Apple Watch(電源はいってません)が持つ力

2015-04-30 10:14

昨日家にApple Watchが届いた。会社用である。私のiPhoneは未だに4Sであり、Watchを使うことができない。数週間前に

「開発者向けに抽選にあたれば4/28にAppleWatchを出荷するよ」

とメールが届いた。あたらないだろうと思ってとりあえずエントリーしたら当たった。しかしこういうことは得てして予定通り進まない。Apple Storeの履歴を確認するたび「出荷予定6月」だ。まあそうだわな。

と思っているうちに本当に家に届いた。子供達が「何それ?」というので「これは会社用のApple Watchだ。開封しないで会社に持っていく」という。すると子供達はあからさまではないが不満そうな顔をする。そりゃあれだけ話題になっているからね。

「では開封して中身の確認だけしよう」

というと大喜び。

Apple Watch開封の儀についてはいろんなところに写真も動画も存在しているから繰り返さない。しかし開けている最中子供達が「すごーい」と声をあげていたことは書いておくべきだろう。

そして最後にApple Watchが姿を現した。もちろん電源は入って居ない。しかしデジタルクラウンを回した子供達は

「これ感じがいい」

と喜んでいる。そして電源をいれてもいないのに

「Appleすごいねー」

「お父さん、今度買ったら?お母さんにお願いしてみたら?」

とかあれこれ。

これは驚くべきことだと思う。彼らはそもそもApple Watchで何ができるかとかそんなこともわかっていない。しかし「開封」と「触る」だけでこれだけの印象を与えたのだ。もちろん狂信的Apple原理主義者の父親に影響されたところはあるだろうけど。

私はまだApple Watchが商業的に成功するかどうか慎重に見極めたいと思っている。しかしパッケージングだけで小学生にこれだけ歓声をあげさせる製品は他にないのではないか。

というわけで今日会社でさっそく、といいたいところだが普段持たない荷物なものだから家に忘れてきた、というのは内緒である。明日何事もなかったような顔をして持ってこよう。


People will know

2015-04-28 07:21

Appleが異常なほどデザインの細部にこだわることはよく知られている。最近ではそれは「成功の秘訣」として語られることが多いが、Appleが不調だった時期は(そんな時期があったんですよ)「Steve Jobsの馬鹿げた行動」の例として挙げられていた。

だから古参のApple原理主義者としてはその是非について慎重に判断を差し控える。今日はただサムソンとAppleの製品を並べて引用しよう。

comparison

サムスンの新型ノートPCであるAtiv Book 9を見れば、そのことは明白だ。Ativ Book 9の重量はMacBookと同じで、同様に12インチの高解像度スクリーンとIntelのCore Mプロセッサを備えるが、2基のフルサイズUSBポートと1基のmicro-HDMI出力端子を搭載している

引用元:新しい「MacBook」レビュー(第1回)--スペックと新機能から見た使い勝手 - (page 3) - CNET Japan

スペック的に見れば、サムソンのほうが明らかに「勝って」いる。CPU,Displayは同等で重量も同じなのにはるかに豊富な入出力インタフェースを持っているから(ただし値段は$100高い)

しかし

この「差異」はなんなのか?この二つを並べたとき、サムソンのそれはまで「20年前のガラクタ」のように見える。べたべたと貼られたシール、ぱっとしない質感、しまりのない体。まるで我と我が身を見るようではないか(しくしくしく)

ではサムソンがプライドを捨ててか本性に立ち戻ってかしらないがiPhone6をコピーしたTu-4ことGalaxy6をみてみよう。

comparison

引用元:iMore

エンジニア的観点からすれば「なんでそうまでして中心線を合わせなくちゃならないんだ?」といいたくもなる。内部構造を最適化すれば中心線が合うわけがない。ムリにそうすれば、コストは上昇するに決まっている。

しかし私のような素人でも、ひきしまったiPhone6の底面と、漫然とし、しまりのないGalaxy6の底面の差は感じ取れる。こうした

「取るにたらない些細なこと」

の積み重ねがMac BookとAtiv Book 9になる、、、のかもしれないしそうではないのかもしれない。

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このAtiv Book 9とMacBookを並べた写真は、全ての製品、サービスを設計する人間が心に留めておくべきだ。ほとんどの企業は抽象化、客観化、定量化が可能な指標によって物事を判断する。ならば間違いなくAtiv Book 9が「勝って」おり「売れる」はずだ、と。

そうした判断は哀れなほど間違っている。しかしわからない人間には永遠にわからないだろうし、そういう人間が意思決定をしている組織は「商品力」で商売をするべきではない。大丈夫。企業が存続していく方法はいくつもある。営業力、人脈、コネ、寡占状況の継続、、ただ「商品力」で勝てると思わないほうがいいだけだ。


Bestの製品とマーケティング

2015-04-27 07:11

割と最近知ったのだが、マーケティングという言葉がある。この言葉の定義自体かなりあやふやなのだが「売り方」の工夫と理解している。

であれば、広報戦略もマーケティングに含まれるわけだ。かくしてマーケティング担当者は奮闘する。Sonyのマーケティング担当VPが新しい007映画で007にSONYのスマートフォンを持たせるように交渉したのだそうな。値段は18億で、それに加えてダニエル・クレイグに5億払う、と。

結果はこうだった。

"BEYOND the $$ factor, there is, as you may know, a CREATIVE factor whereby Sam and Daniel don’t like the Sony phone for the film (the thinking, subjectively/objectively is that James Bond only uses the 'best,' and in their minds, the Sony phone is not the 'best')."

