ものすごい高値がつき、8分後に株価が崩落。翌日も値段がつかないストップ安だったのそうだな。

少しでもサイバネティックス(世間ではAIという)について学んだ人なら、上のスライドがデタラメに満ちていることがわかる。「将棋AIで培ったAI技術を標準化すれば、なんにでも対応できるサービスができます」ってもうどこから突っ込んだらいいのかわからないほどだ。

とはいってもここで私が長々と書いても誰も読んでくれない。だから簡単に書く。このスライドが言っていることは

「藤井6段はものすごく将棋が強い。だから会社の経営をまかせよう」

というのと同じくらい無茶苦茶である。

同じ将棋でも「詰将棋」とに必要な強さと普通の将棋に必要な強さにある程度相関はありそうだが、決定的要因ではない。なのに「AI技術の標準化」とかさらっとかけるのは、よほどバカか、詐欺としか思えない。

高値でHerozの株を買ってしまった人にはお気の毒としか言いようがない。会社の実態はどうとか、技術がどうとかいうこととは関係なくとにかく売り買いして株の儲けを狙うという人もいるのだろうけど。


サイバネティクス革命

2018-04-25 07:28

50年前なら彼は、応用天文学とサイバネティックスと宇宙推進装置の専門家とみなされるところである。 2001年宇宙の旅P120

2001年宇宙の旅は何度読んだかわからない。しかしこの「サイバネティックス」という単語はいつも頭にひっかかっていた。ここ以外で読んだことがないからだ。そして昨日久しぶりにこの言葉に再会した。別の場所で。

Wiener had coined “cybernetics” to refer to his own vision of intelligent systems — a vision that was closely tied to operations research, statistics, pattern recognition, information theory and control theory. McCarthy, on the other hand, emphasized the ties to logic. In an interesting reversal, it is Wiener’s intellectual agenda that has come to dominate in the current era, under the banner of McCarthy’s terminology.

引用元:Artificial Intelligence — The Revolution Hasn’t Happened Yet

Alan Kayにしかられそうだが、私はマカーシーはArtificial Intelligence-AIという名前を使い始めた人として名を知っていたが、Wienerの名前は知らなかった。この文章を訳す。

適当な訳:

Wienerは、彼の知的システムのビジョンを表すのにサイバネティクスという言葉を使った。そのビジョンはオペレーションズリサーチ、統計学、パターン認識、情報理論、制御理論に深く関係していた。

マッカーシーは逆に論理を強調していた。現状世の中を支配しているのはWienerが挙げた項目だが、マッカーシーの用語を旗として掲げている。

端的に言おう。今世の中でもてはやされている機械学習はそもそもAIの創始者が考えた「論理」とはなんの関係もない。パターン認識であり、それを強調したのはサイバネティクスという用語を掲げたWienerだった。

つまり

今起こっているのは「AI革命」ではなく「サイバネティクス革命」なのだ。ものすごく細かい話を全部すっ飛ばしていうが、ニューラルネットは「学習」を行う。そこにはなんの論理も存在していない。出力に対するフィードバックを得て、出力がだんだん修正されていく。これはPIDなどのフィードバック系の制御理論そのものだ。(すいません。詳しい方がもしここを読んでいたら怒らないでください。まだこのロジックはドラフトです。)

エキスパートシステムがもてはやされた「第2次AIブーム」は確かにマカーシーのいうところのArtificial Intelligenceだったかもしれない。一階述語論理でなんでも記述できるというとんでもなく楽観的な(今から考えれば)想定のもと、いろいろなことがなされた。

そして

今起こっているのは「第3次AIブーム」ではない。サイバネティクス革命なのだ。今異常に発達しているのは「パターン認識」であり「人間の知性を模倣、代替すること」ではない。

先ほど引用した文章は、全部日本語に訳してAIペテン師やら、シンギュラリティ馬鹿にぶつけてやりたいような名文である。シンギュラリティは疑似科学だから、それに染まった人は何も学ばないが、純真な若者が道を誤るのを防ぐ効果はあるかもしれない。

というわけで

ここで書いても、誰も読まないが、当ブログでは今後今「AI革命」と呼ばれていることを「サイバネティクス革命」と呼称します。AIという用語をマカーシーが用いた意味以外で使用したとすれば後ろに(笑)がついていると思ってください。


Googleだからといって

2018-04-24 07:03

今の時価総額ランキングを見ると、シリコンバレーとかアメリカ西海岸発のIT企業に手も足も出ないような気がして来る。そして多くの場合それは正しいのだが、かといって彼らが「無敵」というわけではない。

Googleは米国時間4月19日、インスタントメッセージアプリ「Allo」の開発への「投資を中断」すると述べ、The Vergeの報道を認めた。SMSメッセージに高度な機能をもたらす「Rich Communication Service:RCS」標準(「Chat」として知られる)にリソースを向けるための動きだ。

