題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2005/8/20


石仏の森、石像の里[石仏編]:富山県(2005/8/15)

無料休憩所を出るといきなり仏像が続く。そのうちいくつかの羅漢様はたすきを掛けている。

このたすきはなんだろうな、と考えつつ先に進む。入り口近くには名前は知らないけれどとにかく羅漢以外の仏像が並んでいる。

一番手前で満足げな笑顔を浮かべているのが古河氏の像だろうか。足下に気を付けながら階段を上るとそこには羅漢がたくさんいた。一見綺麗な芝生に見える場所は、既にして水溜まりと化している。気を付けなければと思うがそこを避ける手だてもない。ええい、どうせ全身ずぶぬれ覚悟なのだ、とじゃぶじゃぶ進んでしまう。

夏草が生い茂っており簡単に全体像を把握することはできない。ここまでか、と思うとまだ羅漢がでてくる。

雨音がざぁっと鳴り気が付けば大分奥まで来たようだ。振り返れば数多くの羅漢は身じろぎもせず(石像だからあたりまえだ)湖面に向かっている。

この光景を見ていると雨音が羅漢達が挙げた声のように思えてくる。奥に進むにつれ足下は危うくなってくる。ここでこければ全身泥だらけとなるだけではなく頭なんぞ打った日には私もこの像の仲間入りである。しかしここの構造はどうなっているのか。通路に区切られたいくつかの区画になっていることはわかるのだが、一つの区画にはまったく羅漢がおらず、夏草だけが茂っている。

後で読めば先ほどもらったパンフレットに八百羅漢と遊ぶ方法として「拝む・数える 触れる・比べる 好きな顔・嫌いな顔...」などのポイントが記載されている。その日私は「持ち物」に着目しだした。実にいろいろなものを持った羅漢がいる。

いつも胸に?マーク

柿になっちゃいました。

頭を持っちゃいました×2

そのうち先ほどの休憩所に近いところに戻ってくる。そこには立派な階段があるのだが、その先はコンクリートブロック一枚の幅しかない細い道になっている。やっぱり変な気がするが整然とした区画などになっていない方がぐるぐると楽しんで羅漢の間を回れる、ということなのかもしれない。晴れの日であれば。雨は降り続けている。そろそろ次の場所に行こうか。広い道路に降りるとようやく看板を正面から見ることができる。

前に牛がいるのだが、かわいそうなことに角と耳が折れてしまっている。無料休憩所からは光が漏れている。あの男性は一人であそこに座っているのだろうか。ふと気が付けば女性が一人一番大きな仏像に向かって何事か祈りを捧げている。この場所を作った人には仏教施設との関連を持たせる気はなかったそうだが、そこに仏像があれば手を合わせるのが人の心というものであろう。

そこからしばらく進むと道が細くなる。幸いな事に車はいない。細くて交通量の多い道を歩くというのは実に楽しいことではない。トンネルがあり、傘をたたんで少し休む。それまで細くなる一方だった道だが、ここで公園のようなものが湖側に見えてくる。少しほっとしながら歩を進めるとそれはあった。

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注釈