映画評

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名探偵ピカチュウ:POKEMON DETECTIVE PIKACHU(2019/5/11)

今日の一言:ポケモン世界への深い敬意

無理やりカテゴリ分けすれば「子供向け」ということになるのだろうか。しかし日本のポケモン映画とは全く別レベル。

行方不明になった父に記憶を失ったピカチュウ。彼らに何が起こったのかを探っていく道筋もハリウッド映画でよく見るパターンだがしっかりしている。主人公だけがピカチュウとしゃべることができる。そしてピカチュウの声はオヤジ。なぜそうなるのか?この映画はそこも手を抜いていない

ストーリーが練られているだけではなく、登場するポケモンが見事にリアル化されている。最初予告編を見た時ピカチュウが「こんなにもしゃもしゃ?」と思ったが映画を観始めて数分で気にならなくなる。他のポケモンの造形も見事。というかこの映画見た後だと雑魚ポケモンと思っていたコダックが恐ろしくなるな。

そこから窺えるのは、この映画の製作者が多くの人に愛されるポケモンの世界に深い敬意を持ってこの映画を作ったということ。お見事。

ちなみに英語の発音がとても明瞭なので、英語の勉強にも役立つと思いますよ。


グリーンブック:GREEN BOOK(2019/3/09)

今日の一言:真面目に地味に

私が生まれた頃、人種差別が色濃く残っていた米国のディープサウス。そこで演奏ツアーを行おうとした黒人ミュージシャン。彼はドライバー兼用心棒を雇う。選ばれたのがアラゴルンことヴィゴ・モーテンセン。いや、お見事。あの痩せ型ハンサムの印象と全くことなるイタリア系アメリカ人のデブ。イタリア訛りの英語も少なくとも私にはちゃんと聞こえる。さすがプロの役者。

黒人ミュージシャンは、音楽の才能に恵まれ金持ちなだけでなく悩みの深いインテリでもある。劇中でも言われるがヴィゴの方がはるかにTrash。そんなふたりは南部を旅し続ける。最後の最後まで拳銃を出さないところが、プロの用心棒というわけだな。

「平均的なアメリカ人」という言葉ほどバカバカしいものはないと思っている。あまりにも地域によって文化が異なり平均をとることに意味がないのだ。南部で警官に止められることと、東部で警官に止められるということの意味の違いはどういうことだろう。旅先でようこそいらっしゃいました、とうやうやしく迎えた白人は、絶対に自分たちと同じトイレは使わせないし、レストランも別。

そんなアメリカをインテリ黒人とTrashな白人が旅し続ける。異なる二人が旅を通じてお互いを尊敬しあうという典型的なロードムービーであり、劇的な転換点やわかりやすい対立があるわけではない。一回だけ黒人は自分の悩みを叫ぶが、それに対してWhite Trashは何も語らない。しかし最後には観客の顔にもおだやかな笑顔が浮かぶ。お見事。

極めて真面目に作られたよい映画と思う。アカデミー作品賞を受賞するほどいい映画化どうかわからないが、そんなことはどうでもよい。


メリー・ポピンズ リターンズ:MARY POPPINS RETURNS(2019/2/02)

今日の一言:エミリー・ブラントに1000円

実は前作を見ていない。有名な映画だからところどこのシーンは何度も見たけどね。なんだか空から傘をもったお姉さんがが降りてくるのでしょう。

というわけで見始める。舞台はロンドン。冬だからそらはどんより。そこに明るい歌を歌う街灯係のお兄さん。そのアンバランスさがちょっと面白い。

前作子供だった男が大人になり、子供が3人。しかし妻は死別してしまったらしい。このパパのダメ男さ加減を見ているとイライラする。借金し特に理由もなく返済を怠ったがために家を差し押さえられる。うん。それはしょうがないよね。そこまでやっておいて「よよよよ。奥さんが生きていれば」とか、あんたバカ?

でもって差し押さえする銀行の頭取がコリンファース。なぜ彼がそうも差し押さえたいのかも「もうかるから」ではよくわからん。最後種々の事情によって時間をかせがなくてはならない。街灯係の一団がビッグベンによじのぼって一生懸命するのだが一歩及ばない。突然メリーポピンズが空を飛びあっさり助ける。あんた最初からそうしなさいよ。メリル・ストリープもどう考えても余分としか思えぬし。というわけで昨今のディズニーの伝統に従い話の筋はどうにも弱い。

しかし

そんな不満を忘れさせてくれるのが、私が最近愛しているエミリーブラント。彼女はまず立ち姿が美しい。背筋がすっと伸び、キリッとした立ち姿は原作に近いという「ツンツンしたメリーポピンズ」にぴったり。そして踊りの素晴らしいこと。長い手足を存分に活用して見事なダンスを披露する。歌は今ならどうとでも上手にできるが、この踊りまでは(多分)CGでなんとかはならんだろう。彼女がでてこない場面でも群舞がすばらしい。

というわけで、この映画に支払ってもいいと思う1080円のうち、1000円はエミリーブラントに払いたい。彼女を見ていると、邦画にでてくる歌も踊りも演技もできず静止画すら作れない「芸能人」とは一体なんなのかと思えてくる。


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注釈