引用元:Daniel Craig turned down $5 million because James Bond wouldn't use a Sony phone

ジェームス・ボンドはBestの製品しか使わない。だからThe best ではないSony製品は使えない、と。

こういっておいて次の映画でクレイグがサムソン製のスマホを手にしていたら世界中の笑いものになるわけだが、それはサムソンマーケティング担当の偉大な勝利ということになるのだろうか。

いずれせよこうしたマーケティングの努力とその結果がどうなろうと例えばこの一枚の写真が全てをぶち壊しにすることもある。

LGとApple watch

Apple WatchとLG G Watchの比較。比較するのが申し訳ないぐらいLG G Watchがオモチャに見える。

引用元:ほんわかさんはTwitterを使っています"

市場調査をして売れ線を確認して、分析してそれにあった製品を作る。これは美しい方法だが、必ずしもBestの製品を生むものではない。かといってユーザの声を無視して失敗したBestの製品も枚挙にいとまがない。かくして結論は「結局人次第」という当たり前のところに落ち着くのであった。現実を理解しつつ無視する。このさじ加減を表す便利な言葉はまだ発明されていないように思う。


デイリーポータルが面白い理由

2015-04-24 07:36

最近デイリーポータルZについて考えることが多い。企業が「広報」として公開するような文章とデイリーポータルZに乗っている文章の差異はなんなのか、と。

差異はなにか?まずこの意見。

つまり、これから相手を動かしたいと思うのであれば、相手の感情を理解する必要があります。

こういったお客さんが抱えている感情を「インサイト」と呼びます。

ひとことでいうならば、インサイト=本音です。この本音を理解することが非常に大事です。

引用元:コピーライティングはインサイトが重要。コピーライターの言葉が刺さる理由 | こぴたつ

ささるコピーを書くには、相手の「本音」を理解する必要がある。

思うのだが、大人になるというのは「建前」との付き合い方を覚えることでもある。赤ちゃんなら周りの状況がどうであれ「気に入らないことがあれば泣く」でよい。しかしそれが使えるのは赤ちゃんの間だけ。大きくなると可愛くないので誰も面倒を見てくれない。

かくして建前が重要になるのだが、困ったことにそればかりと錯覚してしまうことが往々にして起こる。結果はゴミのような文章というかメディアのできあがりだ。有名人が乗っており「ほら、こんなこと知ってると得だろう?」と送り手だけが建前で考える情報があり、「受け取り手が読みたい」ではなく「送り手が読ませたい」情報が大量に続く。

こういうゴミメディアを作ってしまうのはただ一つこの問いが足りないからだ。

 −−極端や過激さに走らずに、大事なことを考えることは難しいと思います。糸井さんなりの方法はありますか。

 糸井さん 「ほんとうかな」って聞くだけです、自分に。「ほんとうにそう思う」って他人にも聞くけど、自分にもものすごく聞くようにしている。ちっちゃいことでも「ほんとうかな」って問うようにしています。そうするとね「ほんとうじゃない」ことが結構ある。

引用元:キーパーソンインタビュー:糸井重里さん・後編 「ほんとうかな」と自問する力 - 毎日新聞

建前というのは「ほんとう」じゃないことだが社会的にそうせざるをえないと自分で決めつけていること。

デイリーポータルZに乗っているのは「ほんとう」の内容が多い。他人がどう思おうと「俺はこれが面白くてしかたがないんだ!」というのが伝わってくる。つまりあそこに書いてあることは書き手にとって「ほんとう」のことが多いと思う。

ただここが微妙で難しいところなのだが「本当に自分が面白いと思ったこと」の中にも「それが他人にとっても面白いもの」とそうでないものが存在している。

例えばYoutubeを見ると「オタ芸を打ってみた」という動画が数多く存在する。その動きを見ているといつも何か奇妙な気がする。踊っている彼らは自分自身の動きに陶酔していることはわかる。それは彼らにとって「ほんとう」のことなの、、、だろうか?あの自分に閉じた激しい動きが本当に彼らが目指しているものなのだろうか?

何が違う気がする。おそらく彼らは別の何かを欲しているのだが、そこに行くことを諦め「自分たちが作り上げた居心地の良い空間」に安住することを選んだような気がする。つまり「オタ芸」を見る時に私が感じる「違和感」は彼らに「ほんとう」がないことから生じているのではないかと思うのだ。

などと他人の姿勢を批判するのは簡単だが、自分で実行するのは難しい。思えばこの「ほんとうかな」をちゃんと問わない時に大きな失敗をしたことが多い。「うーん。まあいいんじゃない?」というやつだ。自分に対してこれをやるとかなり悲惨な結果が待っている。というわけでジタバタしよう。自分が何を「ほんとう」と思っているかは考えてもわからず、実際にあれこれやってみて初めてわかるのだ。


何を売りたいのか?

2015-04-23 07:29

何度か書いたことだが「モーターショーは車とコンパニオンを分離すべきだ」と言った男の意見に深く賛同する。とはいえこういうのはサラリーマンとしては

「競合他社もやっているから」

というわけでやめるわけにはいかないのだろうか。かくしてトップダウンの強烈な一撃が必要となる。

今回の中国でのモーターショーで、開催前から大きな話題を呼んでいたのが、コンパニオンの廃止だった。昨年までのモーターショーまでは露出度の高い衣装を着た女性コンパニオンが展示されたクルマの横に立っているのが当たり前で、以前から「クルマではなく美女を展示しているのでは」といった批判があったのも確かだ。

 今年の上海モーターショーでは風紀が乱れるとの理由から主催者が禁止した。習近平指導部によるぜいたく禁止令の影響と見る向きも多い。

引用元:上海モーターショー、コンパニオンなしの「新常態」:日経ビジネスオンライン

ぜいたく禁止だろうが、政治の介入だろうがこれは正しい。モーターショーとか展示会にいくたび、ものすごいポーズでコンパニオンの写真を撮りまくっている男性を見かける。あんなのと一緒にされたくない。しかし向こうには向こうの言い分がある。かくしてコンパニオン展示エリアと車エリアに分ければお互いハッピーだ。なぜコンパニオン展示エリアが必要なのか?と疑問を持ったところでようやく本来の議論にたち戻ることができる。

