最後の防衛線

2018-03-26 07:07

これがどこまで異常なことか、真面目だかわからないのだが

“If an armed intruder attempts to gain entrance to any of our classrooms, they will face a classroom full of students armed with rocks and they will be stoned,”

引用元:Stoning could be last ditch defense against school shooters, Blue Mountain official says - The Morning Call

適当な訳:もし武装した侵入者が教室に侵入しようとすれば、石で武装した教室中の生徒と対峙し、石を投げられるだろう。

銃の乱射が「恒例行事」となっている米国で、クラスに「バケツにはいった川の石」を装備することにしたのだそうな。

どことなくミツバチの巣に侵入したスズメバチを思い起こさせる。人海戦術ではないけど、どうしようもなければとにかく数で圧倒するのが正しいのかもしれない。四方八方から石がとんできたら、仮に自動小銃を持っていたとしてもそれに対抗するのは難しいだろう。しかし生徒にしたら銃を向けられたらまず逃げると思うが。

それより驚くのは、さらっと書いてあるこの文章。

Helsel said teachers, staff and students have had active shooter training and routinely hold evacuation drills for active shooter simulations.

引用元:Stoning could be last ditch defense against school shooters, Blue Mountain official says - The Morning Call

いいかげんな訳:ヘルセルは、教師、スタッフ、それに生徒はいつも銃を持った侵入者に対するトレーニングをしており、状況をシミュレーションして避難するための訓練も実施している。

日本では、火事、地震に対しての訓練が必ず行われる。小学校に刃物をもった男が侵入した後には「さすまた」を使った訓練も少し実施されていたように思う。多分「滅多におこんないじゃないか」ということであまり実施されていないと思う。平和ボケなのだが、それはとても幸せなことだ。


LINEという会社

2018-03-23 07:31

私はいまだに「ライン」と「ラ」の字にアクセントを置いて読んでしまうような年寄りだ。LINEという製品、サービス、会社が大嫌いだが必要に迫られて使っている。というか日本ではこれだけiPhoneの普及率が高いんだからiMessageでいいのではないかと思うのだが。

そのLINEがMVNOに進出したのは少し前、お飾りとしか思えない「30代の女性社長」を前面に出すあたりが、LINEという会社の体質を表している。現在はSoftbankに引き取ってもらったようだが、ではその評価はどうか。

調査ではまた、利用している格安SIMのサービスを家族や友人にすすめたいかどうかを10点満点の点数でつけるネットプロモータースコア(NPS、顧客推奨度)についても調査している。

(中略)

最下位はLINEモバイルの-38.0%で、LINEモバイルのユーザーの50.0%が批判者(0~6点)だった。

引用元:格安SIMの総合満足度でmineoが1位に、Y!mobileは15サービス中で最下位 (Impress Watch) - Yahoo!ニュース

なんというかねえ。例によって無邪気な石川温はこんなことを書いていたが。

一方でLINEモバイルは、なぜこのタイミングで手放しちゃうんだろうなと。やっぱり経営が苦しかったんだろうなと、すごく思いました。満足度は高かったけれど、ユーザー数はそこまで伸びていなかった。

引用元:ソフトバンクがLINEモバイルを子会社化!MVNOの買収劇は通信業界「サブブランド戦争」開始ののろし|@DIME アットダイム


スピーチするのだ

2018-03-22 07:16

娘の小学校の卒業式に出てきた。今は「答辞と送辞」もないし、仰げば尊しに蛍の光もない。昔と変わらず存在しているのは

「退屈な校長+来賓のスピーチ」である。

過去卒業式で何度もスピーチを聞いたと思うが、覚えているのは大学卒業式の「大正からある学科ですが、この度初めて女性の卒業生をだすことになりました」という言葉と、小学校だが中学校だかの校長挨拶がとんでもなくつまらなかったことだけである。(脳細胞がどうのと言っていたこと以外全部忘れた)

聴きながらあれこれ考える。この人たちも昔は校長の退屈なスピーチを聞かされうんざりしたはうだ。なのに何故自分が同じことをするのだろう。しかしそのうち気がついた。この人たちが喋る内容は

