題名:HappyDays-6章

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日付:2000/4/1


6章:4人対4人の御見合い

10月10日は日本晴れ。夜にはCが幹事、Cの友達妹合コンが行われるのである。

さてこの合コンにあたって私は幹事であるところのCとひとつの約束をしていた。それは幹事でありなおかつCの高校時代の友人(♀)の前ではCという名前をつかわないこということである。実のところこいつの呼び名の由来は最初のぎこちない数分の間をうめるのに格好の話題なのであるが、Cがいやだという以上しょうがない。私は彼に合コンの間は彼を本名で呼ぼうと約束したのである。

 

その日の待ち合わせ場所は例によってななちゃん人形の下であった。私はそこに30分前についた。そしてやおら少し難しめの本を広げて読み始めた。これを寮で読もうと思うとかならず寝てしまうのである。そこで他にすることが無い状況に自分を追い込んで、読書をすすませようという魂胆から、わざわざ少し早めに来ていたのである。しかし私の最近の体力の状況は立って30分も本を読むことを許さない。多少めだつとは思ったが、ななちゃん人形の足元に座り込んで本を読んでいたのである。

本は非常におもしろかったので、時間になったのも気がつかなかった。それでも自分の目の前に結構きちっとしたみなりをした女の子3人組がいるのは気がついていた。ただし、相手は4人組だと思っていたので、まあ関係ない女の子達なのだろうなと思っていた。

そのうちサスペンダをひっぱられたので振り向いたらそこに立っていたのはCとDであった。そしてそれと同時にさっきから私の前に立っていた相手とCが話しをはじめた。なるほど私は彼女達にななちゃん人形の足元に座って本を読みふけっている変人という姿を数分にわたってさらしていたわけだ。

なんと相手は都合によって3人なのだそうである。これまたいつかの合コン のようにワンピースできめた3人組であった。会話の感じからするにショートカットのお姉さんがCの相手のつてなのだろう。ほどなくして自爆男が現れて7人で予約をしてあった白札屋に向った。

さて今回の席順については幹事であるところのCがすでに腹案をもっていたようである。しかしおそらく相手が一人へることは計算にいれていなかったに違いない。最初少し混乱があったが決った席順は以下のようである。

Cの最初の意図は妹に私を紹介しようということであったから私と妹が対面になっているのは当然だ。また伝統にしたがって幹事であるところのCと姉がほとんど対角線に座っているのも当然だ。ただしこの座席関係だと自爆男とDにとっては話す相手は既に結婚している姉だけになってしまう。まあこれも合コンの常だからしょうがないか。

 

さて例によって例のごとく自己紹介のあとに合コンがはじまった。その他(♀)と妹はカ○○で働いているのである。姉は○○ホテルだかなんだかで美容師さんをしているのだそうだ。男については例のごとく省略である。

 

さて今回の合コンでは会話のパターンとして(細かいところは別として)だいたい私、妹、C、その他(♀)の4人と自爆男、姉、Dの3人というパターンで話しが進んでいた。

話しの内容は例のごとく別にたいしたことはない。一つ印象的だったのは妹が「絶対最後まで聞いてくださいね」と前置きして話してくれた、サンリオのケロピーのビデオの話しであった。記憶によれば次のような内容である。

ケロピー達がみんなで明日見る映画の話しをしていた。それはある王子に関するもので、彼らの間でその王子が臆病者であるという意見と勇敢な人であるという意見二つの意見があったそうである。

さて翌日実際に映画をみている間にケロピーは映画のなかに飛び込んでしまった。そして臆病者である王子をはげまして勇敢な人にしたという話しであった。結果として前日の彼らの議論は両方ともただしかったわけだ。

この件に関して自爆男の感想を聞こう。

「確かにかわいいんですけど年齢を考えたら少し悩んでしまいました」

私は別にコメントはしない。ちなみに双子の姉妹は28である。

その他(♀)について特に書くこともない。彼女と「男と女とどちらがいいか」というシリアスな話しをしたが、これは間違いであった。合コンにおいてシリアスな話しをするのは間違いだと一年前に実感した にもかかわらずまた同じ過ちをしてしまったことを後悔した。まず第一に明るく楽しく騒ぐ合コンにシリアスな話しは似合わない。第2に酒の場で(合コンに限らず)シリアスな話しになると、だいたいにおいて相手は不敗の立場に立っている。従って論議が不毛におわることが多い。