 Alloは、2016年の「Google I/O」で発表された。「Android」と「iOS」の両OSで利用できる。Appleの「iMessage」や「Facebook Messenger」「WhatsApp」などに対抗するサービスとされていた。

引用元:グーグル、「Allo」への投資を中断か--RCSへ注力 - CNET Japan

もう二年前か、まだ二年前か判断に苦しむが、とにかくGoogleIOでAlloなるメッセンジャーサービスが発表された時誰もが「?」と思った。そのあと全く話を聞かなかったが、とうとう終焉を迎えたようだ。

ほとんどの人が存在を忘れているGoogle+といい、GoogleのSNSに対する取り組みは失敗続きである。あれだけの人材とリソースを有していながら全くダメなのだ。Appleはサーバーサイドのサービスで成功したことがないし、AmazonのハードウェアはAlexaという例外を除いてダメダメである。

何度か書いてきたことだが、この「強大な企業のダメダメさ」は見ていてとても興味深い。なぜなんだろうね?一つの理論としては「スタックの誤謬」が挙げられる。他にはなにかあるんだろうか?



新しい情報端末

2018-04-23 07:05

少し前、私が使う情報端末にApple Watchが加わった。そして先日もう一つ新しい情報端末が加わった。マツダ・デミオという。

今や車には最初からUSBコネクタがついてくるのにも驚いた。そしてあれこれ調べBluetooth Audioなるものがついていることを知る。息子の助けもかりてiPhoneとペアリングするとあら不思議。自動車のスイッチやらスピーカーでiPhoneの音楽を使えるのであった。これで車の中でApple Music聴き放題である。パンドラとかiHeart Radioとか言っている場合ではない。

Bluetoothには様々な通信方式があり、音楽を流すのは、とかやっていたのは八年前のこと。そこから世の中はここまで変わった。車は発電機のついたiphoneのコンパニオン・デバイスなのだ。iPhoneが頭脳で、車は電源、操作スイッチ、外部スピーカーを提供してくれる。

さて

頑なにその事実から目をそらそうとしてきた自動車メーカーもとうとう現実を認めなければならない時がきたようだ。

これまでCarPlay対応しなかったマツダが対応することにした理由については「アメリカは CarPlay 非対応だと売れない。有り得ないレベル」だと説明していました。

引用元:マツダ、アメリカで改良型「CX-3」モデルでCarPlay対応する理由は、購入条件で重要になっているからと説明 | レポート | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

つまりユーザは「車を買う」のではない。iPhoneが中心にあり、それを便利にする機器を買うのだ。日本で「Carplay対応でないと売れない」ことになっていない理由はよくわからない。日本のほうがiPhoneのシェアが高いから当然そうなるべきなのだが。

iPhoneの画面を、マツダの純正ディスプレイに表示しようとあれこれ画策していたが、多分一年くらいでなんとかなるだろう。多少追加費用が必要でも、喜んで払わせてもらいますよ。

うちは貧乏だから、次に車を買うとすれば十年後。その時車はどんな姿になっているだろうか。間違い無いのは、今よりも「iPhoneのコンパニオン・デバイス化」が進むこと。そうなったときGoogle,Appleはどんな形で自動車産業を取り込むだろうか。今からワクワクしている。




中国経済の実態とは

2018-04-20 07:01

私は長い間中国の繁栄は単なるバブルだと思っていた。海賊版がその本質だと。もちろん私は間違っていた。いつのまにか日本の企業は自分たちでものを作らず、中国詣でをするようになった。それとともに、いつかのロボコンでみた「中国の大学圧勝」は実力だったのだなと思い知らされた。

とはいえ
ではかの国の繁栄が全てその見かけとおりかといえばそうではない。仮想通貨は「チューリップフィーバーを超えてもまだ値段があがっている」と言われた後崩壊した。

つまり中国全体と各地区の成長率も、全く辻褄が合っていないことになります。2018年1~3月期も、そのうち名目成長率がどこからか出てくることを期待していますが、やはりいろいろな辻褄が合わないままのような気がします。

 つまり中国経済とは、かくも不思議で辻褄が合わないものでありながら、世界経済はその中国経済の成長を前提にしていることになります。

引用元:いったい中国経済の本当の規模と成長率はどれくらいなのか? | 闇株新聞

というわけで実態は依然として霧に包まれている。一つだけ言えるのは、日本のバブル崩壊のような急速な崩れ方はしなかったということ。内部ではいろいろなバブルがはじけているようだが、それで全体が日本化することは(今のところ)ない。

リーマンショック・コンフィデンシャルという本を何度も読み返している。そこには何度も「日本のようにはならない」という言葉がでてくる。幸か不幸か我が国は世界に貴重なケーススタディを提供したようだ。


狂ったCEOからのメール

2018-04-19 07:22

Elon Maskという人は狂人である。狂人であるがゆえに巨大な企業を次から次へと立ち上げる。しかし偉人ではなく狂人である。

最近彼がTeslaの従業員にあてて送ったメールが公開されている。最初に「1週間にModel3を2000台生産する目標を達成した」ことに対してお祝いを述べ、次に6月末までにこの生産台数を6000台/週にすることを命じている。

Any Tesla department or supplier that is unable to do this will need to have a very good explanation why not, along with a plan for fixing the problem and present that to me directly.

