題 名:巡り巡って

五 郎の 入り口に戻る

日付:2007/4/20


シェー クスピアカントリーパーク:千葉県(2007/3/30)

養老の滝を後にした私はひたすら南下する。しかし細い 道を選んだのは間違いだった。予想したこととはいえ道は曲がりくねり、そして対向車がくるたびに肝を冷やす。すべてちゃんと対面でくぐり抜け られたことがとても幸運なように思えてくる。
しかしありがたいことに何事にも終わりはある。そのうち広い道路にでた。外房を南下して いるので左手に海がある。大荒れである。鴨川シーワールドというものがあるらしい。こんなところに、と驚くほど立派 なホテルやらなにやらが立ち並んでいる。かなりの数の人が歩道を歩いていく。今日は平日だというのに。仮に私の家からここまでこようとすれば何時間かかるのだろう。もう少し行くと「田舎ぐら しの相談所」というところがある。首都圏として丸ごと扱われることの多い千葉県だが、確かにこの辺は「田舎暮らし」という言葉がぴったりするだろう。考え ようによってはここらへんで暮らすのもいいかもしれない。確かに田舎だけど少し行けば東京に出ることができるし。
などと考えているうちシーワールドは後ろに消える。左手の海を見れば巨大な波がつぎつぎと押し寄せてくる。そのうち次の目的地らしきところが見えてきた。駐車場入り口があるのかな、と思い少し進むがそ のうち何もなくなってきた。あそこで曲がるべきだったかとUターンする。
道を曲がって少し進むと前方にそれらしきものが見えてきた。 どうやらここらしい。駐車場に車を止める。しかし繁盛しているな。
風車
いきなり目にはいるのは遠 くにある風車である。建設中の道路。風車。なんだこれは。なぜ田んぼの中に回っていない風車がある。最初これは今から行くところに何か関係があるのかと 思ったが、そうではないらしい。ここの町自体のシンボルなのだそうな。
などといつまでも駐車場で喜んでいるわけにはいかない。てくて くと歩き出す。するとこんな光景が目に入る。
ポスト
Welcome to Maruyama Machi。シェークスピアだから英語である。英語なのだがここは千葉だ。「〒マーク」も鮮やかなポストがそのことを物語っている。そもそもなぜここに シェークスピアの何かがあるのだ。あるサイトによれば

「田園風景の広がる千葉県丸山町には、かつて「風車」が立 ち並んでいました。水田の揚水に使われていたものです。
ま た、気候の似ている地中海沿岸に自生するハーブ「ローズマリーに着目し、この二つを組み合わせて「風車とローズマリーの里・丸山町」をキャッチフレーズに まちづくりを進めてきました。そしてそのシンボルとしてローズマリーガーデンが誕生しました。
また、シェイ クスピアの作品「ハムレット」などにローズマリーなどのハーブがたびたび登場していることから、風車・ローズマリー・ヨーロッパ文化・シェイクスピアへと 広がり、世界的にみてもユニークな「シェイクスピア・カントリー・パーク」へと結びついていきました。」

風車とローズマリーまではいいとしても、そこからなぜシェークスピアがでてくる。単に誰かが好きだったんじゃないかな、とか妄想を広げながら中に入るとそこは至極まっと うなシェークスピアの世界である。
入場券を買うと「11時から2階でロボットが動きます。それとこれに正解すると粗品をさしあげま す」と言われ紙を渡される。時計を見れば11時近くではないか。急いで2階にあがる。ここはシェークスピアが晩年住んだニュープレイスを復元した場所らしい。作りがかわっ ているのでどこに階段があるのか分かりづらい。2階に上りそれらしき部屋に入る。するとシェークスピアが書いた舞台のいくつかのシーンを再現したとおぼし き人形がいる。順々に台詞をしゃべっていくのだが、それが結構うるさい。部屋の奥にはロボットがいる。
ロボット

もうはじまるかと思いおとなしくまっているが何も起こらない。暇だから部屋を巡り渡された問題の答えを探す。そのうち人が集まってくる。まだロボット は動かない。いくら私の時計が進んでいるからといってちょっと遅いのではなかろうか、と思ったところでようやく右奥にあるディスプレイに誰かが映る。なん でもシェークスピアの友人でありスポンサーでもあった男を誰かが演じている。このディスプレイ内の人物とロボットがあれこれ対話をしてシェークスピ アに関して説明をするらしい。なぜ「らしい」かと言えば声が小さくてよく聞き取れないからだ。
そ のうち声と動きが止まるのでどうやら終わったらしい。さて、ということで問題の答えを探しにあちこちうろうろする。面倒だから適当に回答をしてしまおう か、と思うのだが、答えはそこかしこで簡単に見つかる。庭は見事な英国風(らしい)なのだが、そのバックに見える日本の風景とのコントラストが美しい。
コントラスト
風車の対比
と いうわけで回答を求め、ひたすら園内を進んでいく。次にはシェークスピアの生家(もちろん復元されたもの)に行く。ガイドさんとおぼしき人が何やら説明している。そ れを横耳で聞きき、椅子が3本足なのは、当時の床が石で作られておりでこぼこしていたので安定させるためだ、と無駄知識を得る。その間も目はひたすら「ど こかにこの問題の解答はないか」と思ってきょろきょろしているのだが、やはりこういうものも目に入る。
歩行
 歩行を補助するためのものらしい。とても頑丈な作りで、これだとかえってけがしないかな、と心配になる。
庭 にでるとローズマリーを使ったソフトクリームを売っているので食べてみる。まあ普通においしかった。というわけであらかた回答は見つかったのだが、最後の 一つが分からない。ピーターラビットのチョッキの色は、という問題だ。ここまでくるとシェークスピアから離れているような気もするが気にしない。なんとな く「赤」と決めて最初に券を買ったところに戻る。するとピーターラビットの人形が置かれており、私の勘はまたしても違っていたことを知る。
はい、と提出するとさっさっと採点してくれる。こういうのは何度やっても苦手だ。100点とのことで、粗品をもらえる。(この写真は自宅で撮った物)
粗品
鞄にいれておいたので箱が崩れてしまった。中には服をきたカエルの人形が入っている。
といったところでシェークスピアカントリー見物はおしまい、と思い外に出るとなぜか
「和泉流宗家記念館」
がある。和泉流19世がシェークスピアを狂言の世界に取り入れるなど、とにかくシェークスピアでつながっているのだそうな。という説明の下には「和泉節子」と何かと話題の名前が書いてある。中はみなかったがそこそこ人がいたような気配がある。
和泉流
でもって駐車場にあるみやげもの屋はやはりこんな感じなのだった。
miyage

英国調だかなんだか分からない赤い屋根と頭に手ぬぐい?をまいたおじさんとの対比が美しい。やはり日本だからたべるのは「そば・うどん」である。

さて、ということでハンドルを握る。次に行くのは今日最後の目的地。事故を起こさないよう気を引き締めて運転だ。

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注釈