題名:HappyDays-58章

五郎の入り口に戻る

 

日付:2000/2/1


58章:セリーグの優勝について

さてその日はなんだかはっきりしない曇り空だった。その日の合コンはマニュアル娘と管理女が出席するものであったので、こちらとしては全く気楽なものであった。だいたい相手がどんな人がくるか判っているし、まあなごやかに会話をして酒でも飲むかという感じである。

ところが一つだけ懸案事項があった。当日は名古屋において行われる某野球の試合において優勝が決まる日であったのである。在名古屋球団がまければ問題はない。しかしながら勝ったとするとおそらく名古屋駅周辺はかなりあれることであろう。そして合コンの場所もまさに名古屋駅周辺であった。

いまさら野球などに興味はないし、どこが優勝しようと特にかまわないのであるが、とりあえず人の合コンのじゃまだけはしてほしくないな。。。。と思いながら半日を寝て過ごした。

さて休養をたくさんとることができた私はとりあえず幸せであった。へれへれと名古屋駅ななちゃん人形前に向かった。

ついてみれば、そこにはテレビが設置され、妙なひとだかりでもりあがっている。すでに某球団の応援を始めているのである。すごいひとだかりで試合の状況は全く見えない。まあはっきりいえば私にはそんなことはどうでもよろしい。他の人間はどうしたのだろうと思いながらきょろきょろしていた。

まもなくマニュアル娘が見つかった。ふたりで「うるさいでんな」とかなんとかいいながら他のメンバをまっていた。

今回最後に現れたのはLuckyであった。とはいってもおそらく待ち合わせ時間よりも前だと思うが。さて仲良く6人の男女は白札屋に向かい始めたのである。

中に入ってみれば案内された座席は格好の座敷である。配置は以下の通りである。

さてこの配置もいつもの合コンスペシャルというやつである。とりあえずツテ同士は離れて座っている。あとは男女互い違い、この座席パターンで考えると、以下のような組み合わせが頭にうかぶ。管理女-Lucky,私ーアルミ、マニュアル娘-HNYである。私としては前の管理女としゃべるかアルミとしゃべるかの選択肢しか無いわけであるが、管理女とはもう既にいろいろな機会でしゃべっているので、今度は新顔のアルミと話したいと思ったのである。ちなみにアルミはアルミサッシの会社につとめているのだそうだ。

最初の自己紹介のあと、私は上にのべたような会話関係を実現するべくアルミと話し出した。彼女の話はこれまた興味深いものであった。彼女の会社では不倫が横行しているのだそうである。「どこの会社もそうなんじゃないですか」と言われて、「隣の野原できじをみかけるようなのどかな田園のなかにある工場ではそういったことはあまりないようだよ」と答えた。

なんでも彼女の友達は社内の3人とつきあっていて、上から44、31、25だそうである。「それでよく体がもちますね」と言ったら、「そのうち二人としかしていない」そうである。ちなみにその二人とは44と31だそうだ。体力温存の点からみれば極めて妥当な選択だ。25の男こそいい面の皮だ。その男は「なんで応じてくれないのかな。ひょっとしたらすごく純情なのかな」と思いながら、誕生日に一生懸命プレゼントなど送っているのかもしれない。そしてその哀れな男の姿はそのまま少し前の自分の姿でもある。

 

さてそういう会話に興じていたが、ふと気がつくとあとの4人が今一つ盛り上がっていない。これはいけない。幹事としては全体の会話を盛り上げることに第一の義務があるのである。そこで皆でしゃべるパターンに切り替えようとした。

いろいろ考えたあげく万人うけする映画の話をもちだしたのであるが、これは私が意図したような成功とはならなかった。理由は二つある。アルミは映画好きだと自称する映画マニアである。ところがマニアすぎて彼女が上げる映画の名前は誰にもわからないのである。もう一つの理由は前に座っている管理女である。彼女は反対に全く映画をみないそうで、なんと「ローマの休日」すら視たことがないそうである。これでは全く会話の盛り上げようがない。そのほかにも管理女は話題を探すのに苦労する相手であった。とはいっても話がはずまない訳ではない。彼女はどちらかといえば待ちの姿勢で会話をする人なのだろう。

さて待ちの姿勢で会話をする人間がもうひとりいた。HNYである。この男は最後の10分を除いてはほとんどしゃべっていない。会話が今一つ静かなのはこの事実にも幾分原因がある。彼もちゃんとしゃべるときはしゃべるのであるが、どうも今回は待ちの姿勢が多いようだ。

まあそうはいいつつもなんだかんだと会話は進んでいった。結果的にはLuckyが左右の女の子を相手にして奮闘することとなった。彼にとっては過酷な状況であったかもしれないが、その役割を立派にこなしていた。

さて気がつけば時間は9時近くなっている。そろそろ野球も決着がついたころだ。この中では管理女が在東京球団ファン、あと残りが在名古屋球団のファンである。私は49ers,とStanfordが勝ってくれればどうでもよい。トイレにいったマニュアル娘がなかなか帰ってこないなと思っていれば、彼女が「管理女よかったですね」と言った。なんと彼女は実家に電話をして野球の途中経過を聞いていたのだそうである。その時点で、既に在東京球団が大量リードしていたそうである。管理娘は幸せそうだったが、他の人間はとたんにげんなりしてしまった。

沈み切った一同の雰囲気をみて、私は「それでは」ということで、白札屋をあとにした。そして有無を言わせず名古屋駅に向かい始めた。

 

先ほど街頭テレビに群がっていた人間はまだ歓声を上げている。私はうっとうしいので「あそこを迂回しましょう」と言った。その提案は「大坪さんってさめてる」と言われて一同の反対をうけた。彼らはあの人の群に加わりたいのだそうである。

街頭テレビの前についてみれば結構な人だかりである。彼らは一様に歓声をあげているが、敗色濃い戦況を反映してか、今一つ大人しめのようである。私にとってはどうでもいいことだ。そのうち一人巨人ファンの管理女は一人離れたところに移った。

まもなく勝負が決まった。人だかりは三々五々去り始めた。まもなく管理女を除いたメンバがそろった。そこから管理女を捜して15分ほどさまよった。まもなく女の子達が彼女をみつけた。管理女は「離れたところで一人冷静に視ていた」そうである。。さて全員がそろったところで、私は「バスでかえりますから」と言って皆様とおさらばした。

 

今日も疲れた。早く帰って寝よう。

 


注釈

おさらば:ちなみにこの後残ったメンバは某ホテル前までいって、某在東京球団の選手が帰って来るのを視たそうである。本文に戻る