題名:私のMacintosh

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40章:PowerBook G4その2

今 日は2005年8月の30日。これを書いているのはPowerBook G4だが、CPUのクロック数は1.5GHz, メモリは1.25GByteである。2003年に買ったものはG4@868MHz & 640MB RAMだったはずなのだがどうしたのか、といえばちゃんと理由はある。

別の文章に 書いていることだが、私はとある理由でお上からお金をもらいソフトウェアを開発することになった。となれば新しいマシンを買うしか無いでしょう。そうで しょう。ちょっと前にCPUがIntelに移行することが発表されたばかりだったが、まだしばらくはPower PCも使えるだろうし。

と いうわけでその時手に入るPower Book G4 12inchで一番あれこれ付けた物を注文する。細かい事を言えばこれが手にはいるまでには予想よりも大変長く時間がかかったのだが、まあお上の仕事だか らしょうがない。とにかく新しいマシンだ、るんるん、とセットアップを始める。

とはいっても新しいマシンのセットアップも昔とは大 分変わった。まず新しいマシンを使えるようにして、それから必要なデータとアプリケーションを移動して、、とかなり時間をかけてやっていた覚えがあるのだ が、OS X 10.4 Tigerからはこれが大幅に簡略化された。Fire Wireで新しいマシンと古いマシンを接続し、古いマシンをディスクモードにする。(こうすると古いマシンは外付けハードディスクのように見える)でもっ てなんとかウィザードを立ち上げるとひたすら古いマシンの一切合切を新しいマシンにコピーしてくれるわけだ。

と書いているのと同じ くらい手順は簡単である。一度動き始めてしまえば後は待つしかない。正確な時間は計っていなかったが2時間かからなかったのではないかと思う。(その間昼 寝していられることが昔との一番の差異だ)終わりましたよん、と言うから新しいマシンを再度立ち上げる。どの程度完全にデータが移行できている物やら、と 多少懐疑的であったが結果は一言で言えば

「そのまんま」

である。何の変化もない。すばらしいと言えばすばらしいのだがあまりにそんまんまなので何だか感動もない。最初にアプリケーションを立ち上げるとき「最初ですけどいいっすか?」とか聞いてくるのが唯一の変化か。

と はいってもCPUのクロック数は2倍にもなったんだし、さぞかし早くなるだろうと思えばこちらも「まあ早くなりましたかねえ」という感じである。元の Power Bookで何が耐え難かったかと言うとアプリケーション切り替えの時に虹色カーソルがでて動きが止まるのがいやだったのだが、それがあまり改善された気が しない。

とはいっても、Javaの開発環境であるEclipseはそこそこ快適に動くようになったし(このプログラムは Windowsマシン上では実に快適に動くのだが、mac上では今一だったのである)バッテリの持ちも良くなった気がする。クロックが上がっているのにも かかわらず長時間使えるというのはやはり技術の進歩というやつであろうか。

さて、注文した仕様通りのPowerBookが最初から届いたわけではなかった。メモリは別に送られることになっていたのである。それが届いたのは数日後。さっそく裏蓋を開けてメモリを増設する。

再 度PowerBookを立ち上げて使ってみるとなんだか快適である。特にアプリケーション切り替え時の動作が体験できるほど速くなった(というか前が遅す ぎたのだが)メモリ使用量を観てみると「現在使用中」という部分の値が750MBを超えている。ううむ。こうであるから以前の640MBではやたらとメモ リの切り替えが起こっていたわけであるか。

と感動したところで新しく快適なPowerBook生活が始まりました、とはならなかっ た。8/21私は実家で無線LANを使っていた。最初は快適だったのだが、そのうち電波の強度がだんだん弱くなっていき、しまいには接続が切れる。うう む、と思うがまあこれは我慢できないことではないし、そもそもどちらに問題があるのかわからない。電波を出す側をこの日交換したばかりだったのだ。

