題名:Clinton-part3

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日付:1998/9/15

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1998/10/4

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1998/9/4

今日NHKの7時のニュースで驚くべき報道があった(NHKはそうは思っていないようだが)なんと朝鮮中央通信が「31日の発射は人工衛星の打ち上げであり、打ち上げは成功した」と発表したのだ。

これをなんと理解したものだろう?人工衛星が成功裏に打ちあがっていないことだけは間違いない。もし人工衛星が上がっているとすれば、米国やその他の国が航跡をとらえていないはずがない。実際もし航跡をトラックできないとすれば、それは米国が自国に届くかもしれない弾道ミサイルの追跡能力がないということになる。実際長距離の弾道ミサイルと人工衛星は軌道だけからみれば見分けが付かないのだ。

そこで先日の発表と矛盾するかと言うと、、全文が入手できないのでなんとも言えない。しかし手に入った文章だけから見ると先日の発表は「日本がミサイル発射事件をしたと騒いでいるのはけしからん」と文句を言っているだけであり、確かに「ミサイルを発射したが、そのことについて騒ぐとはけしからん」とは言っていないのである。このときほど2次情報がまだるっこしく感じられる時はない。

今日の発表には捉え方が二つある。一つは、打ち上がったのは本当にミサイル以外の何かだったという可能性だ。今のところ落下物は3つと報道されているがこれは発射されたのがミサイルだとすると確かに多すぎる。弾頭だけを最終的に2段目ロケットから分離する理由がないし、おまけに報道を信じるのならば2段目と弾頭の着弾位置は近すぎるのだ。あれでは何のために3段式にしているのかますますわからない。あるいは北朝鮮はそうした妙なミサイルを開発したのかもしれないが、何かをもっと遠くに飛ばそうとした失敗の結果だとすればあの着弾点の近さは説明が付く。その点だけから見ると、「失敗した衛星打ち上げ」である可能性は確かに残る。東に向かって打ち上げるのは理にかなっているし。ただし仮に打ち上がられたのが人工衛星だとしても警告も無しに他国の上空でぶっぱなしていいことにはならない。

おまけに「ロシアの軍事情報筋」は北朝鮮からミサイル発射の警告があった、と述べているのであるし、もし人工衛星打ち上げだとすれば発射直後にそう発表すればすむことである。もっともあの国だからわざと挑発するような発表の仕方をするかもしれないが。

いずれにせよ私が入手できる情報だけからは、確信をもって「人工衛星」の可能性を却下することはできない。

もう一つの捉え方だが、今さらこれほど見え透いた言い訳をするのは、何か北朝鮮内部で問題が起こっている事を示す物かもしれない、という仮説だ。もし国内が一枚岩であるとすれば、もっと首尾一貫した対応をとるはずだ。今のところ日本の関係者は怒り狂ってはいるが、彼らのミサイル発射の意図について納得できる説明を提出できていない。国威発揚であれば、明日の金正日の国家主席就任を前にしてこんな馬鹿げた説明を出す理由がない。ミサイルの能力誇示であったとして、「売り込み先にはこれがミサイルであるって言ってるからいいや」という理由で、表向きは「あれはミサイルじゃないんだよーん」ととぼけようというのだろうか?これも北朝鮮にしては妙に大人の対応である気がする。

従って一つの可能性として、国内の混乱を表す物、という仮説がのこるわけだ。軍部の一部が暴走してミサイルをぶっぱなしたがいいが、北朝鮮国としてどうやって対応するか決まらずに恐慌を来していても、外から見ると今回のように見えるかもしれない。

あるいは各国から思いもよらず強硬な反対を受けて腰がくだけた、という説もあるかもしれないがあの国がそんなに理性的だとも思えない。

 

とりあえずは頭の上にミサイルが降ってこないことを祈りながら明日の北朝鮮を見守ってみよう。会議に伴い、2発目の発射があるとかないとか、2発目はテポドン一号だ、いやノドン1号だ、いや射程が2000kmを超える大陸間弾道弾だ(ところで何を持って大陸間弾道弾と言っているのだろう)と無責任な情報が飛び交っている。少なくとも彼らにとって国威発揚の意味があるならば明日なんらかの動きがあるはずである。もしなければ彼らが売り込みのデモにしぼっているか、他の可能性だということになる。

 