「これを伝えたい」

ではなく

「これを言っておかないとまずい」

でできている。とにかく「おめでとう」という。がんばってね、という。来賓の皆様、保護者の皆様、あと感謝を言葉を述べる相手を忘れてはいけない。とにかく羅列する。

といったところで時間切れ。ああようやく終わった。

映画グリースの校長のスピーチは今でも覚えている。あれくらいできないものかなあ。面白いことを喋ったら鞭打ちとかそういう法律でも施行されているんだろうか。あるいは無意味な言葉を臆面もなく並べるという才能なしには校長にはなれない、ということなのだろうか。

それに対して生徒は代わる代わる言葉を述べたり、歌を歌ったりする。そういうどうでもいい歌じゃなくて、手を叩き、足をふみ鳴らしながらラップで歌うとかさ。まあ「安全第一」になるのもわかるけど。



車の過去二十年、過去五年

2018-03-19 07:07

昨日よんどころのない事情により、四年前に発売された車に試乗した。正確には運転席に座っただけで動かしていないが。

そしてそのインタフェースの変わりように驚いた。バックカメラの映像はルームミラーに映し出され、鍵をまわさくてもエンジンがかかる。運転席の右側には、数々の安全装置を切るためのスイッチが並んでいる。

車のインタフェースというのは、私が生まれてからかこ数十年ほとんど変化がなかった。オーディオ機器がつき、エアコンがついたくらいであとは変わっていなかったのだ。

ところが

ここ数年の変化というのは、実に大きい。今度新しい車に変えるのだが、ディーラーの人が「納車の時には、運転する奥様も来た方がいいですよ」といったそうな。確かにそうだ。説明なしだとエンジンをかけることすらできず

「なにこれ。壊れてるじゃない!」

と文句をつける人もきっと世の中にはいるのだろうな。

そして

10年先をみればもっと大きな変化が来るように思う。数十年停滞しいていたインタフェースが一気に変わる。こんなことできゃーきゃー喜ぶのは、私の頭のほうがおかしい、ということなのだろうが。


「まあ、いいように書いときますから」

2018-03-16 07:32

先日野球の始球式に出演したタレントが中学生の群れに押しつぶされそうになる事件が発生した。今日書きたいのは、それで明らかになった

「昔だったらこれで通ったんだろう」

について。

まず2018年3月10日18時52分の記事。

見守った球児たちも、球速表示以上に伸びのある高めの直球に感激した様子で、登板を終えると次々握手を求めていた。

引用元:稲村亜美、初始球式で96キロ 見守った球児も感激 - 芸能 : 日刊スポーツ

いい話だなあ。そして昔なら、インターネットとどこにでも存在するスマートフォンがなかった時代はこれですんだはずなのだ。「こんなことがあったんだよ」は局地的に噂として語られるだけですぐ消えたはず。

翌日の昼にはこの記事が出る。[2018年3月11日13時46分]

関東地区の202チームの選手がマウンドを取り囲む中、美しいフォームを披露したが、感激した球児たちに取り囲まれるハプニングが発生。ネット上を中心に心配の声が上がっていた。

引用元:稲村亜美、球児に囲まれ「怪我なければいいことを」 - 芸能 : 日刊スポーツ

これでも「まあ囲まれるよね」でおしまい。しかし話はここでは終わらない。Youtubeに動画が公開されそれは「感激した球児たちに取り囲まれる」といったようなものではないことが明らかになる。二日後にようやくこの記事がでる。

日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟が、10日の開幕式で始球式を行ったタレント稲村亜美(22)が球児たちにもみくちゃにされた騒動について謝罪した。

引用元:稲村亜美もみくちゃに連盟が謝罪「深くお詫びを」 - 芸能 : 日刊スポーツ

ちなみにこの件に関して、被害者の稲村氏は「事務所のコメント」としてこう述べている。

選手たちが私のもとに駆け寄り握手を求めて来たところに、
参加選手の大半が流れ込んだ事は事実で、私もバランスを崩してしまいましたが、
私自身に怪我はなく押しつぶされたような事もありません。
ましてネットで一人歩きして書かれてるいような事(痴漢行為)は、
ありませんでした。