不敗の立場というのは、相手が間違っているということを指摘することを主目的とし、自分の主張の一貫性には目をつぶるという態度である。この場合最初と最後で言っていることが矛盾していたとしても、常に論理的に議論を進めようとする相手に対し、自分の立場を臨機応変に相手と反対の立場において、「それはおかしい」と言うのである。したがってどこまで行っても相手がおかしいことを指摘できるので、必ず論議に負けないわけである。この時彼女が何を言っていたかいまだに理解はできない。でも私が間違っていると言っていたようだ。もちろん私が酒によっていて理性を失っていたのかもしれない。きっとそうだろう。

というかおそらく正しい態度は、それをジョークとしてうけとめることだろう。大体酒の席で真面目な話しなどおかしいのである。不敗の立場に立つ臨機応変な会話を冗談として楽しめるくらいでなくては大人とは言えない。

それは別として、私のとなりのその他(♀)は普通に話していても楽な相手ではなかった。しかしCにとって机をはさんで遠距離でこの女の子と話すのは不可能であろうから、私にとって残された道はときどき前の妹と話しながら、主に右を向いてその他(♀)と話すことなのである。妹の相手はそれこそ肩がふれあう距離に座っているCにゆだねることになる。これは私にとって自分の葬式にでるより少しはましといったような状況であった。

となりのグループではDと姉が結構もりあがっていた。姉は妹と感じは似ているのであるが、早く結婚するのがうなずけるような相手であた。なにがどうと指摘することは難しい。明るく元気で男が気にいるような方法でわがまなのである。こういう女の子はえてして男の子にもてるものである。私だって彼女が結婚していると知らなければ、彼女の方をむいて話していたかもしれない。

さて話しが進んでいる間にいつしか2時間をすぎようとしていた。そろそろお開きの時間なのである。ようやく私は自分の葬式から解放されるわけだ。

 

Cが幹事としてお金をはらっている間、私はひとりで店の外に出ていた。他のメンバは中にいたが私は外の空気が吸いたかったのである。そこにその他(♀)が出てきた。しかし宴会がお開きになった今となっては彼女と話すことなどなにもない。

 

帰り名古屋駅にむかう途中の図柄はこうであった。前に歩いている妹とその他(♀)。その後ろに始めは私一人で歩いていたが、結局私と自爆男とD、後ろに幹事であるところの姉とC。ななちゃん人形の前についたあたりでCか姉かが「どうする?」と言ったが、妹は「もう遅い」 という感じだったし私は「時間も時間ですし」と言った。

私と自爆男は地下鉄で帰った。他の4人は名鉄で帰って行った。帰りの地下鉄の中で自爆男は姉の指に指輪を発見したときのショックを語ってくれた。(不幸なことに彼は事前に姉が結婚しているという話を聞いていなかったのである)

彼はまた昨日行われた中山美穂合コンについても話してくれた。結局男女一人ずつ欠席して3人ずつの合コンになったそうである。相手のメンバは知多ギャル、桑名ギャルそれと中山美穂である。会話のパターンとしては知多ー自爆男、桑名ーSB、そして中山美穂ーCだったそうである。自爆男の観察によればCと中山美穂は盛り上がっていたそうであるが、Cの言葉によれば「料理がおいしかった」そうである。

 

そして私達は寮に帰って安らかな眠りにつくことになった。


注釈

いつかの合コンYD合コンである。本文に戻る 

一年前に実感した:このときは別の合コンで、話題は「雅子さまは外交官として仕事を続けるべきか皇室にはいるべきか」であった。

私は皇室にいたほうが色々制限もあるが、他の国の一般大衆に広くアピールすることができるので、新しい日本の女性をアピールするという立場からは良いのではないかと言った。彼女の反論

「皇室なんていつ無くなるかわからない。だから外交官でキャリアを研いてもらいたい」

この会話をしたことを非常に後悔したのにすぐそれを忘れるのが情けないところである。ちなみに彼女は最後のほうは自分のすねのあたりをボリボリと掻き続けていた。これもいわゆる一つの自分の葬式にでているかのような合コンであった。本文に戻る