題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2004/2/7


Monte Palace Tropical Garden : Madeira Island(2004/1/15)

常春の島-Madeira Island。大西洋に浮かびポルトガルに属するこのマデイラ島になぜ私がいるかはとりあえず気にしないことにする。とにかく来てしまったのだ。

理論上、昼間はホテルから一歩もでないで会議室にいるはずなのだが、はたしてそれだけでいいのだろうか。部屋に置いてあるガイドブックのようなものをぱらぱらと眺める。すると怪しげなOriental Gardenが載って居るではないか。おそらくこれを作った人は信仰とかそんなものとは何の関係もなく之を作ったのだろう。しかしとにかく変な物があるのだ。ここに行かないで島を離れてもいいものだろうか。いや、いけない。

というわけでホテルからてくてく歩いて市の中心街に至る。なんだか小学生のField Workでもやっているんだろうか。そこら中にうじゃうじゃいる。でもって彼らと彼女たちが何を観ているかと言えば巨大なQueen Mary 2号である。

あんれまぁ。大きな船だんべ、と感動するが足はとめない。そこからしばらく歩いたところにゴンドラ乗り場がある。列に並んでいるのは老夫婦ばかり。一人きりの東洋人はさぞ異様なのだろうが、気にしない。ゴンドラに乗るとぐいんと動き出す。その30秒後に私はある事を思い出す。私はひどい高所恐怖症なのだ。年をとるごとにひどくなっていて、昔は平気だった観覧車も最近はだめ。このゴンドラはそれより恐ろしいではないか。しかし一緒に乗り合わせた人たちにそれを悟られるのもいやだからアルカイックスマイルを浮かべたまま硬直する。

ゴンドラが降り場につくと一安心。さて目的地はどこだと思いぐるぐる歩いたのだが、みつからない。これはどうしたものだんべ、と思っていたらゴンドラ降り場のすぐ近くにあった。ふらふらと中に入ろうとするとブースからお姉ちゃんがわめいている。中に入りたければ金払えということらしい。はいはい、と7.5ユーロ払うと中に入る。

ガイドブックで観たときは結構珍なスポットにも見えたのだが、こうして実際訪れてみると珍よりは退屈なスポットの雰囲気に満ちあふれている。だいたい入場料高いし。日本円に直すと、、などとぶつぶつ言いながら階段を下る。すると前方になにやらあやしげな物が見えてきた。

どうやらここがJapanese Gardenと呼ばれるエリアらしい。日本といってもとても広いし、いろんな妙な物が存在することを知っている。(わざわざ妙な物を探してあちこち巡る私のような人間が存在するくらいに)従って一概に奇妙だと言い切れないのだが、やはりこれは変な気がする。

たしかに家紋みたいに見えるのだけど、、鶏が上にあり、下のほうでは鯉が滝を登っている。とはいってもこれが絶対日本にないとは言い切れない。どこかではこれが普通なのかもしれぬ。仏像もそこらに点在しているのだが、こんな像もある。

いや、やはり日本のどこかではこうして像を並べるものなのかもしれぬし雲龍寺にならんでいた像はもっとおかしかったぞ。もう少しわかりやすく間違ったものはないものか、と歩き続ける。あれ、あそこに見えるのは鳥居ではなかろうか。しかし日本でも鳥居があるお寺もあるしなあ。などと考えながら近づいていく。するとそこには私を安堵させるものが存在していた。

手前の灯籠が変な気がするけどまあ気にしないことにしましょう。でもこの二つが合体した鳥居はどうみてもおかしい。ここは道が二つに分かれる場所なのだが、だからといって鳥居をくっつけちゃいけません。その隣にはおそろいの色に塗られてしまった休憩所のような場所がある。

やれやれ、ようやく自信をもって間違いだと言えるものが見つかった、とそもそも何をしにきたのかさっぱりわからなくなったところでここの見物はおしまい。たしか下にいくとワインが一杯飲めるとか言われたけどこの坂をまた上り下りするのはいやだ。帰りはアメリカ人とおぼしき若者5人と一緒にゴンドラにのる。また恐怖の時間だが、今回もアルカイックスマイルで乗り切りました。

おまけ:大通りに面した廃屋

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注釈