引用元:稲村亜美 シニアリトルリーグ始球式 イベント報道に関して | 浅井企画|タレント・芸人・文化人 芸能プロダクション

Youtubeに存在している動画をみれば、そんなことではないことは明白だ。しかし事務所としては「こと荒立てず穏便に」するしかないのだろう。

稲村氏が個人としてどのように考えようが、Youtubeがなかった時代なら何も起こらなかったことにされていたはず。ネットの普及には功罪があるが、これは悪事を闇に葬ることなく顕在化させた点で、よかったと言えるのではないか。

そして集団で悪事をはたらいた少年野球兵、そしてそれを野放しにいしている人間がたくさんいる。その事実に私は恐怖を感じる。


Watchすること

2018-03-15 07:19

ウェアラブルの試験機材ということで、Apple Watchを購入した。ウェアラブルということで、実際に使ってみないことにはわからない。というわけで毎日使っている。

驚いたことがいくつかある。私は腕時計を持ってはいるがもう何十年も腕にははめていなかった。鬱陶しくなりすぐ外すのでぽこぽこなくすからだ。

ところがこのWatchは全く苦にならない。便利だから昨日は家でもはめていた。息子に

「お父さん。お風呂にはいるときはwatchをはずしたほうがいいと思いますよ」

とたしなめられたほどだ。

でもって

これが便利なんですよ。用途としてはほとんど通知を受け取るだけだが、それがとても役に立つ。どうでもいいメールはすぐにアーカイブできるし、メッセージも簡単な返事くらいできる(そしてそれで間に合うことが多い)先日日程を確認するのに、Watchでほれほれとできたときには少し感動した。電池のもちも私の使い方では問題ない。

Watchもシリーズ3になり、最初のものからはだいぶ改良されたのだろう。ウェラブルという概念はずっと学会に存在したが、それが実際に使える製品になるには長い時間にわたる製品化の苦労が必要だったということか。

いずれにせよ私はこの製品がとても気に入っている。いつの日か私がこの試験機材を会社に返す時がきたら、貯金はたいてなんとか自分用に購入したいと思うほどだ。

しかしあれだな。充電が最近面倒、となるとAppleが「いつか発売」する予定の充電テーブルが、、とかApple原理主義者は果てしなく献金を続けるのであった。


ごんざれふ賞2017-2018

2018-03-10 07:13

春一番が吹き、永遠と思われた冬にも終わりが見え、そして今年も「ごんざれふ賞」の季節。

例によって例のごとく受賞資格があるのは、2017/2/1-2018/2/28の間に「私が観た」映画です。公開日がどうとか細かいことは一切考慮しません(断言)というわけで、さっそく発表します。


作品賞:
ブレードランナー2049
ドリーム:Hidden Figures
メッセージ:Arrival

邦画が圧倒的に強かった去年がやはり特異年だったのでしょうか。考えてみれば今年は邦画自体ほとんど見てない。

一瞬にしてそれまで想像していた構造がガラガラと崩れるArrival.あの映画が提示した構造はいつも頭に蘇る。仮に私が10秒後に悲劇的な死を迎えたとして、いままでやってきたことは全部無駄だったということになるのだろうか。もし運命が決まっているとしたらどうしたらいいのか。

正統派でありながらきっちりと感動させるHidden Figures.この技には感服しました。

そして興行的にはどうだったかしらないけど、静かに、そしていろいろなことを考えさせられたブレードランナー。雪が降る中静かに腰を下ろす主人公。というわけで当然のことながら


主演男優賞:

ライアン・ゴズリング@ブレードランナー

同じLos Angelsを舞台にして、同じ俳優でありながらLA LA LANDとの違いはなんなんだ。


主演女優賞:

エイミー・アダムス@メッセージ

マッケナ・グレイス@ギフテッド


いやー、エイミー・アダムズは前に見たときは「ぱっとしない人だなあ@魔法にかけられて」と思ったり、ちょっといいな@ナイトミュージアム2と思ったりしたけど、この映画では美しく、そして寂しげ。お見事。そしてマッケナ・グレイスの素晴らしい演技。彼女が成長するのが楽しみなような、怖いような。

助演女優賞:

アナ・デ・アルマス@ブレードランナー2049

この人他の映像でみると普通の人なんですよ。なのにこの映画における可愛さは一体なんなのか。もういいじゃん。プログラムだろうと、量産型のロボットだろうと。こんなに可愛んだから。


助演男優賞:

サミュエル・L・ジャクソン@キングコング:髑髏島の巨神

映画自体はあれなんですけど、CGコングと正面から睨み合って引けをとらない、なんて芸当はジャクソンにしかできない。


脚本賞:

マイティーソー・バトルロイヤル

スパイダーマン・ホームカミング

両作品とも、アメコミヒーローという枠があり、それに加えてディズニーだからとってもたくさん制約があるはずなのに、それをクリアしてなおかつ面白く考えさえる。ひょうっとして日米で脚本というものに関してものすごい差が開いているのでは、と思う今日この頃。


ちょっと言及したくなったで賞:

LOGAN/ローガン

年老いたものは去り、次の世代が立ち上がる。なんともいえぬ寂しさと希望。


ゴッホ 最後の手紙

あの不安を感じさせる絵柄で90分きちんと見せる。真面目に敬意をもって。


M-16おじさん Skurge (played by Karl Urban) @マイティソー:バトルロイヤル

子供は、自分が映画のヒーローになれると思う。大人は自分が映画の端役にすらなれないと知る。


そして最後はみなさんお待ちかね。


観てしまったなかで最低映画賞:

美女と野獣

あれだけすばらしいアニメの見本がありながらなぜこんな映画を作ることができる。大根役者を主役に押し付けられたとはいえ、もう少しやりようがあったはず。

しかしエマ・ワトソンをこの映画に縛り付けることでLA LA LANDという歴史に残る傑作を世に送り出したのだから影の作品賞と言えるかもしれません。映画の中でガストンが発狂するとき、おそらく監督も発狂したのでしょう。大丈夫。この映画は沈没しても、LA LA LANDは歴史に残る。君のことは多分忘れるけど、とりあえずご苦労様。


今年も記憶に残る映画にたくさん出会うことができました。来年の「ごんざれふ賞」レースはもう始まっています。賄賂、裏工作大歓迎。さあ、みなさん受賞のために私に付け届けを送りましょう!いつでも喜んで受け取ります。

というわけで来年までさよーならー(ならー ならーならー 半畳の部屋に反響だけが残る)




ボスの勘違い

2018-03-09 07:10

ここ数年ボスというポジションにいなかった。常にしたから上の人間を見ていたので、私は「エキスパートヒラ」と自称してもいいのではないか。その「エキスパートヒラ」からみるとこの調査結果には深くうなづけるものがある。

リーダーの70%が、自分は人を勇気づけたり、動機づけたりすることが得意だと評価していることである。これは、ほとんどの人が自分は運転がうまいと思っているのとよく似ている。

 従業員がリーダーを見る目は、まったく違う。『フォーブス』誌が発表したある調査では、上司を辞めさせられるなら昇給はなくても構わない、と答える従業員が65%に達している。また、2016年のギャラップのエンゲージメント調査によると、82%の従業員が、自分の上役に対して、基本的に退屈な人物だと見なしている。

引用元:リーダーは経営幹部のあり方以前に、人としてのあり方を学び直すべきである | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

つまり「世の中は裸の王様に満ちている」ということになる。私はこの調査を各国で行った結果がみたいと思っているが、まあそれは気にしない。

なぜ上司はかくも愚かになるんだろうか?

一つには上司という立場になった途端、誰も本当のことを言わなくなるということがあるだろう。ボスが言ったくだらない冗談には愛想笑いをする。米国のTVドラマ、Friendsでそれを扱ったエピソードがあったように思う。上司はそれをみて

「をを、私は部下たちを和ませている。いいリーダーだなぁ」

と思うし部下は

「ああ、上司はいつになったら自分にユーモアのセンスがないことに気がついてくれるのか」

と思う。

それだけが理由なのだろうか?「あのクソ上司が。俺がボスになったらあんなことはしないぞ」と決意している人間は、自分が上司になった途端それを忘れるということなのだろうか。

G.M.ワインバーグの本に繰り返しでてくることだが、自分を観察するのは難しい。自分を助けるのはもっと難しい。ほとんどの上司は助けを必要としているが、それを自覚することはとても困難だ、ということなのかなぁ。


HMDのウソ

2018-03-08 07:13

インタラクションというカンファレンスにでていた。デモ発表は査読なし(あまりひどいのは落とすよ)だから、玉石混合。なんでもありである。

そこで授業の雰囲気を感じさせるために、HMDで周りに学生がいる光景を映し出すという発表をみた。

説明を聞いていて思った。講義というのはかなりの時間にわたって行われる。その間HMDをつけ続けられるものだろうか?