というわけでその問題には目をつぶることにする。自分の家に帰って

「さて、DVDでも観ようか」

と 思いDVDを放り込む。一旦中に引き込まれるが少しDVDが顔を出す。その後また引き込まれるのでうまく行ったかと思えば今度ははき出される。何度やって も同じ事である。ううむ、なんということだ。考えてみれば今回データの移行と立ち上げに一切CD-ROMやらDVDを使わずにすんだのだがそれが為に気が 付かなかったとは。というか今回のようにデータ移行機能を使わなくてはこのパソコンのセットアップもままならなかったのであろう。

と感慨にふけっているのは良いし、あまりパソコンでDVDを観ないので当面の問題はないのだが、いつか大事なところで響きそうな気がする。というわけで修理しましょう、そうしましょう。

と いうわけでAppleに電話をする。頼むのは前に一度やったPick up and deliveryである。この前は結構早く返ってきたので今回もうまくいくのではないか、との予想からである。すると相手はあれこれ「これをやってみてく ださい」と言い出した。考えてみれば何も交換するばかりが能ではない。何かやって直ればその方が遙かに楽だ。相手に言われるままパワーマネージャーのリ セットを行ってみるとなんだかうまく読み込まれる回数が増えた気がする。それを相手に告げると

「本格的にパワーマネージャーのリセットを行うためには2時間電源を切っておく必要があります。それを実行して症状が残るようだったらまた電話して下さい」

と いわれる。はあ、さようでございますか、ということで2時間おとなしく待つ(会社で電話をしていたから、この間は仕事をしていたわけだが)さてやってみよ うとDVDを放り込んでみるがべろっとはき出される。時々うまくいくがやっぱりおかしい。というわけで再びAppleに電話をする。するとやはり修理が必 要ですねえということになる。送ってもらう手もありますが、渋谷にいらっしゃるんでしたら開店したばかりのApple Store渋谷店に行かれては?と言われる。確かに修理に送ったあげく

「不具合が再現しません。」

とそのまま返ってきたら目も当てられない。

と いうわけで8/29日の月曜日、朝の10時にGenius Barというところの予約を取ろうとする。てっきり時間が指定できるものかと思ったら、次に対応可能な時間を自動的に設定されてしまう。受付時間は10時 10分です、とか言われても困る。だいたい今10時5分だが、ここから歩いていってどうやっても10分以上はかかるのだ。

とか文句 を言っていてもしょうがないのでPowerBookを鞄に放り込んで歩き始める。渋谷で働いているとかいいながらこちらの華やかな方って来たこと無いなあ とつぶやきながら丸井の角を曲がる。ええっとこの坂をあがっていけばあるはずなのだが、、と思っていたらビルがまばらになってきた。ううむ。行き過ぎてし まったようだ。えーっとというわけで地図を観るとやはり行き過ぎている。また坂を下る。えーっとここら辺に、と観ながらあるけばちゃんとあった。さっきは どうやってここを見逃したのだろうと言うくらい目立つ造りである。

さっそく店にはいると「Genius Barはどこですか」と聞く。2階だというので2階に上る。階段が透明なガラスでできていてこれが割れるのではないかという恐怖にとらわれる。2階の一番奥にカウンターがある。あそこがGenius Barだろう。

時 計を観れば15分遅れ。別の女性がiPod miniとPowerBookを前に何か話し込んでいる。一区切り着いたところで相手が「お名前は伺ってましたか」と問うので「大坪と申します」と答え る。目の前に数台ディスプレイが並んでおり、そこに「お待ちのお客様」の名前がでている。ここを予約するときに「ディスプレイに表示されるお名前」という 入力欄があったから何かと思えばこれであったか。しばらくぼんやりと待っていたら別の人がでてきて相手をしてくれた。かくかくしかじかと言うと相手はカウ ンターの下からDVDを取り出し入れてみる。ここで全く不具合が再現しないというのは私が抱いていた悪夢の一つだったが幸いなことにPower Bookはべろっとはき出してくれる。もう一度やると飲み込むが、確率5割くらいではき出してくれる。

一週間くらい預けられます か、と言われるから「いや、それは」と答える。では部品が届いたらお知らせしますと言われる。すると相手はなにやら打ち込んでいる。ここで普通なら保証書 の提示を求められるところだが、相手は製造番号らしき一連の英数字をメモしただけであれこれやっている。そのうち伝票がでてきた。どうやら保証書無しで保 証期間中ということがわかるので提示はいらんよ、ということらしい。

