ごんざれふ賞2019-2020

2020-03-02 07:35

花粉やらコロナやら騒ぎになっている影で、インフルエンザもひっそりとがんばっています。つつが虫に噛まれていまんか?

などと言っているうち今年もやってまいりましたごんざれふ賞。例によって受賞資格があるのは「私が」2019/3/1-2020/2/29までに観た映画です。公開がどうとか細かいことは知りません。

では早速行きましょう。


作品賞:

 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

観ている途中ふと不安になる。タラちゃん。なんだか退屈だよ。どうしたんだ?

そしてその不安と不満は映画の終盤涙に変わる。5chで読んだ

”死んだ人が夢にでてきて、生きてたんだと夢の中で泣く。目が覚めてやっぱり死んじゃったんだ、と気がついて泣く”

とあったそのままの映画でした。そこにあるのはタラちゃんの映画と人間に対する愛情。


 ジョジョ・ラビット

戦争を、陰惨な差別、虐待をコメディで真面目に描く。こう書くと矛盾しているように思えるけど、それがちゃんと一本の映画として結実している。この事実には驚きしかありません。こういう映画こそ文部省特選にして全国の中学校で上映すべきでは。


主演男優賞:

ヒメーシュ・パテル@イエスタディ

突然スターになった(そして本人だけが自分の功績でないと知っている)男の戸惑いを見事に表現したのと、歌がよい。


レオナルド・ディカプリオ@ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

今まで「がんばっちゃいるけどなあ」という感想しかもちえなかったディカプリオ。しかしこの映画で見せてくれたフラストレーションにまかせての大暴れ、その後演技の達成感からの涙。いくつかのシーンが記憶に残っています。


主演女優賞:

スカーレットヨハンソン@ジョジョ・ラビット


お色気を完全封印して、旦那のマネまで含めた多彩な芸。お見事。


デイジー・リドリー@スターウォーズ-スカイウォーカーの夜明け

あんまりこの評価聞いたことがないけど、最後の対決の「超がんばる顔」は見事でした。


助演女優賞:

ダコタ・ファニング@ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

いやー、怖かった。かつての正統派美少女も芸の幅が広がったなあ。


助演男優賞:

サム・ロックウェル@ジョジョ・ラビットリチャード・ジュエル

いや、素晴らしい。私はロバートダウニーJRにはなれないけれど、クレツェンドルフ大尉を目指そう。


さて、今年は他にもいくつか部門があります。


音楽賞:

イエスタディ

ロケットマン

両作品ともすごかったですね。昨年のボヘミアン・ラプソディに引き続き、今年も楽しませてもらいました。


撮影賞:

1917

というかこの映画を見るまで「なんでアカデミー賞に撮影賞なんてあるんだろう」と思ってました。


見事につないだで賞:

スターウォーズ-スカイウォーカーの夜明け

ドクタースリープ

アベンジャーズ/エンドゲーム

エピソード8で明後日の方向に行きかけたシリーズをぐいっと引き戻しちゃんと落とし前をつけるスターウォーズも見事なら、原作と、それに反発して作られたドラマまでまとめて引き受け結末をつけてみせたドクタースリープも見事でした。わちゃわちゃヒーローがでてきて、無茶苦茶強い敵もでてきてこれまたどうするんだろう、と思っていたシリーズを円環にしたのもお見事。


原作をリスペクトしたで賞:


名探偵ピカチュウ

原作に深い敬意を払いながらも、原作で「いかがなものか」という点にちゃんと説明をつけ一本の映画として仕上げて見せる。長きにわたって小学生にしか見られないポケモン映画を作り続けている人たちに見習ってほしいものです。


そして最後はみなさんお待ちかね。


観てしまったなかで最低映画賞:

スペシャルアクターズ

今年も昨年に引き続き丙丁つけがたい-1800円の映画が豊作でした。とくに邦画が。前評判を知っていて見たCATSとかはまあしかたないとして。

しかし選出に迷いはありませんでした。どうやってこの監督があの「カメラを止めるな!」を作ったのか?大学生が学園祭向けに作ったような画面を観ながら何度自問したかわかりません。商業映画のレベルに達していない脚本、役者、撮影。ああなぜあのカメ止めが。


さて、3月の訪れは「ごんざれふ賞」の終わりであるとともに始まりでもあります。この一年私はどんな映画に出会うことができるでしょうか?