引用元:Tesla Switching To 24/7 Shifts To Push For 6,000 Model 3s Per Week By June, Elon Musk Says 

訳:Teslaの部門、もしくはサプライヤーでこの目標が達成できないというものは、なぜできないかについての「大変よい説明」と、どのように対処するかのプランを私に直接プレゼンすること。

Most of the design tolerances of the Model 3 are already better than any other car in the world. Soon, they will all be better. This is not enough. We will keep going until the Model 3 build precision is a factor of ten better than any other car in the world. I am not kidding.

(中略)

Some parts suppliers will be unwilling or unable to achieve this level of precision. I understand that this will be considered an unreasonable request by some. That’s ok, there are lots of other car companies with much lower standards. They just can’t work with Tesla.

引用元:Tesla Switching To 24/7 Shifts To Push For 6,000 Model 3s Per Week By June, Elon Musk Says 

訳:Model3のほとんどの設計上の許容誤差は、他の車より小さい。すぐにすべての許容誤差が小さくなる。しかしまだ不足だ。我々はModel3の精度が世界中のどの車より10倍よくなることを目指す。これは冗談ではない。

部品会社のなかには、この精度目標に対して積極的ではない、あるいは達成できないものもあるだろう。理不尽な要求だと考える人がいるのも理解している。OKだ世の中にはもっとゆるい精度で作っている自動車会社がたくさんある。単にそういう部品会社はTeslaと仕事はできない、ということだ。.

- Walk out of a meeting or drop off a call as soon as it is obvious you aren’t adding value. It is not rude to leave, it is rude to make someone stay and waste their time.

引用元:Tesla Switching To 24/7 Shifts To Push For 6,000 Model 3s Per Week By June, Elon Musk Says 

訳:もし自分が何の価値も生み出していないことがわかったら、ただちに会議室を出る、あるいは電話を切ること。去ることは無礼ではない。人を無意味に引き止め時間を無駄にすることが無礼だ。


こうやって訳しているだけで胃が痛くなってくる。このメールを受け取ったTeslaのマネージャーはどんな心持ちだろう。下手なプレゼンをMaskにやってしまいその場で首になる人間が何人でるのか。しかしそれでも働く人は後を絶たないのだろう。

このダイナミズムには恐怖を感じる。昔トヨタがTeslaと提携していたころ「Teslaの車なんて」とトヨタ様がおっしゃっていたと間接的に聞いた。Toyotaは別の意味で狂っている、というかバカだ。この狂気どうしの戦いはこの後どうなるのだろう。



iPhone Xの失敗

2018-04-18 07:06

私は古参の狂信的Apple原理主義者である。したがって

「iPhone Xって売れなかったんだってね」

という言葉を聞いてもニヤニヤするだけである。そうした噂はサプライチェーンからの断片的な情報から「iPhoneの部品の発注個数が切り下げられた」と推測することで成り立っているのだが、それがどの程度信用できるかといえば「ニヤニヤ」という程度である。失敗の噂は定期的に生じるが、Appleの時価総額は膨らみ続けている。

さて

こちらも推計だが、その内容には驚く。

The iPhone X alone generated 21% of total industry revenue and 35% of total industry profits during the quarter

引用元:iPhone X Alone Generated 35% of the Total Handset Industry Profits in Q4 2017 - Counterpoint Research

2014 4th Qにおいて、iPhone Xは、スマートフォン業界全体(Apple単体ではない)の売り上げの21%,利益の35%をしめた。

スマートフォンで、儲かっているのはAppleとサムソンしかいない、というのは以前から言われていたこと。この時期世界中で何百のスマホが売られていたか知らないが、このiPhone Xが占める割合には驚嘆せざるを得ない。

これで「失敗」とするならば世界中のスマホ事業担当役員はクビである。

それとともに

エンジニアの端くれとしては、あそこまでの新しい要素を一度に詰め込む製品に社運をかける判断をしたことに驚愕する。私なんぞその可能性を考えただけで胃に穴があきそう。3D 顔認識ははたしてうまく動くのか、そもそも量産できるのか。OLEDはどうだ、新しい筐体ははたして実環境下でちゃんと動作するのか、など。