1998/9/5

親愛なる金正日は国家主席就任にしなかった。というかCNNの言うことを信じれば、国家主席は廃止だそうである。彼は国防委員長で、外交は別の人間に委せるようだ。要するに彼を名目上国の最高の地位につけて、なおかつ人と接触を避けさせたわけだ。彼は今まで人前で一言しかしゃべったことがないので有名である。先日「北朝鮮 その衝撃の実像」という本を読んでその理由がよくわかった。あの男は意味のあることがしゃべれないのである。

愉快なのはこの本に示されている「金正日をよく知る人達」のコメントが、全くこの「肉声」とかみ合わないことだ。曰く「目的をもってやり抜く人」曰く「明晰な頭脳を持ち、社会主義の現実に苦悩している」

今までいろいろな人にあったが、「寡黙で一見何も考えていないようにみえながら実はそうではない」、という人は見たことがあるが、「わけのわからない駄弁を振り回しているが実は頭脳明晰」という人は見たことがない。従ってここでは私としては「人の言うことを真に受けるというのは愚かなことである」という信条をあてはめたいと思う。結局自分でその対象が何を言っているのか当たって自分で判断しなければ、確かな事は言えないのである。

さて朝鮮中央テレビはご丁寧に人工衛星打ち上げの映像まで公開しだした。ロシアは衛星を確認したらしいが、他の誰も確認できないと来ている。これからしばらくは米国と日本は情報確認に躍起となるだろう。これがミサイル発射の偽装だとすれば天才的な言い訳を思いついた物だ。存在の証明は簡単だが、非存在の証明は極端に困難だ。そして軌道上に北朝鮮の衛星が存在しないことが証明できるまで彼らは「ミサイルなんて打ってない」と言うことができる。

インターネットをあさってみたら、「人工衛星打ち上げ」について北朝鮮の公式発表を全文載せているサイトがあった。普通の人が何も知らずに読んだら吐き気を催すような言葉使いである。とはいっても彼らは常にああいう言葉でしゃべるのだからしょうがない。「これは100%、1000%われわれの技術、力で成し遂げた自立的民族経済のもう一つの結実として、朝鮮民族とその友人にとって誇らしく、喜ばしい慶事である」という言葉使いに至ってはまるで小学生のセリフだ。1000%だって?

さて細かく読んでみると確かに最初の発表と人工衛星打ち上げの発表は理論的には矛盾はしていない。ただもしそうだとすれば、何故最初から人工衛星打ち上げと言わなかったのかが理解できない。わざと黙っていて日米を笑い物にしようとしたのだろうか?そんな高等芸が使える国とも思えない。

ただもし人工衛星だった場合、日本にロケットが落下する危険性をおかしてまで、全く無意味な衛星(なんと音楽とチュチェ思想なんとかいうモールス信号を送っているそうである)を上げる理由はなんとなく理解できる。金正日とはそういう指導者なのである。

 

1998/9/11

さて9月9日の北朝鮮建国50周年は怖れていたミサイル発射などはなく、格段のニュースもなく過ぎ去った。今回は日本政府は事前に「ミサイル発射の可能性は否定できない」と慎重目の意見を発表していたが、結局スカッドすらも発射しなかった。

パレードの様子を見ると、以前にビデオで見た金日成が生きていたときのパレードの様子とそっくりである。壇上に金日成がいないのと「人工衛星打ち上げ万歳」なるプラカードが加わったことぐらいが変化か。ソ連でさえ新しい兵器を開発したときはそれを何年かおくれでパレードで示すこともあったが北朝鮮では出てくる兵器は全く変化がない。

ミサイル騒動も「人工衛星でした」という天才的な言い訳の後は、ちょっと気勢をそがれた感がある。しかし危機はそのままだし、人工衛星導入の論議も活発だ。おそらく防衛企業各社がここぞとばかりに提案書の作成に忙しいことだろう。さて例の人工衛星だが、結局北朝鮮とロシアの怪しげな発表以外には誰も軌道をとらえることもできず(最近NASAが人工衛星説に肯定的な意見を出したという話があったが)、信号もキャッチできない。「陰謀論」が好きな人達は「これは各国政府が結託して情報を隠している」と言いたいところだろうが、これほどアマチュアの通信者や天体観測者が存在している世の中でそんなことが簡単にできるとは思えない(もっとも人工衛星が極端に小さい可能性もあるのだが)