だからその研究は私には「デモ止まり」のように感じた。

これはその研究に限らず、HMDを使ったアプリケーション全般に通じる問題である。HMDをかぶせるとほとんどの人が「おわっ」と驚く。しかし長くつけることはできない。短時間の「ハナ」の用途しかないのが実情だと思う。

そういう限界を認識した上での提案ならば面白いと思うのだが。

ちなみにほとんどの人が忘れているが、2016年はVR元年だった。

VR市場はまだまだ未成熟の市場である一方で、数年内に爆発的に市場が広がっていくことは確実視されている。各社によって予測値こそ異なるが、2020年までに全世界で数兆円単位にのぼるという予測が大勢を占めており、VR/AR合算で10兆円を超えるという試算もある。

引用元:2016年は本当に「VR元年」だったのか? VR業界のキーマンが振り返ってみた | BizReach Frontier

2018年はVRにとってどういう年になるのだろうか。このまままた静かになって次の「ビッグニュース」を待つことになるのだろうか。


ああ、これでいいんだ

2018-03-07 07:03

設計上の困難にぶつかることはよくある。選択肢はいくつも考えられるがどれも問題がある。さてどうするか。

こうなったとき誰かが「これでいく」と決断すると、みな「ああ、それでいいわけね」と追従する。そういう図柄はいくつもあったように思う。

notch

引用元:Techcrunch:今年のMWCはiPhone Xのそっくりさんだらけ、最優秀賞をAsusのZenfone 5に進呈しよう

というわけでMobile World Congress?という携帯電話のイベントで発表された新製品はサムソンがさんざんからかった「ノッチ」だらけだったのだそうな。


根底にある問題は単純だ。全画面ディスプレイにしたい。しかし自撮り用のカメラ、顔認識センサーはどうしても前面におかなければならない。どうするか。

サムソンは、側面をカーブさせよりエッジを見えなくし、上下にディスプレイ以外の部分を残した。普通これが「常識的な解決方法」だと思う。

例によって例のごとく、Appleはそうした「常識的な解決方法」をとらなかった。

毎度のことだが、この新デザインで、アプリ開発者に悲鳴をあげさせた。なんだあの黒い部分は。おまけに画面の角が丸い。なんだこれは。

その悲嘆の声をよそに、世の中がぞろぞろその方向に向かう。流石に古参Apple原理主義者だとこれくらいではぎゃーと言ったりしないな。


深まる混迷

2018-03-06 07:03

いや、政局とか世界情勢ではなく、当家のApple製品状況のことなんですけどね。

iPhone/iPad/Mac全てが更新を必要としだしたのはだいぶ前のことである。幸いなことに新しいiPadが空から降ってきた。ありがたや。子供達とびっくりしたのだが、ディスプレイのサイズは変わらないのに全体の大きさはかなり小さく、そして何もかもスムーズにうごく。前の買ったの6年以上前だもんなあ。。

となると問題はiPhoneとMac。iPhone Xが簡単に購入できるようになったら変えるよと言っていたような気もするが、悪いことにその頃(つまり最近だ)には次のiPhoneの噂がでている。iPhoneXと同じでLCDを搭載し、安いモデル。ああなんて素敵。ただ3Dタッチは諦めるにしてもレンズ二つカメラまで諦めるのはなあ。。いや、実物がでてからでないとわからない。そんなことを考えつつ、バッテリが2時間もたないiPhone 5Sを持ち運ぶ今日この頃である。多分今年の夏もこのiPhone 5S.