シンギュラリティ=宗教

2018-04-17 07:18

免責事項:以下の内容は、私が雇用契約を結んでいる企業の見解とはなんの縁もゆかりもなく、極めて個人的な感想というか寝言であることを可能な限り強力に主張します。

宗教の功罪とか、そもそも宗教とはなんだとかまあいろいろややこしい議論が存在する。でもってこんな議論があるのだそうな。

なぜシンギュラリティは宗教であると考えるのか説明しよう。インターネット上で見かけた、なぜシンギュラリティは宗教ではないのかという10件の主張に対して、反論を提示したい。

引用元:翻訳:シンギュラリティが宗教である10個の理由 - シンギュラリティ教徒への論駁の書

人間は何かというと宗教をでっちあげる。得体のしれないスーパーマーケットに孤立した人々は、怪しげな女性の「御宣託」に救いを見出していた。(映画「ミスト」の内容だが)疑似科学に対する信仰と同じく、シンギュラリティを信じる人との議論は不毛に終わることが多い。議論をするとは、相手の言った内容を理解し、それに対して自分の反論を組み立てることである。「自分は正しく、それと異なるものは間違っている」という信念が前提にあると議論は成立しない。

多くのシンギュラリタリアンは現実の科学研究にさほど興味を持っていないように見えることだ*8 - たとえば、査読付き論文誌に論文を投稿するなど。シンギュラリタリアンの研究プログラムなどというものは、標準的には学術的にも商業的にも存在していない。

引用元:翻訳:シンギュラリティが宗教である10個の理由 - シンギュラリティ教徒への論駁の書

というかそのうち「シンギュラリティ」という論文誌でもできるのではないだろうか。でもってそこだけに論文を投稿する「教授」ができあがる、と。これも疑似科学のお決まりパターンだな。

となると、私にとってシンギュラリティとは疑似科学の一分野ということになり、その研究はだいぶ前に飽きてしまった、ということになる。ここらで何か一発旧来の疑似科学にはなかった画期的な主張を出して欲しいものだが、疑似科学の定義により、それはあり得ない。疑似科学というのは「自分だけが正しく、反対するものは全て間違っている」という強固な前提があるが故に、積み重ねが効かない。だからハタからみると「またこのパターンか」というものを「世界初の画期的な主張」と楽しく繰り返すことができる。

ふぁあ。(あくび)



頭のおかしい教育関係者

2018-04-16 06:53

少し前話題になった「アルマーニ監修の小学校標準服」の例をとるまでもなく、教育関係者には頭のおかしい人がいる。それを言えばどんな職業にも頭のおかしい人はいるのだが、まあそれはそれ。ここで彼の国におけるこの例を見よう。

baseball bat

引用元:Teachers Get Baseball Bats to Confront Shooters in Pennsylvania District

ペンシルバニアのある学校では、昨今の「学校における銃乱射事件」に対応するため、ミニチュアの野球のバットを配布したんだそうな。

前に「バケツにはいった河原の石」を配布したというニュースを見た時には「あるいはこれも役にたつかもしれん」と思った。しかしこのバット。しかもミニチュア版である。この決定を下した人間は一度自動小銃をかまえた男にこのバットで殴りかかってみろ、、と誰もが思うだろう。

この例に比べれば、標準服がアルマーニのほうがはるかにマシに思える。そもそも背景となった問題も比較すればマシだ。


ドローンの進化

2018-04-13 07:23

ドローンというものが急速に普及し始めたのはなん年前のことだろうか。とにかくそれは突然普及し始めた。

子供に「なぜドローンはこんなに多くなったの?」と聞かれる。いくつかの要因があると思う。バッテリーの軽量・小型化。複合材の普及。それに搭載されたコンピュータで、複数のローターを制御し安定を保つ機能。スマートフォンの普及にともない無線通信、加速度、重力センサーが安価で手に入るようになった。これらがそれぞれ進歩を遂げた結果、爆発的に普及することになった、と想像している。本当のことは知らん。

でもって

普及すれば当然問題も起こってくる。そらを数kgもあるものがふわふわ飛んでいるのだ。落ちたらどうする。というわけで、今度はドローンを撃退する製品が登場する。

同社の手持ち型ドローン捕獲銃“DroneGun”の最新バージョンはUAV(無人飛行体)のシグナルをスクランブルするから、ドローンはおとなしく駐機してるしかない。最初からそのようにプログラムしておけばよい。それは、個人が買うと違法だが、警察は買える。

引用元:ドローン撃退銃DroneShieldがピョンチャンに次ぎ全米ストックカーレースNASCARで採用 | TechCrunch Japan

こちらも残念ながら日本製ではない。ドローン本体にしても日本のメーカーもがんばっちゃいるがイマイチさえない。30年前なら日本のお得意分野と目されるような製品なのに、この低迷はどういうことか。