今回のミサイル騒動を通じて、ロシアからの情報がいいかげんであることには一種驚きを覚える。タス通信はロシアが人工衛星の軌道を確認したと伝えたが、その後他国が必要な詳細なデータを出してくるわけでもない。ミサイル発射直後には某司令官が「北朝鮮からミサイル発射の通告があった」と発表したが、その後ロシア外務省がそれをいきなり取り消している。どちらが本当にせよ、どちらかは嘘なわけだ。あの国の対外的な情報管理は一体どうなっているのだろう?あるいはそのような管理ができないほど国が混乱しているということなのだろうか。

最近発売された雑誌はほとんど「人工衛星」発表の前のものである。従って内容はミサイル一色だ。それらの記事を見ていると自称「軍事評論家」のみなさまのコメントはまさしく玉石混合(玉は見たことがないが)NHKに必ず出てくる江畑某等はましな方であることがわかった。親愛なるAERAは「軍事的脅威などよりも、日本人の危険過敏症候群が問題だ」などと例によって「悪いのは実は日本」的な論議を掲げている。

 

さて一方これまた親愛なるclintonであるが、見事に国民の支持を取り付けた、と思ったら最近どうも旗色が怪しいようである。理由ははっきりわからないのだが、中間選挙を前に「Clintonでは選挙が戦えない」という声が民主党の内部からも出てきているようだ。例の「釈明演説」は論理的にはデタラメだが、国民は大部分支持したと思ったのだが、何が起こったのだろう?共和党もあまり世論と乖離すると換えって逆効果になるということで、攻撃は控えていたはずなのだが。

さてClintonはこうした批判に答え、あの後あちこちで"I'm sorry"と言ってみたり結構お忙しいようである。ちなみに北アイルランド訪問時にClintonがこのセリフを言った映像を見たが、およそ誠実に物を言っているとは思えないいかにも「いやいやながら」謝罪した口調だった。もっともこれも要するに米国民がどうとるかが問題なのであるが。しかし米国人が本当に自分が悪いときに"I'm sorry"というのは基本的に大変珍しいことなのかも知れない。私が知っている限り連中が"I'm sorry "というのは自分が悪くない、と確信があってかつ上辺だけ取り繕っている場合が結構多いのだが。

スター独立検察官の報告書は下院に提出された。なんとこのレポートはインターネット上で公開されそうである。これこそインターネットのある種新しい使い方だと思う。要約は様々なメディアで公開されるだろうが、どうしてもそこに無意識あるいは意識してに関わらず情報の選抜などのゆがみが入る。いつかNIXONは録音テープの速記録を膨大に出版したが、そんなことをしなくても米国民は報告書の「原文」に触れることができるわけだ。さてこれで今だ国民の大多数は「まあいいんじゃないの」と思っている国民の反応はどちらに振れるだろう?

ちなみに最近までClinton氏に好意的だったうちの母は「どうもクリントンは危ないんじゃないかね」とこれまた意見を変えたようだ。

 

さて最後に国内の雑談を一つ。日本のプロ野球の監督というのは本当に変わった商売だ。腕、あるいは実績よりもとにかく「名前」が物を言うらしい。米国のNFL、NBAでは考えられない話だ。

巨人の監督が長島でいくそうである。あれだけ各チームの4番を金にあかせてかきあつめ、優勝できなくても問題がないらしい。考えてみれば、巨人は勝つ必要など無いのだ。仮に万年最下位だとしても東京ドームは確実に満員になるし、TV中継が減るわけでもない。今回長島勇退の報道に接したファンの声は、日本のプロ野球が技を、力を、あるいは芸を競うスポーツではなく、お涙頂戴のなれあい人情劇であることを改めて示したと思う。

 

1998/9/17

さて今私はアメリカでこの文章を書いている。今日泊まった町は、ネバダ州の砂漠の真ん中にある小さな小さな田舎町だ。ここの人にはどういう生活があるのだろう。

TVをつければ朝から晩まで親愛なるClintonの話をやっている。ホワイトハウスの前にそろそろプラカードをもった連中がでてきているが、どうも目立ちたがりやのおばさんの集団のように見えるのは何故だろうか。

