題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る
日付:2016/8/29


世界真光文明教団本殿:静岡県(2016/7/16)

カーナビ様のお告げに従い、再び伊豆スカイラインに乗る。ほどなく目的地が近づいたことを知る。実はこの場所に向かうのは2度目である。前回はレンタカーで来た。ところが入り口付近に係りの人がおり

「今日は行事をしておりますので、これから先に行けません」

と言う。なんとかなりませんか、と聞くとその人は別の人に問い合わせをしてくれた。結果は否定的だったがその親切な態度は記憶に残っている。

というわけでどこで曲がるべきかなんとなく覚えている。スカイラインを降りて曲がると、「リハビリセンター」という標識が出てきてびっくりする。しかし私が行くべきところへの道路は右手にちゃんと存在しているのだった。そこをたらたら進んでいく。今日は誰も立っておらず私を遮るものはない。

そもそもなぜこの場所に行こうと思ったか。二十年ほど前。私は住宅屋根に太陽電池を取り付ける仕事をしていた。その関係で屋根についてあれこれ調べたのだ。そして「チタン屋根」なるものがあることを知った。値段は無茶苦茶高いが、半永久的に持つと(逆に言えば他の屋根材では何年か何十年かすると取り替える必要がある)そしてチタン屋根の施工例として載っていたのが、今から行く宗教団体の施設だった。その異様な姿は私の心に残り「いつか行ってやるぞ」と考えたのである。

その願いはようやく実現しようとしている。問題があるとすればカーナビの地図が実態の道路と対応しておらず、車が道なき道を走っていることになっていることくらい。実際には舗装道路がちゃんとあるし、おそらく方向は合っている。とはいえ最初に建物の姿が見えた時はやはりほっとした。

全景

幸いにして今日は何も行事をやっていないようだ。実はこの写真は最後にとったもの。その時の私は建物の脇にある駐車場に車をとめてくてく歩き出す。ぶぃーんという音が聞こえるから何かと思えば、機械で芝を刈っている人たちがいる。下の写真左下にあるのが私の車。建物の大きさがなんとなくイメージできるだろうか。

比較


近くによってあらためて建物を眺める。

全景
全景
全景

角度によってはどこかカブトムシを思わせる造形である。足がうじゃうじゃはえていて、ツノが出っ張ってるでしょ。
などとのんきなことを言っていられるのは私がこの建物自体にしか興味がないから。先ほどみた広大な原っぱを横切りこの階段を上る時感動に打ち震える人もいるのだろう。近くによってみる。

ICカード

まずここを参拝することは、信者にとって「おめでとう」と言われるべきことであることがわかる。次にICカードを持っている人とそうでない人がいるらしいことがわかる。人影は見えず扉は閉まっている。あるブログには、信者でなくても中をみせてくれるとあったが、どうやら今日は無理そうだ。

浄化

ちなみに1、2レーンにはこのように「清浄化者」の入り口となっている。この4文字が何を意味するのかは私にはわからない。ただなんらかのICカードを持っている人でも清浄化者とそうでない人がいることがわかる。

浄化

こんな看板もあったから何らかの助けを歓迎する人の意味なのかもしれない。あるいは清浄化者+助けを歓迎する人はバスにのっていいということか。ガラス扉から中を覗き込むと何かが見えるのだが、写真撮影は遠慮しておく。建物の横に回る。

チタン屋根

いくらかかったか想像もつかないチタン屋根が綺麗に発色している。よくみると色が異なっていることがわかる。これが偶然の産物なのか最初から計画されたことかはわからない。
再び正面に回る。ツノが連なっている。空には曇天を背景に鳥が飛んでいる。草を刈る音が聞こえて来る。

ツノの列


みるべきものは見た、というわけでその場を後にする。敷地内にはちらほらと別の建物も見える。ここに人があふれるときはどのような光景なのだろう、とぼんやり想像する。

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注釈