いずれにしても

ドローンに限らず、子供が買ってもらった「ラジコン」の機能の向上には驚くことが多い。小さなものでもあたりまえにジョイスティックが付いている。私が子供の頃に読んだ本にはボタン一つで、コードを送ることにより制御する方式が書かれていた(もちろん買えなかった)あそこから随分変わったなあ。


若い女性詐欺

2018-04-12 07:20

年齢と、女性であることだけを売り物にするのは、何も我が国の専売特許というわけではない。セラノスという会社をでっちあげ、一時は成功をおさめたエリザベス・ホームズという人が株主に「財政的危機にある」というメールを送ったのだそうな。

Theranos, the disgraced blood testing company, is in dire financial straits and may have to default on a $100 million loan, according to a letter to shareholders from its CEO Elizabeth Holmes that was obtained by BuzzFeed News.

引用元:Theranos’ Letter To Shareholders Shows The Company Is On Its Deathbed

訳:BuzzFeed Newsが得たCEOから株主へのレターによると、セラノス-失墜した血液検査の会社-は財政的危機にあり、100億円の負債によって倒産するかもしれない。

セラノスに関しては、随分長い間がんばったなあと思う。

バイオのスタートアップ、Theranosが1億ドルの資金を借り入れることに成功した。画期的新方式の血液検査を提供するという触れ込みで登場したものの、検査結果に深刻な疑問が突きつけられて苦闘している会社に投資者が現れた。

引用元:血液検査バイオのTheranos、1億ドルの資金を借り入れ――投資会社はSoftBank傘下 | TechCrunch Japan

これが去年の年末のニュース。ほぼ最初にうちあげた「血液検査」が詐欺だとわかった上でなお100億円の資金を調達する。(今回はこの融資に付帯していた条件が満足できないため、倒産の危機にある、ということらしいが)私なんか出資者から三十円も集めることができない。

私はセラノスにもどこにも投資していないから、のんびりしたことを書くのだが、この熱意と才能には舌を巻く。それとともにすぐばれるような嘘をつく神経がそれと同居していることに興味を覚える。人間というのは本当に複雑なものだ。

これくくらべると我が国の状況は平和である。若い女性詐欺だって小保方とかこんなものだから。

女子高生社長



シェアを分析するのだ

2018-04-11 07:32

世界的にみればAndroidのほうがシェアが高いが、日本ではiPhoneのシェアが高い。これについてはあれやこれやの分析が存在する。

日本ではiPhoneのシェア率が高く、Androidのシェア率が低くなっています。そして世界で見るとこれが全く反対の結果となります。これはなぜか自分なりに考察してみました。

みんなと同じものが良い
ブランド志向
Androidは商品名じゃない
キャリアの後押し

引用元:iPhoneシェア率が異常!世界と逆をいく日本のスマホ市場【2018年2月】 | ページ 3 / 3

私はキャリアの異常な後押しが原因だと思っていたがそれだとキャリアがなぜiPhoneを押すのかがわからない。売れるからだ、と言ってしまうと理論が循環する。

このようにあまた存在している考察にせよ、私の考察にせよ全て「これは日本だけの特殊状況だ」という暗黙の前提が存在している。だから今朝このニュースを見たときは驚いた。

More than four out of five U.S. teenagers now own an iPhone, and that number is growing, according to the latest results from a large-scale survey.

引用元:Four out of five U.S. teenagers own an iPhone, and that number is growing | 9to5Mac

ある調査によれば、アメリカのティーンエイジャーにおけるiPhoneのシェアが80%を超えているというのだ。

一時「ユーザごとのニーズにあったスマホ作り」が言われていた。パナソニックとか女性向けとかスマホ初心者向けとか一生懸命作っていた。

IPhoneは比較的少ない機種(それでも最初に比べると随分増えたが)で米国ティーンエイジャー8割のニーズに合致している。お若い人は「そういうもんだ」と思うかもしれないけど、「ユーザニーズの多様化」とかしたり顔で散々聞かされたおじさんには驚きの事実なのだよ。


会社におけるキラキラワード

2018-04-10 07:14

多分誰かがもっとまともな言葉を発明しようとしているのだろうけど、「これがでてきたら要注意」という言葉がいくつか企業には存在する。

そのまま進むと空中分解必至の、課題の深掘りが必要な要注意ワードは、「ダイバーシティ」「女性活躍」「イノベーション」「リーダー人材」「変革人材」「組織の風通し」などだ。

引用元:日本企業はなぜ変われないのか 組織変革実践法7つのステップ | DHBR最新号から|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

これらの言葉にはいくつか共通する特徴がある

・聞こえがいい

・なんとなく世間で良いこととされている

・しかしそれが何を意味するのか誰も考えていない

つまり同床異夢の人間達にかけた羽毛布団のようなものである。ふわふわして高級そう。その下にいる人間がすべてそれでまとまっているように見えて、考えていることは全くの別物。

