題名:巡り巡って

五郎の 入り口に戻る

日付:2006/10/4


南蔵院: 福岡県(2006/8/17)

博多に戻る途中で外を見ながら考える。雨がぱらぱら降ってきた。どうも台風が接近しているようだ。おまけにUターンラッシュが始まるらし い。体も重くて気力も萎えかけている。昨日強烈な熱気の中を歩き回ったのはつらかったよなあ。というわけでもし新幹線の指定席がとれれば帰ってしまお う。そう だそうだそうしよう、というわけで駅で新幹 線の空き状況を見る。座ることができるのは12時過ぎの列車のようだ。今はまだ午前9時前。となるとここで数時間を無為に過ごすわけにはいかない。指定席 をとると再びJRに乗る。次の駅で乗りかえことこと揺られる。昨日通った長者原という駅を通る。ということは昨日の帰りにでも寄れば近かったわけか。と頭 で理解はできるが昨日よれよれしていた状態でそんなことが可能だったとは思えない。その名も城戸南蔵院前という駅で降りる。この駅は元々別の名前だったら しいが、あまりにも次の目的地に行く人が多くなったので駅を改名したとのこと。というわけで駅舎もそれっぽい形である。
駅舎
駅から外にでて「さて」と思う。駅前にある地図を見てそれらしき方向に歩き出す。門前町とでも呼ばれる場所なのだろうか、何軒かあれこれ売っている店があ る。そして驚いたことにそれなりに繁盛している気配がある。私が行くところはいつもさびれているから、「過去に店があった場所」 はたくさんあるのだがここはちゃんと 生きている。いや、店が開いていることに驚く、というのもいかがなものかと理性で分かってはいるのだが。
交通量の多い道があるがそこを渡ると南蔵院の入り口のようだ。
入り口
地蔵様がうじゃうじゃあるが、そのまま前に進む。するとまずでてくるのが、この方である。
布袋
お腹の辺りだけ色が変わっているのは皆がなでるからであろう。本当の中年男の突き出た腹は誰もなでないだろうが、像になるとなんとなくなでるものだろう か。
その後出てきた物を順序よく説明することは難しい。比較的狭い空間にいろいろなものが配置されているからだ。まず近くにこんなのがいる。
猫
「ネコは水がきらいです。お願いですから、ぼくに水は かけないで下さい。みんなの幸福を祈るのにかぜをひいたらこまります。ニャンでもお願いしてくださ い」
だそうである。この後も何度かネコが出てきたような気がするが、このお寺はネコに思い入れがあるのだろうか。大物としては、少し登ったところにこんな 方がおわす。
不動明王
あちこちで不動明王を見てきたが、目玉が上下に離れているのは仕様なのだろうか。その先、山の方に道は続いている。ちょうど光りが仏像を照らしている。
明かりの中
ここは細い道になっているので、元来た所に戻るためには、反対方向に歩く人の列が途切れるのを待たなくてはならない。そういう事を意識するほどここには沢 山の参拝者がいる。つまりはやっているのだ。本堂の前を素通りし-この間何も無かったわけではない。ただ私の歪んだフィルターにひっかかるものがなかった だけだ-進んでいくとこんなトンネルがある。
トンネル
トンネルの中にはびっしりと人の名前を刻んだ何かが貼り付けられている。そこからかなり歩く。途中の道がまたよく整備されている。地面には滑らないように とゴム状のものが貼り付けられている。ううむ。人がたくさん来ている場所は違うなあ。
その先にはこんなものがでてくる。
佛の下
何かの下と思しき場所には売店が並んでいる。いつもならこういう売店には人の気配がなく、こちらはなんとなく気の毒になって足早に走り去る。しかしここに ある店からは余裕が感じられる。左手には石で作られた水の通路があり、その端にはこんなものがいる。
三匹の猿
そこから階段を上ると涅槃佛とご対面だ。
涅槃物00
てくてく歩いて正面に廻る。雨上がりの空を背景にした仏様はどこか平和な感じで大変よろしい。Wikipediaを信じれば、この涅槃仏ができてから参拝 者が急増したとのことだが、全国にあまた存在する人のあまりいない大観音との差異はどこにあるのだろう。
仏様の前には一年365日(たぶん)を記した何かがある。これがあればとにかくいつでもお参りできるのだそうな。自分の誕生日の何かを写真に収めると仏様 の裏側に回る。500円払い護摩木をどうにかすると中を見 ることができるそうだ。500円はなんともないが、私のような不信心物が護摩木をどうにかすると真面目にお祈りしている人の効果が薄れるかも知れないので 遠慮しておく。お砂踏みだけだったら無料とのことで履き物を脱ぎのそのそ歩く。
お砂踏み
例によって88カ所の何かがあるなあと思いながら歩く。しかし通路の終わりに出くわしたのは意外な方々だった。
ペ チェ

よくは知らないが冬ソナの二人である。ううむ、こんなところまで。書いてあるメッセージを読めば「韓国の人もたくさんお参りしている」ということだが、確 かにここに来ている人の中には日本以外の国から来たアジア人もいるように思う。出口近くには、ここを「オープン」したときの写真が飾ってある。
オープニング
ううむ。坊主の群れだ。これだけの坊主をどこから集めてくるのか。そこを出ると仏様の足の裏を拝見する。
足裏
なにやら説明があり、その昔は仏像を作ることはせず、足跡だけ作って拝んでいたのだそうな。その先にはこんなものがある。
俵投げ
なんでも赤いところに投げ込めると何か貰えるとか。何人かがチャレンジしていたが、やはり坑に命中させるのは難しそうだ。って気が付けばここにもネコが。
といったところで南蔵院見物はおしまい。いくつかのサイトによれば、ここには涅槃佛のプリクラがあったらしいのだが、今回私が見た範囲ではみつからなかっ た。とにかくここは繁盛している。その秘密は何だろう。篠栗四国八十八箇所の一番札所らしいが、そのためだろうか。などと考えながら駅のホームからぼんや り眺めれば、仏様の頭部だけがちらちら見えるのだった。
頭

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注釈