さて、残るはMac。今年は新しい機種がでないとも言われ「じゃあここは思い切って15inch Mac Book Proを」とだいぶ考えた。考えたのだが、如何せん値段が高い。2の足を踏んでいる間にこんな噂がでてきた。

クオ氏が現地時間3日、投資家向けに配布したメモによると、Appleは4−6月の間に、価格を引き下げた新しい13インチMacBook Airを発売するとのことです。

引用元:第2四半期に安価な13インチMacBook Airが発売か〜KGI予測 - iPhone Mania

もうすぐなくなるよね、と言われて久しいMac Book Airの廉価版が出るのこと。なんでそっちに行くかな。Tim.前から言ってるじゃないか。君が出すべきはTouch IDを搭載した14inch MacBookだと。

そう言っているのは私だけではなかったようだが、この噂はとっくの昔に絶滅したと某サイトに書いてある。13inch Mac Book Airが値段が下がったら入門機となり,12inch Mac Bookが存在し、その上にMac Book pro.ラインアップとして正しいのかもしれないけど、それはどうなんだろう。

などと言っているうちに、8年めに突入したMac Book Air13inchの記憶容量の残りは10GBでうろちょろしている。ああ、Apple原理主義者の悩みはつきない。



千葉工業大学 山崎研究室 UXデザイン展2018に行ってきたよ

2018-03-05 07:16

というわけで、ポケモンをつかまえつつ水天宮駅からあるいて行ってきました。ヤマケンところの発表会というらしいのだが。

受付で名前を書くと、一人一人学生さんがついて案内をしてくれる。研究室の教授は「これはいいシステムだ」とFacebook上で書いていたが、残念ながら私のようなひねくれ者にはうまく働かない。後で聞いたのだがこの研究室は41名もいるのだな。その研究全部の説明を行うなど誰にもできはしない。「はいはい」と聞いて歩いてくれる人ならいいけど、わたしのような人間には聞きたいこと、コメントしたいことがたくさんあるのだ。教授が何を考えているのかは私にはわからない。彼らの観察能力とはこれくらい、ということなのかもしれない。

ワークショップのデザインでモチベーション3.0がどうのこうの、という展示がある。そもそもモチベーション3.0ってなんなのか?と聞くと学生さんは遠くまであるいて聞いてきてくれた。いや、自分の研究じゃないもので、というんでじゃああなたの研究をみせてください、とお願いする。

彼はバナナについてあれこれ試みを展示していた。話を聞いているうち

「ああ、俺だったらこうするがなあ」

という「惜しい」感が充満する。例えばこうだ。バナナの形に紐をぐるぐる巻きにすると、とても長くなることがわかりました。そうじゃなくてバナナの皮の繊維をほぐして実際につないでみるとかさ。長さに変換する考えはいいんだけど、なぜそこで関係ない紐を持ち出すのか。皮と身とタネを分離するのなら、内側から外側に逆に配置してみるとかさ。

研究室のメンバーに頼んで「バナナを持ってポーズ」とかいう写真が延々並んでいる。あのさあ、やるなら

「バナナを使わずに、バナナを想像させるポーズ」

とかさ。そういう言いがかりをつけまくる。学生さんは素直に聞いてくれる。

他にもいくつか同期の作品を見る。例えば昆虫食の展示がある。なんで食わないの?聞けば、パンフレットの中に面白そうな昆虫食がいくつもある。なんでこれを展示しないの?あとキャベツの魅力を伝える展示もあるけど、1週間キャベツだけ食べるとかやってみた?バナナだけで1週間生き延びるとかやってみた?


とにかく食えよ!


4年生の展示をみて感じたのがそれだった。元となる発想は面白そうなのに、なんでこういう当たり前の方向にまとめるかな。

あのね、こういう展示で何を伝えるかというと、作った人間のパッション-狂気なんだよ。それだけが展示を通して観客に伝えられること。それがなければただの場所の無駄遣いだ。

東京芸大では「君は普通だね」というのが最大の侮辱の言葉だという。この研究室が何を目指しているのか私にはわからないが、その侮辱の言葉だけが頭を何度も駆け回る。ここは「芸術大学」ではなくて「工業大学」だからいいのか?でも近年日本の製品が衰退しているのは、そういう狂気を感じさせなくなってしまったからではないのか?