うん。いいなこの「羽毛布団」という言葉。さっそく商標登録をしよう。

さて

考えてみればこの時期卒業式と入学式で述べられるほとんどの言葉もこの羽毛布団である。ご卒業おめでとう、ご入学おめでとうと耳にタコができるほど言われるが、言われた方は全くそんなことは考えていない。言った方も対してそんなことはおもっちゃいない。とにかく布団を被せて豪華そうにみせているだけ。

実は私はもう一つここに付け加えるべき「羽毛布団ワード」を持っているが、それをここで書くのは危険すぎるのだった。


ユーザを調査するのだ

2018-04-09 07:20

「ユーザ調査」と聞くと私は反射的に皮肉な笑みを浮かべる。私見では、一番ひどいのがアンケート(問いかける項目にもよるが)次がグループインタビュー。つまりユーザに「聞く」のは間違っており、「観察」しなければならない。

さて、

今の円筒型Mac Proに私が驚嘆したものだいぶ昔の話になった。それからMac Proはアップデートされず、出るとしても2019年とのこと。Appleはこの製品については、従来の慣例を打ち破り極めて前向きに情報を出してくる。

Appleは「Pro Workflow」と呼ぶPro製品専門チームを作り、ベンチマークや自動化されたテストフローでは見つけられない問題を見つけ出し、アーキテクチャチームが、パフォーマンス性能のボトルネックを把握する努力をしつつ、単純にハードウェアの性能を上げるだけでは改善せず、問題は、macOSなのか、ドライバーなのか、アプリケーションなのかを調べ、適切な改善を行うよう努力しているそうです。

引用元:TechCrunch:Apple、次期Mac Proの発売は2019年になる事を明らかに | NEWS | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

これだけ聞くと「ふーん」と思う。しかしこの記事の一番大事な部分は原文のほうにある。

So Apple decided to go a step further and just begin hiring these creatives directly into Apple.

引用元:Apple’s 2019 Mac Pro will be shaped by workflows | TechCrunch

Mac Proとはその名の通りProが使うMac。困ったことにMacを使うProの仕事は多岐に渡っている。映像編集、動画作成、3Dレンダリング、音楽作成、多分私が思いつかない他の用途もある。

どうしたらそうしたProに受け入れられる製品を作ることができるか?Appleの答えは「Proを実際に雇う」というものだった。本当の仕事をするProに仕事をしてもらい、Mac Proのエンジニア、デザイナと議論してもらう。これこそ「ユーザ観察」をする究極の方法。インタビューとか訪問ではなく、実際に雇ってしまう、というのは初めて聞いた。

でもって

雇われたPro達は何を作っているんだろうなとふと考える。製品の説明ビデオとかだろうか。そんなことを考えるとともに、Mac Proはどんな製品になるのだろう、という予想も楽しい。先代の巨大な筐体が復活することはないだろう。今や外付けの箱にもGPUを置くことができるのだ。じゃあどんな形か。来年まで健康でいると、この正解を知ることができる、という楽しみができた。



音楽聴きたい

2018-04-06 07:26

そもそも人間はなぜ音楽を聴くために金を払うのか、という深淵な問題はまだ私のなかで未解決のままである。だって理屈に合わないではないか。腹がふくれるわけでも、免疫力が向上するわけでも(多分)ない。なのになぜ金を払ってまで音楽聴くのか。

という話は別として

様々な事情により、我が家はApple Musicにはいっている。最初は「?」と思えたサービスだが順調に成長しているようだ。

仏Appleのコンテンツ責任者Steven Huon氏が、TwitterでApple Musicの有料会員数が4,000万人を突破したことをツイートしています。

Spotifyの有料会員数は2018年1月05日に7000万人を突破したとツイートしていて、音楽ストリーミングサービスへの加入者が増加状態にあるようです。

引用元:Apple Musicの有料会員数が4,000万人を突破 | AppleMusic | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

我が国では、特殊な事情によりまだCDが販売されているらしいが、過去十年くらいで音楽を聴く方法は、CD購入->ダウンロード->サブスクリプションに大きく変化した。

使ってみると、その理由がわかる。確かに毎月金をとられる。しかし聴くことができる音楽の範囲が桁外れなのだ。その中でよほど気に入ったものは自分が所有しているが、「ちょっと好きな曲」が世の中にはたくさんあることに今更のように驚いている。

はてまた

プレイリストの豊富さにも驚く。「初心者のためのボーカロイド」とか「カラオケで歌ってもひかれないアニソン特集」とかよくもこんなリストを考えたなというものが存在している。これだけ音楽を聴く方法が充実すれば、HomePodのような「聴きっぱなしスピーカー」を家に置きたくなるもの理解できる。