たとえばCESのKeynoteとかでも映画俳優が登壇することはある。しかしそれらはそれなりの役割を与えられており、例えばDocomo様のように堀北某がただにこにこして立っているなんてことはない。いい加減ああいうバカバカしいのやめようよ。

それが止められないということであれば、それはより大きな深い問題の存在を意味してる、と私は考えるんだけどね。


儲けた金の行き先は

2015-04-22 06:57

今時3大キャリアと契約するのは情弱、と言い切ってから久しい。彼らはコストがどんどん下がっている回線からありとあらゆる手段で「寡占利益」をしぼりとろうとする。こうなると頼りになるのは総務省だけだ。

NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルは、期間拘束型の割引サービスや料金プランにおいて、無料で解約できる“更新月”の期間を、現在の1カ月間から2カ月間へ変更する方針を明らかにした。20日、総務省で開催された有識者会合で案内されたもので、各社では2015年度第3四半期をめどに導入する考え。

 各社の方針は、20日に開催された「ICTサービス安心・安全研究会」で示された。各社ともに、現在1カ月間となっている「更新月」の期間を2カ月へと拡大する。また更新月が迫っていることなどを通知する手段として、3社いずれもSMSやメールで通知する仕組みを第1四半期をめどに採り入れる方針も明らかにされた。正式な決定ではないものの、大枠での方針が固まったことになる。

引用元:携帯3社、“2年契約”の無料解除期間を1カ月間→2カ月間に - ケータイ Watch

要りもしない「お得情報メール」を山ほど送ってくるのに今まで無料解約可能月のお知らせすらしていなかったのかと驚くが、まあそういうメンタリティだからしかたがない。

問題は

そうやってキャリアに貢ぐ人がいるのはまあいいとしてもその金の向かい先である。ドコモはまたも海外進出に失敗し

ドコモがインドの携帯電話市場に進出したのは2008年のこと。インドの財閥大手タタ・グループ傘下の携帯電話会社タタ・テレサービシズ(以下、タタ)に合計2670億円を出資、同社株の26.5%を保有している。だが、激しい値下げ競争などで業績は赤字拡大が続き、投資から5年で減損など2220億円もの損失計上に追い込まれた。

 このためドコモは昨年4月、インド事業からの撤退を決定したが、タタ・グループとの撤退交渉が不調に終わり、タタの保有株を売りたくても売れない泥沼にはまり込んでしまった。そこでドコモはインド事業からの撤退に関し、今年1月3日付でロンドン国際仲裁裁判所に仲裁の申し立てを行った。

引用元:学習できないドコモ、巨額海外投資で4度目の撤退 印進出も秒殺 国際戦略が完全に頓挫 (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS

ソフトバンクも日本から吸い上げた利益を米国でばらまいている。

ソフトバンク <9984> が2013年7月に買収した米スプリント(Sprint)の3月時点の契約者数シェアが業界3位から4位に転落したことが2日、英市場調査会社のオーバムの調べにより明らかとなった。

引用元:ソフトバンク子会社の米スプリント、米業界シェアで4位転落が確実に - MarketNewsline

しかし特に「NTTドコモ様」の尊大さとやっていることの幼稚さのギャップには苦笑せざるを得ない。日本国内という枠組みにあってこそ

「No1のドコモ様」

と言ってもらえるし、正面切ってNTTと楯つく人間は少ないが世界に一歩踏み出すと

「財布をすられる海外旅行初心者」

と変わるところはない。

しかしこういうことをやっても、社内では何の危機感もないのだろうなあ。例えばソニーの社外取締役であるこの人の言葉。

とはいえ、減損を決断する数カ月前にはモバイル分野をコア事業として位置づけていました。取締役会の役割といえる監督機能は働いていたのでしょうか。

永山:事業で起こった現象とガバナンスが効いていたかどうかは次元が違う問題です。

 構造改革の中身の精査と再び下方修正をしないため、取締役会としてはこれまでと比較にならないほど時間をかけてきました。

引用元:ソニー平井社長続投に異論なかった:日経ビジネスオンライン

この人の言葉を読んでいるとまるで危機感が感じられない。日本の南方戦線が壊滅状態になっても、元帥とか中将とか馴染みの芸者を日本から呼び寄せて派手にやっていたと聞くけど、ソニーの取締役会もそんな状況ではなかろうかな。



SONY凋落の理由

2015-04-21 07:02

息子の同級生にソニー大賀元社長の孫と思われる人物がいる。(確証はない)それゆえ子供にソニーについて語ることが多い。

昔Steve Jobsは「僕らはみんなソニーが大好きだ」といったことがあるのだよというと彼は驚く。本当に。SONY凋落の理由について真剣に考えることは、我が国の衰退を逆行させる意味においても意義深いことだと思う。

例によってそれに書かれた文章は多いが、いずれも納得させられるものはない。やれ理系がトップでないとかやれ出井がどうとか。しかし今朝ようやくその理由と思える文章を目にした。

なので、分社化そのものが、これほどネガティブに受け止められるとは思ってもみなかったし、私の認識は甘かったのかもしれない。いま所属している組織の事業を自由度高く運営できるかどうかという点より、ソニー本体の社員であるかどうかが重要だという社員は少なくなかったということだ、と理解した。

