さはやかに

重遠の入り口に戻る




さはやかにそのうちなんとかなるだらふ

以下五郎記:

俳句が趣味だった父だが、特に辞世の句を残してはいない。父が生前所属していた俳句の会の句集に、死後載せていただいたものから私と母が選んだのがこの句。ほかにもいくつか俳句を掲載していただいたが、この句だけ全てひらがな、旧仮名遣いでしかも季語がない。

父は植木等とクレージーキャッツが歌った「だまって俺についてこい」の

「みろよ青い空 白い雲 そのうちなんとかなるだろう」

という一節をよく歌い「これは俺の人生訓そのものだ」と言っていた。

この句を作ったのがいつかはわからない。思うに2017年12月にガンと診断される前だったのではなかろうか。身体の変調について自覚があったのだろう。父のことだから絶対表にはださなかったが。



重遠の入り口に戻る