考えて見ればユーザと音楽の関わり方というのは結構変化している。あれほど皆が使っていたカセットテープはいつのまにかなくなった。これから私の意識が停止するまでどれくらいの変化を見ることができるだろう。


新しいインタフェースを実現するには

2018-04-05 07:07

デンソーの子会社にいたころ、車内のインタフェースについてあれこれやった。あーでもないこーでもないの議論の末は「まあ今のにちょっと足したものになるんでしょうかね」で決まっていた。そしてデンソーが何を言おうと結局はトヨタ様がお決めになることである。一番重要なのはトヨタさまがどうお考えになるかだった。

デンソー/トヨタからみれば「お前らの出すアイディアは質が悪い」ということなのだろうが、私から見れば所詮彼らは新しいことは何もしたくないのだ。

Tesla

引用元:Techcrunch

Teslaの車内インタフェースである。ハンドルについた二つの操作デバイス、車体中央にあるタブレット。以上。何がすごいといってスピードメーターがそもそも存在しない。運転席の前はまっさらである。

私でも「いくらなんでもこれはやりすぎだ」と思う。しかし彼らは実際にこの製品を出荷しているのだ。無茶苦茶である。しかしこれは現実だ。

何が言いたいかというと

新しいものハナから拒絶している組織にいくら売り込んでも無駄ということ。彼らと彼女たちがいくら弁舌さわやかに拒否する理由を述べようがそれは全て嘘。単に新しいことをやりたくないだけ。



TimとMarkとアルベルト

2018-04-04 07:12

Facebookが情報漏洩に関するスキャンダルで揺れている。それに関してAppleのCEOとFacebookのCEOが間接的に議論をしている。

この二つの会社は、その成り立ちが大きく異なる。Appleは製品を販売し、その代金で利益を得ている。対するにFacebookは無料で誰もが使える。その代わりにFacebookの利用者は広告を見させられる。ここで次のフレーズを常に念頭に置いておくべきだ。

“When an online service is free, you’re not the customer. You’re the product.”

引用元:Daring Fireball: Users and Customers

訳:もしオンラインサービスが無料だとしたら、あなたは顧客ではない。商品だ。

なぜ無料で提供できるかといえば、ユーザの時間を企業に売ることで収益を得ているから。そこに注意しなければならない。

さて、Tim Cookはこう述べた。

アップルのクック氏はこの問題について、MSNBCなどの取材に対し、「もし我々がユーザーで金もうけをしていれば、もしユーザーが我々の製品だったとしたら、莫大な利益が出ていただろう」「だが我々はそうしないことを選んだ」と語っていた。
さらに、「ユーザーからもっとお金を取ろうと熱心に働く企業の方が、ユーザーのことを考えてくれていると思わされないことが大切だ」と言い添えている。

引用元:CNN.co.jp : アップルのクック氏とフェイスブックのザッカーバーグ氏、無料サービス巡り論戦 - (1/2)

これに対するマークの反論はこうだ。

「世界中の全ての人がつながるのを助けるサービスを構築したいと思っても、現実にはお金を払えない人がたくさんいる」「そうしたサービスを支えられる合理的なモデルは、広告に支えられたモデルしかない」と訴えた。

引用元:CNN.co.jp : アップルのクック氏とフェイスブックのザッカーバーグ氏、無料サービス巡り論戦 - (1/2)

なるほど。確かにそれは正しい。世の中にはAppleの製品を購入できない人の方がはるかに多いだろう。そうした人々にもFacebookはサービスを提供している。

しかしマークの反論には一つ弱点がある。もしFacebookが非営利団体ならば彼の主張は正しい。お金を払えない人にもサービスを提供するため「必要最小限」ユーザを売り物にする。これならば誰にも文句を言われる筋合いはない。

問題は

Facebookは営利企業だということ。つまり利益が最優先なのだ。ならばできる限り「商品を高値で売りさばく」ことにフォーカスしないとおかしい。今回のスキャンダルは、漏洩したデータによってトランプ陣営が選挙戦を有利に進めることを可能にしたものであり、同じようなことはFacebook内部で行われている。彼らの目的はトランプを当選させることではなく「広告を高く売りつけるため」だが。つまりFacebookはTim Cookのいう

「ユーザーからもっとお金を取ろうと熱心に働く企業」

なのである。

さて、ここで第3の人物に登場願う。アルベルト・シュペーア。ナチスドイツでの建築家であり、軍需大臣になった男だ。彼はニュルンベルク裁判の最終弁論でこのように述べている。

ドイツ国民のように進歩的で教養があり洗練された国民がどうしてヒトラーの悪魔的な支配力に屈してしまったのでしょうか。それは現代の通信手段 ―ラジオ、電話、電信― のせいです。いまや指導者は遠隔地にいる部下に独自の判断を下させるための権限を与える必要がなくなったのです。現代の通信手段を使えばヒトラーのような指導者が、自分のいいなりになる集団を通じて自分で支配できるのです。ですから世界の科学技術が進歩すればするほど、個人の自由と人々の自治が不可欠になるのです