引用元:エレキ分社への反発は想定外 (3ページ目):日経ビジネスオンライン

これほど日本的な文化が持っている危うさを示している文章はないと思う。つまりソニー社員の多くにとって重要なのは

「いい製品を作る。いいサービスを作る」

ことではなく

「自分はソニー本体の社員だと言える」

ことなのだ。

つまり自分達に作り上げた「ソニー」という型にはまることが何よりも重要であり、そこで何をなしうるかというのは二の次三の次。

おそらく同じようなメンタリティが日本のどこでも起こっているにちがいない。こうしたメンタリティはボトムアップでは決して変わることがない。

赤羽:私は、社長の役割がいまほど高まったことはないのではと思います。先が見えず、世界的企業とのギャップが加速度的に大きくなった今、経営改革の決断をし、反対を押し切って会社を生まれ変わらせることは社長あるいはそれに次ぐ経営幹部にしかできません。

 役員に指示してやらせる、というレベルのことではありません。また、おっかなびっくりやることでもありません。日本にも、大胆な意思決定をし、経営改革を強力に推進している社長が少数ですが、いらっしゃいます。日本だからできない、文化的にできない、ということは決してありません。

引用元:大企業経営者の悩みが新人課長の悩みと同じになっている理由 (7ページ目):日経ビジネスオンライン

このブログで日本衰退の大きな理由は経営者にある、と主張してきた。私は赤羽氏の主張に全面的に賛成だ。株価が上がろうが、なんだろうが日米の大企業の競争力はますます差が開き、縮まる気配もない。

ジューコフが喝破した通り日本的組織の問題は上位に立つ人間が無能なところにある。もっと正確に言えば、無能な人間を出世させるその構造にある。

私は息子にこういう。大賀くんのおじいちゃんは自分で世界的な企業を作り上げた。大賀くんもソニーの社長ではなく、新しくソニーのような世界的にすばらしい仕事をする会社を作り上げてほしいものだ、と。


PCの中を見てみると

2015-04-20 07:34

見事な回路設計、、、レイアウト。感動(←マニアなら、これ眺めるだけで、ごはん一杯食える?!)
いや、ほんと、無駄がない。スキがない。よくぞここまで詰め込んだ!!!

引用元:VAIO Z、、、脱がしても・・・違っ。分解してもすごいんです。。。 - 店長のつぶやき日記。。。

VAIO


そしてMacBook 12inch

MacBook

いや、もちろんCPUの処理能力が全然違ったり、I/Oの数も種類も全然違うとかとにかく全然違うものを比べているのはわかっているんだけどね。

最初MacBookのロジックボードを見た時「SSDはこれとは別のボードに存在しているのだろう」と思っていた。違った。512GByteのSSDこみでこのサイズなのだ。

1990年代はこの関係が逆だったんだけどねえ。小さく薄い洗練された製品をつくるのは日本企業で、アメリカ企業はごつくて不細工な製品を作っていた。

感性価値が差異化のポイント

例えばどの商品でしょうか。

平井:良い例が世界的に大ヒットしているプレイステーション4です。

 先日アメリカで発表したテレビ視聴の新しい形「プレイステーションヴュー」など、お客様にはかなりわくわくして頂いているのではないかと思います。

 ほかにもあります。ミラーレス一眼はかなり作り込んだ商品です。このようにわくわくする商品が出てきていますので、一概に感動して頂ける商品がないということはないと思っています。

 ハイレゾリューションのウォークマンとか4K対応のテレビとか、話し出すと止まらなくなっちゃうのでこのあたりにしておきます。

引用元:道半ばだが、方向性は正しい:日経ビジネスオンライン


恋とはどういうものかしら:後編

2015-04-17 06:57

MacBookに「やられた」と思う私はふらふらと奥の方に歩を進める。するとニュースサイトで見慣れた展示台があることにが気がつく。

まわりに人だかりができているとかそういうことはない。皆遠回しに様子を見ているような状況だ。無理もない。Ive自身が強調していたが、iPhoneには「ゴミみたいなケータイ」という前例があったがWatchはそもそも存在していないカテゴリーの製品なのだ。

「試着ご案内できます」と係りの人が言っているが、私もまだ遠回しに見ている状態である。欲しくなったら困る。まだiPhone4Sなのに。というわけで展示台の上にならんだApple Watchをじろじろ見る。

最初の発表時には全く理解しなかったことだが、確かにアルミニウム、ステンレス、それに金の質感の違いは著しい。値段に数十倍のさがあるのも納得だ。最初見た時

「なんだ。丸くないし、厚いじゃないか」

と思った筐体だが隣にいた人が自分がはめていた腕時計と並べてみている。そう考えると腕時計というのはそもそも厚くてでっかいものなのだな。2種類の大きさがあり実物を見ないうちから小さい方がいいだろうと思っていたのだが大きいほうでもなんの問題もないような気がする。

画面が次々切り替わっていくのをじっと見つめる。特にGoldの筐体にひらひらする蝶の羽が映えること。今は腕を上げた時しか画面が表示されないが、バッテリー切れを覚悟の上で常時表示し続ける

「パーティーモード」

がでても驚かない。おそらく数時間でバッテリーが切れるだろうが、それがなんだというのだ。

Vogue表紙

っていうかこういう写真が撮れるんだからそうやる方法はあるんだろうな。

スムーズに動くアニメーションと美しい発色の液晶。それに3種類の筐体。その組み合わせを見ているうちじっとりと汗が滲んでくる。

このほかにもデザインについて、「とりあえずデザインはカワイイものがいい」「女の子が使いそうなかわいいもの出してください。サイバーっぽいやつじゃなくて」「バーバリーとのコラボで20万円だったら買う」と、厳しい評価も聞かれた。

