題 名:巡り巡って

五 郎の 入り口に戻る

日付:2007/9/9


木 造駅 & カルコ:青森県(2007/8/11)

少 し前のことであるが、人材派遣会社に応援のスタッフをお願いしたことがあった。愛知県の様々な観光名所のデータを集めて貰うためである。とはいっても何の 見本もなしに お願いするのはいやだからまず自分でサンプルを作った。元ネタとして使ったのは当然のことながら「巡り巡って」の愛知県の部である。そりゃ愛知県で重要な スポットと言えばこれでしょう。
来てくれた人はそのサンプルリストを見て「なんですか?この変な大仏は?」とは言わなかった。えーこ んなところがあるんですか、と結構興味をもってくれたのである。そして
「実は私が高校のころ住んでた町の駅は、土偶だったんです。でもって電車 が来ると目が尋常ではない光り方をして、それを観ると必死でダッシュしました」
と語ってくれたのだ。
そ の話を聞いてからというもの私の頭の中にはその「土偶の駅」が存在し続けている。そして私は今その場所に向かおうとしているのだ。例によってカーナビ様の お告げに従いハンドルを切ることをしらばく。ある角を曲がったところでそれはいきなり現れた。
遠くから見た土偶
土 偶である。駅である。かなり遠くからだと思えるのにこの大きさはいかなることか。交通量が少ないのが幸い。車をとめて写真を撮る。また車を発進させる。す ると奇妙な感覚におそわれる。土偶がだんだん巨大になっていく。私は一直線に車を走らせている。土偶に向かって。いったい俺は何をやっているのだ。

な どと考えているうち駅に到着である。
土偶ー近く
周辺を歩いてみ る。小さな公園のような場所があるのだが、両脇にはこんなものがある。
故障00
故障01
どちらにも入り口とお ぼしきところに「故障のため使用できません」と書いてあるが、故障していなければいったいなにに「使用」できたのだろう。その間にはステージらしきものが あるのだが。
そこに立っていても答えはみつからないので再び駅に向かってみる。ここの写真は何度か見たことがあったが、どの写真もそ の巨大さを伝えていないように思う。入り口にあたる場所の左足が欠けているのだが、そこを撮ってみる。写っているのは右足。
入り口の足
や はり人間と一緒に写さないと巨大さを表現できないか。駅の中では女子高生がのんびりと携帯電話などいじっている。ということはまだ電車はこないのだろう。 尋常でない光り方をするという目をみてみたかったが、電車がくるまでここにとどまるのもなんだ。というわけで再び車を走らせる。
行き 先は「カル コ」とか案内図に書かれている場所。それはいったい何なのだ、とハンドルを握る。この町ではすべての掲示板が土偶になっている。その昔土偶を作った 人もまさかこんなことになるとは思ってもいなかっただろう。ついてみるとそこは市役所の隣である。ということは立派な施設なのだろうか。
カルコ
これがカルコである。名前の 由来については入り口上の看板に書いてあった。
題名
いったいどこをどう略せばカ ルコになるのだ。というか略称を最初に決めてあとは適当に英語を考えたのでは無かろうか。そもそも日本語名と英語名が全然対応してないし。
210 円払って中に入る。受付にいた女性は「まさか客がくるとは」といった雰囲気を漂わせている。はいるといきなり7/10という不思議なスケールで復元された (ここに「復元」と「 復原」という言葉の差異についてあれこれ書いてあったが、暑さで頭がぼけていたので何も覚えていない)中にはいってみるとこんな人達がいる。
人々
縄文人はいいとして、この 看板はなんなのだ。
古代語
無茶苦茶にぶれているが、左が古代語、右が現代 語。現代語は「あなた達は誰 どこから来たの アハハゆかい ゆかい まあゆっくり 見ていって下さい。 わが友よ」

そ のうちセンサーか何かに反応して縄文人達がしゃべってくれる。もちろん「古代語」だ。ナムタチタライチョ インズクヨリキタリチモノチョ... 途中なんだか笑っているところだけはわかるような気がする。後ろには 赤いLEDがシンクロして古代語を表示してくれる。そもそもこの古代語はどうやって復原したのか、と聞けばきっとものすごくどうでもよいことを延々聞かさ れるだろうから聞かない。そもそも誰にも正解などわからないのだ。
そこを出たところには遮光土器の複製が飾ってある。
レプリカ
ちゃんと左足がかけてい る。ということはさっきの駅で右足が欠けていたのは、入り口を確保するためではなかったのだな。二階には土器のかけらが並べてあり、学問的には貴重なのか もしれないが私のような不心得者にはあまり興味はない。
というわけでカルコ見物はおしまい。ハンドルを握ると次の目的地に出発だ。

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注釈