引用元:アルベルト・シュペーア - Wikipedia

インターネットの進歩は、トランプという認知症患者を米国大統領=核のボタンを押せる人間にした。私は彼が戦争を始めないまま(貿易戦争はしかたがない)任期を終えることを望んでいるが、はたしてそうなるかわからない。仮に無事そうなり、トランプが歴史のジョークとして忘れられる時が来ても、アルベルトの言葉は胸に刻んでおくべきだ。



虚構の終焉

2018-04-03 06:57

Cerevoという、メディアと中のいいハードウェアスタートアップがある。ゴミのような製品ばかり作っているのになぜつぶれないのだろう?と不思議に思っていた。こいう時真実は2chの中にしか転がっていない。

2chに書いてあることを信じれば、最初は独立してやっていたが、そのうち行き詰まり実質的にはDMMの一部門になっていたとのこと。UPQというこれまたひどいハードウェアスタートアップとともに、DMMの道楽だったわけだ。

それがUPQ名義で発表した製品のあまりのトラブルを発端に、DMM幹部の怒りをかい追い出されることに。ちなみに去年の12月にはこんな感じで招待講演などやっていたが。

1978年生まれ、立命館大学大学院理工学研究科修了。2003年からパナソニックにてネット接続型家電の商品企画に従事。2008年より、ネットワーク接続型家電の開発・販売を行なう株式会社Cerevo(セレボ)を立ち上げ、代表取締役に就任。世界初となるインターネットライブ配信機能付きデジタルカメラ『CEREVO CAM live!』や、PCレスのライブ配信機器『LiveShell』シリーズなどを開発し世界60カ国以上で販売。2016年にはフル可動式ドミネーターを発売するなどその業務範囲を広げている。

引用元:プログラム - WISS2017

私はこのカンファレンスに参加していたが、あまりにアホらしいので基調講演は聞かなかった。そしてそれは正しかったと思う。今朝こういうニュースが流れた。

家電ベンチャーのCerevo(セレボ)は4月2日、新会社「Shiftall」(シフトール)を設立し、パナソニックに売却したと発表した。資本金は4000万円で全株式をパナソニックが取得する。シフトールのCEOには、セレボの前CEO、岩佐琢磨氏が就任している。

引用元:コネクテッド家電のセレボが会社分割、新会社をパナソニックに売却 - ITmedia NEWS

単独では採算が立たないから、二束三文で、パナソニックに技術者だけ拾ってもらったということらしい。2ch発の情報ではパナソニックに「使えるやつらなら雇うが、お前はいらん」と言われたらしいが岩佐くん、雇ってもらえてよかったね。

自分でスタートアップを始めるというのは偉大なことだし、経営者にとって多少の嘘やはったりは商売のうち。しかしなんでこういう会社をメディアは持ち上げるかなあ。


日本のスタートアップ

2018-04-02 09:08

そもそも日本のスタートアップ企業にかけているものはなんなのか。こんなことを考えるのは、情報処理学会とか行くと

「ほら。学会も産学連携、新規産業創出にこんなに貢献してますよ!(チラ、チラッ)

という鬱陶しい発表を見るからだ。環境がどうの、教育がどうのとあれこれ議論は喧しいが、つまるところこの問題ではないかと思い出した。

日本が中国に負けてんのは、超特大風呂敷を広げる技術とそれを畳む技術ですよ

引用元:中国住みさんのツイート

これは中国相手だけではない。とにかく日本のスタートアップは「ちょっと生活をよくします」「新しいマッチングを始めます」といったものばかりが目につく。

ロケット作れと言ったところでその道では米国に全然敵わないからまあそれは言わない。しかしこれはどういうことだ。

ビリビリ動画について掻い摘んで話すと
- アクティブユーザーはニコ動の10倍
- 日本のアニメの配信権を製作委員会から正規に買っている。(アニメの制作予算に大きく影響する規模)
- 気に入った作品に投げ銭をするとプレミアム会員になれる (運営総取りではない)
- 運営とユーザーは仲が良い
です。

引用元:shao (Sho SAWADA)さんのツイート:

ニコニコ動画のぱくり中国サイトが米国NASDAQに上場したのだそうな。もうこうなると、日本のスタートアップ云々には根本的な問題があるとしか思えない。

その問題とは何か?大きな風呂敷を広げ、それに向かって着実に歩を進める経営者。それが決定的に不足している。

いや、日本はそういうところを諦め、小さな改良をみんなで執拗に追いかけるところで勝負だ、と結局そうなるのではないかな、と思う。