引用元:(2ページ目)Apple Watch、若者女子50人中「買う」は0人…衝撃的な関心の低さ露呈 | ビジネスジャーナル

この女性たちの言葉ほど「アンケートでものを作ってはいけない」ことを示しているものはないだろう。

私にとって問題はGo or No Goではなく、Whenだと知る。


恋とはどういうものかしら:前編

2015-04-16 07:29

生活に疲れた初老の男が朝っぱらからなにを言っているのだ、という真っ当な批判はぐっとこらえて、少し読んでいただきたい。

昨日渋谷のApple Storeに行った。入り口近くにMac Bookが展示してあることを知る。

どこかのコピーが女の子の気持ちをよく表していると何かで読んだ。その中にこんなのがあったと記憶している。

「この人を好きになっちゃいけない、と思った時はもう恋に落ちてる」

「無駄を極力まで排除する」ことがこれほどまでにひきしまった美しさにつながるものか。キーボードに触れてみる。確かに少し慣れに時間がかかるようだ。しかし

「十分使えるじゃないか」

と自分に言い聞かせていることに気がつく。それとともにこの文章が頭をよぎる。

クレオパトラの鼻が曲っていたとすれば、世界の歴史はその為に一変していたかも知れないとは名高いパスカルの警句である。しかし恋人と云うものは滅多に実相を見るものではない。いや、我我の自己欺瞞ぎまんは一たび恋愛に陥ったが最後、最も完全に行われるのである。
 アントニイもそう云う例に洩もれず、クレオパトラの鼻が曲っていたとすれば、努めてそれを見まいとしたであろう。又見ずにはいられない場合もその短所を補うべき何か他の長所を探したであろう。

引用元:芥川龍之介 侏儒の言葉

キーボードのストロークが浅かろうが、外部インタフェースがUSB-C一個しかなかろうがそんなことは「曲がったクレオパトラの鼻」ほどの問題でもない。実物を見るまで気にもとめなかった「スペースグレイ」の美しさはどういうことだろう。

この馬鹿げた「恋に落ちる」という現象が人類の進化においてどのような役割を果たしたのかは誰にもわかっていない。理性は

「もう一世代待つべきだ。Mac Book Airも初代買わなくて正解だっただろう?」

と告げている。そんな思いとは関係なく「つきあうと厄介なことになるとわかっている相手」は黙ってそこに居る。愛想笑をするわけでもなく、着飾るわけでもなく。その様子はこの言葉を思い出させる。

キケロ(前51年記)

 これらの巻は全て、裸体であり純粋であり、人間が身につける衣服にも似たレトリックを、完全に脱ぎ捨てたところに生まれる魅力にあふれている。

引用元:ローマ人の物語IV「ユリウス・カエサル――ルビコン以前」の読みどころ: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

角度を変え、ディスプレイを開けたり閉じたりしながら見る。この製品はスペックがどうだ、拡張性がどうだ、ベンチマークはどうだという人間を念頭においては作られていない。

好きになろうとしているなら恋じゃなくて
好きになっちゃいけないと思ったら恋

すごくいい条件の人に告白されて、適齢期だし真面目に付き合おう、いい所を沢山見つけて好きになろうと努力したけど、いい所がどんなに見つかっても結局恋愛の好きにはなれなかった!
そして素を出しすぎて今更恋愛関係にはなれない男友達を気になっている自分に気付いたとき!

引用元:恋をしたと分かった瞬間を教えてください | ガールズちゃんねる - Girls Channel -

とかなんとか言いながら、自分が思い描いていた曲が「恋とはどういうものかしら」ではなく「私を泣かせてください」だと気付いたのはだいぶ後のことである。


しかし店の奥にはもう一つの「新商品」があるのだ。




ドラマをみてもらうために

2015-04-15 07:02

子供の頃は毎年大河ドラマをみていた。ものによってはビデオが残っていないらしいから、私の頭の中にあるいくつかのシーンはそれしかないのだな。

去年は久しぶりに軍師官兵衛をみた。子供がそろそろ日本史を勉強する時期というのは言い訳で子供と楽しくみた。みながら自分が知らない日本史のあれこれがあることを知り勉強にもなった。

さて、次のドラマはと見るとなにやらとってつけたような女性がおにぎりがどうの、と言っている。おまけにキャッチコピーが「幕末男子の育て方」だ。なんだこれは。最初から見もしなかった。

かくのとおり受けるドラマをつくるのはなかなか難しい。最近信じ始めた「日本のTVは受け取り手の都合ではなく、作り手の都合で作られている」が原因の一つだろうかとも思う。その状況はアメリカでは変わり始めているらしい。

・この会社は映画の映像を、レンタルビデオの代わりに配信していた会社なんです。今アメリカはそういったところがドラマをつくるというのがどんどん主流になっていって、アマゾンね、あれもドラマを作っている。
 
・テレビでドラマを作るということ自体がもう終わります。そろそろ。少なくともアメリカはもうおわります。

引用元:町山智浩「間もなくTVドラマは滅びます。ネットでの直接有料配信が滅ぼします」…アニメもそうなる?? - 見えない道場本舗

先日のAppleのSpring Forwardキーノートでも日本人にピンとこなかったのがHBOの配信開始である。そこで流された予告編は内容を全くしらない私にも面白そうに見える。ユーザからみたエンターテイメントという観点では彼我の間に信じられないような差があるように思える。

思えばTVというのは(日本において)面白い構造をしていて

・放送局は寡占状態

・そこに番組やスターを供給する事務所も実質的に寡占状態

・スポンサーはそこに膨大な広告費をつぎ込むがその効果はさっぱりわからない。

こうした構造は長年存在してきたので徹底的に腐敗している。とはいえTVの影響力は無視できないので、企業は相変わらずTV広告に莫大な金を払う。効果はわからず、その金は腐った階層の隙間に消えていく。かくしてそもそも「視聴者にみてもらう面白いドラマを作る」ということに対する動機が存在していないように思える。

Steve Jobsがいつかのインタビューで語っていたが、B to Cのマーケットは非常に単純だ、と。ものがよければ消費者は買うし、そうでなければ買わない。それだけだ、と。本来TVの世界もそうあるべきなのだが、B to B to Cであり、最後のワンステップがないがしろにされているのがおかしなところだ。

