題名:巡り巡って

五郎の 入り口に戻る

日付:2006/8/4


志免立坑櫓-志 免工業所 立坑櫓:福岡県(2006/8/16)

成田山久留米分院からバスでJR久留米駅に戻る。電車にのり博多を通り越し、香椎というところで降りる。この駅の名前を聞く度練習巡洋艦、香椎、香取とい う名前が頭に浮かぶ。別の路線に乗り換えたら香椎神宮という駅があった。やはりここのことなのだろうか。
などと考えている間に変なことに気が付いた。列車の中に「警備」という黄色い腕章を着けた男性が3人も乗り込んでいるのだ。最初は単に移動のため乗ってい るのかと思ったがそうではない。車内に鋭い視線を走らせている。彼らは何なのだろうか。こうやって乗っているとのんびりしたローカル線としか思えないが何 かトラブルでもあるのだろうか。
などと言っているうちに降りるべき酒殿駅が近づいてきた。さて、ここからどちらに歩けば良いのだ、と思う間もなくそれは遠くに見えてきた。
駅から見る
これだこれだ。というわけで電車から降りる。駅には何もない。係員が一人おり、切符を受け取ってくれる。調べれば近年まで小さな駅舎があったが、放火によ り消失したとのこと。しかしそれは後で知ったこと。とにかくあちらに向かって歩くのだ。

とはいっても道がすんなりつながっている筈もない。不思議なことだが、同じようにてくてく歩き出した人が他に二人おり、期せずして同じようなルートをと る。私は車がたくさん通っている道路を行けば良いだろうとそちらを目指す。確かに方向は正しいようだが、交通量が多く、車とたくさんすれ違う。いつものこ とだが

「この車を運転している人のうち、一人居眠りしていたら私の人生は終わりになるのだな」

などと考えながら歩き続ける。視界が開けると意外な物が見えてきた。

ショッピングセンター
左には目的地があるが、右は巨大なショッピングセンターだ。おまけに広大な駐車場はほとんど埋まっている。駅の回りには何もなかったが、ここにはたくさん の人が住んで生活しているのだ、ということを改めて知る。少しショッピングセンターの中で休みたい気もするが駐車場を歩いている間に行き倒れになりそう だ。そのまま直進する。ある交差点を曲がるとすぐ近くに見えてきた。
裏から
あとはあの坂を登れば良いだろう。てくてくあるく。すると目前に現れた。

全貌
逆光で
回りから
拡大図
クローズアップ
ここに関する説明はネット上に沢山存 在している。私なりに要約すればここにはかつて国営の炭坑があったと。そしてより深い場所から石炭を掘り出す為に、昇降する機械を取り付けた高いタワーが必 要になった。そのため、この櫓が昭和18年に作られたとのこと。昭和18年といえば戦時中。戦局が日に非となっていた時期だ。その後炭坑が閉鎖されても この櫓だけは巨大すぎて壊すこともできずそのまま残されたとのこと。
この施設の保存に関してはいろいろなことがなされているようだ。最近作られたと思しき円形のフェンスが回りを取り囲んでおり、その回りには歩きやすいよう になにやらが塗られている。このフェンスは元々あった駐車場を一部つぶして作られている事が分かる。
パーキング
かつてここはどのような風景だったのだろうか。数 年前には回りになにもなかったようだが今は隣になにやらファンシーな施設ができており、子供がたくさん遊んでいる。もし私が近くに住 んでいればこういう施設はとても有り難いと思うだろうが、両者を並べてみるのは興味深い事だ。
ファンシーな建物と
再び立坑櫓の近くに戻りぐるりと廻る。たくさんある窓のうち、一つだけから空が見える。
窓から空が
時々飛行機が櫓をバックに飛んでいく。両者を写真に収めようと何度かトライしたが、一番まともに写ったので是である。右端下の方にうっすらと写っている。
旅客機が
しばらくその場にたたずんだ後歩き出す。帰ってから知ったのだが廃止になった鉄道の駅が鉄道公園として近くにあったとのこと。見逃してしまったあ、とくやしがる のは後でやったことでそのときはとにかく「帰り道はどこだ」とうろうろする。完全に方向が分からなくなっているが、勘に従って歩き出す。まああんだけ巨大 な モールがあるから分かるだろう、と思いつつ歩く。モールが見えてきた。その先に「酒殿」という交差点がある。ここまでは好調に来た。問題はここから。どち らに行けば良いのかよくわからない。別の駅の名前が標識に記されている。ということはこの方向に行けば間違いなく駅にいけるわけだ、と思いそちらに歩き出 す。

これも後で知ったことだが、私はとんでもなく馬鹿な道を歩いていた。あと数百メートル歩けば元来た駅にたどり着けたのだが、ほぼ2倍の距離を歩いてもう一つ 先の駅にたどり着いた。こちらのほうが駅舎が立派で、休むのに丁度良いだろう、と思ったらこういう時に限って電車がすぐ来る。一息つく間もない。電車の中 は冷房が効いており

「ああ、人類の進歩って素敵」

と思う。この列車にも警備員が3名乗っている。やはり何かがあるのだろう。聞くのは憚られたが。乗り換えて博多に着き宿を探す。ほとんど何もしないで寝て しまった。やはり疲れていたのだろう。

for more information..

Unfortunately, I could not find any web page which explains "Shaft Tower of Shime Coal Mine"  written in English.

Followings are the list of web pages (written in Japanese) which has interesting pictures of "Shaft Tower of Shime Coal Mine". I hope it might be interesting.

http://all-a.net/a_map/jp_fukuoka/shime.html

http://kyushu-heritage.jp/map/06shime/06shime.html

http://homepage2.nifty.com/furusho/ritoup.syasinsyu.htm

http://www.tateko.com/about.html

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注釈