次に3年生の展示を見る。インタビューしてペルソナ作ってという実に古典的なものの作り方をやっている。3年生の演習として一通りやることには意味があるだろう。しかしインタビューで明らかに間違った質問をしているのは気になる。「こうだったらどう思いますか」とか。20年前じゃないんだから、人間は自分の行動を予測するのがとっても下手、というのは何度も何度も実験で示されている。それを完璧に無視してこんなこと今更やられてもねえ。あとGoogleとかは新しいデザインサイクルについてあれこれ試行錯誤しているんだけど、千葉工大で教えられていることは20年前で止まっているかのように思える。

聞けば、この研究室の先生はいつ寝ているんだというくらい多忙とのこと。多忙はいいのだけど、知識が停滞してるんじゃないだろうか。

などという名も知れぬ白髪ジジイのいいかがりを、学生さんは素直に聞いてくれる。これはすごいことだ。というか最近の若者は素敵だよね。

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私にとっても、こういうインプットの機会は貴重だ。自分が何に対してフラストレーションを感じているか考えることで、そもそも自分は何に価値を置いているのかがわかる。

しかし最近大学の先生の「今は20世紀ですか」というような「教え」に接することが続き多少辟易している。

世界的な権威と言えるドン・ノーマンだっていうことがコロコロ変わる。日本の大学の先生も言うことが変わってもいいように思うし、そうでなければならんと思うのだけどなあ。


マーケティングでなんとかしろ

2018-03-02 07:40

今の会社にはいるまで「マーケティング」ということを意識したことがなかった。あちこちで聞くので「そもそもマーケティングとはなんぞや」と調べた。よくわからない。まあ「売り方」ですよ。なんとなく。あと2年か1年がまんすれば、安全装備を重視した上でもっと選択肢が増えるのになあ。。と最後は私的な愚痴でしめくくるのであった。


CNET LIVE2018に行ったよ

2018-03-01 07:11

有料イベントなのだが、CNET LIVEというのに行ってきた。有料イベントなのに内容の薄さには驚いた。

まず富田 直美氏という人がしゃべる。ハウステンボスの経営再建をした人だが、典型的な「米国の会社社長を渡り歩いてきた人」と思う。やたらと威勢が良く

「あなたたちの常識を破壊する」

と断言するが、内容はあまりにも陳腐。AIで鍛えた藤井6段が、羽生に勝ったとか、1割る0は学校では計算できないと教えるが、実は無限大だとかまあなんというか粋がった小学生の言葉を聞いているかのよう。(私も小学生のころは、1/0は無限大だと思っていた)その証拠に彼がしゃべったことは「セグウェイを使っている」「あなたたちの常識を破壊する」以外何も頭に残っちゃいない。

最近特に思うのだが、会社の経営者というのは超一流は別としてある程度鈍くないとできない仕事だと思う。1割る0は無限大だーと顔を赤らめずに断言できるようでなければ、会社経営などできんということだろう。

あるいは経営者として成功すると、自分は偉大だと信じ込み、そして誰も「王様は裸だ」と言ってくれなくなるかあるいは言われても耳にはいらなくなるのか。そんなことを考えた。


次にNVIDIAの人が喋る。製品のまっとうな宣伝であり、何も学ぶところはない。他にNextremerという対話システムの社長とユカイ工学の社長がしゃべる。Nextremerはこんなことをやっているんだそうな。


 「この近くにソーキそばのお店があります」「『なんくるないさ~』をご存知ですか?」――。運転中の車内から、こんな話し声が聞こえてくる。それに対し、運転手や同乗者が質問すると、画面に映し出されたAIキャラクターたちが会話をしながらより詳しい情報を教えてくれる。これは、自動車メーカーの本田技研工業(ホンダ)が2017年11月から沖縄で実施している「ラジオDJ」の実証実験の様子だ。

引用元:ホンダ、運転中にAIキャラが“観光ガイド”してくれる実証実験--Nextremerら3社で開発 - CNET Japan

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引用元:CNET

この幼稚で下品なアニメ絵。今は20世紀か。サツキ・メイ・リンから10年以上経っているのに、なぜ今更こんなものを作れる。

公正に言えば、一件だけ面白く、あとまあまあな内容も一件あった。しかしこの2件のインパクトがあまりに強く、私は頭をくらくらさせながら家路につくことになる。

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しかし今日の講演は私にとって多くの学びがあった。

私はこうやってしたり顔で彼らの内容について指摘をすることはできる。しかしそれだけだ。このブログはだいたい50人くらいの人に読んでもらっているようだが、昨日出演していた人たちはその数倍の人にデタラメを吹聴できる。

つまり

私は誰もこない山奥の池に猫の死体を投げ込んでいるようなものだ。何もしていない。それが一番の問題だと改めて気がつかされた。