一方大統領の方だが、久しぶりにチェコの大統領と記者会見に臨んだ。言っていることは彼なりに首尾一貫している。曰く「おれには仕事があるんだ。もういいかげんにしろ。おまえらの知った事じゃねえんだ」

最近世論調査が「もういいんじゃない?」を示しているにも関わらず、何故マスメディアが執拗に取り上げるのか考えている。「視聴者の要求に応えるのが使命」がお好きなマスメディアにしては、視聴者の要求とかけはなれた行動をとりつつあるわけだ。この先に「先行投資」したみかえりがあると思っているのだろうか?ニュースのねたがないということはあるまい。あるいはマスメディアは世論以上にこの件を気に懸ける理由があるのかもしれない。

下院である議員が演説していた「普通の人が法廷で偽証をすれば刑務所行きだ。ところが何故大統領は許されるのか?アメリカには個人ごとに異なる法律があるのか?」

全くもっともな議論で、非の打ち所もない。しかし世論はこんなに理屈っぽくはない。「いーんじゃなーい」という反応は変わっていない。

 

1998/9/21

今TVではクリントンの連邦大陪審での証言のビデオテープを放送している。今日は朝からTV各社大騒ぎだ。しかし相変わらず国民の支持は大きい。要するに米国民は「仕事ができるんだから、偽証くらいの罪は大目に見よう」と思っているわけだ。あれだけ訴訟の好きな人達がこういう反応を示すのは何故だろう?要するに連中がやたら訴訟をするのは自分の利益が侵害されるからで、そうでなければどうでもいいと思っている、なーんてうがったことを考えたりする。

さてビデオテープが公開され、TVでは退屈なやりとりが延々と続いている。考えてみればこれは4時間もあるのだ。おそらく今日の昼か夕方にはこのビデオテープの見せ場の要約版が世界中で放送されることになるだろう。

さてルインスキーとの関係を聞かれたClintonはなんと老眼鏡をかけた!この顔は初めて世界中に公開されるのではないだろうか。大笑いである。世界中に有名な政治家が自分が老眼鏡をかけるところを如何に人に見られないようにしたかということについては、ヒトラー、ドゴールなどの例を読んだことがある。

さて彼の答えは基本的にTVで出した声明と同じである。「間違った関係はあったがSexual Relationではない」これが法廷でのしゃべり方というものか。

各TV局が「このビデオテープは子供にみせたくないような内容を含んでいると思われるので、子供が部屋にいないようにしなさい」という警告を繰り返し発している。CNNに至っては放送の途中で話がやばい方に向かうと"Warning"と題がついて「こっからはどぎつい表現があるかもしれないよー」というテロップが流れる。日本では多分ライブで放送しないからいいのだろうが、少しはこうした規制の方向も見習ってほしい物だ。

さてこの後彼は彼なりのSEXという言葉の定義を述べた。その言葉は余りにも難しくて私の語彙では理解できない。従ってその後ラジオを聞いていて視聴者からかかってきた電話の内容を書いておこう。

視聴者「何なのこれは。まるであたしたちみんな馬鹿みたいじゃない。大統領もまるで馬鹿みたい」

DJ:「彼は馬鹿じゃないよ。一応大統領なんだから。今日のニュースの見出しは"Hello?"だと思うけどね」

DJ:「ところで、あんた結婚している?してない。じゃあたとえばあなたが結婚して夫が浮気していると疑ったときに”いったいどうなの?”と聞いたとしよう。

そこで彼が"I don't know what you mean by sex"と答える。どうなるね」

視聴者「そんなのとはおしまいよ!」

さてこのビデオテープがどのような影響を与えるか私の知るところではないが、コメディアンにとって格好のギャグのネタの宝庫となることは間違いないだろう。

 

1998/10/4

さて親愛なるClintonはどうやらいろいろな危機を脱したようである。(前から何度もこのことを言っているような気がするが)少なくとも弾劾の検討にははいるらしいが、国民世論が大統領に指示を与えている以上、米国の景気が悪化することが無いかぎり実際に弾劾手続きにはいることはなかろう。