アメリカでは変化してもそれが日本に影響を与えるかどうかはわからない。私の脳が活動を停止するまでには少しは変化するだろう、とぼんやり期待をしているが。


広告するのだ

2015-04-14 07:08

広告というのは、実に巨大な金が動く業界であってGoogleは基本的にそれだけで成り立っている。

問題は

「企業は広告を見せたいのだが、ユーザはそんなものみたくない」

というところにある。ネイティブ広告などというものが発明され(発明されたのは言葉だけだが)状況はますますややこしくなっている。一番の問題はメディアの信用が落ちること。EngadgetやTechcrunchなどは今や私の中ではかなり信用できないメディアに分類されつつある。文句があるなら「Galaxy S6はiPhone6のパクリだ!防水や取り外し可能なメディアカードや取り外し可能なバッテリーはどうした!お前らメーカーとしての信念はないのか!」と書いてみな。

しかし

悲観する必要はない。この相反する両者の利害を調整する可能性はまだそこかしこに存在している。たとえばこんなのだ。

アプリのメニュー画面の右肩に時々、チラシをくわえたねこが登場。タップすると「○○さん(ねこの名前)が持ってきたチラシ(広告)を見ますか?」と表示され、「はい」を選ぶと広告が現れる仕組みだ。

引用元:広告なのに、見てしまう――「ねこあつめ」のかわいい広告手法が話題に - ITmedia ニュース

場所を占有しユーザの嫌悪感を招くスペースに広告を常時表示するよりこうやって「見てもらえる」工夫をして時々だしたほうが良いに決まっている。ユーザだってねこちゃんが持ってきてくれたから見ようかという気にもなる。

もう一つ見事だと思うのはデイリーポータルの「タイアップ記事」

どこでJTBが登場するのか見もの。

パーソナルイベントにはJTBトラベルギフト

引用元:上司の誕生日をパレードで祝う - デイリーポータルZ:@nifty

いつもの記事を微塵も曲げることなく、ちゃんとJTBの宣伝を入れている。これならばメディアの矜持と広告主の意向を両立させることができる。

頭は生きているうちに使えとはよく言われることだが、文句を考えることに頭を使うくらいならもう少しましなことに使ったほうがよい、と思い知らされる。



Watchの売り方

2015-04-13 08:46

Appleの新製品と言えば何日にもわたる行列がつきものだったが、Apple自身はそれらの終焉を目指しているらしい。これは良いことだと思う。最近数回は「いつ終わりにするのか」とはらはらしながら見ているような状況だったから。

特に新しいApple Watchに関して言えば、これは「ガジェット」と呼ばれるものではないと少なくともAppleは考えている。こん人たちの浮き具合を見よう。


‏@hirako741

浮いたおじさん
こういう被り物をするような人間がapplewatchを語るのが愚かで悲しい。“@gizmodojapan:
#AppleWatch #ギズモード ”

引用元:ヒラトさんはTwitterを使っています

彼らとしては変化が理解できないTV局に取材されて大満足なのだろうけど、少しは恥ずかしいと思わないのかな。

もう一つ特徴的なTweetだが

考えてみると、どんな服に合わせようかな?とか考えて選ぶAppleの製品はこれが初めて。あと、ペアで買おうかなというのも初めて。 #AppleWatch

引用元:Daisuke NariさんはTwitterを使っています

まだまだ始まったばかりだが、これからどんな風になっていくのかが楽しみだ。



物欲との戦い

2015-04-10 07:00

なんども公言していることだが、私はApple原理主義者である。従って狂信的にApple製品を保有したがるわけだが、そこには経済的制約も存在する。今朝間違えて400円ではなく800円のインスタントコーヒーを買ってしまったことを未だに私は悔いている。

それほど経済的に余裕がない人間であるからして、そう簡単に物を買ったりはしない。しかしレビューを見たりビデオを見たりするのは自由である。いくつかのビデオをみてようやくApple Watchの存在価値が理解できてきたように思う。

A watch, a “new way to connect with each other”, and a health and fitness companion.

引用元:Daring Fireball

上記三つの用途に加え、おそらく1番目か2番目にわかりやすい用途はiPhoneの手首への出張所だ。携帯電話が普及し始めたころ、時計代わりに携帯を見る人が多くなったことに気がついた。しかしApple Watchはそれを戻そうとしている。おそらくこれを持つとiPhoneを見る頻度は劇的に減少するにちがいない。

A moment later, he stands up. He has to leave; he owes Dye and Ive an update on something important. In all the time we’ve been talking, he’s never once looked at his phone.

引用元:iPhone Killer: The Secret History of the Apple Watch | WIRED

日本語で書かれた文章で、この観点からのものは多くないように思える。WatchはiPhone killerなのだ。そう考えると「広告屋」であるところのGoogleはあまりWatchに本腰を入れないのではなかろうか。彼らにしてみれば人々にPhoneを頻繁に見てもらい、余計な広告を見てもらわなくてはならない。Appleはハードウェアを売っている会社なのでそこに配慮する必要はない。

そしてこれは予想だが、iPhoneが最初に発表されたとき一番わかりにくかったBreak through internet communication deviceが一番よく使われる用途になったように、Watchも新しいCommunication Deviceとして使われるのではなかろうか。最初の狂乱が落ち着いたころ、Apple Storeに若いカップルが訪れるようになると予言しておこう。そして彼らと彼女たちは講義や仕事の合間に時計を「とんとん」するのだ。ああ鬱陶しい。貴様らそこに座れ。

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いや、私が使っているのはiPhone4S.これではWatchにつなぎようがない。まず手に入れるのはiPhone 6+.ならびにそれを収納できるサスペンダー(いやあるんですよ。そういうのが)次にMac Book 12 inch.しかしこれが「次代」になるのは何年後かなあ、それまで私のLate 2010のMac Book Airは持ってくれるのだろうか。いやあ、私の用途ならMac Bookで、、でもガラスの割れたiPadをiPad Proに替えるのは、、、



足りないのは何か?