話がすんなり終わり私はほっとする。なんといっても仕事中に抜 け出してきたのであまり長い時間になっては困るところだった。それから二日くらいして「部品が届きました」と連絡がある。やれうれしや。これできっとすぐ 直してくれるに違いない、と思ったが今度はこちらの都合が悪い。結局再度Apple Storeに持って行ったのは9/8だった。私は

「ちょっとおじさんはパソコンを修理に出してくる」と言って会社を抜け出す。そのとき隣に座った男がちょっと変な顔をした。

Apple Storeについてみると結構な人数の人がいる。なんだろうと思えばその日の早朝(時差があるから日本国ではそうなる)に発表された新しいiPod、 Nanoをもう発売しているのであった。おわっと思うがまずは修理だ。ほれほれこの通りとGenius Barに物を出すと

「修理に2−3日かかります」

と のこと。何?部品が届いたというから、目の前で修理してもらえるのかと思っていたがそうではないようだ。ううむ。すっかり油断してバックアップも取ってい なかったのが痛い。HDを初期化はしないだろうが、その間仕事もサイトの更新もできないではないか。とはいってもここで他に選択肢はない。私は了解した旨 を述べる。私の顔には苦悩が浮かんでいたのだろう。相手は「なるべく早くやります」と言ってくれた。

次に相手は「修理が終わったら ここに電話すればいいですか」と聞く。そこに登録されていたのは自宅の住所、しかしもしWeek Dayに修理ができあがれば会社から取りに来た方が早いではないか。会社の電話番号に連絡してもらうようお願いする。一階に下りるとレジに長い列ができて いる。iPod nanoを手にした人たちが並んでいるのだ。どれ、と思い手に取ってみるとがびん、となる。なんだこの小ささは、この薄さは。ううむ。これがでると知って いればShuffleを買わずにこちらを買った物をを、と呪いの声をあげたくなるような代物だ。

実は出社直後、あちこちのニュース サイトにnanoの写真が載っていたのである。ふーん、ずいぶんと小さいプレーヤーを出したなあなどとのんきに考えていた。しかし写真と実物では大違い。 実際に手に取ると全てのロジックを飛び越えて買ってしまいたい衝動に駆られる。私が独身の頃であれば(そしてそれはそう遠い昔のことではない)間違いなく ここで一台つかみレジに並んでいたところだ。

落ち着け、落ち着くんだ。今やお前は妻帯者ではないか。それにShuffleを買った ばかりだろう、と自分に言い聞かせることしばらく。ようやくApple Storeを後にする。iPod Nanoを観た興奮が収まってくると今度は確実な現実が頭に戻ってくる。ああ、PowerBookが無い生活って久しぶりだなあ。サイトの閲覧とかは今ま で使っていたPower Bookで可能だけど、何かを作ることは一切できない。まあバックアップがあるだけましか、などとうだうだ考えながら会社に戻る途中にふと気が付いた。

今 日は木曜日ではないか。ということは明日修理ができなければ家に連絡してもらうしかない。俺は何を考えていたんだ、と考えていてもしょうがない。金曜日は 健康診断で数時間病院に行く。会社に戻るが連絡は来ていない。となると連絡は家で待つしかないわけだ。Apple Storeに連絡をしてその旨告げようとしたが、なかなか電話がつながらない。しょうがないから、メッセージを残しておいた。これで本当に通じるかどうか 不安だっったのだが家に帰るとApple Storeから連絡があった旨をつげられる。本当に早く修理してくれたわけだ。

というわ けで翌日は土曜日だが渋谷に向かう。PowerBookを受け取るとご機嫌である。たった二日だが、やはりいつものマシンがない状態というのは何かと不便 に感じる。さて、これでようやく新しいマシンで快適な生活が、、と思っているがそういえば無線LANはどうしたのだろう。実はカードのせいかもしれん、と 思い前のPowerBookから外したカードを付けたのだが、果たしてこれで改善されたのかどうかわからないのだ。だって、無線LANがテストできる場所 ないんだもん。

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注釈