実質的に弾劾されたNIXONのウォーターゲート事件を扱ったドキュメンタリーを見たことがある。製作はBBCで、放映はNHKだ。私はNHK の受信料を喜んで払うほどNHKの番組を愛しているが、この番組は特に見応えがあった。彼もClintonと同じく死ぬまでしらを切り通したし、途中で「もうここらへんでいいだろう」みたいな発言を何度もしている。実際彼のやったことはClintonよりも遙かに悪質だったが、それでもあの録音テープの存在さえ世に知られることがなければ、弾劾をされることはなかっただろう。従ってClintonが実際に弾劾されることなどまずあり得ないと見るべきだ。

さて一方日本の銀行崩壊対策のほうは、野党が「銀行破綻前の公的資金投入に反対」という些細な事にこだわり、いつまでたっても話は前に進まない。私は経済に詳しいわけではないが、公的資金を投入することが、緊急を要する対策の法案化を遅らせてまで阻止しなくてはならないほど重要な問題なのだろうか?それとも一部自民党の議員から聞こえてくるように「とにかく政権を打倒することしか考えていない」のだろうか?結局民主党も単なる抵抗政党なのだろうか?

「何でも反対」の自由党はとうとう野党の仲間からは共産党と同一視されるようになってしまった。小沢氏が次に何をするか楽しみではあるが。

国家の重大事よりも目先の議席に血眼になるのは、どこの国も同じと言うことか。

 

さて政治とは関係がないが、保険金詐欺の夫婦がとうとう逮捕された。これまで顔をかくし、音声を変えて放映してきたTV局は逮捕の声と共に一斉に実名を公表し、ビデオをそのままで放映しだした。ヘリコプターから写されが夫婦を乗せた車が走り去る画像には、警官と争ってまで、カメラを近くで回そうとするあさましいマスメディア関係者の姿が写っている。実際マスメディアのカメラマンというのは人間であることを捨てなくてはできない側面もあるのかもしれない。そうまでして一枚の画像にこだわるのだろうか。それが深い意味のある写真ならとにかく、単なる容疑者の護送の写真ではないか。

公開されだした夫婦の画像を見ると、これは一筋縄ではいかない相手であることがよくわかる。特に37の妻の方は煮ても焼いても食えないような面構えだ。彼らが二人とも無職であること。そしてTVに映し出された御殿のような家を見れば、彼らが何か変なことをしていることは誰にでも想像が付く。実際今まで明らかになった異常な保健の係り方をみれば、何故こんなことが明るみに出なかったか誰でも不思議に思うだろう。

しかしこの夫婦をとりまく異常な保健契約は、毒物カレー事件が発生しなければ永久に日の目を見なかったかも知れないのだ。となれば自然と「こうした異常な保健契約、表沙汰にならない事件があと世の中にどれくらいあるのだろう」と思わずにはいられない。

うちの母とも「そんなにまでして何億ももうけたいと思うのだろうかねえ」と話した。まあ世の中には理解できないことのほうがよっぽど多いのだが。

 

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注釈

CNNの言うことを信じれば:北朝鮮が正式な発表を出す前、他の全ての報道機関が確認する前に、CNNは(後から確認した結果だが)正確な情報をつかんでいた。Clintonの非公開の連邦大陪審で情報を入手できるのはわかるが、北朝鮮の会議でどうやってそうした情報を入手できるのだろう。出席者から聞いたとすれば、その出席者はまさしく命をかけて情報を提供したことになるだろうに。本文に戻る

 

北朝鮮 その衝撃の実像:(参考文献)ちなみにこの本は古本屋で買った。数ある北朝鮮本の中では結構冷静に書かれているという気がする。本文に戻る

 

人の言うことを真に受けるというのは愚かなことである:(トピック一覧)金正日の知性に対して高い評価を下している人達は、一体何を考えていたのか?これは結構興味深い疑問だ。彼らのうちのある人間は「金正日は、自分に対するお世辞が本当のものでないことを知っている」ことをやたら強調している。しかし神格化される独裁者に共通することだが、彼らは大抵の場合自分に向けられた言葉が「おべっか」だという事を知っている発言をしているのである。しかし同時に彼らはその「おべっか」を止めようとは絶対にしない。彼にはそれが可能であるにもかかわらず。そして「おべっか」と知っていることはその個人が高い知能を持っていることとは必ずしも結びつかないのである。本文に戻る

 

人間であることを捨てなくてはできない:映画”Deep Impact”(参考文献参照)の映画評の項を参照してもらうと、何故こんな表現を使っているかわかってもらえる。本文に戻る