2015-04-09 08:10

親愛なるサムソンであるが、以前からこういう傾向があったようだ。

日本国内でシェア1割以下と低迷するスマートフォンについて「『世界一だ』という気持ちがあった」と述べ、おごりのために販売促進活動が不十分だったと語った。23日に発売する最新端末「ギャラクシーS6」では販促を白紙から見直し、過去最大級の投資を行う方針を明らかにした。

引用元:「世界一」のおごりあった=スマホ、販促強化へ―サムスン日本法人専務 (時事通信) - Yahoo!ニュース

つまり足りないのは「マーケティング」というか宣伝費用、という主張である。実際今回のギャラクシーS6に関しては実に入念な宣伝が行われていることが伺える。これは私の勝手な想像だが、普段は鋭い記事を載せるEngadget日本版は「手放しの誉めよう」である。

スマートフォン市場でシェア低下に苦しむサムスンが起死回生の切り札として投入したGalaxy S6シリーズ。質感・機能・性能ともに最上級の仕上がりです。

引用元:日本語UIで触れる Galaxy S6 / S6 edge。メタルとガラスの高級感、高性能な納得のフラッグシップ - Engadget Japanese

いや、様々な記事を読むと実際んよい製品なのだと思う。でも「iPhone6そっくり。防水バッテリ交換SDカード交換なしもiPhoneそっくり」に一言も言及しないのはどうだろう、と思うのだが。

まあそれは会社として収支をなりたたせなくてはならないため、ということかもしれない。(繰り返しになるが私の勝手な妄想だ)このように努力を積み重ねてはいるが、サムソンで日本の売り上げに責任を持っている人には眠れない日々が続くかもしれない。Docomo様に「ツートップ」といっていただけたところまではよかったんだけどねえ。

サムスン電子の最新スマートフォン「ギャラクシーS6」シリーズは、革新的なデザインが評価される一方で、販売する携帯電話会社からは「(米グーグルのOS『アンドロイド』を搭載した)数ある端末の一つにすぎない」との本音も聞こえる。日本でのシェア奪還に意気込むサムスンとの“温度差”は否めない。

引用元:携帯各社“冷めた目線” サムスン新型スマホ発表に (産経新聞) - Yahoo!ニュース


優秀な学生さんが行く先は

2015-04-08 06:57

以前働いていた会社は某大の裏にあった。学生課にアルバイト募集の張り紙を出すといろいろな人が来た。

その中になぜか経済学部に合格したのだが、高校時代からものすごいプログラムの実績を持つ人がいた。

しかし外観はおっとりした学生さん。おまけに日本の大企業の人事とかおじさんが好きそうな

「ハキハキして、学生時代いろんなイベントを主催して、宴会ではおじさんを立てまくって、10年間は泥のように働いても文句ひとつ言わない」

といったようなところはみじんもない。彼に仕事を頼むと「はあ」といった感じで去っていく。本当にわかっているのだろうかと思っていると予想の1/3くらいの期間で「できました」といって持ってくる。しかも見事なプログラムを。そんな調子で会社のアルバイトとしてもものすごい力を発揮してくれた。例えて言えば三国志の関羽とか張飛とか張遼とかそのクラスの力を持っている。プログラムの力を武力に変換するとすればだが。

彼はどこに行くのだろう。日本の大企業では彼の力の1%も評価できまい。そんないらぬ心配をしていた。

先日某G社のプレスリリースで彼の名前を見た。

やっぱりなあと思うとともに彼のためを思い少しほっとした。同時に愛する我が国の行く末を考えると少しくらい気持ちにもなる。

面白い話は複数あったけれど、中でもとりわけ印象に残ったのは、G社のKDTKさんのとある場での質問。

この質問が、技術的な言葉で語られながら、言語処理の研究プログラムにおいて今や自明のものとされているいくつかのことに対して改めてその意味を問い直すようなもので、まあ、群を抜いてすばらしかったわけです。

で、その質問自体をきちんと考える、ということの他に、そのような質問が(大学にいる人からではなく)G社にいる人から出たというところは、もう少しメタな問題としてとりわけ大学関係者はきちんと考えなくてはいけないことだと思います。

引用元:影浦峡 - 研究ブログ - researchmap

こうした問題は今に始まったことではないが。


倭の国の幼稚さ

2015-04-07 07:08

我が国の「幼稚な考え方」はなんとなく感じはするのだが、いざ言語化しようと思うとうまくいかない。

原発は事故を起こさない、という幼稚なスローガンにとらわれ事故対策に他国のロボットの支援を仰ぐことになったこととか、原理原則にしがみつき何も改善されないことを望むかのような基地問題とかね。

米国人が大人びた考え方をする、と一般化するつもりはもちろんないのだが「どうにもならない現実を踏まえた上で現実に対処する」というのは大人の行動と言えないだろうか。

米国の銃の乱射事件は銃規制にこそ問題がある、そう考える人は多いはずだ。そこで筆者は訓練の最終日に参加者たちに米国は銃規制を強めるべきだと思うか、と質問した。

 ところが、誰もYesとは答えなかった。

 彼らは一様にこう答えた。

 「銃規制が不必要だとか、検討の余地がないとか言うつもりはない。ただ銃規制は簡単に決着がつく問題ではない。だから今の社会のあり方の中で、どう身を守るかが重要なんだ」

 矛盾はあるものとして対応する。最後の最後に、この国特有の価値観を垣間見た。

引用元:近くで銃声、あなたならどうする (9ページ目):日経ビジネスオンライン

この訓練の様子を日本のTVが取材したとしたら、意地になって「銃規制を強めるべきです!」と叫ぶ人間を探して喋らせるだろう。そうやって「美しい理想」に固執している限り何も改善されないのだがそれでこそ叫んでいる人たちも安全である。私の考えではそれは

「先生にいってやろ」

式の幼稚な考え方だ。つまり頭のどこかに「絶対的な権力」が存在しており、いつかはその人がうまくやってくれるだろう、という何かに甘えた考え方である。多くの反原発主義者の声はそうした「形のない何かへの信仰」に支えられているように思える。

我が国でも小学校に暴漢が押し入る度時々「訓練」が行われていることが報道される。しかしそこでは

「逃げろ」もバカの一つ覚えになってはいけない。生き延びるためになんでもしろ、が正解だ。

引用元:近くで銃声、あなたならどうする (8ページ目):日経ビジネスオンライン

こういう「大人の判断」を強調しているのだろうか?


Apple TVの蹉跌

2015-04-03 06:55

数週間前家にApple TVがやってきた。その結果として家族がTV画面の前に座る頻度は飛躍的に多くなった。「TV」を見ているのは依然として家族のごく一部だが。

つまりYoutubeやら、他のコンテンツを見ているのである。リビングにおいてあるのは「TV」ではなく「大型ディスプレイ」というわけだ。

さてその「効果抜群の」Apple TVだが問題がないわけではない。というかそのインタフェースは端的に言って間違っている。私は狂信的Apple原理主義者だがまちがっているものは間違っている。

何が問題か?起動してから動画までの距離が長すぎる。メニューを選んで選んで選んで選んでようやく動画開始である。

もちろんそれでいい場合もあるのだが、リビングに置いてあるTVはそうではいけない。

親愛なるDocomo様とエイベックスがdTVなるものを始めるのだそうな。これが事業としてどうなるかは知ったことではないが、注目したいのはそのアプリのインタフェースである。

TVのインタフェースはこうでなくてはならない。(細部のダサさには目をつぶるとして)とにかく動画を出し、それを見ながら選ばせるのだ。昔ながらの長い階層構造にAppleが止まっているのを見るのは楽しいことではない。というかあれだよ。Apple TVもアプリを開放して好きなインタフェースを作らせてほしい。それが実現されれば真っ先にGoromi for Youtubeのインタフェースを移植するぞ。

iOS上のアプリは確かに良いのだが、私はほとんどデフォルトのものを使っていない。メーラーとカレンダーはGoogleのものになってしまったしそれでいいのだと思う。であればぜひApple TVも作らせて欲しい。


DeNAにとって大切なこと

2015-04-02 07:07

独ソ不可侵条約の締結以来、この両者に対するインタビュー記事をよく目にする。

何度か書いたことだが、「ソ連」がどういう「国家」であるかを端的に表した部分があるので引用したい。

「ガチャについては、未成年への課金は慎重に考えなければならないし、ユーザーにサービスを誤認させてしまっては問題。ただ、青年ユーザーに納得してもらって使う分には価値のあるサービス。ガチャそのものに問題があるとは思っていない」

――ガチャを入れなければ売り上げは上がらないとの見方もある。

「日本のゲームアプリのランキング上位はガチャが入っているタイトルが多いが、北米の上位はガチャのタイトルは多くない。日本ではガチャガチャのように(くじ引きの)カルチャーが受けているが、北米をねらうならガチャでは多くの収入は見込めない。どんな市場に向けてゲームを出していくかを考えて最適な課金モデルを選択すればよい」

引用元:インタビュー:任天堂と数億人が遊ぶ「ヒット」連打へ=DeNA (ロイター) - Yahoo!ニュース BUSINESS

言わんとすることは

・ガチャは良いものだ。勘違いする馬鹿もいるけど。

・かといってそれがDeNAの本質的価値ではない。どんな手段であっても要は儲かればいい。

つまりDeNAにとって「変わらぬ企業価値」とは「儲けること」なのだな。確かに人間霞を食べて生きていくわけにはいかないが、頭がよくそして「儲けること」のみを貪欲に追求する企業が業績を徐々に落としていく、というのはとても面白い現象だ。

野次馬としては来たるべき「独ソ戦」がどのような形になるのか生暖かく見守ることにしよう。


15年後の真実

2015-04-01 06:58

なんでもgumiとかいう会社のIPOでいろいろなことが起こっているとのこと。

ところで、昨年12月にIPOした、モバイルオンラインゲームの開発・運営及び配信を行っているgumi(グミ)が、3月5日に大きく業績下方修正を行ったり、今年1月に約30億円の銀行融資を受けていたこと、3月27日には、従業員の希望退職を発表するなど、大きく混乱を極め、IPOマーケットに対する不信感が募りつつあります。

引用元:「グノシー上場」徹底分析! 予想PERは異次元の5241倍、適正な株式流動性、個人投資家の大きな関与が効いた稀有なケース  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

でもってこれまた胡散臭いグノシーとかいう会社のIPOも予定されているのだそうな。

年寄りとしては「既視感」以外の感想が持ち得ない。

株式会社リキッドオーディオ・ジャパンは、1月31日、都内ホテルにて「マザーズ上場記念パーティー」を開催した。パーティーに先がけて開催された記者会見も含め、会場では、具体的な新しい話は発表されなかったが、ワーナーミュージックやavexなど大手レコード会社社長や証券会社社長、モーニング娘。やSPPEDなどの人気アーティストが多数参加するなど、同社の存在をアピールするには十分な場であった。

引用元:リキッドオーディオの上場記念パーティーに大物勢揃い

2000年あたりに起こったITバブルではクズもたくさんできたが、Googleとかそのあとに種が残る会社もできた。日本ではあの時何かができたんだろうかねえ。クレイフィッシュとか懐かしいなあ。

しかしまあ反社会的勢力が表にでてこないだけ「前回」よりましか。。